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カテゴリー: 政治に思うこと

キッシー息子くんの忘年会を叱る

2023 JUN 4 13:13:45 pm by 東 賢太郎

人間が受け取る情報の8割は目からで、写真(画像)のインパクトは大きい。キッシー息子くんの忘年会、その名と違ってこれは何年たっても国民から忘れられることはないだろう。そんな写真が流出したらヤバいぐらいの理性はあったんだろうが、それをかいくぐって出たわけだから只事とは思えない。出席者に猛烈なアホがいたか、確信犯がいたか、騙されて出しちゃったか? いずれにせよこういうワキの甘い家の人が総理やってるんだということになってしまう。世論は。

岸田総理は3世議員。息子くんは4世の予定。世間はみなその箔つけのための秘書官任命と思ってる。総理秘書官は官僚の体感だと事務次官より上らしい。それをどこ吹く風と適材適所で通してしまって適材でなかった。だから親父の自業自得になる。商社に6年いて社会経験だなどと思うまともな人はいない。しかし政界に入れば親の七光りで競争のない人生だろう。だからよほどの馬鹿でない限り誰でも適材なのである。その世間ナメ過ぎな親のエゴの犠牲になった息子くん。まだ若いのに気の毒としか申し上げようもない。だが今回はそこで終わらないだろう。この「よほどの馬鹿でない限り誰でも適材」というのが世襲議員の旨味だ。親バカの母ちゃんまで出てきて「うちの息子を」とやってる。あいつもこいつもやってる。子供はかわいい。だから議員はみんな世襲したい。歌舞伎の梨園状態だ。公職が世襲されるのは公私混同であると世論はなっていくだろう。

世襲議員が30~40%もいる日本は、明らかに、国際的に、異常だ。印象論ではない、数字で明々白々でありなかでも自民党が突出して高い。世界で日本に迫るレベルなのは政治後進国のイタリアだけであり(それでも日本より低いが)、英国で10%、米で5~10%、ドイツや韓国はほとんど無い。しかも英米は「親の地盤をそのまま引き継いで、同じ選挙区から出るケース」は1%程度でほぼない(神戸新聞・豊田真由子氏)。豊田氏は公職が特権的地位になってはいけないという不文律があるからとされるが、やったら大変なことになると考えた方が現実論として近い。フランクフルトの鮨屋でこういうシーンを目撃した。会計をしようとしたインテリ風のドイツ人客が「同じものを頼んだのに日本人と値段が違うのはなぜだ」と店員に質問し、親父が何か説明したが納得せず「訴訟する」と言いだした。現地で誰もが知る店だ。大した金額でもない。でも怒っていた。これが西洋人の「不平等」「差別」への反応だ。お得意さんと一見さんではサービスに違いが出て当然という常識は日本しかない。格別のサービスは構わないが余分に相応のカネを払う。それが「チップ」というものの正体なのだ。自分の子をうまいことやって議員にしたいなどという発想は鮨屋の親父なみなのであって、やったら即死。だからほとんどないのである。

経済的背景もある。相続税だ。誰でもそれなりの財産をもって死ねば国に半分召し上げられる。しかし例外がある。伝統芸能だ。襲名披露してご贔屓筋を引き継げば親父とかわらず食っていけるが、芸名というブランドに相続税はかけようがない。議員の「票田」(地盤や後援会システム)はそれと全く同じであって、田舎で庄屋の子は庄屋のノリで親父が息子をよろしくといえばそのまま票が受け継がれ、それには技術的に相続税の計算のしようがない。よって経済的にも政治的にも目減りなく子孫に継承できてしまい、贔屓筋も息子にたかればおいしい思いをずっとできるから誰も反対しない。歌舞伎や落語は公職でないからそれが許されるが、議員の身分は公職中の公職である。これがおいしいファミリービジネスになるなど論外であること、世界の常識など持ち出すまでもない、国益に尽くすべき議員という立場の憲法第1条、あまりに当然のことである。これが馬鹿息子が続々と当選し、世襲議員が続々と生まれてくる利権メカニズムである。

