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カテゴリー: ゴルフ

何事もいい仲間とライバルの存在は大事

2019 FEB 28 1:01:09 am by 東 賢太郎

追い込まれると強い人がいます。ゴルフの朋友でライバルのK君。グリーン周りで競ったとき、彼ほど嫌な相手はかつてなし。「神ってる」時期など、こっちはピンそばに寄っているのにバンカーからチップイン、2倍の距離のロングパットをねじ込まれてこっちがはずすみたいなことをやられて逆転負けしてしまう。

ある日など、登りでホールが見えない15メートルのパットを決められ愕然。ガッツポーズで「よし!」の雄叫びをかまされた挙句に3ホールも続けてよしを連発され、だめだこいつには何しても勝てないとなってしまう。以来トラウマで、プロが長めを外すと「あんなのKなら一発だ」がいまだに口癖になってます。

K君ら固定メンバーの3人とは欧州時代に20回ぐらい泊まり込みでストロークプレーのトーナメントをやっています。もちろんスクラッチ、ノータッチ、オーケーなし。全員が根っからの負けず嫌いで壮絶な戦いでした。優勝回数は僅差で僕が多いですがやられた方ばかり覚えてます。指揮者の小林研一郎先生はこの面子でアムステルダムとプラハでお手合わせいただいたのです。

ゴルフの負けはほんとに悔しい。10打差つけられて脱落した最後のハーフなど、僕だけお荷物でどうでもいい、早く打てよという屈辱の2時間で、悔しさで猛練習しました。ゴルフは衆人環視でショットをするのでそれであがってしまうとだめです。見られてるとアドレナリンが出てうまくいく性格は向いていました。

僕はラウンド中は集中していて口を開かないし、スコアが出ないとすぐクラブを買い替えパターは10本もある。ドライバーはすぐ人にあげ、外したボールは時に池に捨てる。普通ならムード悪くなるのですが、「そろそろあいつキレてタマ捨てるぞ、拾おうぜ」なんて、完璧に見透かしてる仲間たちなので楽しく遊んでもらえました。

スイス時代に本間のウッドが気に入って買いました(左)がヘッドの真っ金金が(写真は長年使い込んで地味に見えますが)「おお、中国製か?すごいな」と一気に皆の酒の肴です。本番でドライバーを取り出すと「いよ、黄金バット!」と野次られます。しかし僕はそういうのは一切関係ないのです、徐々に絶大な威力を発揮、しまいには写真のスプーンを取り出すと皆やめてくれという顔です(はっはっはどうだ!)。右は同じく本間のSWで、ご覧の通りHONMAの文字が擦り減るほど溺愛。80ヤード以内の必殺の武器でした。この2本でどれだけ勝利の美酒を味わったかと、家宝に認定されております。

何事もいい仲間とライバルの存在は大事ですね、負けて悔しくて必死に練習を積みました。K君が好調だと手も足も出ず、あまりのミスのない steady golf に「Kマシーン」のあだ名をつけましたが、その彼とスクラッチで戦うわけだからこっちまで追い込まれると強くなったのです。しかしその彼も最初は初心者であり、実は僕らが叩きのめして悔しくて強くなったのです。ものすごい練習をしたのだろう、敬意をもってます。

パットのミスでボールを捨ててるようじゃ資格も品格もなし。当時30代のガキでしたがちょっとは人間も鍛えられ、のちに1889年創立の名門・香港ゴルフクラブのメンバーとしていっぱしに振舞えるようになりました。そこで開催された香港地下鉄公団の80名の大コンペで優勝しましたが、そんなのはたいしたことない、「Kマシーン」との一騎討ちのほうがぜんぜんシビアでした。

 

 

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タイガー・ウッズと親父のスマホ

2018 JUL 24 1:01:14 am by 東 賢太郎

先日マッサージで筋肉は50才と言われ、お世辞かなと思いつつも親に感謝した。人間ドックでも何も異常ないし、先月に疲れがたまってか睡眠が浅くなり膝も痛く、CTスキャンをしてもらったが、やはり何もない。10代で鍛えた貯金かもしれないが、体はけっこう強いのだと思う。

しかし、健全な体に宿っているはずの精神の方だが、いろんな心労がたまっていて健全かどうか。事業をするというのは泳ぎ続けないと生きられないマグロみたいなもんで休息などない。もちろん夏休みは考えるが、どこに居ようと頭の中は寝ても覚めても仕事づけだからあんまり意味はない。

