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最後の野球観戦は大興奮の神宮劇場で

2015 SEP 30 3:03:08 am by 東 賢太郎

いや、大変な熱気、大変なゲームでした。今年最後の観戦を今年最高の野球でしめくくれとてもラッキーでした。

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だいぶ前にマエケン先発がこのへんかなと買ってあった今日の神宮のカーブ戦でしたが、きのうヤクルトが勝って巨人が負けて、なんとヤクルトは勝てば優勝というプラチナ・チケットになってしまいました。全席完売で入場者33522人、試合前からヤクルト側のスタンドは尋常でない緊張と熱気にわいています。

 

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かたや真っ赤に染まる3塁側も負けていません。カープは負ければ阪神と争うCS出場はほぼ絶望でもうひとつも落とせません。ただ、ヤクルトは館山が先発で、カープ戦は70イニングぐらい連続無失点らしく、実はもう完全に僕はあきらめてました。むしろ滅多に見れない胴上げ見たいなと。

 

我が席はネット裏、カメラの真後ろ9列目というポジション。打席は1番の丸。

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ブルペンはここからだとはるか彼方でしたがじっと見ていると、館山は変化球、特にスライダーが指にひっかかってる感じでした。カープベンチもそれを見ていただろう。案の定、試合でもシュート、スライダーに珍しく明らかなボールがあり、細かな制球が甘く、カープにしては良く球を見て想定外の5四球をもぎとりました。ストライクを取りに行った球でしょう、5回に丸がレフトに流してホームラン。松山を歩かせさらに制球に乱れを感じたところで、甘いシュートをエルドレッドに投手の自信を粉砕するほど快心のツーランをあびて降板。結局、被安打3でしたがホームラン2本で3点与えました。これはヤクルト打線にも想定外だっただろう、ヒットは出ますが決定打にいたりません。

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カープ先発の野村です。ブルペンを見て、どうってことないな、球威なさそうだな、負けだなと思ってました。ところがマウンドでは変化球が低めに集まって、5回までに8安打もされて毎回走者を出しますが3回の山田以外はなんとかタイムリーは与えないしぶといピッチングでした。こういう投球がどうしていつもできなかったんだろう?

 

 

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山田は相変わらず見事な打撃で2打点。右打ちもうまい。左の場面は7回、投手が大瀬良で、この直後にセンター前ヒットで2点目をたたきだしました。大瀬良は慣れないポジションでちょっと疲れてるか150km台はほとんど出ませんが。この席だと球威がわかりにくく、やっぱり僕は横から見る方が好きですが変化球の軌道はよく見えました。

 

 

 

いちばんの見ものだったのは、8回に野間が3塁打を打って4点目が入った後です。2死3塁でヤクルトベンチは1番丸、2番菊池を敬遠して満塁にした。これは驚いた。ヤクルトは左の救援投手不足で、唯一の久古はもう使っていてマウンドは信頼の厚い秋吉でした。だから丸は歩かす、それはわかる。そうなると三塁走者の野間とのダブルスチールがあるのもおそらく嫌だったでしょう。しかし満塁にして小窪に打たれれば万事休すであります。

3番には7回から登板の大瀬良が入っていて、回またぎで投げるためベンチ前で肩ならしをしていました。代打(小窪)を出すなら出してみろ、大瀬良の代わりに8回に投げる投手がいないだろ、っていう作戦に出たわけです。9回はクローザー中崎がいるんですが、大瀬良をひっこめると弱い投手しかいないというカープのアキレス腱を突いてきた。8回のヤクルトは5番バレンティンからの打順で、そこからの6人のうちひとり出塁すれば2番川端に、ふたり出れば3番山田に回るため、グッと得点可能性が増します。だから8回に弱い投手を出させて、とにかく出塁させる戦略に出たのです。

そこで緒方監督が躊躇なく打った手は、大瀬良に代打・小窪を送る、でした。そして結局、三振で無得点に終わる。勝負は外れ、3塁側のため息とどよめき。真中監督の賭けがここまでは当たったわけです。

で、8回の投手は?ブルペンは今村と中崎が少し前から始めていて、しかも小窪が出てきたあたりから今村が再度始めて急遽ピッチが上がって肩を作っている、ところがちょっと散漫な投げ方であり、おい、それはやばいんじゃないかと不安がつのります。

そしたら中崎でした。代打の時点でもう迷いはなかっただろう、クローザーを8、9回の「回またぎ」させたのです。計略に強気で立ち向かった。ブルペンは、そして誰もいなくなった。今村は囮(おとり)だったのです。

この中崎への信頼!中崎の回またぎは今年なかったんじゃないでしょうか。前半はやや不安定で被弾して敗戦もけっこうありました。これで打たれて負ければほぼシーズン終了という、今度は緒方監督の集大成の賭けだ。

先頭バレンティンとの対戦です。

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この席で目の前に見るバレンティンは怖い。嫌だなと思っていたのです。

しかし杞憂でした。きょう感動したのは2番目にゲームを救ったファースト新井のファインプレー、1番はなんといってもここでの堂々たる中崎の投球です。回またぎをものともせず、相手の計略などぶちかまして仁王のように立ちはだかったのです。成長しました、明らかに。153kmも出るんですが、勝負球は内外低めの変化球です。それもツーボール、スリーボールになってもコーナーに決められる。焦りが顔に出てない。素晴らしいピッチャーになってきたじゃないか!今年苦労した甲斐があったということだ、自分のことのように嬉しい。結局、1四球を与えましたがノーヒットで締め、ゲームセット。

死闘でした。文句なしのヒーローであるエルドレッドのインタビューが終わっても両軍応援団は席を立ちません。かつて見たことのない光景です。胴上げを逃したヤクルトファンでしたが敵ながらあっぱれだったのでしょう「阪神倒せ」の大合唱エールがカープファンに飛びました。ほんとうにカープはよく戦い、よく勝った、満場がそう讃えた。僕も心から、選手はもちろんのこと、8回の攻めの緒方采配をほめてやりたい。心温まる思いで帰路につきました。あと4つ、苦手の中日2つ、ヤクルト1つ、直接対決の阪神1つを全部勝たないと届かないでしょうが、今日の戦いは良かった。この勢いでずっとやってれば・・・言っても仕方ないですね、4つ死力を尽くすこと、それだけです。 

 

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広島 0 0 0 0 3 0 0 1 0 4 9 0
ヤクルト 0 0 1 0 0 0 1 0 0 2 10 1

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Categories:______広島カープ, 野球

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