わかってはいたが、僕はこれ(安倍総裁の眼)で世襲を良しとしようと思った。大臣になるような議員には交渉力で相手を屈服させる能力が必須だ。しかしどう見ても外国の猛者相手にそれができる者は半分もいるとすら思えず国費の無駄である。だから国会議員は半分にしろと言っている。交渉は言葉でと言われるが、眼がものをいうことを何万回もビジネス現場でやってきた僕は知っている。しかしそういうことは練習してできるのではないかもしれない。そう納得してみた。しかしそれは安倍家だけの話であったのかと今回の件が愚考を粉々にしてくれたのである。依怙贔屓やり放題社会になって平等、機会均等を壊せば多くの才能ある若者のモチベーションを根底から削ぎ、やがて民度はさらに凋落して日本国というゆかしき存在は崩壊し、父祖の努力が灰燼に帰することは必定だ。そんな日本は見たくない。世間は「格差社会だ」「二極化だ」と騒いでいるがそれをいうなら「政治の貴族化」であって、対策を打ち出す立場の行政府や立法府の中枢がお血筋によって固定された貴族なのだ。貴族制を廃止して自ら平民になった貴族は歴史上いない。

だからこれを打破するには対抗できる強い野党が出るしかない。一党だけ貴族を辞めて清貧を見せても選挙に勝たなければ無意味だ。しかし、この人たちも同じ貴族を味わっちまった議員である。小ぶりでも地盤を利権として相続したい欲はあるだろう。「ビジネス野党」という、国会質疑でテレビに出られるタレントとして政治を家業としている万年二軍でいい人たちなのではないかという疑念が僕からは申しわけないがいつまでたっても抜けない。その証拠が、自民を倒すには野党共闘しかないのにその気配すら見えないことだ。民族問題と混線して理解されているのもいけない。そこだけは譲れない多種多様な中道右派の有権者をザトウクジラみたいに飲み込む自民党が、あれだけ派閥闘争して政策などわけがわからなくなってるのに勝利という構図はいつまでたっても変わらない。昨今は維新がいい線行ってるなと思っていたが、自らすすんでクジラに飲み込まれることで公明を追い出して後釜に座る路線だろうか。トロイの木馬作戦なんて言ってるがおいしい自民党員になって大臣ポストが欲しいのだろう。維新がくっついた自民の世襲率はやがて5割を超え、三等国だと世界の笑いものになるだろうがファミリービジネスに邁進する貴族の共同体という仮定が正しいのならば領地の農奴がどうなろうとどうでもいいだろう。

志のある若者たちは明治時代までで大半が足りてしまう日本史の受験勉強はいったん忘れて、明治以降、とくに大正~昭和から現代にいたる日本人が最も見たくない部分の生々しい歴史を虚心坦懐に学びなさい。それをせずに日本史を分かったなど、マル経だけで経済学を語るようなものである。

三等国になっていいはずがない。一等国の評価とプライドを勝ち取るのにどれだけ先人の血と汗と涙が流されたことか。これを忘れたり無視をするなら、君らは知覧の特攻平和記念会館へ行って涙一滴流さず帰ってこられる人だろう。きっかけはいうまでもなく下級武士が主体である明治の元勲の志が高かったからだ。アジアにそんな国は日本をおいて一個たりともなかったのは武士は日本にしかいなかったからだ。維新の十傑のうち七人が暗殺、刑死、敗北自決などの異常死を遂げており、結果論とはいえ文字通り命を懸けていたことを疑う者はない。だから元来は国家意識などなく諸藩に属していただけの民が王政復古の号令で天皇という求心力に目覚め、日本国のためと徹底奮起して二つの戦争に勝った。

しかし、大谷翔平選手がWBCのミーティングで選手に警鐘を鳴らした通り「憧れるだけ」で欧米を抜けなかった「科学技術の差」が致命傷になって三つ目に大敗するのである(なぜか日本の役所は文系が偉い)。国家資格まで失うという未曽有の屈辱の底の底まで墜ちた。そこで発足した自民党なる米国礼賛政党に明治の志があったかというと、米国の信託統治下ではもう何でも仰せのままにといいながら「立派な負け犬」になる根性を見せるぐらいでそんなものは到底あるはずもなかったのである。ここは卑屈になることはない。誰が悪いわけでもなく歴史の流れで仕方なかったと思うしかない。人間は失敗から学ぶ者が勝つ。取締役から臨時の見習いに降格にはなったが、また這い上がればよかったのである。

それは実現した。当時の日本人にはその気概があった。その時代に生まれ経済界で生きた人間のひとりとして声を大にして言わせてもらうが、朝鮮戦争の特需で利を得てそれを賢明にも資本に回していわゆる「高度成長期」(1955年~1973年までの19年間に年平均10%を達成した期)を焼け野原からわずか10年で実現して世界の度肝を抜き、しかもそこからたったの16年である1989年に株式時価総額が米国をぬいて日本は世界一になった。

