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カテゴリー: ______プロ野球

佐々木投手、あっぱれの「型破り3球勝負」

2022 APR 16 23:23:56 pm by 東 賢太郎

先週は完全試合を初めて見た。生きてるうちに遭遇できてよかった。ノーヒットノーランは完全試合の「四死球・エラーはOK」バージョンと思ってる人が多い。たしかにそうだが、難易度は段違いである。ノーノーは四死球を45個も出していい(3つ出して2人牽制で刺してまた2つ出してあと抑える×9回)。甲子園の松井秀喜の5連続四球みたいに強打のクリーンアップ3人を3回とも申告敬遠してもいい。

完全試合はそうはいかない。まず「無四球」という縛りがピッチャー的にはキツイい。つまり高低・内外角のボールゾーンの出し入れでごまかして、だめなら歩かすという手が使えない。内角は攻めたいがぶつけたら終わりだ。つまり、「ストライクゾーンで勝負する」必要がある。するといい当たりが出て野手がエラーしてしまう危険も増す。だから83人・94回あるノーノーのうち、完全試合は16人・16回しかないと思われる。

しかし僕の注目はもうひとつある。普通は完投すると120~130球というところだが佐々木の球数はたった105球だった。これは1打者平均3.9球で、ほぼ全員に3球勝負しないとこうはならないだろう。いや少なくともストライクか否かはともかく打者は「3球勝負」と思って振ったと思われる。型破りを超えて革命と言ってもいい。日本では0ー2になると「遊び球」といって1球はずせといわれるからだ。

短い間合いでポンポン投げられオリックスの打者はテンポに面食らい、遊び球もないから考える間がなくフォークに引っかかってバタバタ三振したように見えた。160キロの速球を恐れて早打ちしたせいもあろうが、それを見越して逆手に取った奇襲でもあり、若者コンビがぐいぐい「圧」をかけながら攻めまくり、押し倒して粉砕してしまったような印象だった。

あしたまた佐々木がマウンドに登る。当たってきた日ハム打線がどう出るか楽しみだ、攻撃の奇襲もあるのだろうか。

 

 

佐々木朗希、完全試合を達成!

2022 APR 10 17:17:00 pm by 東 賢太郎

感動で言葉なし。凄いものを見せていただきましたありがとうございます!とオーナーにショートメール。佐々木君20才、キャッチャーの松川君18才、凄い、あまりに凄すぎ。

BIGBOSSはビジネススクールのケースになる

2022 MAR 27 12:12:58 pm by 東 賢太郎

プロ野球が始まると無性にワクワクします。もちろん僕はいつでも広島カープ中心なんですが、どのカードを見ても最高に楽しい。そこに今年は西室オーナーの日本ハムファイターズが球界の話題をかっさらってる、これ大歓迎です。パリーグの応援はロッテになるけど、個人的におおいにワクワクがあるのです。それを書きます。

西川、中田、太田、秋吉の大駒4枚流出を2軍で補うなんてのは飛車角落ちの将棋みたいなもんです。オーナーには悪いが、楽天球団ができた年にボロ負けしたあそこまでの戦力差とはいわないけれど、まあ甲子園でいえば大阪桐蔭と21世紀枠の高校ぐらいにはなっちゃったね。そこでド派手なパフォーマーで客寄せにはなる新庄監督をもってこよう、新球場のカネもかかるしってのはわかる。でもどうせパンダだろうとバカにしてたわけですね、僕も世間も。

ところが色々ニュースが出るにつけ、BIGBOSS、見かけ倒しでもないぞ、策も情熱もあって結構いいんじゃないの?となってきた。個人的には、野球に限らずですよ、今の沈滞した日本にはこういう型破りな男が必要じゃないかと思ってたところです。それも左翼の壊し屋じゃなくてね、伝統と礼儀はしっかり心得た上でですね、爺さんに気兼ねしなくていい立場で若者のリーダーになってという場を設定したのはとてもえらい。しかも、そのBIGBOSS、よく見るとしっかり合理的な野球をやってる。

