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僕のゴルフ修得法

2014 DEC 31 1:01:00 am by 東 賢太郎

今年はついにゴルフをしなかった。社会に出て初めてのことだ。年間100ラウンド時代もあった僕として異例のことだし営業用に家内が代打ではよろしくない。さんざん楽しませてくれたゴルフというゲームに申しわけない気がするので今年の最後にいいわけをこめて書きたい。

やらなかったのは五十肩でできなかったのが原因なのだがそれだけでもない。モチベーションがなくなってしまったことが問題だ。このところ何回やっても「100たたきの刑」だし「百獣(110)の王」だって危ないのだから。

 

アスリートは才能だけでできてしまう人と自分を追い込んで高みを目ざす人があると思う。古くは長嶋茂雄と王貞治だ。長嶋は送球したあとの手つきは日舞の格好が映えると考える人であり、王は今日は千回「しか」素振りができなかったと考える人である。

ホームランを打って首をかしげていたカープの前田 智徳、凡打でも納得いくのがあると語ったイチロー。かたや才能はひょっとして最高クラスだったかと思う元木 大介。彼が王さんみたいな性格だったらどんなすごいバッターになったか。

ゴルフ界のホープである松山英樹と石川 遼の特番で「ナイスショットと思ったのに見ると首をかしげてる。そこは自分と違う。」と語っていた遼君。そこはじゃない、そこがでしょ。だからキミはだめなんだよと言ってあげたい。才能は上かもしれないのに。

僕は松山君のファンだ。ゴールに向けて完全主義だ。空気を読まないから空気に飲まれない。自分をマシン化して他人の眼で見て追い込みながらチューニングしている。これは勝負師に肝要な資質だ。だから米ツアー優勝できたと思う。前田、イチロー型の感じがする。

僕がゴルフにのめりこんだのは負けず嫌いのせいだ。ロンドン時代に一橋大のゴルフ部だったK君がいて常に負ける。こんなもん止まった球を打つだけだろと野球部のプライドが許さない。それが起爆剤になって、勝つためにどうしたらいいかだけ研究した。もちろん一度も習わず完全自己流である。

なんで自己流なの?スポーツの技術にはマスト(M、問答無用でこうしろ)とオプショナル(O、どっちでもいいよ)がある。例えばグリップで右利きが右手を下に握る、これがMだ。反対の人は世界に一人もいない。でもウィークとストロングはOなのだ。

スタンス、膝、腰、背骨、肩、ひじ、手首、指、グリップにそれぞれMとOの2種類がある。9つのMを固めるのは、言葉の定義上からして問答無用だ。これがひとつでもできないとうまくならない。シングルぐらいはともかくプロは絶対無理である。体の固い僕は肩のMである「90度廻す」ができないのでプロは100%ありえないのだ。

それを妥協しておいて許容幅のある9つのOの加減で微調整する。それがアマチュアのゴルフの本質である。グリップのWとSは僕の場合「肩のMの調整項目」である。ところがレッスン書を見ればWが主流とMっぽく書いてある。つまりそんなものを信じていては永遠にうまくならないのである。

僕はこのM/Oを理解するまではいくら練習してもスコアが良くならなかった。当たり前だ。ショットが悪いとMまでいじったからだ。Mを1ついじると9つのOをさらにいじることになる。等比級数的に変数が増えるからスイングは確実に滅茶苦茶になるのである。変数は少ない方がいいに決まってる。9つのMを理想形に固めるのは変数を減らすことに他ならない。

僕の実感としてそれだけでシングルになると思う。ところが普通はMがいくつかできない。だからそれをOで補っていく。Oとはグリップなら「右が下以外のすべてのこと」であり、それは球筋、球質を変えるので、それをうまく使って90度廻らないことのマイナスを補正するのだ。そういう法則性は自分で実験したほうが応用がきく、だから初めから独習のほうが合理性があるというのが僕の考え方だ。

なん百ラウンドしたか知れないが、終わると何がだめだったか細かく日記に書く。次回それを直す。うまくいったらそれを書く。これは膨大なデータ集になった。一般論でない「マイ・データ集」だ。その繰り返しをしたら自然にうまくなった。自己流というのは人に習わないだけでなくそういう考え方が自己流なのであって、何事も、野球も勉強も仕事もまったく同じ方法でやった。誰でもできるので若い人にはおススメである。

要はこれは才能がない者が世の中でうまく生きてくためのティップス(秘訣)であって、ブログのあちこちに書いてきているが、「日記」こそキーポントであることは強調したい。この方法はすぐれていることが証明されている。なにせ運動オンチで器械体操は2であった僕がこんなに勝ったからだ。

trophy

優勝のうちこれはあまりチャンスの多くないトロフィーお持ち帰り分だけだ。野球も2つ。銀色のはニューヨークでプロ野球が3人いた大会でもらった最優秀選手賞、ゴルフの左から2番目は99年香港ゴルフクラブで行われた香港MTR(地鐡公団)主催外資系金融機関トーナメントで84人中のべスグロ優勝杯だ。

このころハンディ8、べスグロ75。バンカーからピンを狙って入れていた。当然べットは王様状態で負けた記憶はほとんどない。思えばこれはK君のおかげであり、人生ボロボロに負けることは決して悪いことではないのだ。若い人は大いに負け、苦杯をなめて、それを起爆剤にしてください。

 

そんなにうまかったのになんで100切れないの?それがとてもつらい。だからもうやりたくない。肩を廻すというM中のMができないのだから僕のはのっけからインチキゴルフなのだ。スイングは単にOの複雑な集大成であり根本的に理にかなっていない。それを回数で固めただけだから年間百ラウンドやってないと崩れてしまう。泳いでいないと死んでしまうマグロみたいなもんだ。

100たたきのゴルフをすると下手だったころのいやな記憶が蘇り、ご丁寧にそのころの悪い癖まで復活する。それも体に刻み込まれてるんだからその出現のほうがずっと理にかなっていて、ますます下手になる。困ったもんだ・・・。

一回死んだマグロなんで、どうせならば全部忘れちゃってゼロからリセットしよう。

 

(こちらへどうぞ)

左肩痛とゴルフ

 

 

 

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