証券市場に詳しくない人はピンと来ないだろうが心に刻んで欲しい。株式時価総額で米国を抜いたということはWBCで米国に勝ったことの1億倍ぐらい凄まじい快挙なのである。だって上場していて株交換で買収しかけられたらひとたまりもないでしょ?フェアプレーだから真珠湾と違ってやられても戦争仕掛ける理屈も立たないでしょ?つまり株価は経済のみならず国力の源泉、最強の武器なのだ。このことは米国が最もよく知っている。欧州も中国もよ~く知っている。日本の政治家、官僚、学者、メディアだけが知らない。頭はいいからわかっていても骨身にしみてないし策もない。

経済力で日本に負けた。これがあったから米国政府は日本の台頭を心底から恐れ、なりふり構わず貿易摩擦戦争を仕掛け、円高誘導を仕掛け、BIS規制(バーゼル合意)で日本経済を徹底的に叩き潰しに出たのである。これは凄まじかった。英国のシティで最前線で世界の金融界の目玉商品であった日本株ビジネスを戦っていた僕はその生き証人である。中国の時価総額はまだ半分だがやがて抜かれるのではないか。そうなれば合衆国は丸ごと買われる。中国が核戦争を仕掛けたり台湾を武力制圧するなんて実は考えてないのに、だから、いま必死に株式市場から中国資本と企業を閉め出し、インド太平洋圏構想で囲い込んで叩こうとしているのである。

これをわけもわかってない左翼やらメディアやらが「昭和末期の空前の馬鹿騒ぎ」だの「バブル崩壊で貧しくなった」だのと負の側面だけ誇張する。それこそ馬鹿も休み休みにしろである。だからその不条理を体感し、24時間戦えますかのリゲインを飲んでふざけんなとなった民間企業の兵士たち、おそらくは多くの皆さんのお父さんの世代が「企業戦士」「経済は一流、政治は三流」というサラリーマン川柳なみに鋭い言葉を職場で飲み屋で自嘲気味に大流行させたのである。戦うどころか戦地にいもしなかった政治家やジャーナリストが「経済も二流になった」などと軽々しくほざくのを見るにつけ、こいつら偉そうに何様なんだと怒りを覚えるしかない。

当時の戦士、戦友の名誉のために特筆しておくが、世界を驚嘆させ、地に落ちた敗戦国だった日本国の評価を一気に “一流国” まで高めた「高度成長」なるものは、民間企業が真面目に勤勉に知的に賢明に壮絶に、それこそ命を賭して頑張った成果物なのである(僕の勤務地では過労で2人が白昼に亡くなった。皆さん信じられますか?)。ひとこと付言しておくが官僚も国の利益と威信のために頑張った。僕はそういうポストではなかったが、共に戦ってくれた印象はある。しかしだ。断言するが、一流国になったのは政治家が優秀だったわけでも命を懸けてくれたからでも何でもない。

歴史をふりかえれば歴然だ。米国の策略は金融(カネ)と貿易(モノ)に国際ルール(のふりをした)改訂の足かせをつけて日本を叩き潰すことだ。仕掛けてきたのは政治レベルの脅しであった。そこで絵に描いたように宇野、海部、宮沢、細川、羽田、村山と冗談にもならない低レベルな政権が続く。結構まともな橋竜が失脚させられ、いよいよ小渕、森という妖怪水準のドツボにはまる。すでに日本潰しは完成しており米国はもうどうでもよかった、米国シンクタンクの幹部と何度か会ってそう感じた。次はポピュリズム巧者の芸を買って2001年に小泉を使い日本収奪の金儲けに出た。IPO幹事に米系を押し込んで唾をつけたNTTに始まり郵政がおいしかった。これがあからさまな米国利権政権の端緒だった。第二の敗戦でまたギブ・ミー・チョコレートが出た。安倍第1次政権がそれに続き、結果は辞任と情けなかったが2次では彼は多くを学んでおりましだった。少なくとも失業を減らし株価を上げた。何偉そうなことをほざいてもその2つができない総理は無能だ。しかし代償もあった。万年与党の自民党が地位に甘え、議員は勘違い貴族化して堕落し、意思決定には官僚人事という裏技まで弄する横暴が目に余るようになった。

このあたりの風景は二・二六事件の背景への教科書的説明である「青年将校たちは政治政党は財閥と結託して堕落している、軍部は利権を握って横暴を極めていると考え決起した」とそっくりだ。財閥を米国中国、軍部を自民党におきかえればほとんどそのままだ。我が祖母の旧姓は真崎である。僕は台湾の警察署長のおじさんとだけきいて育った。息子くんたち、この音声は知ってるかな?

