壮絶な戦い(ロッテ・阪神戦に感動!)
2023 JUN 6 1:01:28 am by 東 賢太郎

午後11時7分ゲームセット。5時間7分。昨日6回1安打の佐々木朗希に才木が完封で土をつけた壮絶な試合の余熱があったかプロとプロが死力をかけて甲子園決勝みたいなガチンコ。選手はアドレナリン出まくり。見る者はくぎづけ。
どっちもあまり見てないから知らない選手もちらほら。うまいなあ、プロだなあ、とため息の連続。こりゃ何時間でも見ていたい。こんなこと滅多にないからこうして書かざるを得ない、この試合をずっと覚えておきたい。
阪神先発は初めて見る左腕・桐敷、ロッテは小島。まあこんなもんかという感じが一変したのは5回。ロッテが4点取った裏に阪神4番大山が放ったスリーラン。言葉なし。6-4と逆転。すると7回にロッテ5番山口がこれまた激烈なスリーランで6-7にひっくり返す。そして8回に阪神が追いついて7-7だ。
こういう経過で緊迫したのはある。しかしそれだけでここまで感動はしない。
ここから両軍ギアが入ってロッテは中継ぎの東妻が三者三振、坂本が三者三振、横山が二者三振で8連続三振。凍りつくしかない。かたや阪神。岩崎、加治屋、ケラーが凄い球を投げて最後は湯浅が2三振取って終わりと思ったら岡が三振でシメに来た渾身の速球を中前に打ち返して、これはもう本当にプロ。言葉なし。
この試合、延長12回までやったのに阪神はフライがないなと思っていた。いま数えてみたら外野フライ3つ、内野フライはゼロである(ロッテは計9個、普通はこのぐらいある)。150キロ投げる投手オンパレードだからポップフライが多そうだがちょっと考えられない。16個と三振が多かったのはあるが、打者が振りきってコンタクトできてた印象がある。そんなロッテ投手陣から本塁打、二塁打を打った大山がいかに強力な打者かということである。阪神打線おそるべしだ。しかし、その打線をロッテ投手陣がねじ伏せたということでもあり、これまたそれに輪をかけたド迫力。興奮度は相撲にたとえるなら輪島・北の湖の全勝対決。細かいこと書き出したら無限にあるからやめ。こういうものを5時間も楽しませてもらって感動は「神々の黄昏」か「パルシファル」を観たに匹敵する。阪神OB狩野氏の解説は良かった、とても勉強になった。
今年はセリーグはぶっちぎりで阪神だろう。カープ打線、ときどき大量得点で大勝ちするが、それは弱いチームの特徴だ。揺さぶられて術中にはまって当てに行って力ない小飛球というのが目につく。実に情けない。阪神は近本、中野の1、2番からそんなバッティングしてない。新井監督、たのんだよ。
東妻 勇輔・・高速クイックで150。梅野、木浪、ミエセス三振
坂本 光士郎・・左で150。ヤクルト時代と別人。近本、中野、ノイジー三振
横山 陸人・・サイドで150。大山、佐藤三振。島田投ゴロ。
攻めまくり。こんなの誰も打てん。ロッテのブルペン強烈。
プロ野球は本当にいろんなことがある
2023 MAY 13 20:20:12 pm by 東 賢太郎

広島が延長12回表に2点取って4対2。ここまではナイスゲームだった。病み上がりの森下が試合を作り戸根、ケムナ、島内、矢崎、塹江が無失点でつないだ。そこでまかされた12回裏のシメの松本。不調なのかビビったのか知らないが、いきなり丸に1球もストライクが入らない。そしてアップアップして坂本にヒット、重信にまたまた四球で無死満塁。秋広、ブリンソンに打たれて5対4のサヨナラ負けだ。
はじめから打たれたなら仕方ないが、松本くん、ストライクが入らない奴なんてのは170キロ出たってピッチャーと呼ばないのだよ。もちろん人間だからいろいろある。いや、そうだからこそ、戸根~塹江の5人の救援投手全員がテンション高く、まかされた1イニングを必死で零封したのは凄いことなのだ。凄いことの5乗である、超絶の偉業。それをぶち壊したということよ。当然そう思ってるだろうし栗林の仕事は大変なんだろう。大変なんだったら単に役不足でクローザーは降格。それだけのことだよ、理由が技術であれメンタルであれ、プロなんだから。だからできる奴は億円単位のカネをもらえるんだから。