去年5月のタイガー・ウッズ

そんな中で、とても元気をもらったのは、今年の全英オープンを6位タイで終えたタイガー・ウッズだ。これは事件だ。一時はトップに並んであわやと期待させたが昔の彼ではない、例の不倫スキャンダルで見る影もなくボロボロになって姿を消し、去年5月29日には飲酒だか薬物だかをやって運転した疑いで逮捕されてこんな顔だったのだ。これを見たときは心底悲しかった。というのは全盛期の彼のプレーを2001年の全英オープン(ロイヤルリザム&セントアンズゴルフクラブ)で間近に見て、ドライバーの打球の凄さと神業のごときショートアイアンの切れに絶句したのが昨日のことのようだからだ。あんな人がそこまで落ちてしまうのかというのに驚いたが、今回の復活はそれに輪をかける驚異である。持って生まれた精神力だろう、ぜひマーラーの2番を鳴らしてあげたい。

今年の全英オープンでのウッズ

もう一つ事件があって、母が逝ってひとりで施設に住んでいる親父がなんと突然にスマホをやりたいと言い出して、なんでだときくと「電車に乗るとね、みんなあれをのぞいてるんだ。私だけだよ、見てないの。よぼよぼのおばあさんまでやってるんだよ」とそれが悔しいらしい。この年齢感覚のなさは確実に遺伝している。親父はガラケーも関心を示さず携帯電話は全くの初心者で、文字入力はおろか電話のかけ方もぜんぜんだめであったが、息子が少し教えたところ、きのう「ありがとう」とショートメールが来ていてぎょっとした。ちなみに94才だ。

つまり、体さえ元気なら何才だろうが復活もできるし新しいことだってチャレンジできるのだろう。では、何をやろう?もちろん。お客様に喜んでもらうことだ、それこそが常に僕の最大の喜びになるのである。しかし、最近もう一つ感じるのは、苦しい時に助けて下さった方々には絶対に恩返しをしないと死ねないということ。

いま、反対に苦しい方もおられるし、第2の人生に進まれる方もおられるし、いま現在に救いの手を差し伸べてくださっている方々もたくさんおられる。どういう形になるかはこれからのことだが、win-winの成果を大きくあげられるよう、ここは僕が徹底的に戦ってみようと覚悟を与えてくれる2つの事件であった。

 

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失敗の記憶は少なめに

2017 DEC 6 1:01:22 am by 東 賢太郎

松山英樹のパットが入らないらしい。そんなときはやらないに限るが、プロはそうはいかない。勝負事はここ一番で決まるが、そこで勝てるかどうかは自分を信じられるかどうかだと思う。

入らないというのは失敗体験だ。失敗は成功の母というし若いうちは失敗の方が学ぶことが多いと思うが、反射神経の領域では必ずしもそうではない。意図してコントロールできない「微小な時間内の出来事」だからで、意図と違う結果が何度も出ると人はだんだん意図の方を疑うようになってしまう。そういう場面で自分を信じない自分が心に棲みついてしまうのだ。

香港でのことだ。当時、ハンディ8とニギリは無敵時代である。ちょうどそのころ始まったマカオ・オープンのトーナメント・コースであるマカオ・ゴルフ・クラブで社内コンペがあって、やる前から優勝は当然、70台が出るかどうかが唯一の関心事という不遜の余裕だった。ほぼパーオンで7番ホールまで1~2オーバーと悪くなかった。ところが、ピンが傾斜面に切ってあった8番ホールでなんと7パットしてしまう。

1メートルの下りのパーパットが入らず想定外にころがって2メートル先まで行ってしまったのが事の幕開けだった。強めに打った返しがまた上につき、嫌な予感がよぎったらまた同じところに2メートル行き、覚えているのはそこまでだ。最後はフックラインの30センチが入る気がせず、またはずした。人間なところを見せてもらいましたと慰められたが、その後はちゃんと記憶が失せているから人間はよくできたものだ。

僕は決してパットが下手ではない。それがどうしてああなるのか、未だにわからない。あれ以前にも5パットはやっていて、その悪夢がよぎって一時的なイップスにでもなったのだろうか。加えてショットもヘタくそな時期が長すぎた。香港時代はちゃんと芯で打てたが、それ以前にシャンクが怖くて当たらず手が痺れる記憶が多くあって、しばらく遠ざかった今はそっちのイメージが勝っている。