重い。何十回聞いたかわからないが平静に眠れなくなる。こういうことは二度と起こしてはいけない。岸田総理がもしそう思ってるなら、ほぼ確実にそうは思ってない息子くんを怒鳴って制止するぐらいはしたんじゃないかと思いたいが、一緒に写真撮ってたようではある。そこがこれのあった場所だよ。他人も入れてたみたいだが昭和11年の技術でこんなに盗聴されてる。ごめんなさいじゃ済まないだろ、それ。

 

岸田政権の少子化対策は異次元のあほらしさ

2023 MAY 28 17:17:48 pm by 東 賢太郎

マルサスの人口論(1798年)はこう説く。

➀食料は等差級数的にしか増えない

②人口は性欲により等比級数的に増える

食い物がなければ人は増えにくい。増えてしまうと貧困が生じ、暴力革命が起きる。だから政治は逃げ道を考える。

それが岸田政権の少子化対策だ。子供をつくらないのはお金が不安だから?わかりました、1万円あげます。でも財源は社会保障費で手取りは減ります。国民なめすぎでないか。それならいっそコンドーム禁止令でも出したらどうだ。

日本の高度成長は朝鮮戦争の「特需」である。漁夫の利で食い扶持(ぶち)がばんばん増えた。実力じゃない。あれは戦後の焼け野原に現れた蜃気楼だったのだ。だまされて子供をばんばんつくっちまった。それが人口1億2千万だ。

失われた30年とかいうが、こんなのはお気楽なメディアが無責任に呼んでるだけだ。今年の新入社員は鯛焼き型だとか昔にクソくだらないこと言ってた、あれだ。別に何も失ってない。実力通りのところまで経済が落ちていくだけだ。

ということはこれからも食い扶持は減っていく。AI、チャットGPTに食われてさらに減っていく。意味もなく満員電車で朝早く会社行ってどうでもいい会議で居眠りしてPCの前で仕事したふりしてる9割のサラリーマンはいらなくなる。

そうやって食い扶持が減る。だから男は結婚できない。しても「子供はリスク」になる。だからマルサスのいう通りに人口は減る。減るとGDP成長率は原理に従って落ちる。するとさらに食い扶持が減ってもっと人口は減る。

朝ナマとかいうのを見てたら女性議員が集まって日本は女性の進出が足りない、だから結婚できない子供が産めないなんてことを延々と言ってる。あのね、それ以前に船が沈んでいってるんだ。女も男もないんだよ。

そうしたら田原総一朗が経営者がだらしないという。自分で稼いだこともないジャーナリストなんかが偉そうなこと言うな。儲からないのは日本が既得権益だらけだからだ。そのヌシみたいなこういう爺いがのさばってるからだよ。

社会保障費あげるほど財源ないなら政府が節約しろ。何の足しにもならないくだらない議論でどうでもいい仕事つくってカネもらってる国会議員は半分もいれば十分だ。だんだん2・26に似てくるぞ。

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漢方とシルクロードに見る東洋の奥深さ

2023 MAY 27 12:12:05 pm by 東 賢太郎

いま神山先生の薬を3つ飲んでいる。薬ではないが滋養強壮・未病の長白山人参も煎じて朝晩飲んでるから正確には4つだ。安神はパニック障害、鼻炎と増記憶はその名の通りである。

今年に入ってパニックは一度もなく心療内科の薬ワイパックスはお世話になってない。鼻炎は慢性の鼻づまりで寝る前にスプレーが必要だったが不要になってしまった。増記憶は母が認知症になったので娘が先生に頼んで今月から飲まされているが、いまのところ効果は不明。

漢方が良いのは薬草でありケミカル(先生は「石」という)でないこと、4千年も前から治験(言葉は悪いが人体実験)がなされているから安心して飲めることである。この3つ、レシピは6代前から医師である彼の家に伝わっていて中国で売ると各々3,4億円する知的財産だ。これが丸薬になったものだけで写真のように54種類ある。中国では伝統医療の医師が毛沢東時代に下放されて廃業しもうほとんどいないが、先生が日本に帰化されその貴重な文化財が我が国の財産になっているわけである。意外だが漢方は動物にも効く。ワンちゃん猫ちゃんも人とおんなじ薬で病気が治ることは先生の患者である静岡の動物病院の院長先生が長年の臨床研究で実証されている。漢方の可能性はまだまだある。

知れば知るほど東洋の奥深さに嘆息するばかりだ。人生の4分の1を西洋で過ごしたことを割り引いても、僕の価値観は欧米に大きく偏っているという気持ちになってきた。東洋というからには日本も中国もない。良いものは良いというだけで、西洋にも帰依すべきものはたくさんあるし、同じほど中国文明にもあるということだ。僕は万事において是々非々な人間である。