ちなみに10回に投げた矢崎は当たってる秋広を全球ストレートで空振りの三振に仕留めた。振っても1度も当たらなかった。ガンがすべてじゃないが松本は147キロしか出ない。秋広から空振りをとれずレフトに運ばれた。僅差に見えるがレベルは段違いだ。矢崎はどこに投げてもそうは打たれない。松本は打たれるよ。なら少しは頭使ってまともなコントロールをつける練習でもしろ、プロなんだから。島内もそうだったがカーブかチェンジアップか知らんが球速をガクンと落した変化球で空振りをとれるように進化して安定感が出てきた。何も考えんで使われていると先輩たちの二の舞で中継ぎで潰されるぞ。
ところで場外乱闘の話ではあるが、西武のドスコイ男の事件はさまにならんね。WBCもこどもの日もぶち壊し。こいつは男としてもダメだ。メジャー級の本塁打生産能力は高く買っていただけに残念としか言いようがないが、こんなのが大谷を見てどうのなんて人間レベルで語る水準にないよ。野球選手はモテる。酒飲んで少々ふらついてもね、昔なら武勇伝だったかもしれないし息抜きも必要だろうし何もかもダメなんて言う気はないわけだが、それで図にのって甘ちゃんにやってたらひどい目にあうよこれからは。もう少し時事感覚というか、ニュースぐらいは見て世の中の空気考えてね、LGBTなんて野党かと思ったら与党が言いだす時代なんだから。
今回の被害者はお気の毒だしいろんな意味で厳正なさばきがあるだろうし、知りませんでした軽率でしたでは済まない。ただ、本件は別としても、だんだんそういう空気になってくるとこれからはわからない怖さも感じてしまう。男女間のことは基本的に法が介入できない。逆手に取って、法に触れないなら何やってもいいなんて世の中には悪いのもいるのであって、社内のセクハラだって騒ぎになれば(騒いだのが女でも男でも)人生終わってしまう。ならばトラップしてカネゆすってやろうなんて輩も出てくるかもしれない。野球選手は野球しかやってないからウブでもあって、苦もなく引っかかるだろう。ファンとしてそういうものに毒されてほしくないと願う。
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今年のプロ野球予想
2023 APR 1 14:14:13 pm by 東 賢太郎

開幕してしまいましたが今年の予想です。
セリーグ
1・ ヤクルト
2・ 阪神
3・ 横浜DeNA
4・ 巨人
5・ 中日
6・ 広島
パリーグ
1・ ソフトバンク
2・ オリックス
3・ 楽天
4・ ロッテ
5・ 西武
6・ 日ハム
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元巨人軍の角 盈男投手のお店
2023 FEB 10 23:23:26 pm by 東 賢太郎

恵比寿の駅近にある「昭和歌謡曲バー m‐129」というお店。我が世代には懐しいムード満点でおすすめです。元巨人軍の角 盈男投手が奥さんとやってます。
「あのね、カープファンなんです、すいません」「こちらこそ、カープは稼がしてもらいました(笑)」「そうでしょ、テレビ中継でね、1点負けてて『ピッチャー角』ってアナウンスきくとね、嫌なの出てきたなっていつも思ってましたよ(笑)」というのが初対面の挨拶。
もろ同世代なんで盛り上がり、あのころの有名選手の裏話を教えてくれ、今の野球界の監督事情などええそうだったのかという面白い話が満載。楽しかったですね。1978年にドラフト3位で入団して新人王。巨人のリリーフエースで、オールスターに2回出場、日米野球ではメジャーリーガー相手に7連続奪三振をやった人とは思えぬ気さくさ。ちょっと仕事で疲れてて最高の息抜きをさせてもらいました。連れてってくれたFくん、ありがとう。
これがその店、そのテーブル、その席でした。
https://youtu.be/xbq0y8xtPh0
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祝・ロッテ2軍監督にサブロー氏が就任!