そういうのをクラブのせいにしている時代は下手なままだった。失敗>成功、というスポーツは上達しないと思い至って少し上達した。運動は概してダメな僕にとって唯一そうではなかった野球は打たれない記憶の貯金があって、だから怖がらずできたと思う。ゴルフも頑張ったが、なにせたまった借金が多すぎ、しかもそれをカネと時間をかけて長年作っていたのだから大馬鹿者もいいとこだ。

マカオG.C.で、転勤が決まった最後のコンペで真剣に狙った。悪夢の8番ホールもパーで切り抜け、18番ロングがバーディなら79である。狙い通り3打目ややアゲンストの155ヤードを6番でピン3メートルにつけた。そして自信をこめて放ったバーディ・パットは1センチ前で止まった。グリーンに大の字に寝転がって仰いだ青空はきれいで、どうしてあれほど入っていた勝負パットが入らなくなったんだろうと考えた。香港の最後の一打だった。

僕はゴルフを一度も習ったことがない。完全自己流なのは野球もピアノもいっしょだ。結果こそが先生であって、成功体験の貯金こそが大事なのだ。そう考えると借金だらけのゴルフ、ピアノはもうだめである。失敗体験は勝負事では少ないに越したことはなくて、7パットもしてしまうとここぞの場面でまたやるかと無意識にビビってしまうのだ。

松山はトランプ・安倍とユルフンのゴルフなどやるべきでなかった。彼はグリーン上で他人に支配された経験など皆無だろう。「オーケーあり」はそれだ。そんなゴルフで1発でも気の抜けたパットなどしてしまうと神経の精度が狂って、それが刷り込まれてまずいのがトッププロのレベルではないか。プロの投手が敬遠すると次の初球が危ないのとおんなじのように思う。

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プライド捨てたゴルフは捨てる

2017 FEB 9 0:00:58 am by 東 賢太郎

「ゴルフは好きな奴としかできん」(アイゼンハワー第34代大統領)

 

まったくそのとおり。麻雀は誰とでもできますがゴルフはそうはいきません。僕の場合、好きであるだけでなくプライドをかけて戦える奴といった方がいいでしょう。そういう「勝負」でないのはゴルフとみなさないのであって、だから証券マンとしては失格ですが接待ゴルフは大嫌いでありました。

プライドはかけても目に見えないから、その代償として何か少額のものや食事を賭けるわけですがそういうのを賭け事はいかんといわれても困る。スポーツとして争うのは金品ごときではなくあくまでプライドなのであって、それをぼろぼろにされたから悔しくて徹底的に練習して僕はシングルになったのです。

霞ケ関カンツリー倶楽部の「女人禁制」が話題になっていますが、僕の観点からするとどうだろう。女子プロとやったことはありますが女の人と真剣勝負したことはなく、するイメージもさっぱりわきません。和気あいあいというのは辞書にないんで、無理でしょう。

やはり男同士だから闘争本能が刺激されるところがあるんで、しかも僕はプレー中は口をききません、相手が女だとサービス精神でそうもいかず負けそうな気がします。女人禁制にせよとまではいいません、どうせ一緒にやらないですからね、仮にそうであってもいかんということもなしです。

さて前回、プライドは捨てたと書きました。ではゴルフはどうか。最近さっぱりやる気ないのは、おそらく僕はそんなに好きでもなく、負けた汚名挽回だけでやってたからです。挽回しちゃったんでもう闘争心なし。負けず嫌いで、受験も落ちたからこの野郎と思っただけなんで入ったらもうどうでもよかった。ホリエモンもそうだったらしく、彼はそれで中退しちゃいましたが。

そういうことはプライドのおかげです。勝つために僕はバンカーからチップイン狙ってけっこう入れてましたが、でも今は勝つ執念がないんでそういう離れ業は2度とできないでしょう。プライド捨てたゴルフは和気あいあいしかありません、それを釣りでもあるまいし朝4時に起きて2万円も払ってやりに行こうなんてめんどうくさい。だからグロス75まで出したゴルフもあっさり捨てられるんです。