その視点で世界史を見るならこうだ。とてもアバウトに書くが、

西洋文明のルーツはギリシャ・ローマだが欧州人は中世には忘れ去っておりイスラム圏が保存していた文書を強奪集団の十字軍が持ち帰って再発見した(ルネサンス)。つまりたかだか5百年の文明であり、まして米国など2百年ちょいである。それが東洋の4千年の蓄積をうんぬんするなど千年早い、控えおれでおしまいだ(聖書が禁じてるから西洋で問題と化しただけであるLGBTの理解増進法案などキリストさんは関係ない我々には余計なお世話だ)。科学技術=軍事力を盾とした「科学文明の進歩=正義」の価値観に東洋は屈し、真っ先に対抗した日本はロシアを倒して西洋人の「タタールのくびき」のトラウマを呼び覚まし徹底的に叩かれた。それに学んだ中国、北朝鮮が核武装して今がある。

少なくとも西洋をビビらせている中国は大したものであり、世が世なら我が国の道であったと明治の歴史観でアジアを下に見たがる日本人は面白くないから嫌中になったり自虐したりする。それでは「酸っぱいブドウ」のキツネなみである。チャーチルは「英国の歴史はカエサルが上陸した時に始まった」と言ったが、僕は「日本の歴史は唐(郭務悰)が上陸した時に始まった」と言いたい。唐はシルクロードとつながり、モンゴルの遊牧民・鮮卑が建国し、トルコ系遊牧民・突厥、中央アジアでイラン系・ソグド人、ペルシア人も朝鮮人も漢人もいた多民族国家であり漢民族王朝ではない。嫌中派も自虐派も、唐の上陸から倭国は瞬く間に律令国家となり、何よりそこで国号を「日本」としているのだから英国よりずっと国体の変革があったことは認めるだろう。それを占領されたと自虐なんかするのでなく(だって自ら遣唐使だして学びに行ってたんだから)、英国流にスマートに逆手に取るのである。

そもそも現在の中国と唐は同一の人種構成の国でない。だからこれは日中同祖論ではない。チャーチルは英国が古代ローマ文化圏にあり、末裔の一部でもあり、その歴史と叡智を継承する国であると言っているだけで、だからといってイタリア人と同じ遺伝子だというのでもなく、まして子分でも属国でもないわけだ。日本が中国にそれを主張し、さらに我々には唐の血だけでなく1万5千年も栄えた縄文人の血も入ってるということだって可能だ。僕のチャーチル評価は良くも悪くもあるが、政治家としてスケールはでかくノーベル文学賞をとったのも文筆力は折り紙つきだったということ。日本の現総理はというと大企業の庶務課長代理みたいで見るも不快であるが、そのぐらい習近平にぶちかませる大物が現れないだろうか。

個人的には中央アジアに惹かれるし(行ったことないが)直感的本能的に他人事と思えない。だからシルクロード、多民族国家の唐と聞くとたまらないのである。きのうは池袋の火焔山に行ってしまった。ファストフード風の店だが回族などイスラム系住民の食べ物である蘭州牛肉麺の名店である。パクチー、青梗菜、もやしをどっさり乗せ、あっさり系のスープに辣油の辛味が三角麺に絡む。ちなみに漢方がはいってるらしい。旨い。蘭州は西安(唐の長安)の西方でシルクロード上に位置する一都市だ。一度行かなくてはいけない。

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原口一博衆議院議員のyoutubeに思ったこと

2023 MAY 19 10:10:07 am by 東 賢太郎

最初にお断りするが本稿は政治目的でなく、立憲民主党や現職の国会議員としての氏の個別の主張・政策に関わるものではない。短い時間ではあるが感じ取った氏の印象に起因し、つい最近に氏のyoutubeチャンネルを偶然に閲覧して響くものがあったことにのみよっている。

氏とは衆議院議員の原口一博氏である。お会いしたのは2010年だ。もうご記憶にはないかもしれないが、総務大臣だった氏と僕の知人議員およびソナー出資者の英国人を入れた4名でホテルでの夕食であった。氏は僕の5学年下だ。終始英語で些かの支障もなく終わり、その後は会っていないが人物として記憶に残った。難病を公表し、さらに瀰漫性大細胞型B細胞リンパ腫に罹患し治療を受けている事も公表しておられ、最初に閲覧したyoutubeは後者に関するものである。

僕は人間は本性が合うか合わないか、根が良いと思うかどうかだけだと思っている。本性はみな隠すから見抜く経験がいる。そこまで短時間にできたわけではないが、氏に対する一定の印象は残っており、このビデオで再確認した。