えっ、合理的、ハチャメチャだろ?といわれてますが、そこは僕は野球経験者として感じるところがあるのです。彼はたぶん2年やる気でしょう。今年は自分が「うつけ者」を演じて風よけになって若手に思い切りやらせ、来年優勝と思ってるんじゃないか。オープン戦とはいえ、選手に監督やれなんてのはあり得ないですよ。それで勝てばお前いらんになるしね、実は勝つはずないと思ってる。だから打順もガラポンなんておどける。でも野村監督の下にいて彼自身が俺が監督ならってのはあったんだろう、そうやって選手たちにも当事者意識もたせようってことではないでしょうか。

ドラ8新人の開幕投手。これ、凄いことです。2年計画ならスター即製栽培しかないでしょう。期待に応えて2回ゼロに抑えた北山投手の度胸にも感服しましたが、彼は彼でチャンスをくれたビッグボスを一生尊敬するでしょう。そしてその気持、若手投手に伝染しますね、すると、それが成長促進剤になる。私事で恐縮ですがそう感じるんです、というのは僕の初先発は高1の秋季大会で相手はいま甲子園でベスト8の国学院久我山でした。9-0で負けたけど3回までゼロで抑え、これ、野球に限らず人生でどれほど自信になったかわからんです。起用してくださった監督はいまでも神です。

日ハムの現有戦力でどう勝つか?これ、毎日考えてる僕のビジネス戦略にそっくりなんです。そのまんまビジネススクールのケーススタディにしたいぐらいにいいテーマですねえ、将来に起業したい若者はそういう目線で日ハムのゲームを目を凝らして観たらいいね。義経のひよどり越え、信長の桶狭間、これは終わったことだけど、こっちでそれぐらいのことがあるんじゃないかと思えばワクワクするでしょ、そういうココロと想像力がないとね、勉強や知識だけじゃ起業なんかできませんよ。

新庄さんはもし優勝したらぜひ国会議員になって、次は日本国をガラポンで強くしてほしいですね。特権、利権にしがみつくだけの爺いや婆あには到底無理、もはや百害あって一利なしです。僕は人生かけて世界の金融の一線で戦ってきた戦士です。断言しますが、もう確実に世界はそういう時代になってます。時の流れに逆らっていれば国ごとだめになって不幸になるのは今の若者の皆さんです。

なぜ「平成は大没落の暗黒期」になったのか

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今年のプロ野球順位予想

2022 MAR 25 9:09:58 am by 東 賢太郎

いよいよ今日、プロ野球公式戦が開幕します。中島さんにならって僕の予想を公開します。ちなみに我が家は全員が順位とタイトルの予想を紙に書いて提出します(全部当てたら賞金)。去年はセパとも前年最下位の優勝で、両方当てた人はまずいなかったでしょう。プロは力が大差ないので「新加入の外人」と「ケガ」が2大攪乱要因です。こればっかりは誰もわかりません。例えば去年でいうと、全くの未知数だったオスナとサンタナが大当たりで主力に大きなケガ人が出なかったヤクルトが優勝、逆に外人が手薄で吉田がケガしたオリックスの優勝は中島監督の采配あっての勝利だったと思います。

 

セ・リーグ予想

  1.  広島
  2.  ヤクルト
  3.  阪神
  4.  巨人
  5.  中日
  6.  DeNA

 

パリーグ予想

  1.  ロッテ
  2.  西武
  3.  日ハム
  4.  オリックス
  5.  楽天
  6.  ソフトバンク

 