一方で、「インド カレー伝」(リジー・コリンガム著)を読んでいたらだんだん自分で作ってみたくなってきた。東南アジアのスパイス系料理は何でも好きなんで研究心をくすぐられますが、気合入れてやれば凄いのができる気がしてくる。こういうのはプライドいらないんでいいですね。カレーの次は交響曲を作ってみたいですね、シンセで録音すればオケいりませんし、まあこれは妄想ですが。

残りの人生、いろいろすでに普通でないことをやってはいるんですが、プライドを捨てますと、それが横糸になって繋ぎ止められていた無用なものがバラバラ落っこちて、代わりに思いもしなかったことができるような気がしてきます。人生のポートフォリオ入れ替えでしょうか。

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どうでもいいことの排除(今月のテーマ:インテリジェンス)

2016 DEC 16 17:17:33 pm by 東 賢太郎

断言するが、テレビが日々ばらまく情報というのは皆さんの生活において99%はどうでもよいものである。僕は海外族で日本のテレビを16年間も見ていないが、それで困ったり損したり日本人として知らずに恥ずかしい思いをしたことなど一度もない。

株式投資をした人ならわかるが、テレビのニュースで流れる情報で株が上げ下げするなど100%あり得ない。つまり何の経済的価値もないのである。もとよりそんなものに知的価値、学問的価値など存在しないないのだからヒマ人の茶飲み話のネタができるぐらいのことであって、知ってお得なことは何もないのである。

きのうクラブのゴルフ好きの女の子が「うまくなりたい」というので教えた。右側が林だとか、目の前から100ヤード池だとかは「情報」だよね?キミのドライバーは180ヤード?じゃあまっすぐ打てば林の存在も池の存在も「どうでもいい情報」でしょ?それを心から消さないから何の意味もないミスショットが出るの。つまりどうでもいいものを意図的に心から消す訓練をすることが重要なのよ。

ライ見てる?100回あったら100回違うでしょ?芯で打たないとちゃんと飛ばないでしょ?だから、これ、ものすごく大事な情報。練習場は毎回同じでしょ?だからラウンドしないとだめ。で、ミスしたらなんで?と考えてる?考えてないでしょ?だから君は100切れないの。飛距離の筋トレ?コース戦略?そんなの君にはぜんぜんどうでもいいの。

こういうとだいたい目が点になってしまう。僕はプロでも何でもないが、しかし、以上の2点だけ、つまりどうでもよくてむしろ有害な情報の意図的排除と、決定的に大事な情報の重視と訓練だけで誰にも教わらずにシングルになったから正しいと証明されている。こういうものを情報(インフォメーション)ではなく諜報(インテリジェンス)という。

僕は猫と一緒に育っており、もとより猫型人間でもあったのだろう、そのせいでそう考えるようになったような気がする。猫は日夜かけずり回ってエサを探すとか犬みたいにあさましく尻尾をふって媚びを売るとかは馬鹿だと思っている。獲物を待って瞬発力で1,2秒でつかまえるのが楽でいい。

だから予習復習とか筋トレとか朝練とか、そういう日々コツコツや根性論的な訓練が嫌いになった。日本人にあるまじき非農耕民族的性格となってサラリーマン社会の集団農作業みたいな文化にアホらしくてついていけなかった。子供時分にそれを見抜いていた母親がこう育てた作品かもしれないが。

誰にもお勧めする性質のものではないが、ゴルフや受験や成果主義の仕事にはけっこう効果の保証できる方法ではあると信じている。

(ご参考)

情報と諜報の区別を知らない日本人

僕のゴルフ修得法

 

 

 

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トランプのゴルフにはそそられる

2016 NOV 21 0:00:39 am by 東 賢太郎

今日帰国したが今月は4回海外ということになり息もつけない。今回は風邪でずっと体調不良でセキこんでいてお客様たちにご不快であったろうが仕方ない。土曜日までアポが入っており、なんとかやるべきことは済ませた。ビジネスとは文字通りbusyなものなんで、安倍首相じゃないがやるときに一気に攻めなきゃ意味ないのだ。

昨日のN響はシューマンづくしでP協とラインだったらしい。僕と同様ラインが最愛の曲である長女が行って楽しんだようで良かった。音楽どころでないのを同情されるが、音楽はいつでも僕の人生の最良のパートナーだが主役、主食ではない。だからいつまでもおいしい。