僕も冷笑系、追い込み屋は身の毛がよだつほど嫌いなのである。たいして頭も良くない馬鹿がTVでしゃあしゃあと知ったかぶりして相手を見下している滑稽。そういうのをディファクト化して放映する愚鈍なメディア。それを洗脳に使う狡猾なだけの権力。これを佐賀県人の氏が「葉隠」の視点で批判しているのを聞いて腑に落ちるものがあった。そういえば自分の4分の1は佐賀・長崎の血だった。いかなる小理屈を弄しようと揺るがないし、終生変えたくとも変えようがないものである。これを本性という。弱きを助け強きをくじく。これぞ男であり、弱きをくじき強きに隷従する、そんな奴等は性別を問わず問答無用にクズである。「これぞ男」って表現はLGBTの観点から問題でしょ、などという議論は言ってるお前がクズなんだ。日本古来の男である俺の知ったことではない。

3年前のいまごろに世田谷区からお注射の葉書が来た。打つ気満々で7月16日は高齢者なのに遅いなと思ったが、それがよかった。ある情報と忠告があって即刻キャンセルし、家族には絶対打つなと厳命した。社員や周囲に命令はできないが詳しく説明だけはし、打たなかった人もいる。同じことをブログにも書いたはずだ。氏は議員の職務上3回打たれ、新たな難病との因果関係の可能性につき検査結果待ちであることをyoutubeで公開されている。事の本質は、これがあの病のためのお注射だからではなく(それは関係ない)、メッセンジャーRNAワクチンという人類未曽有の「技法」を用いたものであることに存在するのである。

これを野党議員の政権批判ととる人がいてもそれはそれだ。僕も生身の氏を見てなければそう思ったかもしれないからだ。氏はDS(Deep State)という言葉を用いそれを戦争屋と呼んでいるが、僕のブログをお読みいただきたいが、なんと呼ぼうと結構だがその超国家的利益・思想共同体は目には見えないが存在することを僕はビジネスキャリア上ふつうの日本人よりは知り得る立場にいた。そんなものは嘘だ、陰謀論だととる人がいても(というより読売新聞が大衆紙の低能をさらして堂々とそれをぶっているが)それはそれだ。僕も生身の氏の英語力を見てなければそう思ったかもしれないからだ。

戦争屋から買うトマちゃんは他国に売るよりすごく値が高いが、湾岸戦争のお古か、せいぜいそのモデルチェンジだ。時速960キロだから皆さんが乗るジャンボジェット機でも追い越せ、敵国に迎撃される可能性は高いとされる。しかし、お相手様にそういうことはどうでもいい、在庫は経営の敵というセオリーがすべてに優先するのである。そうして膨らむ防衛予算をどうやって確保しようかと国会で議論されたが、ワンマン社長が銀座で飲み歩いた交際費をどうやって落そうか苦労する経理部を思い出した。こういう問題は想像力を駆使してなるべく巨視的に見ることをお薦めする。いま僕の目にはトマちゃんもワクちゃんも同じお相手様による意図の奔流の中に見えている。言うまでもなくSDGsもCO2も太陽光もLGなんたらもコオロギもそうだ。いや78年前から小麦を食わそうと給食はパンになり、種子を毎年売りつけるため発芽しないF1種の野菜や果物を食わされてることを知っていれば奔流は自ずと現前に見えてくるではないか。キリスト教化は天皇がいて難しいから韓国にいま話題のなんたら教会を作ったのだ。天皇もイエ制度(夫婦同姓)も邪魔なのだ。

弱きをくじき強きに隷従する政権を見ていると、元禄時代にワープした感覚にとらわれてくる。「あっ、お犬様が通る」。この犬コロと心では思っていても、民百姓のみならず総理大臣までひれ伏して道をお譲りするのだ。コオロギ?お前が食えよなんて言おうものなら打ち首だ。今に始まったことではない。初代お犬様であるマッカ元帥によいしょの限りを尽くした吉田という男がいた。「この男、元駐英大使らしいから通訳はいらんだろうと1対1で会談に臨んだら、英語があまりにひどくて何を言ってるのかさっぱり訳が分からなかった」。以上はマッカ元帥様の述懐である。吉田の唯一の取り柄は国内では顔が利くいいパシリであることだった。こいつを利用しよう。こうしてそれが日本国総理なるものの原型になり、サンフランシスコで日本国復活を認めてやる条件にもなった。いや、だからこそ、正確に言うと、限定的にしか国家復活を認めなくて済んでしまったのだ。日本を叩き潰して軍備を持たせず丸腰にすることはすでに真珠湾の前からルーズとチャーチの会談で決まっていたのをご存じだろうか。人種差別主義者ルーズは日本を滅ぼす野心があり、ローマ史に精通したチャーチは日本をカルタゴにしたかった。こいつらの目論見通り、名目独立国、実質占領国だが国民はそれに気づいていないという世界史上初の国のようなものが発足した。1952年4月28日のことだった。