セ・リーグについて

広島は①去年は外人が大ハズレで日本人だけで戦った②5月にコロナで交流戦はボロボロの最下位だった(3勝12敗)③中継ぎが弱く逆転された、という体たらくで、それでも4位だった。①-③とも去年よりましで、これが鈴木の穴を埋める。特に③は中崎が復活し、森浦、島内、コルニエル、松本(新人)、矢崎にターリーが加わってクローザーが栗林。先発は大瀬良、森下、九里、床田、黒原(新人)、野村、遠藤、玉村、小林にアンダーソンが加入。この投手陣は12球団でも上位。問題は打撃ですが、新加入のマクブルーム(昨年の3Aホームラン王)が打てば鈴木の穴は完全に問題なし。ヤクルトは後ろの投手陣が疲れてるので12回制が裏目に。阪神はクローザーの穴は埋まらず、日ハムと対照的に監督がやめると宣言して盛り下げてるので減点。巨人は坂本がケガすると彼の穴埋めは誰もおらず岡本の打撃にも響く。中田は年を通しては打てない。両翼の外人はあまり脅威には見えず、投手は先発が手薄で菅野が勝てなければ最下位もある。中日は投手力がNo1だが打撃は迫力なく、外人はビシエドしかいない。DeNAは投打とも故障が不安(去年、ソト、オースチンの来日が遅れて泥沼の連敗)。

 

パリーグについて

2位だったロッテは佐々木朗希が10勝は積み増し、外人2人が健在ならいける。日ハムは前回の稿で「なんでこんなピッチャーがドラ8まで残ってたんだろう」と僕に書かしめた新人・北山(京都産業大)がなんと開幕投手でびっくりである。あえて書くが、僕はこのピッチャー、新人王候補とさえ思うが世評は全くそうでなく、かように現状の戦力分析はあてにならないのでビッグボスの眼力を信じたい。明日、ソフトバンクは千賀なので分が悪い。ならば誰も見たことない北山でスタートして打順一回りを抑えて替えてしまい、負けても相手に嫌~なものを残すという作戦か。野球界の常識、旧弊をぶち破らないと若手軍団に勝ち目はなく、これ、実は源義経も採った合理的戦略であるし、お客は最高に楽しい。新庄監督、歯車がかみ合えば勢いで優勝もありだ。オリックスは去年は中島采配の意外性で攪乱できたが今年は研究されてそれが消え、打線はマークがきつくなるので厳しいだろう。もともと投手はピカ一だが点が取れなくてドベのチームで、ケガ人が出るとそれに戻りかねない。ソフトバンクは、主力が年齢的にピークを越えており転換期だろう、今年のラインアップだと外人、抑えに往時の迫力がないので新戦力が出ないと夏以降が苦戦と予想。ただ監督力が未知数で良い方に出れば楽勝でAクラス。楽天は投手の厚みがある上に打撃は侮れないが、ここも同様にベテラン主体で故障が不安で監督力は落ちる。一方、西武は監督が折り紙つきでありドラ1,2位の左腕が大当たりで、若返るし左腕不足まで一気に解消。1位の隅田は世評通り星が読め、2位の佐藤隼輔(筑波大)はオープン戦を見る限り僕の予想をはるかに上回る好投手である。2人とも新人王候補で10+10=20勝しそう。野手は愛斗に注目。山川の復活次第で優勝があり得る。

以上、贔屓目ありで自信はまったくなしですが。皆さん、今年もプロ野球を楽しみましょう!

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新庄ビッグボスはあなどれない

2022 MAR 13 22:22:51 pm by 東 賢太郎

2月27日、名護で行われた日ハム・広島戦。ハムの今川優馬選手が放ったレフトへのホームランが物凄く印象に残っていた。たまたま彼が大学卒でドラフトにかからずJFEで2年プレーして昨年のドラフト会議を迎え、家族全員でハラハラ見守って6位で名前が呼ばれた瞬間お母さんが泣きじゃくっているビデオも見ていた。高校でホームラン2本の選手がこれ?信じ難い、そのぐらい「やばい」ホームランだった。

その彼が一昨日の広島戦でコルニエルと対戦。日本2位の165キロを記録した剛球投手で見ものである。打つかなと思ったら打った。スリーラン。文句なしのスイング。あっぱれとしか言いようがない。チームはここで一発欲しい、本人も狙ってる、構えを見て打ちそうだ、そういう時にちゃんと打つ。誰でもできることじゃない。すごく気になる男である。