ゴルフがそういう時もあった。そういえばトランプ氏は「ゴルフはビジネスにとって重要な役割を果たしている。私はたくさんの商談をグリーン上でまとめてきた」と言ったそうだ。たくさんではないが、僕もあった。イギリス人だ。パットを沈めてやっつけたときに「わかった」と決まったのだから接待でない。僕は接待ゴルフは大嫌いでしたことがないし今後もしない。

日本のマスコミはトランプのゴルフについて「60台の腕前」と書いているが、彼はウエスト・パームビーチでゴールドティー(6,900ヤード)の66がベスグロでそれは同コースのアマチュア記録なのである。これを60台と丸められるのは運動をまともにやったことない証拠でイチローの肩をレーザービームとするのと同じぐらいのアバウトな神経である。そんな人の記事をまじめに読んでもしょうがない。

マスコミはビジネスなんてもっと恐ろしくぜんぜんわかってないから彼の「不動産王」も極限までアバウトな表現なのである。そんなことで彼の評価が決まってはいただけない。彼は野球とフットボールオンリーでゴルフはウォートンスクールでフィラデルフィアのCobbs Creakというパブリックコースで筆おろししてる。ここは僕も同級生とコンペをやって記憶あるがえらくしょぼい草ボーボーの3流コースだ。

彼のゴルフ歴でなんといっても親しみがもてるのはvery self-taught(完全自己流、習ってない)と言ってることだ。しかしCNNでドライバーのスイングを見たが、おぬしやるな、である。「はじめは友達とやった、それからやり手とやり始めた。そこでゴルフを学び、ギャンブルを学び、すべてを学んだんだ」と言ってる。やり手とはハスラー(hustler)だ。今に至るまであらゆる場所でゴルフのハスラーが一番だと言ってる。

同感である。ゴルフでギャンブルを学んだ。何と救われるコメントだろう。僕は野球と違ってゴルフは麻雀がわりであり、はっきり言って賭けは強い。優勝トロフィーもたくさんあるが遊びでも手抜きは一切しないから握りの賞金で食っていた感じもありかなりその場はトモダチをなくしたろう。たくさん負けてもおりその悔しさで練習して(僕も完全自己流)そうなったから、やはりゴルフのハスラーたち(トモダチなのだが)から勝負を学んだと胸を張って言うことができる。しかしトランプさんのハンディ3と僕の8は雲泥の差、ベスグロで66と75の差だ。間違いなく比べ物にならない(賭けは勝つ自信あるが)。

悪いがオバマは勉強は出来たろうがゴルフがセコそうだ(私見である)。クリントン(だんな)は林で数回も手の5番だったという目撃証言がある。66出すような人は絶対にそういうことはないと断言していいだろう。そんな人間の出せるようなスコアじゃないんだ。最近入社試験で麻雀やらせた会社があるが政治家は選挙前にゴルフやらせたらいい、ウソつきや品性の卑しい者は一発でわかる。そういえば彼は僕にとって思い出深いスコットランドのターンベリーGCのオーナーだ(2020年の全英だったかな?)。なんとも刺激的なおっさんだ。トランプのゴルフにはそそられる。

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トランプ・安倍会談

2016 AUG 28 20:20:16 pm by 東 賢太郎

ゴルフは1ラウンド・ハーフだったようですね。気に入らないと2人で9ホールはなかったろうから首相の営業力はたいしたもの。しかし取り入られないようにしないといけません。こちらに書きました。

トランプ・安倍会談はうわべだけ

いいタイミングでミサイルを撃ってくれました、ごくろうさんですね、これは日米連携強化にプラス効果でした。

 

 

なぜゴルフクラブは女人禁制だったか?

