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来年やること(脳内の具現化)

僕はSPレコード時代をおぼろげに記憶する最も若い世代に属するだろう。

レコードとは記録でありLPとはlong playingの略だ。何を基準にlongかというとshort playing(SP)なのだから、塩化ビニール円盤を既存の78 rpmよりも低速(33 1⁄3 rpm )で回して長く録音できる技術ができてから既存がshortとなり、できたほうが相対的にlongとなった。中途半端ですぐ消えたが45rpmのEP(extended playing)も現れた。

SPからLPへの切替えが移行でなく進化ととらえられたことはshortという命名でわかる。記録時間の短い方を選好する人はいないという否定的ニュアンスの命名であり、さらにLPフォーマットの中でモノラルからステレオへの進化がおこるとSPはほぼ消えてしまった。進化の完了である。

勝者であったLPが今度は凌駕される様はメディア進化における弱肉強食のドラマである。それはextended long playingではなくCompact Disc(CD)なる違う視点とコンセプトからの命名を受けた素材もサイズも色も異なる円盤によって成し遂げられた。本移行はもはや進化ではなく淘汰であった。

いま世界でおきている最も重要な変化はBrexitでもトランプの出現でもない、ITによる既存概念の淘汰だ。目に見えない。見える人にだけ見える。これは全産業のみならず生活レベルでもおきており、技術の進化は人間の本質をも変えている。これはアナログ的変容である進化でなく、デジタル的な淘汰である。

野村くんがメンバーになってくれてSMCの展望は面白くなりそうだと西室と話した。僕はメディアを作るのが夢だ。本業は冷徹なビジネスだがこっちは遊び心オンリーでやりたい。収益を追っては創造できない面白いものが世の中にはあって、カネは使えば消えるがそれは残る。若者に元気も与える。

夢は実現しないから夢であり、いつまでたっても脳内現象に過ぎない。だからリアライズ(具現化)したい。その技術は僕にはないからそれを持った人たちに集まっていただき、夢を具現化してもらいたい。それは僕の脳をリアルなモノで表わすことになり、メディアの淘汰の波に乗る。

オンリーワンに価値があると人は言うが、人工知能(AI)が2048年に全人類の脳の処理能力の総和を超える。誰もが「いいね」を押すものは総和に限りなく近いものを作ろうとする努力だからAIに負ける。しかしAIは僕の脳は作れない。永遠にオンリーワンであり続けられる。

今日、このことを僕の会社の責任者に指示した。ぶっとんだことに聞こえたろうが、それで良くて、そんなに簡単にのぞけるはずはない。

ということを今日、銀座の新太郎さんで寿司をいただきながら長女に教えた。社員の皆さんにどこまでわかっていただけるかで成果は決まる。

 
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    2 comments already | Leave your own comment

  1. 12/30/2016 | 4:47 AM Permalink

    SPは、商業的競争もずいぶんありました。低音がどうしても出にくいために低音を多めに刻んで、再生時に、低音を持ち上げるという、この競争に勝利をおさめたのが、RCAです。RIAA曲線(イコライザー・カーブ)という、結局LPになって、RCAの提唱した一種のイコライッゼーションに統一され、落ち着きました。それまでは、再生するのに、メーカーによって、このカーブ(曲線)をいちいち、変更しないといけませんでした。今でも復刻にあたっては、レコードレーベルごとに、RIAAイコライザー・カーブを調整したりしています。またアナログLPの再生の場合にも、低音が多めに刻んであるので、それを元に戻すために、アンプで元に戻すことが必要で、これを、フォノイコライザーと呼んでいます。

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  2. 野村 和寿

    12/30/2016 | 4:56 AM Permalink

    SP盤には、各社まちまちのイコライザーカーブというものがありました。これは、レコードの特性でどうしても低音が出にくいために、その分、多めに低音を盤に刻んでおき、再生時に、元にもどすという低音再生する方法です。これが、各社のレーベルごとにまちまちで、いちいちレーベルごとに、違ったイコライザーカーブにしないと正確には再生できていませんでした。規格が統一されたのは、アメリカのRCAが編み出したRIAAという規格カーブです。でした。このRIAA再生曲線で、盤作成時に刻み、再生時に、戻すと言うことを、今に至るもアナログレコードではやっています。その証拠に、今でもアナログレコードを再生するときは、フォノ・ポジションがあり、アンプにフォノイコライザーがはいっていて、低音のバランスを元に戻しています。その意味では、レコードにも、商業的な競争があり、それに勝利したレーベルがあり、統一されたということになります。

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