オッコ・カム指揮ラハティ響のシベリウス1,2番を聴く
2015 NOV 27 0:00:55 am by 東 賢太郎
オッコ・カム指揮ラハティ響を全部買ったので明日の読響は行けなくなりました。ご当地のオケで全曲聴ける機会はシベリウスイヤーの特典で、もうあまりないでしょうから仕方ないですね。
今日は交響曲1,2番でしたが一番印象に残ったのはアンコールの組曲テンペストよりミランダ(Miranda)、行列(Cortège )、ペレアスの間奏曲(Entr’acte)です。これはすばらしい!まるでウィーン・フィルのヨハン・.シュトラウス。弦の精妙なフレージングは曲を知り尽くしてないと絶対にできない性質のもので、管も含め全員が確信をこめて弾いている説得力には感服するしかございません。標題音楽はシベリウスの出発点として非常に重要なのですが、初めて真価を教えてもらったかもしれません。
1番ですが、時に聞こえる後期への萌芽と、スケルツォのご当地オケでなくては出ないだろう思いのこもった弦のアタックが秀逸でした。ただ、この曲はまだチャイコフスキー時代のロマンが濃厚に残っているわけで、5番、7番あたりから入門した僕としては昔から何度かは耳にしているはずなのですが、どうも居ずまいが悪い。シベリウスをロマン派とは思ってないもんで・・・。第2楽章の主題が「もーいーくつねーるーとー」に聞こえたりして。苦手です。
2番はこのオケにして日常のメニュー、定食なんでしょう、練習もなく弾けてしまう感じでしたね。カムの解釈も、ベルリンPOやヘルシンキ放送OとのCDと大きくは変わりありませんでした(後者に近いですが)。ただ客席はカムを呼び戻すほど熱狂しており、それをいつくしむような目で見ていた団員の笑顔が良かったですね。日本とフィンランドはいい関係になれると思います。
ところでホールは東京オペラシティで1階15列目中央の最高にいい席でしたが、何度聴いてもここは楽器のナマ音が前面に出てきます。だからピアノ・ソロには向いており好きなのですが、オケはいまひとつですね。ハリウッドボウルのような野外音楽堂に似た音響成分を感じます。意味もなく天井を高く造って、せっかく形状はシューボックスにしたのに美点を消してしまったと思います。
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