2016 JUL 20 12:12:00 pm by 東 賢太郎

ニギリなしでゴルフをやると、どうも締まりないというのか燃えるものがない。プレッシャーがあったほうが結果がいい人とびびってダメになる人がいる。僕は絵に描いたように前者で、ギャラリーがいるとナイスショットが出る。

お前とはニギらんよなんて軽くいなされて、それはよそうよ、つまんないよと食い下がるが全会一致で却下なんてのがあいつぎ、それをチラシ(握りなし)と名付けてささやかな抵抗をしたこともあったがぜんぜん流行らなかった。

ドライバーショットというのはパワー、スピード、思い切りを競うアスリート競技だ。これだけで独立した競争の醍醐味があるし、飛んだ時の快感はひとしおである。ドラコンなどやればなおさらだ。

しかしパットはちがう。これはビリヤードに近く、アスリート能力は問わない。いわば戦略と判断力と精密なコントロールを競う知的競技である。しかも Putt is money. なんてとおり、これがゲーム全体の生死を握ることが多い。

ニギらないというのは要は money に関わらないということだから負けてもどうということはなく、パットに気合が入らない。それがだんだん他のショットにも影響して、締まりないゴルフになってしまうという寸法だ。

ところが昔あるラウンドで、ある事に気がついた。「チラシ」になってしまったのでどうでもいいパットだったのに、オジサン3人、けっこう目線が真剣になってる。

なぜだ?

グリーンでよく観察すると、ミニスカートのキャディーさんが割合に若くてきれいであり、ラインの指示出しが真剣だった。普通はラインを立ったまま適当に目視して「登りのフックです、カップ2個で」なんてもんだ。2個なんて正確に聞こえるが、打ち出し速度によってちがうんでこれはいい加減な指示である。

ところが彼女はしゃがみこんだり、はいはいポーズで目線をグリーンまで落としてまじめに読んでくれる。「逆目なのでやや強めです。フックラインは見ずに、カップを外さず右端狙いで」なんて実にイイ指示が来るではないか。畢竟、こりゃ入れなきゃ申しわけないなとなっていたことが発覚。

ところが、さらに最近になって「チラシ」の機会が増えてきて、キャディーさんのどうこうに関わらずやっぱりパットは皆さん真剣にやってるじゃないの、気が抜けるのは俺だけじゃないのかという気がしてきた。

2年ぐらい前のラウンドでのこと。僕のパットの番が来て、スタンス(構え)に入った。なんとなくラインに自信がなくなってしばし静止して横目でホールをにらんでいたら、急に閃光が脳裏にひらめいてなるほどと合点がいったのだ。

スキポール空港のトイレだ!

アムステルダムに行かれた男性は、小用の便器におどろいたご経験があろう。オランダ人はでっかいのだ。胸のあたりかと思うほど高いところで待ち構えてるそれをのぞくと、中央部にハエが堂々ととまっている。ホンモノじゃない、これがいわゆる「ハエシール」だ。

本能なんだろうか、すると、見ているうちになんとなくハエを狙いたくなるのだ。その結果、真ん中にあるそれに照準が合うのでしぶきが飛び散らないという仕掛けだが、それで首尾よく効果があるということは狙うのは僕だけじゃないのであって、男はそういう習性があるということを意味している。

パットはこれだ!

まったくくだらないことだが、そうひらめいて習性どおりに打ったボールはきれいにフックラインに乗り、すっと穴に消えてカコーンという澄んだ音を放った。これはこれで、ぶっ放すだけのドラコンとは異(い)なる快感ではあるのだ。

習性と快感がインセンティブになっていて、なるほどゴルフは人間の本質をついてうまくできている。ニギりは単なるスパイスであって、プロに真剣勝負さすには1億円のニギりだっているのだろうが、僕らアソビではそれがなくたって十分におもしろいものだったことがわかった。

ちなみに惰性で「男」と書いてしまったが、女性にその習性があるかどうかは知るよしもない。獲物をピンポイントに狙いたくなるのはやっぱり男の狩猟本能かなという気もする。そういえば、英国の名門ゴルフクラブはもともと紳士だけの女人禁制だったと聞く。どうも、ゴルフという遊びは男の習性と快感に深く根ざしていて、そういうものとして発生して進化してきたような気がしてならない。

お客さんのうちでも筆頭格の名家のジェントルマン、H氏が教えてくれた。

「ケン(僕)、ゴルフクラブのメンバーはね、地位やお金じゃないんだ。ふさわしくないとなれないんだよ。何が条件かって? ワイフに口がかたいことさ。」

 

男の脳と女の脳

 

 

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大成仏のゴルフ、煩悩の野球

2016 JUL 19 12:12:19 pm by 東 賢太郎

ミクロネシアへの中継点であるグァムで先週にゴルフをやり(レオパレス・グアムでのゴルフ )、この連休も河口湖の鳴沢ゴルフ倶楽部でやることになりました。さあやるぞ!というのではなく予定が重なっただけの偶然です。ことし初のラウンドで、しかもこれが最後かなというぐらいご無沙汰です。