2022 NOV 11 23:23:02 pm by 東 賢太郎

たまたまオペラの帰りに鰻が食べたくなり、大井町の「うなくし」へ行って、そういえばサブロー元気かなと噂してました。なぜならこの店、彼に教えてもらったんです。そうしたらなんと、数日して「ロッテ二軍監督就任」の吉報が!「いままで勉強したことを存分に発揮して強いロッテを作りたいと思います」と心強いメールまで届きました。
今年、僕は優勝はロッテと自信をもって予想したんですが大ハズレでした。佐々木朗希の完全試合は湧きましたが、外人が共倒れで日本人バッターも若手がだめだったのが響きましたね。安田、藤原というと高校時代に全国の野球ファンを熱狂させた、誰がどう見ても日本球界ピカ一の素材なんですが、どうしてヤクルトの村上みたいに伸びないのか不思議でならなかったのです。そこで未来を背負う若手のど真ん中にドンと置かれたミスター・ロッテのサブローさん(いや大村監督)、まさしく絶妙のタイミングですね。
飲みながらきいた「対戦してみてベストの投手と打者」は(前に書きましたが)かなり “意外な人たち” です。そうなんだろうけど、そう見ている目線がユニークで、普通の選手じゃないなと思いましたね。「全盛期の松阪じゃないの?」ときき返すと「彼は得意だったんです。4割ぐらい打ってます」とさらっと言う打撃理論は、ということは、間違いなく凄いものなんですね。それ、興味あったので詳しく教わりましたが、残念ながら僕にわかるようなものでないです。だた、それを伝える語り口がいいんですね、自信とオーラに満ちている。何事であれ、あそこまでやった男は一流です、一味も二味も濃いんです。ちなみに(こうなると企業秘密だろうから書きませんが)「こうやればロッテは優勝します」「なるほど!」という会話もあり、実際に2度の “下克上” 日本一になってるので説得力もあります。あっという間に若手のリーダーになりますね。一軍打撃コーチになる2千本安打の福浦氏とも仲が良く、いまから来年が楽しみです。
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今年の日本シリーズを予想する
2022 OCT 22 9:09:51 am by 東 賢太郎

野球はエースと4番だと思ってます。パリーグはオリックスの劇的な逆転優勝になりましたが、楽天は両方を、西武はエースを欠いていたため脱落し、最後に争ったのは両輪がそろっている千賀と柳田のソフトバンク、そして山本と吉田のオリックスでした。セリーグも今永と牧のDeNA、青柳と大山の阪神がAクラスと健闘しましたし、20本塁打が5人もいる巨人が4位だったのも岡本と菅野がぱっとしなかったからであり、広島は両方、中日は4番を欠いて5位6位でした。
ではヤクルトはどうか。日本シリーズの初戦をまかせる小川は8勝8敗であり、オリックスの盤石のエースで15勝5敗の山本と比べれは見劣りします。むしろ9勝のサイスニードがエースかもしれない。つまりヤクルトは絶対的エースがいない「図抜けた4番」型で優勝したチームあって、オリックスはバランスの取れた「エースと4番」型チームであるということです。
オリックスの弱みは打力で、OPS7割ごえは吉田、中川圭2人(ヤクルトは4人)、本塁打数はリーグ最低(ヤクルトは12球団1位)なことです。ヤクルトのブルペンは強力なので、6回までにリードされると不利です。ということは吉田の3打席目までに2,3点はとりたいという話になります。そうすると5番を打つであろう杉本、宗、頓宮が打たないといけません、さもないと吉田が歩かされて得点力が落ちます。これはかなり苦しいと言わざるをえません。
