クラシック徒然草-イザべラ・ファウストのヴァイオリンー
2013 NOV 1 22:22:30 pm by 東 賢太郎
以前にユリア・フィッシャー、イザべラ・ファウスト、ヒラリー・ハーンが気になる3大ヴァイオリニストだと書きました。実は昨日そのひとりイザべラ・ファウストさんがサントリー・ホールでチェコ・フィルとベートーベンを弾いていて、さんざん迷ったが日本シリーズが気になって失礼してしまった。罪滅ぼしに今日は某CDショップでの彼女のプロモーション演奏を聴きに出かけました。
J.S. バッハを弾きましたが、パルティ―タ3番のプレリュードなど彼女の音楽は非常に人を集中させ、惹きつけるものがあると感心しました。トークもあって、バルトークを11歳から弾いていた話、その1番の協奏曲は校訂が進んでいないため自分でブダペストのアルヒーフまで行って初演時の手稿まで研究した話など面白かった。本当に音楽が好きで没頭しないとプロとはいえ普通はそこまでしませんね。大変知的だがお人柄もよろしい純真な方という印象でした。
このCDを買って、普通そこまでしないのですがあまりに気に入ったので列に並んでサインまでもらってしまいました。
このJ.S. バッハ無伴奏ヴァイオリンソナタとパルティ―タBWV1004-1006は愛聴しそうです。僕の愛聴盤はシェリングなのですが、彼女のきりりともぎたてのレモンのような、それでいて聴き手をまきこむ強い求心力のある演奏は実に新鮮です。
近くで聴いて深みのある楽器でもあったのでおたずねすると「ストラディヴァリウスです」とのこと。これだけひとことお礼を言いたかったので「以前きいたN響とのプロコフィエフが良かった。ありがとう。」と伝えると、驚いたようににっこりされました。
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