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プロ野球、人生の記憶に残る3試合

2023 OCT 17 13:13:33 pm by 東 賢太郎

僕が野球の記事を書いてるのはすぐ忘れるからだ。東京ドームに出かけてずいぶんたくさん観たが、何を覚えてるかというなら、周囲で一斉に勢いよくオレンジタオルを振り回されてホコリがかなわんなが一番、前の席の女の子がいつも宮国のユニホームで渋いなあというのが二番だ。録画しておいてもみたことがない。要は、終わった試合というのは基本的にどうでもいいのだ。

それでも、一生忘れないという試合が2つある。まず第一は神宮の一塁側で息子と目撃した「七夕の奇跡」。広島が9回に5点差をひっくり返したこれはもはや球界の伝説になっている。

代打新井。「そうか新井さんがいたか!」「なんか打ちそうだな」とつぶやいた記憶がある。打った、入った、茫然。天を揺るがす大歓声。ベンチに戻った新井がはしゃいでない。あの試合はそういうものではなくなっていた。帰り道、地下鉄の中の言葉は「野球は怖いな」だ。あれから6年。小川投手はエースで健在だ。ノーノ―もやった。体も心も強靭な、本当に素晴らしいピッチャーである。

第二に、中村兄と博多に行ったおりに中島兄が手配してくれたオリックス戦だ。9回に4点差をひっくり返した柳田のサヨナラホームラン。まさかまさかという空気だったがやっぱり出てしまった。茫然。ペイペイドームを揺るがす大歓声に花火。打たれたクローザーの佐藤を心配してしまった。彼もその後は難なく立ち直っていたからさすがだったが、オリックスファンの故中村に勝ちを見せてあげたかった。

奇跡の逆転サヨナラホームラン

そして、昨日のパリーグCSファーストステージ第3戦、これはテレビ観戦だが人生三番目に来るだろう。この試合でセカンドステージ進出が決まる。ロッテ小島、ソフトバンク和田と両先発が好投して9回まで0-0の息詰まる展開。しかし10回表にロッテ5番手の沢村が打たれて3失点と予想外のことがまず起きる。万事休す。誰もがそう思った。ところがその裏、代打・角中が10球粘ってヒット。荻野はボテボテの内野安打。まさかとは思ったが次は藤岡。「ホームランないんだよなあ」とつぶやいたら同点3ラン。さらに岡がヒットで打席に安田。ライトはフェンスまで後退。右中間に2ベース。まさかとは思ったが岡が凄い走塁でセーフ。サヨナラ。

中島兄はじめすべてのホークスファンには悪夢だったろうし、仕事疲れで半分居眠りだった僕は仰天し、すぐにオーナー(ほんもの)にショートメールしたら「もうダメだと思ってたよ」と即返事。そしてホークスはすぐに藤本監督の退任、小久保二軍監督が昇格のニュースが出た。そのぐらいのことだった。藤岡は公式戦でホームラン1だ。なんということだろう。どうしてもピッチャーが心配になってしまうが、打たれた津森はマウンドで泣いていた。打った方が見事だったんで仕方ない、野球はこういうことがある。それにしても9回にフライを追って頭を打った三森は大丈夫だろうか。

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