今日の同じカード(マツダ)。0-0で引き分けだ、カープは投手が良かったが打線は実にショボい。つまらねえ試合だと思った9回2死、まったく期待しなかった上本が引っ張って快心のサヨナラ3ラン。度肝を抜かれる。そう思ったのは仕方ない、彼は一軍でたぶん一本も打ってない。狙ってはいなかったろうが、たかが一本されど一本であって、こういう所で打つってのはやはり誰でもできることじゃないのである。

そうしたらビッグボスの新庄監督がその上本を大きな拍手でたたえていた。カープファンへのサービスだろうが、野球選手として敵味方関係なく「そういうもの」もあったに違いないと胸が熱くなった。まさかの負けであれはなかなかできないと思う。負けた試合後に相手からナイスピッチと言われたことがあるが、これは本当に嬉しいもので、野球を愛する者同士の本音の言葉でずっしり重く一生ものだ、いまだにその場面まではっきり覚えている。

上本に打たれた望月をビッグボスは「俺がフォークを投げさせた」とちゃんとフォローしてる。彼は選手に監督させて1塁コーチャーをやったりもする。奇をてらってるのかと思ったが、僕も高校時代にサードコーチに立って試合が良く見えると思ったことがある。そういうことなんだろうか?新庄おそるべしだ。万波は顔つきが変わったし今日の先発の立野も良かった。清宮の瘦せ方も半端ないし盗塁をさせるとは!昨日最後に1回だけ投げた新人の北山(京都産業大)、いいねえ、なんでこんなピッチャーがドラ8まで残ってたんだろう。

さて、カープについては色々思う所がある。これは別稿にしよう。

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史上最高の日本シリーズに感謝

2021 NOV 28 15:15:52 pm by 東 賢太郎

ヤクルト強かった。オリックスも強かった。もの凄い試合を6つも見せていただいた。両チームに感謝。ほんとうにありがとう!!

全試合がサドンデス、甲子園の決勝みたいな緊張感でしかも僅差。最後は摂氏7度の屋外で、そこまでの5試合を象徴するような1点を争う5時間の延長戦。文句なしに史上最高に面白い日本シリーズだった。

史上最低の日本シリーズだった去年のあれ、今更ながらあれは何だったんだろう。しかも去年セパの最下位だったチーム同士によってこれだ! だから世の中は面白い。なにせ去年の11月23日には怒ってこんなものを書いていたのだ。セリーグの野球を真剣勝負で「浄化」したヤクルト高津監督の功績は大きい。

交流戦やめるなら日本シリーズもやめろ

戦前の我が予想はオリックスの4勝1敗。ヤクルトに張った娘に負けてしまった。オリックスの先発陣は期待にたがわぬ盤石ぶりだった。しかし打線がヤクルトの先発陣を予想以上に打てなかった。狂わせたのは捕手じゃないかといわれればそう思うしかない。従って中村がMVP。このジャッジもお見事。スッキリ明快。何の疑問もなしだ。

いくつか名場面があった。第5戦を決めたアダム・ジョーンズのホームラン。みんな差し込まれたマクガフのインハイ速球をレフトへ持っていったあれは、「腰を先に開いてフェアゾーンに入れた」と解説を聞いてもわからず、ビデオがもう一度出てやっとわかった。さすがメジャーの大物だ。

惜しまれるのはオリックスがヒギンズ、ラヴェロ、モヤにこだわったこと。サンタナ、オスナとの差は歴然だった。マクガフも去年は大したことない投手だった。普通なら石山をクローザーにするだろう。海外を渡り歩いた高津監督の外人コミュニケーション・パワーあってのことだと思う。

中島監督は最終戦に能見を村上にワンポイントでぶつけて打ち取った采配は感動。球が走ってた富山は代えなくて良かったなあと残念。あのままなら左―左で川端がどうだったか。吉田は肩が痛い?レフトは失敗だった、DHだったなあ、でも期待ほど打てもしなかった。やっぱり中村捕手が一枚上手だったと思う。