ゴルフは一生分やった感があります。英国、ヨーロッパ大陸で有名なコースはそこそこ、香港時代はホームコースで年80ラウンドで寝るまえ布団にはいって目をつぶってもボールが見えました。そのころ公認ハンディは8で、どこでやってもグロスは80前後であがれベストは39・36の75でした。82までは許容範囲で、83たたくと不満という感じでした。

サラリーマンでシングルは出来すぎですが、ニギりで散々に負けたのが悔しくて完全自己流で固めただけ。格好は悪く、野球打ちのあがってナンボゴルフです。ニギりは強くなりあまり負けた記憶はなく、会社ではあいつと勝負するのはカネをどぶに捨てるようなものといわれました。

だからゆるいゴルフは苦手で、簡単に100行きます。モチベーションが必要なのです。それはプライドです、あいつには負けたくないというですね。いい勝負の4人がいたのが幸運でヨーロッパでは熱中してやりました。トーナメントの優勝トロフィーは6個ありますし、ゴルフというゲームには良い思い出が数えきれぬほどあり、敬意と愛情が人一倍あります。

こういう人は普通はメンバー倶楽部のクラチャンなんか出てエージ・シューターなんか狙ったりするものです。そこが僕が自分自身をよくわからないところなのですが、そういうのは面倒くさくてぜんぜん関心がわかないのです。もっとやりたいことがあるし、五十肩ショックで完全にお留守になってしまいました。

かたや野球はというと、練習は地獄だったし硬式になってからはほとんど良い思い出がありません。それだのにものすごく気になる。やってる夢を見ますし、やれるものなら何をおいてもまたやりたい(フィジカルに無理)。ゴルフ観戦はさっぱり興味なしなのに、野球なら子供のすら見たい。いいピッチャーがいると草野球でも1時間でも見ますし教えてあげたくもなります。

これは2つ理由があって、まず、野球に成仏できていない。僕にとっては野球ほど面白いスポーツは世の中に存在しないのであって、故障でできなくなった喪失感は40年たっても埋まっていません。プロ野球を見ていてものすごく細かい部分の感覚まで実感できてしまい、ちくしょうやりたいなあ、と渇望がうずく。この煩悩って苦しいんです。誰にもわかってもらえないでしょうが。

つぎに、僕のゴルフ技術は付け焼刃のインチキだということです。野球ならリトルの二軍未満。自己流が体にしみついただけなので限界が見え、磨いてもこれ以上うまくならないのがわかってます。理にかなってないので毎日メンテしないとどんどん忘れます。自転車に乗るみたいにどこでもどんな道具でもそこそこできてしまいますが、もうそこまで。成仏する時が来ています。

思えば僕にとって勉強も音楽やピアノも、ゴルフとおんなじ道を来た気がします。付け焼刃のインチキ。だから煩悩がないのはありがたいことですが。

 

高めのストレートは投手のプライドである

 

(こちらどうぞ)

僕のゴルフ修得法

 

 

 

 

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僕が出会った人生最高の男

2016 APR 13 22:22:58 pm by 東 賢太郎

サムライは日本にしかいないことになっているが、そんなことはない。

野村香港に赴任して、偶然にその男と出会った。1998年のことだった。大柄なスコットランド系のオーストラリアンで、英国にもスコットランドにもわりあい冷淡な男だった。年は7つ上だ。地元の新聞の記者をしていて株に興味を持ち、香港にやってきた。そしてクロスビーという証券会社を作って大きくして売った。次いでクレディ・リヨネというアジア株など全く門外漢のフランスの銀行の役員会に乗り込んで大立ち回りして香港に証券子会社を作らせ、それの社長になった。それが僕の赴任した当時、アジア株式業界で最も幅を利かせていたCLSAという会社だ。

