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N響・ブロムシュテットのエロイカ

2015 SEP 18 2:02:43 am by 東 賢太郎

N響をサントリーホールで聴くのは初めてでした。NHKホールが嫌だから換えたのです。申し込みが遅くてあまりいい席が空いてなくS席ながら1階後方、このホールは席の当たり外れがあるのでどうかと思っていましたがやっぱり外れでした。

しかしこの前ワーグナーを堪能し、まったく音響的にも文句なかった(読響)のと比べ、舞台からほぼ同じ方向のたった4列後ろなのに、どうしてこんなに違うのか首をひねるばかり。常識的にはオケの違いによるということになるでしょう。

とにかく低音が来ていない。マスの音がハイ上がりでヴァイオリンの高音がひりひりしてもうだめ。CBSのアメリカ盤LPでのフィラデルフィア管を安物のステレオで音量を上げるとこんな感じでした。部屋で聴く風呂で鳴ってるラジオという感じでもあります。

世界のコンサートホールについてはだいぶ前にランキングをつけましたが、僕はホールには不運でフィラデルフィアのアカデミー、ロンドンのRFH、フランクフルトのアルテ・オーパーで長年聴かされ辟易してました。実にひどいのです。アムスやウィーンやニューヨークの人がどんなにうらましかったか。

そしてまた東京がこれです。トゥッティでも隣の人とひそひそ話ができそう。最近必ずいるアメむきのチャラチャラ音がオケよりよく聞こえる。倍音が来ないからそういうことになります。

聴感というのは人によって様々のようだから僕の耳においてだけのことかもしれませんしそのように読み流していただきたいですが、正直を書きたいのです。とにかくこの音だと苦痛でしかなく、この会員券は誰かにあげてしまおうかというところ。

というわけでせっかくのベートーベンも1番から戦意喪失。以前NHKホールでさっぱりだった同じ指揮者のブラームス4番の音ですね、まさに。休憩でもう帰ろうと思ったが、後半がエロイカであったというのが唯一の理由で残りました。随分元気のいい活力ある筋肉質の3番でしたが管がいけません。

ブロムシュテットは齢をとっても一向にいわゆる巨匠風にならないのが彼らしい。ひとつだけ好きなドレスデンSKとのドヴォルザーク8番の路線をいまだ変えていないのは立派といえば立派、しかし結局はもう結論とするしかないが、僕は性が合いません。

こういうエロイカならトスカニーニやレイポヴィッツのオケを聴きまくってしまっているのでN響であれを上回るのは到底無理です。申しわけないが、終わるとすぐ出ました。

 
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Categories:______ベートーベン, ______演奏会の感想, クラシック音楽

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