願わくば昨日はオリックスが勝ってもう1試合、奥川と宮城でお願いしたかった。そのぐらい価値あるカードだった。いよいよ悪夢の野球ロスの季節に突入してしまったが、いつもより1カ月短いのは福音だ。それだけでもオリンピックあってよかった、菅さんのおかげだと思おう。

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オリックス「うっちゃり」で日本シリーズへ

2021 NOV 13 12:12:26 pm by 東 賢太郎

近ごろ大相撲の決まり手で「うっちゃり」が少ない。もとより然う然う出るものではないが、大勢が決したと見た瞬間に予想を覆す技は満場をどよめかす。目撃すると忘れられるものでないが、僕が覚えてるのは千代の富士が北の湖に決めた一番だ。いつだったのかまったく記憶はないが、今は便利なものでyoutubeで検索していたら見つかった。昭和55年の秋場所だった。

「うっちゃり」に思いが往ったきっかけは、きのう疲れて帰宅して、いったん仮眠してから眠気まなこで観ていたオリックス対ロッテ戦だ。CSファイナル第3戦である。

この試合を勝たないとロッテは敗退。同点でも負けという背水の陣である。

7回に足を痛めたマーティンがヒットで出塁、気合の二盗(!)を決め、代打佐藤が執念のタイムリー(同点)。8回は中村が左翼席にホームラン(逆転)。ロッテの怒涛の寄りにあい、オリックスは土俵際に詰め寄られた。

そして9回裏。ロッテのマウンドには絶対の守護神・益田があがり必勝の構えである。

打席はT-岡田。初球、外角のシュート(シンカーか)はどう見てもボールだったがなぜかストライク・コール。

バッターは外角が広くなって嫌だ。バッテリーは儲けた感があるだろう。

2球目も同じ球。ファウル。最後はもっとはずして打ち取る布石だ。

3球勝負で低めに落とす(フォークか)。平然と見逃してボール。

布石を岡田が逆に読んだかどうか・・・やっぱりシンカーが来て、拾われてライト前に・・・この勝負は結果的に天下分け目だった。

次の安達はこの日3タコである。そりゃそうだろうなというバントの構え。それを失敗。2球目はバスターだったと思っていたが、ビデオを見ると普通に構えているからそうではない。しかし、当然またバントに違いないとサードが猛然と突っ込んでいるのだ。

益田もそう思ったのだろう、力の入ってない球が高めに行く。安達は難なく芯でとらえてガラ空きの三遊間を抜き、事実上、バスターみたいな結果になった。このシーン、新庄が敬遠球を三遊間に打ったあのサヨナラ打を思い出した。

無死一二塁である。1点取られたらCS敗退だ。ロッテ内野陣がマウンドへ。いちど散って、また集まる。投手コーチも来る。

次の小田は守備要員で途中レフトに入っていた。今シーズンわずか1安打で打率6分7厘である。こりゃもうバントしかない。ロッテは腹をくくったのだろう。

ファースト、サードが突っこむ。小田は初球から迷いなくバスター。ひっぱってファーストの右を抜け、打球はゴロでライト線へ。一瞬にして勝負がついた。

一気に目が醒めてしまった。これぞ「うっちゃり」だ。

中島監督おそるべし!秋田県出身。そういえば今シーズンは2ランスクイズも決めていたっけ。まるで3年前に金足農業が近江にサヨナラ勝ちした試合だ。

僕はキャッチャー中島を思い出している。何をするかわからない。あの「星野のカーブ、素手で捕球事件」だ。

星野は「あの日は調子悪くて、逆玉ばっかりで怒ってたんでしょう」と別のチャンネルで語っている。「おまえ、ええかげんにせ~よ、こんな蠅がとまるクソボールでストライクも入らんのか」という無言の鉄拳だと僕は思う。星野に返した中島の球の方が速かったという伝説もある(注)。

