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カープ野村投手のタマ

2013 AUG 31 1:01:21 am by 東 賢太郎

広島対阪神をTV観戦。今年のプロ野球は楽天の首位独走に加え、セリーグでは広島がこの時期にして3位と、珍事が続いている。しかしそのカープも今日現在で9も負け越している。そういうチームがプレーオフで勝ってしまったりしたらどうなんだろう。今日の2位阪神を見ていると、もう巨人以外は同じようなものだ。あのいまいましい巨人の巨大戦力はどうしようもない。

野球は確率のゲームである。例えば、あるイニングに阿部、村田、ロペスとクリーンアップを迎えるとする。彼らの出塁率はそれぞれ.431、.400、.362である。この3人を全部アウトにする、つまり3者凡退に討ちとる確率は.569×.600×.638=21.8%だ。144試合やって113試合は3人のうち誰かを塁において打率.337の高橋由伸と勝負しなければいけない。

これが不振の中日だと森野、和田、平田で.375、.383、.352である。三者凡退の確率は.625×.617×.648=25%となり、144試合やって108試合で打率.238のクラークを迎えることになる。わずかな差に見えるが、確率は大数の法則で試合数が多いほどばらつきが減る。したがって、試合をたくさんやればやるほど巨人の方が得点が多く入るのは数学的にわかっている話なのである。

野球は何が起こるかわからない?1試合だけとれば確かにそうだ。甲子園が面白いのはそのためだ。しかしこんなに戦力差があると144試合やれば充分「大数」であり、冷厳な数学の法則が働いて巨人が勝ってしまう。実につまらない。これを打破するにはドラフト改革などで戦力を均衡させて、144試合程度では大数の法則が働かないぐらいまで上記のような確率値の差を縮小するしかない。

パリーグ球団が「なんでバレンティンをもっと厳しく内角攻めしないんだ。セリーグの投手は大人しすぎだ」と批判しているそうだ。もしそうならそれは巨人の打者への攻めも甘いということだろう。確かに交流戦で巨人は13勝10敗と3つしか勝ち越していない。セリーグの投手の遠慮で大数の法則が幅をきかしているならファンは猿芝居を見せられているようなものだ。

では外角攻めは大人しくて打たれてしまうかというと、今日のカープの野村投手はそんなことはなかった。阪神打線が元気がなかったとはいえ8回を3安打完封。球速は速くても140kmだから大したことはない。しかし(TVで見た限りだが)135km程度のチェンジアップでもボールが「生きて」いて石原のミットが快音を発していたのには驚いた。打者には150kmに見えていたかもしれない。落ちる軌道の球なのに伸びる速球のような球質というか、ああいうタマ相はいまだかつて見たことがない。とても印象に残った。阪神の打者がとまどっておりまともな打球はほとんどなく、無安打試合をしていてもおかしくない雰囲気だった。

 

Categories:______広島カープ, 野球

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