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ロッテの下剋上始まる!

2013 OCT 14 17:17:23 pm by 東 賢太郎

昨日の15-0 の大敗で予感はありましたが、ロッテがファイナルステージに勝ちあがりました。昨日は負けを悟ってからはあえて死んだふりですね。最後の福浦の見逃し三振など完全に。昨日松永、藤岡の速球を気持ちよくガンガン打った西武は、唐川の「前後に揺さぶる」投球にやられました。

彼のストレートは速くてせいぜい138kmですがスピン量が多く手元ですごく伸びています。キャッチボールしているようなゆったりした投げ方は巨人の杉内もそうですが、杉内は球離れの瞬間だけは気合が入っています。しかし唐川のフォームはそれもなくて、あたかも「球を置いている」(=最も良くないとされる)感じで気合も威圧感もありません。彼も残念ながら故障しましたが、故障前はど真ん中に直球を投げても打たれる気がしなかったのではと思います。

そういう「差し込める」直球を持った投手が、同じ手の振りでスライダー、チェンジアップを投げると打者は「球が来ない」のでつんのめってバランスを崩します。今日も5回を完封で、打てそうなのに打てない西武の打者はストレスをためたでしょう。昨日の速球派で自分のスイングで快打した残像が残りすぎていて修正できなかったかもしれないと思います。唐川をここで使うというのが捕手出身の伊東監督だなと思いました。

西武の先発牧田はアンダースローで120km代の変化球が中心です。ロッテの渡辺俊介を少し速くした感じで、球速だけならもっと速い素人投手はいくらもいます。しかし地面すれすれから高めに球威のあるストレートが来ると「浮き上がっている」ように見えるでしょうね。2人ともそれで空振りがとれています。気合十分でしたが初球を打たれた2本のソロ、鈴木の106kmと井口の126kmはコースも高さも甘かったです。彼は球の伸びよりも、ポンポン速いテンポで投げ込んで打者にスイングさせない戦法の投手です。それがロッテ選手の「タイム」攻撃でできておらず、あの2球は打者は充分な間合いで待ち構えていたのにいつも通りにストライクを取りに行ってしまった。ベンチで悔し泣きしていましたが、そういうことだったのでは。

そして試合を決めた8回の角中の2点2塁打。満を持してリリーフした涌井でしたが、あの初球、捕手の炭谷は完全に外角にはずしてボールの要求なのに力のない球がド真ん中に行ってしまった。あれは打ちますよ。涌井がその前の打者今江に投じた外角低めの147kmは解説者もうなっていましたが物凄い球威の剛球です。あんな球を投げる投手がどうして今江をあっさり歩かせ、あんな凡ミスをしてしまうのだろう。理解できません。悔し涙を流していた牧田がかわいそうです。

西武は若手でいい選手が多いです。中島の抜けたショートを9番打者が守るという弱ささえ補強で克服すれば十分優勝できるチームと思いました。しかしそれにも増して、ロッテのここ一番の勝負強さは恐るべしですね。例えば涌井と今江の対戦は実は、あの甲子園をわかせた横浜高校とPL学園の対決なんです。両者とも両校のスターです。それが今江があっさりと余裕で四球を選んでしまう。サブローも福浦も里崎も、そういう瀬戸際で勝負強い感じがします。才能はあっても勝負弱い人もたくさんいるのです。ポストシーズンのロッテはだから強いのです。

さて両リーグとも3位が下剋上ということになりました。以前こういうブログを書きました。

カープ対マリーンズは困る

困るなあと思いつつ、困らせてほしくもあり。楽しみです。

Categories:______プロ野球, 野球

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