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世界のうまいもの(その2)-スコットランドのザリガニ-

2012 SEP 21 16:16:28 pm by 東 賢太郎

小学校のころ熱中したことがあります。成城学園には大学の近くに丸池という池があり、悪ガキはここにいるマッカというアメリカザリガニを競って釣っていたのです。

エビに似ていてうまそうだと思っていたのでいつもバケツで持ち帰りますが、それは食べられないのよと母は毎回シャットアウトです。翌朝になると数が減っていて誰かが食ったかと思うと共食いだったりして、長年実に気になる生き物でした。

スコットランドにターンベリーというゴルフ場があります。http://turnberrygolf.ca/home.htm

2009年全英オープンの舞台となった名門コースで、ホテルがついています。ここに泊まったある日、メニューにクレイフィッシュ(Crayfish)という字を見つけた僕は迷うことなくそれを注文。それは長年の溜飲を下げた日になりました。

ザリガニは600種類もいるそうでおなじみのロブスターもそのひとつです。フランスでは堂々たる高級食材。ザリガニソースやバターまでもあるというではないですか。スウェーデンや中国でも食べられています。

その日食べたのは武骨なあのマッカとは似ても似つかぬ繊細なボディの白っぽい中型。何という種類かは知りませんが、殻も固くなく、ザリガニ界の貴公子という感じのやつでした。ボイルしてあり濃厚なソース(Nautua Sauce)がかかった一品は、3匹はおかわりOKと思わせる逸品でもありました。

イギリス、しかもスコットランドというとメシがまずいという先入観をほとんどの日本人がお持ちでしょう。それは概ね正しいのですが、あのハギス(羊の脳みそソテー)だってそれが何か知らずに食べればそうひどいものでもありません。逆にラム(羊肉)などはここでなくてはと思えるほどうまい。

スコットランドはあの奥深い名品スコッチウイスキーを生んだ場所であり、そこの人が味がわからないというわけではなく食材が乏しかったということだと思います。ついでに、ギネスという黒ビールがありますが、あれはダブリンで生で飲まないとうまくありません。瓶や缶はまがいものと言っていいぐらい違うのです。

ついにザリガニを食って鼻たれ小僧時代からの思いを遂げた僕でしたが、翌日のゴルフでは僕に賭けていた小僧のキャディーに激励までされる屈辱のコースデビューとなりました。

Categories:______世界のうまいもの, 食べ物

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