いや、素晴らしい。野球に思いがこもっている。やることなすことに人柄が出ているから憎めない。

こういう熱いものが無言で伝わって、オリックスの若手の元気の良さになってる気がする。付け焼刃ではないだろう。

ロッテにとってオリックスは去年の開幕から6連勝したお客さんだ。それが今や別のチームである。中島は名将になってきたと思う。来年はやっぱり何をするかわからない新庄監督との対戦が楽しみだ。

ロッテの井口監督も今年は良いシーズンだった。佐々木朗希が育ったし、打線も破壊力はないが勝負強さが際立った。安田、藤原を育てて、ぜひ来年は優勝して欲しい。

 

(注)そんなことはない。星野の130キロ少しのストレートは速かった。

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令和3年10月18日、阪神・広島戦の大誤審

2021 OCT 19 15:15:27 pm by 東 賢太郎

これは100%ヒットである

「球がグラブに入る前」か「いったん入った後」かが判定できないが、前者ならワンバウンド捕球、後者なら落球である。この2つ以外にこの写真が示す状態が発生することはあり得ない。従って、板山選手は直接捕球しておらず、アウト判定は100%誤審である。

しかしビデオでは100%とまでは言い切れない。ここが問題だった。

TVで流れた別角度の映像でも判定は微妙だった。リクエストの検証で審判団が確認したのも同じ画像であり、だから僕はこの誤審は仕方ないと思う。しかし、そう思わない人もたくさんいるだろうし、現にこうして証拠写真がネットばらまかれて誤審が証明されてしまうとプロのジャッジとして権威がなくなる。審判員の方々も大変だと思うがIT化は世の流れなのだから前向きに対処していくしかないのである。

問題はそこではない。アウトのコールを至近にいた2塁または3塁の塁審が即座にしたか否かである。コールがあれば1塁走者はゲッツーだから即座に帰塁する。ところが走者はそうしておらず、阪神の野手も確信をもって1塁に返球してはいない。ビデオには映っていないがアウトコールがはっきりせず、もしくは出たのが遅かった可能性が非常に高い

佐々岡監督はまさにその点(塁審の判定の遅さ)について球審に抗議したが、その是非の検討はなくそのまま試合が再開した。問題はこちらの方である。「塁審のコールは必要なく、走者は自分のリスクで走塁せよ」ということならば結構だ。そう説明してこの事例を「判例」にすべきである。すると紛らわしいコールは不要だから現場は「しないでくれ」「しても見るな」となるだろう。

本件でいうなら、まず板山の捕球コールの是非、かつ、帰塁をアウトとした1塁塁審のコールの是非の2つを必然的に同時にビデオ判定することになるのである。

つまり、審判の権威はのっけから奪われ、若い世代の目からすれば、「なぜ目の悪いおじさんが決めてるの?」「そんなもんで私たちが一喜一憂しなきゃいけないの?」「審判はいらん、ロボットにしろ」となってITの浸食が進むのである。それを望まないのであれば、塁審が板山の捕球のアウト判定を「即座に」しなくてはならないのは自明だ。

したがって、本件において、「塁審の判定の遅さ」につき、捕球のアウトセーフとは全く別な問題として抗議があったにもかかわらず、「その是非の検討はなくそのまま試合が再開した」ことが大誤審なのである。佐々岡がNPBへ意見書を提出するよう球団に要望した行為はまったく正しいものとして擁護する。

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番狂わせだったヤクルトとオリックス

2021 OCT 4 17:17:34 pm by 東 賢太郎

ことし3月27日の僕のセ・パ順位予想である(中島さんの記事にコメント)

①阪神②巨人③広島④中日⑤ヤクルト⑥DeNA

①ソフトバンク②楽天③ロッテ④西武⑤オリックス⑥日本ハム

現実はこうだ(10月4日現在)

