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世界のうまいもの(16)《望蜀瀘》

2023 JUL 20 23:23:52 pm by 東 賢太郎

日本のいわゆる “中華料理” は広東料理に北京ダックやら麻婆豆腐やら各地の定番ディッシュを加えてよろず中華にした感じのものが多い。香港に住んだので広東メインは賛成だけど、「食」への興味津々だから出張で訪れた中国各地の美味には強烈なインパクトを受けた。食い物だけでまた中国全土をめぐってもいいなと思っていたぐらいだ。だから昨今、激増して池袋などで熱くなっている「ガチ中華」は大歓迎で、楽しみで仕方ない。

これは会社から近いので何度か行っている赤坂の「四川DINING望蜀瀘」だ。ここ、知る人ぞ知るで辛さは東京でも最高クラスといわれる。

きのうは辛いもの苦手のO君といっしょで、白い方は大丈夫だから二色鍋にした。前菜は「四川風鶏の冷菜」(口水鶏)。いきなり辛いが、これと白飯だけでいいと思わせるぐらいの絶品である。鍋はコースにする。辛さは3段階あってどうしますかと聞かれたがもちろん「四川とおんなじ」だ。すると、一切手加減なしの160キロの剛速球みたいなのが来る。これが感動だ。唐辛子でいっぱいの真っ赤なスープにキクラゲ、きのこ、大根、白菜、もやしなど野菜類に羊肉、豚肉のしゃぶしゃぶがはいり、最後は麺でしめる。

鍋は重慶と成都で食べている。辛いというより唇までぴりぴり痺れて味覚が全壊したというか、凄まじいアタックで驚く。しかしそれだけではない。薬膳っぽい独特の「うまみ」とハーモニーをつくるのがたまらず、病みつきになる。音楽に喩えれば耳をつんざくブラスの咆哮にびっくりの「春の祭典」だ。なんだこれはと仰天するがだんだんいい曲だなとなる。不思議だ。

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