こんな連中の目からすれば異教徒である日本人が何人死のうがどうでもいいということが如実にわかる。原爆投下で戦争が終わってあれ以上死ななくて済んだのだから感謝しますと言わされ、東京大空襲で10万人の民間人を殺したルメイには後に勲一等旭日大綬章を謹んでお贈り申し上げている。形式論的にはルメイは任務を遂行しただけということ。戦争は殺戮だが戦時では国家の仕事になり、国際法という置物のルールブックまでできた。殺す側から見た人間はsheepと同じく複数形がない(顔なし)。顔があれば死刑になるものが平和に貢献したから叙勲だ。このDSの理屈を皆さん理解しなくては国際情勢は読めない。だからウクライナでもロシアでも多くの人が亡くなっても武器は売れているのである。もちろん日本にたくさん売れたワクちゃんだって勲章ものなのだ、日本に何人被害者が出ようと。原爆を投下する都市の選定には、人類未曽有の「技法」の実験という要素もあった。まったく同じ思考であり、人道という概念はかけらもない。では、同じ連中が言ってるLGBTの人道は誰のためなのか?それをかついでいる日本の国会議員どもはいったい何者なのか?

やる前から戦後を決めていた英米の罠にかかって開戦してしまった愚。そして終戦後の交渉で押し切る交渉力のある総理がいなかった不幸。我々はそのツケを負わされている。原口一博氏が何党であろうと結構。心から早期のご回復とご健勝を祈る。

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受験秀才の価値は暴落する(チャットGPT)

2023 MAR 15 20:20:36 pm by 東 賢太郎

人は真っ白で生まれてきて記憶力のピークは18才である。凡そ20才までに何に時間を使ったかで「脳の初期化」が終わると考える。それ以後の進化もあるが、脳機能(CPU)、メモリーのキャパは決まる。学校にいる時間はみな共通として自由時間に何をしたかが個性になるだろう。すると僕は20才時点でレコードを1,000枚持っていて10回は聴いているから10,000時間、すなわち20年(=175,200時間)の5.7%はクラシック音楽を聴いていた。その次が野球で、やる・観るで7~17才の10年、ならして日に1時間として2%だ。勉強はというと小1から14年、毎日2時間自習したとして5.8%だから音楽+野球(7.7%)の方が初期化の貢献度が高い。

もし7.7%を塾通いさせられていたら別種の人間になっただろう。音楽・野球のない自分は想像できないが、好きに生きたら勝手にこうなっただけで、なろうという意志があったわけではない。この実感と見事に平仄が合うのは「身体は魂がもらった vehicle(乗り物)」という思想だ。身体のサイズや性能はDNA(設計図)で一義的に決まっているのだからそれ以上でも以下でもなく、行く末も決まってるのでケセラセラで生きればいい。そう思えば人生楽だし死も怖くない。刻苦勉励は為政者が国家を作るための教育でそれも大事かもしれないが、人間の本質には必ずしも根ざしていない。

これから世の中はどうなるか?コロナと戦争で混沌としているが、世界を変えるのは常にテクノロジーである。落合陽一氏によるとAIの進化は想定外に速く、人間を凌ぐシンギュラリティは2025年に来て、頭の中でする仕事は弁護士、会計士、役所仕事など専門職ほどAIができてしまい、人に残されるのはエッセンシャル・ワーカーの仕事、スポーツ、芸術、恋愛、戦争だそうだ。僕は2008年にリーマン・ブラザーズが潰れた時に真っ先に同社に電話をして六本木ヒルズに駆けつけ、東証の株式売買トップシェアだった米国人20人の電子取引チームを口説いて丸ごと引き抜いた。彼らから最先端のアルゴリズム取引を学び、一秒間に百万回の売買注文が執行できてしまう速度を見て人間に勝ち目などあり得ないことを確信した。それから数年で、腕さえ良ければ高年俸が約束される花形ポストだった証券会社のトレーダー職は、案の定、無残に消滅した。これが現実に起きたことで、もう15年も前の話なのだ。AIは資本効率を上げるが失業率も上げる、しかも高度な知的ワーカーのだ。