いっぽう先発投手力はQS(6回自責点3以下)が10試合ごえの投手数はオリックスが山本、宮城、田嶋、山岡の4人で62試合、ヤクルトが小川、サイスニード、高梨、高橋の4人で48試合です。頭数は同じですが達成確率はオリックスが上です。4人が完封すればいいのですがそこまで読めるのは山本だけです。ヤクルトはこの統計を覆して6回で4点取ってしまえばブルペン陣の勝負に持ちこめ、特に大事な神宮の第1,2戦ですが、慶応卒で公式戦は神宮で4勝1敗の木澤を勝ちパターンで出せれば有利でしょう。但しオリックスも宇田川、阿部という新戦力が後ろで実績を上げており、ヤクルト打線がほぼ初見のこの2人次第ではそう劣勢でないかもしれません。
去年の日本シリーズでは「QS破り」を1試合も許さなかったのでオリックスは最後まで拮抗できました。今年も、OPS7割ごえが村上、塩見、山田、オスナに加えて規定打席未満のサンタナ、キブレハンと6人もいて1,3,4,5,6番に据えられるという抜群の威圧感があるヤクルト打線を、去年同様に、山本、宮城、田嶋、山岡の4人全員がQSで抑えることが大前提でしょう。今年の交流戦(京セラ)はヤクルトの2勝1敗で勝ち投手は原と石川、負けはサイスニードでした。オリックスの勝ちは山岡(7回1失点)です。
ポイントはトリプル3のポテンシャルすらある塩見です。村上だけが話題ですが彼が伸びて一気に優勝してます。塩見1番は核弾頭で、うるさい山崎2番、トリプル3の山田3番というのは村上以前にそれだけで破壊力があり、下位も長岡が成長し中村がしぶとく、京セラではDHで青木が入ると更につながります。塩見はムードメーカーでもあるので抑え込まないと「4人全員QS」が破られる可能性が増えヤクルト有利です。塩見のOPSはなんと8割なので容易でないです。
もうひとつ、去年は東京ドームだったのが今年は屋外の神宮だということです。ここのマウンドは他と違うようでパリーグは慣れてないでしょうから1球の失投でホームランのリスクはオリックス投手陣の方が高いと思われます。ヤクルトは去年アウエーで2勝しておりそれが不利という意識はないでしょうから神宮の第1,2戦は、最悪の想定ですが、1勝1敗で山本の第1戦は落としても2戦を取ればいいと考えてるでしょう。ちなみに小川の公式戦は神宮で2勝5敗です。
つまり、戦力的にやや不利なオリックスが4つ勝つとすると第2戦を取ることが肝心かなめになります。ヤクルトの第2戦は常識的には神宮で7勝しているサイスニードでしょうが、第1戦を勝てば、去年の奥川のように勢いをつけられる高橋奎二(去年完封)、あるいは神宮の利を考えて石川で4回まで攪乱して田口2イニングで木澤につなぐなんてのは面白いですね。オリックスは明大卒で神宮が古巣である山﨑福也がいますが、順当に11勝の宮城ではないでしょうか。
そこからは監督力の勝負です。中島監督の戦略と用兵にかかる気がします。以上データを見る限りヤクルトがやや優勢なのですが、山本、宮城、田嶋は今年はヤクルト戦に出してませんし宇田川、阿部はペナントレース終盤で三振を積み上げる勢いがあったので、村上、塩見を抑えきって神宮で2勝すれば、京セラの第3~5戦で2勝1敗で優勝です。田島、山岡、山﨑福也で2つ勝てばいい。1つ勝っただけで王手であり、第5戦に中4日で山本があり得ます。その無理はせずに負けて1勝2敗でも、王手で神宮に戻って第6戦は山本が中6日の先発です。
