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オスモ・ヴァンスカ/読響のシベリウスを聴く

2015 NOV 22 1:01:59 am by 東 賢太郎

きのうは北の湖のニュースでショックを受けてしまい、コンサートの感想どころではありませんでした。

こういうプロでした。

指揮=オスモ・ヴァンスカ
ピアノ=リーズ・ドゥ・ラ・サール

シベリウス:交響詩「フィンランディア」 作品26
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲 第2番 ハ短調 作品18
シベリウス:交響曲 第2番 ニ長調 作品43

東京芸術劇場は日本へ帰って来てから6年ぐらいずっと読響の定期(マチネ)をきいていましたが、N響に移って以来8,9年は行ってません。改修もしたようで楽しみでした。

結果として、このホールは東京ではベストと思います。残響が適度にあるわりに後方の楽器まで分離よく細部が聞こえ、低音楽器は倍音が豊かです。ヨーロッパ的な音がしますが欧州の有名ホールに似たものはないかもしれません。よく似てるのは香港文化中心(Hong Kong Culture Center)大ホールではないでしょうか。

さてラフマニノフを弾いたリーズ・ドゥ・ラ・サールですが、冒頭鐘の音の響かせ方から個性があります。ソノリティをじっくり聴き分けながら和音をならす。主張を持ったピアノでとても良かった。ただテクニックではやや苦しい所もあり、こういう曲がいいのかどうか・・・。アンコールのドビッシーは非常に高雅で、彼女の音響、ソノリティへの趣味が良く出た名演でした。低音の弦の微細な振動まで聞こえる芸劇の音響、いいですねえ。彼女はフランス物を聴きたいです。

201202220001_b

 

余談ながら、この人、ビジュアルで得してますね。むかし(今もあるか?)フランス人形というのがありましたが、まっさきにそう思いました。これはオジサン族はイチコロですね。

 

 

 

シンフォニーの2番。ヴァンスカはCDでもそうですが、ザッハリヒなシベリウスをやります。無味乾燥ということではなく、原典主義というか。第4楽章の第1ヴァイオリンのフレージングなど彼の読みへのこだわりでしょうが耳慣れないのがややわずらわしい。音量があがると速度も増す傾向があり、音楽のテンションは非常に高いです。第2楽章はppへのブリッジの休符が長く緊張感が増幅します。大きな起伏にオケがついていけずにバスとずれがあったり、完成度を求める指揮でありながら熱量の方に耳が行ってしまう演奏でありました。ひとつの強い主張を持った解釈であり感銘は受けましたが、僕の好みの2番ではないというところです。

 

 

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Categories:______シベリウス, ______ラフマニノフ, ______演奏会の感想, クラシック音楽

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