①ヤクルト②阪神③巨人④中日⑤広島⑥DeNA

①オリックス②ロッテ③楽天④ソフトバンク⑤西武⑥日ハム

どっちも5位予想だったチームが首位、大・番狂わせだ。個人的にはロッテに勝って欲しいのだが、先日のオリックスとの直接対決の3連敗が痛い。特に2つ負けて落とせない3戦目、2点勝ち越してほっとした9回二死から守護神・益田直也が打たれたT-岡田の逆転3ランには降参だ。オリックスの強さは伊達じゃないのである。ソフトバンクの低迷も想定外だし楽天も戦力の割にぱっとしない。パリーグはあんまりわからないが中島さん、西室兄に聞きたい。

セ・リーグは昨年最下位ヤクルトの大躍進につきる。まずオスナ、サンタナだ。コロナで4月末に合流したが、オスナはもう初戦から嫌なのが出てきたなと思った。次いで塩見である。だいぶ前から僕は恐れていて、なんで巨人は廣岡をとったのか不思議だったが、やっぱり開花してしまった。センターで打率3割で本塁打12本で長打率4割で20盗塁してOPSは8割台、こんなのが1番にいて2番青木、3番山田、4番村上、5番オスナ。この打線の「圧」は半端じゃない。

先発投手は小川(8勝)、スアレス(5勝)、石川・高梨・サイスニード(各4勝)、原樹理(2勝)はいいとして、高卒4年目の高橋奎二(3勝)が出てきて7枚目。巨人のローテ投手・田口は中継ぎに降格である。ところがこれで終わりでない。今年初勝利をあげた高卒2年目の奥川が8勝していきなりエース格になり先発は8枚、さらに驚くのは19年に楽天をクビになった今野が中継ぎで何と7勝もしており、しかも、8回の男には昨年の最優秀中継ぎ投手・清水がいる。後半でいかに勝ち切ってきたかを物語ってる。

クローザーにマクガフ、石川と奪三振率10が2人、中継ぎも清水、今野、梅野が9~10と、投げるボールが大変強力で打てそうに見えない。三振を取ればいいというわけでないのは先発の話で、前に飛ばさせないということだから1点を争う後半の投手は取れるに越したことはない。奪三振率9とは1試合完投して平均して9奪三振という意味だが、9以上がこんなにいるのはヤクルトとソフトバンクしかない。名クローザーで飯を食った高津監督の手腕であること疑いないだろう。

カープは阪神に3連勝していい感じで戻った広島でヤクルトに3連敗。阪神ファンにお詫びしないといけない。問題は7,8回の中継ぎ投手だった。ケムナ、島内、コルニエル、いずれも150キロ出る才能は認めるが、そろって制球がだめである。極めて甘い。しかも、毎度毎度、高めに抜けた変化球を痛打されてるのにぜんぜん学習しない。矢崎もそうだ。どうしてカープはこういう1軍半ばかりになってしまったんだろう。本人もそうだが捕手もコーチも学習しないのか考え方の問題なのか。まあ、こっちも番狂わせだったカープのことは別稿にしよう。

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中日ドラゴンズ・木下雄介投手のこと

2021 AUG 8 14:14:09 pm by 東 賢太郎

外出はまったくしないことにしているが、先月にひとつだけ禁を破って某著名企業の新社長T氏と会食する運びになった。氏が慶応のラガーマンであることは周知である。ひとしきりその話になったはずみで「東さんは?」「野球しかやったことないです」となり、しばし間があって、眼をじっと見ながら「ガチですか?」とくる。さすがだ。ガチの人しかそういうことは聞かないから。「ガチです」。眼を見て答える。ラグビーも野球もない、それだけであの “キツくて理不尽な体育会の世界” をくぐりぬけた同志という感じになる。

中日ドラゴンズの木下雄介投手のことを書きたい。彼は駒大で肘(ひじ)を故障して1年で中退、大阪でアルバイト生活を送り、フィットネスジムのトレーナー、不動産会社で営業の仕事を経て徳島インディゴソックスで復活、育成選手枠1位で中日に入団した速球投手だ。僕は肘を故障した自分とどことなく重なるものを感じ、やった者だけが知る ”あの” 苦しみから不死鳥のように蘇った彼をずっと応援していた。