したがって、やっぱり第2戦なんです。宮城は完投はしないでしょうから、後ろですね。ここで秘密兵器の宇田川、阿部が衝撃の投球でもすればオリックスの4勝1,2敗でのリベンジ優勝もあると思います。データ通りならヤクルトが悪くても神宮で1つ、京セラで2つ勝って王手で神宮に戻り、第6戦の山本を落としても第7戦で決め4勝3敗で優勝というところでしょう。個人的にはデータ通りいかない中島監督の奇襲作戦でオリックスの勝ちパターンになると面白いと思っています。
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村上選手おめでとう(ヤクルト球団に敬意)
2022 OCT 3 23:23:55 pm by 東 賢太郎

22才で三冠王、そしてあの王選手をぬく56本。想像もつきません。しばらく本塁打が出ず、泣いても笑っても今年最後というあの打席で56号を放つ!数字が前人未踏なのはもちろんだけど、そいつをこういう離れ業のタイミングで達成するなんてことは漫画でも出来すぎ。持ってるとしかいいようありません。
2017年のドラフト会議を思い出します。一番人気は7球団が競合して日ハムに決まった清宮幸太郎でした。そこで外れ1位の抽選となり、村上はヤクルト・巨人・楽天が競合しました。引き当てたヤクルト球団も強運でしたが、村上の方も実は強運だったのではないか。今日の最終戦を見てそう思いました。
というのも今日のDeNA戦は、ヤクルトでユニホームを脱ぐことになった内川 聖一(元横浜、ソフトバンク)、坂口 智隆(元近鉄、オリックス)、嶋 基宏(元楽天)の引退試合でもあったからです。3人とも球史に残る名選手ですが、はえぬきではありません。晩年に移籍してきたヤクルトでは特に活躍もありません。
ところが、そんなことに関わらず、心のこもったサプライズのあるセレモニーが球団によって用意されており、その口火を切った高須監督が素晴らしいスピーチを淡々と行ったのです。これは参った。涙がぼろぼろ止まらなくなりました。原稿なんてない、3人の名選手の業績に心からの敬意がなければ出てこない言葉。何度でも聞きたい歴史に残る名スピーチでした。高津 臣吾。この男がトップなら村上だってついていくな、選手もコーチも裏方さんも一丸となってるだろうなと実感したのです。ヤクルト、強いわけです。この空気があるから村上も順調に育ったのだと確信します。
それから3選手を讃えて遅くまで神宮球場のスタンドに残っていた大勢のベイスターズ・ファン、ほんとうに素晴らしいです。野球だけではなく、スポーツってこういうもんです。どんなレベルでやっていても「人生で格別の瞬間」がある。多くの読者の皆さんもご経験があると存じます。これを企画したヤクルト球団のみなさん、心から賛辞を贈らせていただきます。
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阪神タイガース・糸井の引退試合に感動
2022 SEP 22 18:18:43 pm by 東 賢太郎

昨日の阪神・広島の最終戦は4-4の重苦しい同点で延長11回まで進んだ。双方が4位で並び、Aクラスに首の皮一枚。こういう追い込まれた事態で見る1点もやれないプレーは実に手に汗握る。
阪神の中継ぎ投手、ケラーと湯浅の速球。わかってても空振り。ああいうのはこういう場面でないと出ない。特に湯浅が坂倉をインローで見逃し三振にしたあれ。あのストレートをプロだ!と思わないなら金を払って見る価値はない。
その湯浅の低め速球をセンター前に快心のヒットを打った小園。第1打席のセンターへの本塁打よりこのヒットを評価する。8番だが一番打ちそうな雰囲気があったのは小園である。守備も含め、本当に素晴らしい選手を採ってくれた!