50歳を目前に彼はCLSAをリタイアしていて、保有株はゴールドコーストでゴルフ場まである広大な牧場に化けていた。サラブレッド50頭のブリーダーになりホンコン・ジョッキークラブ(香港競馬会)で走らせる余生の計画だったのだ。やがてその夢はかなったのだが、しかしその時は邪魔が現れた。あなたの「3回目」のアジア株業務の立ち上げに一緒にたちあわせてくれ、馬なんか60になってもできるだろうと僕が口説いたからだ。何度会ってもけんもほろろに断られたが、10回目ぐらいに会ったときだ、「お前のホビーはなんだ」ときかれた。間髪入れず「ゴルフだ、ハンディは10ぐらいだ」と答えた。当時10なんてない、大ボラだ。でもあそこで日本人らしく律儀に23ですなんて答えたら終わっている雰囲気だった。でっかい手の男だったが、それで初めて、ぎゅっとくる握手がかえってきた。

香港証券界の伝説的大物だ。言い値を覚悟してたら、言ってきた条件(給料)はえっというほど少なかった。カネはもうある、でもお前はおもしろい奴だ、信用するよと。そうして、目をじっと見て、This is absolutely my last job.といった。そこから始まったいろんな顛末は限りがないが、内部事情を書くことは控えたい。いわば本邦企業のグローバルチャレンジ物語の縮図であり、小説より奇なりの展開があり、日本企業としてはそういうことに手練れのノムラでもそうだったということであり、うまくいかなかったのは万事を併せのむべき司令長官としての僕の器量不足、実力不足に尽きる。

本当に男らしい男だった。あとにも先にもいない。絶対に逃げない。ゴールを決めたらテコでも動かない。いいわけしない。陰口をたたかない。ルールは守る。これはだめだと言うと、お前の言うのはルールにないからルール違反はお前だと柔らかくたしなめる。アジア株を世界に売る仕組みをゼロから作る経験を当時彼以上に持っていた人間は地球上に誰もいない。そういう行動は強いプライドとリーダーシップの裏返しだった。業界新参者の日本企業のリクルートに応じてくれる者は限られる。来ても大枚をふっかけられる。レベルは雑多だったが、彼がいたから採れた者が多くいた。

当時の僕は負けないぐらいプライドの高い日本軍の司令官だった。彼の率いる50人の英米軍は計ってそれをぶち壊しにきた。クリスマス・パーティーだ。僕が舞台にでる余興があるよと聞いていてジョークのきいたスピーチぐらいすればいいだろうとなめていたら、直前にオカマをカミングアウトしている奴が「女装しろ」ときた。我ながらおぞましい化粧までされ、目をつぶってろというのでそうしていると爆笑と口笛の渦だ。オカマがキスしようとしていてのけぞった。そして親玉同士がぼてぼての相撲取りの着ぐるみで本当にすもうをとらされ大喝采のおひらきとなった。

ゴルフは彼は凄くうまかった。格好良くはないがシュアなスコアメーキングができたのだ。だいたい彼の牙城である香港ゴルフクラブ(ファンリン)で奥さんも入ったりしてなごやかだった。最初はなめられていたが、香港地下鉄公団主催の80人ぐらいの金融機関コンペで僕が82ぐらいで個人優勝したら認めてくれた。彼の元同僚とつるんでブリティッシュルールで僕をへこましにきたが、賭けに大勝ちしてさらに認められた。転勤辞令が出ると、葉巻をくわえゴルフクラブと野球のバットをもった似顔絵をプレゼントしてくれた。その送別会は「ロスの大手投資家の会長が急に来た、すぐ同席されたし」という緊急メッセージを装って僕をだまし、サプライズで喜ばせてくれた。

あれに成功した夢をいまでも見ることがある。凄いことになっていて、世界のノムラなんてもんじゃない、世界の証券界の帝王だ。そのチャンスはあの時だけはひょっとして本当にあったかもしれず、もし会社が僕より有能な人をあそこで起用していたらと今でも悔しく思う。会社にもそうだが、それが本当にlast jobになった彼にはことばもでない。馬なんか60才でやれよとそそのかした僕は後悔することになった。彼は還暦の4年前に亡くなってしまったからだ。

早すぎる訃報は神田の寿司屋の2階で、苦労を共にした後輩の口からきいた。絶句してぼろぼろ泣いた。ジム・ウォーカー、あんな男気のあるいい男、いやサムライに会うことはもうないかもしれない。彼は僕に勝ち方と負け方と、オトナの男の責任とはなにかとを教えてくれた。信用に応えられなかった僕は負け犬になった。僕が60になっても馬みたいなもんに走らないで株をやりたい、やっていたいのは、それにまだ応えていないからだ。

 

うまくやってね

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