『黒猫フクの人生観』 (第十五話)
2026 JUN 29 20:20:15 pm by 東 賢太郎
主人みたいに我(が)の強い人間にとって「推し活」の彼みたいなヤンチャで物を言ってくれる若者は大事なんだ。あの子はさ、子ったってもう四十すぎだけどね、出会ったのは外資系証券で揉まれたころでさ、二十三、四からかわいがってたんだ。主人が自分の勝手で移籍して面倒見れなくなってまずいと思ったんだね、香港まで連れてって懇意だった富豪のお客さんを紹介してさ、ここからはおまえやれよって。苦労はしたけどなんとかやったの大したもんだって認めたんだね。ライオンは可愛い子を谷に落とすっていうじゃない、這い上がってきた子は育てる、こなかったら捨てるって。彼もダメだったらそれで終わってたと思うよ、だから無条件に優しい人ってわけじゃないんだ。勝負師だからね、根性ない奴は助けても1人になったらどうせダメだからやめといた方がいいよってそれだけの話だよ。もちろん猫はしないよそんな野蛮なことは、でも主人はライオン派だから仕方ないんだ。
面白いもんで、いま、今度はその彼の方がでかいことを仕掛けていて主人を引っ張り込もうとしてる。これを主人は喜んでる。そうこうしていたら、今度はアメリカから別な来た。この男のことは、主人が飯食いながら6時間英語は疲れたってブログに書いてたから熱心な読者はわかるんじゃないかな。その相手方になる日本の著名企業の方で十二、三年前からブログに登場してるひと回り年下の彼がこれまたビッグな企画を偶然にやってたってなんだかドラマみたいだ。そして、また別件だけどその彼が持ってきた健康器具の案件は1年たって初ディールがあった。これは伸びると思うよ。でもそうしたものは本業じゃないし、もともと主人は得意でないし自分で思いつくようなことでもない。アガスティアの葉っぱのお告げ通り、ここから2年は運が乗ってるから来ちゃうんだ。そしてもう1つ、これはもう発表されたからいいと思うけど、千葉ロッテマリーンズが本拠地のスタジアムを新しくする話ってがあって、こっちはファイナンスだし得意の野球にまつわる話だから本業。5つあるのは珍しい。ビジネスってのは生ものだから毎日毎日情報が変わるんだ。ボケて来たら危険だからさっさとやめた方がいいね。
そんな中でテラドローンの次に投資したのがアメリカの電池のスタートアップ企業だ。データセンターで需要は爆発。ガスタンク並みの大きさにしてもリチウムみたいに爆発しない。帯電物質が石油由来だからレアアースより激安。タンクを持ってる会社に売れば貯蔵コストも不要。こりゃ猫でもわかるいい株。IPOは3年後だけど最初の正式な資金調達が来年だからそこで2倍で売ってもいいさ。こういうのはコネしかないんだ、長いこと海外にいたご利益だね。イーロン・マスクにはコネないからスペースXはそうやって買ってた株主からIPO前に30億円ぐらい買おうとしてたんだ、懇意の外資系証券に頼んでね、でもアンソロピックとオープンAIが今年になるって聞いて急遽取りやめたんだよ。びっくりしたけど主人の頭の中のことだからよくわからない。大正解だったよ、スペースXは日本の証券会社でも人気で抽選で買えたけど当たった人は喜んびもつかの間15%も損しちゃったね。株は怖いねって話になってる。でも基本的にどうでもいい需給関係の話でね、そんなのばっかり見てる人ほど損するってだけの話だよ。主人は宇宙産業に強気なんだ。だってよく知ってるからさ。
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