一打サヨナラの一死一二塁で佐藤、梅野をストレートで連続三振に取った松本の度胸!新人でこれは驚異。制球が乱れず145キロしか出ないのに高めで空振りが取れる!カープの中継ぎで最も成長したのは松本と矢崎である。
素人の試合で後半にこんな球の速いピッチャーが出てくることはない。ストライクゾーンで速くて打てないピッチャーは打ちようがない。シーズン中はこんな球はめったに見れないからもうけものだ。
ひとりだけ、あんまり制球が良くなかった岩貞。今年は彼も球速が増しているが、11回、小園のうまいバントで暴投、四球で満塁。打てる気配なかった上本に三遊間。するとつるべ打ちの3連打であっという間に6点。
嬉しいというより「野球は怖い」と鳥肌が立った。
カープは残り4試合全部勝って巨人が3つ負けてくれれば3位となった。
もうひとつある。
5回の先頭で代打で登場した糸井だ。これが引退試合。森下は3-2とし、外角高め速球は見逃せばボールだったが、これを見事とらえて三遊間を抜いた。変化球がありえたろうが、特に手を抜いた球とは見えなかった。
よく打った。これは絶頂期だったオリックス・平野が本気で投げた低めを右中間ツーベースにしたロッテ・サブローの引退打席に匹敵する。鍛えぬいたプロは凄い。こんな打者でも辞めなきゃならないプロも凄い。
糸井はピッチャーで近大から日ハムに入る。2年で打者転向といわれるが、引退スピーチから投手クビだったことがわかる。悔しくてバットを振りまくってここまで来たと。それでこのいい性格、素晴らしくスケールのデカい男だ。
糸井に驚いたのは打撃ではない。守備と肩だ。足も速いと思ったらなんと300盗塁もしているとは。野球選手はやっぱり攻走守だ。全部できてナンボ。大谷もそうだが日本で最高位は間違いなく糸井である。
宇宙人扱いされておりスピーチは心配したが、これがまた立派である。うまいというより地が出ていて心が見える。作り物でない。作り物のこれまたフェイクみたいな、巷に満ち溢れる政治家どものくそスピーチに汚染された耳が洗われた。
糸井選手、プレーヤーとしても男としても超一流だ。最高の野球をありがとう!
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佐々木投手、あっぱれの「型破り3球勝負」
2022 APR 16 23:23:56 pm by 東 賢太郎

先週は完全試合を初めて見た。生きてるうちに遭遇できてよかった。ノーヒットノーランは完全試合の「四死球・エラーはOK」バージョンと思ってる人が多い。たしかにそうだが、難易度は段違いである。ノーノーは四死球を45個も出していい(3つ出して2人牽制で刺してまた2つ出してあと抑える×9回)。甲子園の松井秀喜の5連続四球みたいに強打のクリーンアップ3人を3回とも申告敬遠してもいい。
完全試合はそうはいかない。まず「無四球」という縛りがピッチャー的にはキツイい。つまり高低・内外角のボールゾーンの出し入れでごまかして、だめなら歩かすという手が使えない。内角は攻めたいがぶつけたら終わりだ。つまり、「ストライクゾーンで勝負する」必要がある。するといい当たりが出て野手がエラーしてしまう危険も増す。だから83人・94回あるノーノーのうち、完全試合は16人・16回しかないと思われる。
しかし僕の注目はもうひとつある。普通は完投すると120~130球というところだが佐々木の球数はたった105球だった。これは1打者平均3.9球で、ほぼ全員に3球勝負しないとこうはならないだろう。いや少なくともストライクか否かはともかく打者は「3球勝負」と思って振ったと思われる。型破りを超えて革命と言ってもいい。日本では0ー2になると「遊び球」といって1球はずせといわれるからだ。
短い間合いでポンポン投げられオリックスの打者はテンポに面食らい、遊び球もないから考える間がなくフォークに引っかかってバタバタ三振したように見えた。160キロの速球を恐れて早打ちしたせいもあろうが、それを見越して逆手に取った奇襲でもあり、若者コンビがぐいぐい「圧」をかけながら攻めまくり、押し倒して粉砕してしまったような印象だった。
あしたまた佐々木がマウンドに登る。当たってきた日ハム打線がどう出るか楽しみだ、攻撃の奇襲もあるのだろうか。
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佐々木朗希、完全試合を達成!
2022 APR 10 17:17:00 pm by 東 賢太郎

感動で言葉なし。凄いものを見せていただきましたありがとうございます!とオーナーにショートメール。佐々木君20才、キャッチャーの松川君18才、凄い、あまりに凄すぎ。
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