人生最大のトラウマだ。あれでメンタルが強くなったなんて負け惜しみを言ってる自分がみじめでしかない。あれだけは消えてしまってほしい・・・いまでも夢に出るシーンがある。投げてるのに痛くない。目が覚める。寝ぼけまなこで「ほんとうならいいな」としばらく願っている自分がいる。しかし、肘を伸ばしたまま左右にひねってみると、やっぱりその箇所がかすかに痛く、肩は怖くて寝返りを打てないポジションがある。

肘をやった当初は投げられないし、バットも振れない。ショックで何とかならないかと母に相談し、整形外科へ通い、電気治療もしたし鍼灸師にハリを打ってもらったりもしたがだめだった。高2の夏の前だ。チームの空気は暗転し東京大会は初戦で負けた。3年生には土下座して謝りたい、本当に申し訳なかった。背番号は1番から2桁に降格になり明けても暮れても走るだけの悶々とした日々を送ったが、秋には少し良くなって、球速は落ちたが投げられるようにはなった。ところが、肘をかばって無理に投げたせいか、秋になって今度は肩をやってしまった。直観的にこれは致命傷だと感じ、運命を呪った。

木下は今年一軍に定着が期待され、3月21日に日ハムとのオープン戦の8回に登板した。そこで、試合で肩をやったらしいということを記事で知った。肘、肩の順番が僕と同じであり心配だったが、そのシーンは怖くて画像を見ないまま今に至っていた。そして昨日のことだ、それをyoutubeでとうとう見ることになった。言葉にならない衝撃を受けた。(ここに貼るのは控えます)

僕が肩をやったのも試合中だった。投球の寸前に肩甲骨に異常を感じ、肩にビリッと激痛が走り、投じたボールは右打者の頭の1メートル上あたりを通過してバックネットにぶつかった。とっさに驚いて逃げた打者の姿をはっきり覚えている。監督が飛んできて交代を告げられ、1塁側ベンチで後輩の投球をボーっと眺めていた。やっちまった、どうしよう。悔しい。そんな思いがぐるぐる渦巻いていたのは覚えている。そして、そこからは、何も覚えていない。相手がどこだったかも。球場は南武線の矢野口にある九段高校の尽誠園だった。そこのマウンドで野球人生は終わった、記憶はそれだけだ。

問題のyoutubeで木下投手が平沼選手を三球三振に取った2球目、3球目を見てほしい。ため息が出るほど素晴らしいストレートだ。僕の大好きな球、憧れの球、何度見返しても元気をくれる球だ。藤川球児が自分のようになれるとエールを送っていたのはこれだったのだ。そして次の浅間選手の4球目に突然 “それ” は起きる。そして僕はトラウマが蘇り、しばし固まって動けなくなった。なんとかビデオを止め、やがて涙がぽろぽろ出てきた。これはもう厳しいのだろうか、でも彼の野球は職業だ、奥さんも2人の小さいお子さんもいる・・・・

ピッチャーというのは天国と地獄が隣り合わせのポジションだ。こんなにハイリスクなんだけど、やった者しかわからないウルトラ・ハイリターンがあるからやめられないのである。木下投手は僕なんかの千倍もそれを味わう才能と実力があったし、恐らく人知れない凄まじい努力をしたのだろう、その結果、地獄から這い上がってそれをついに掴み取った。それだけでもまぎれもなく超一流の男である。そして、もっともっと凄いことだが、彼は体がぼろぼろになるまでガチでそれをやり遂げたということなのだ。

このビデオを見ることになったのは、27才の木下投手の訃報にびっくりしたからだ。とうとう勇気を出して見ずにはいられなくなった。これ以上言葉もないのでここで本稿は閉じる。再々復活に向けて勇躍してランニングを始めた姿が中日ドラゴンズ球団のビデオにはある。怪我した者の星として応援したかった。多くの野球ファンに勇気と希望を与えて下さった。心からご冥福をお祈りします。

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