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原鉄道模型博物館(Splendid Hara Railway Museum in Yokohama)

2014 FEB 27 1:01:23 am by 東 賢太郎

横浜駅から徒歩5分、三井ビルにあります。1919年生まれの原 信太郎(はら のぶたろう)氏は戦中・戦後、復興・高度成長期を通して鉄道好き・技術好きを貫き、世界中を旅し、模型を製作・収集。これまで訪れた国、延べ約380ヶ国、所蔵模型数約6,000両、撮影したスチール約10万枚、フィルム約440時間、という鉄道の鉄人です。

unnamed1僕は少年時代の絵は電車のみです。関心は線路と車輪、台車などメカ部分ばかりであり、その血は鉄研の息子が継いでいます。子供のころ買ってもらったのはOゲージでしunnamed2た。HO以下は質量感がなくまったく興味なし。大好きな湘南電車を “サンタクロース” にもらった日のことは忘れません。以来、大型模型にはうるさいのですが、どこを見るかというと上の写真のD51の車輪をご覧ください。脱線防止のため、レールの内側に入り込むように車輪の外周に「フランジ」というでっぱりがありますね。これが低いと脱線しやすいのでほとんどの安物の模型はこれの背が「高い」のです。そうなると現実感がさっぱりなく、僕はいっきに興味が失せます。そもそもそこで手を抜く程度の製作者の模型などまず子供だましで、ここもそれが高かったらすぐ帰宅したでしょう。ところがご覧のとおり、原氏の模型は原寸どおりの高さ!う~ん、おぬしやるのう。これ見た瞬間にもうクオリティを感じました。右の京阪電車もいい味出してます。

ジオラマは世界最大30m×10mの壮大なスケールで、線路は一周80m、幅は45mmの1番ゲージ(実物の1/32)でとにかくでかい! しかもレールと車輪が合金でなく本物と同じく鉄製であり車両は自重がかなりあるのでつなぎ目で発する音がリアルです。これはこたえられません。これが全望です。

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このムードはヨーロッパそのものですね。造作物、人間すべてに一切の手抜きがありません。いや、ちょっと端っこでも手を抜いてしまったら、車輪のフランジにこだわった意味が消えてしまうのです。だからそれは当然なのです。ジャンルこそ違いますが僕もこだわり趣味人ですからその辺の厳しさはよ~くわかります。

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この駅舎は巨大なフランスのリヨン駅です。建物のリアル感も見事です。このジオラマがある巨大な部屋の天井もリヨン駅と同じ造りになっています。

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奥の係りの男性まで約10m、とにかく壮大です。

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夜景です。幻想的です。模型と思えません。

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これはチューリヒ時代に住んでいたクスナハト駅を思い出します。すごくなつかしい。こんな感じの高台の家で、暗くなって車を運転して帰宅する途中がこんな風景でした。

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わざとボカシを入れたわけではありません。写真が下手くそなだけです。

 

 

この模型は架線から電気を取っているのもこだわりです。また本物の電車はモーターの動力をオフにしても慣性走行しますが模型はすぐ止まってしまいます。そこで試行錯誤を重ねてギアを工夫してそれができるようにしたそうで、世界にそこまで凝った模型はないそうです。原氏の一生を賭けたこだわりは壮絶なものがあります。日本人のクラフトマンシップの原点を見る思いです。慶応幼稚舎からエスカレーターだったのに鉄道好きが嵩じてわざわざ東工大に入り、コクヨ(株)でサラリーマンをしながらこれだけの模型を作ってしまうという のは趣味の域を超えています。

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童心に帰ったといいますか、子供そのものの格好で写真を撮りまくってしまいました。鉄道好きの方には一見の価値あり、おすすめします。

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