AIはかように演算速度が天文学的に速いばかりか自習して進化もする。ということは、学校で習う「答えが出る問題」を解くことにおいては人間は確実にAIに負けるということを意味している。だから僕が7.7%を塾通いではなくスポーツ、芸術に割いて育ったのは得だった。「時は金なり」だから1時間の交響曲を聴くと時給分の損だとするのが経済学だ。しかし脳内にAIができない不可侵領域を作り、感動というエネルギーチャージも得る音楽鑑賞の価値の合計は時給より高い。僕は小学校時代に(本当に)勉強した記憶がなく、野原を駆け回っていた。その経験からいうが、中学生になればすぐ理解できる小学校の勉強に6年の塾通いは時間の無駄で、遊びの情操教育をミスする損失の方が大きい。野球という遊びは強い体力と胆力という財産をくれたが、知力よりそっちの方が出世には何倍も物をいった。

ということは受験秀才の「勉強ができる」という価値はAI時代には暴落し、AIは日々人智の及ばぬ速度で学習して更に人を引き離し、学歴というものは出身県と同様の「群れるためだけのもの」になる。しかし仕事がない人の群れに何万人いても何も生まず、数の力にすがって互助のための政治や宗教をするようになる。しかし、そのリーダーのできることはAIにできないことだけだからAIを論破できず、やがて各党とも党首にはAIを起用し、国会はオンライン開催となる。chat gptチャットGPT)はそれが絵空事でないと実感させる。ウォートンMBAの試験に通る知能を持ち、論文はスワヒリ語でも10秒で書け、3分の好みの音楽を10秒で何通りでも作ってくれるなんてことになる。しかも演算速度はこうしている今も毎秒速くなって、やがてアルゴリズム取引と同じ百万分の一秒単位になる。ちなみに岸田総理の国会答弁は、AIにやらせれば自分で考えるので官僚のペーパーは不要だし、少なくとももっとうまく読むだろう。

AIの職業浸食は、起きない方が不思議だ。なぜなら資本家はROE(自己資本利益率)を求める。AIは人の何万倍も仕事が速く、口ごたえせず、正確で、24時間働き、飲み会はいらず、不要不急の出張もせず、賃上げ不要で、組合は作らず、歳もとらないから、人を減らして置きかえるほど人件費・管理費は激減してROEは上昇し、従って株価も上がる。それを望まない経営者はいない。社長もAIでいい。所有と経営は完全分離し、AI社長には預金通帳が与えられ報酬が入り、自らの機能を高めるためオンラインで買い物もする。これが究極の姿だが、ここまで行くと社会問題になるので政治家が介入し「そこそこの二極化」に収まる所で浸食は止まるだろう。そこでAI社長は何をするか。政治家の性格を瞬時に分析し、ぴったりの宴会部長(人間)を雇って接待、ゴルフ、ハニトラを仕掛け、賄賂を贈る。贈収賄罪が立件されると政治家と部長は牢屋に入りAI社長は没収されるが、贈賄はしないプログラムに書き換えたものをまた買えばいいのである。

そんな馬鹿なと思われるだろうが、AIの出現は決してブラック・スワン現象ではない。黒い白鳥がドカンと世界に衝撃を与えるわけでなく、普通の白い白鳥に見えるが気がついたらそこいらじゅうに居たという性質の侵略なのだ。1990年代前半にインターネットが出現し、こわごわメールを送って「届きました」と電話で返事が来た懐かしいあの頃に、SNSなしで生きられないほどネット社会に同化した自分の姿を誰が想像しただろう。同様に「士業」「経営者」「医師」「教師」「役人」etcがチャットGPT搭載のロボットになっていくが、その環境にいずれ我々は慣れっこになり、何とも思わなくなるだろう。人間は環境適応し進化するからだが、人の頭の進化速度よりAIの演算速度の上昇は速いので大衆の目にはAIは万能に見えてきて、拝む信者が増え、人でなくAIこそが安心安全という時代が来るだろう。

ビル・ゲイツやイーロン・マスクの見ている世界はそんな感じだろうか(もっと向こうだろうが)。世界は国籍人種宗教を問わず資本家とそれ以外に二分され事実上一国になるが、戦争需要を生むため上層部が通じ合った見せかけの三国体制でもいい(オーウェル「1984年」がそう)。これを陰謀論と言う人は百万分の一秒で株が買える現場をトレーディングルームでお見せしても陰謀だと言う人で、AIはおろか人類の平均進化速度にすら後れを取り、宗教、アミニズム、自然回帰に向かうか、あるいは暴力、戦争に向かうだろう。私見では日本人は前者に親和性のある民族であり、個々人としてそれはそれで幸せな人生かもしれないが、事は他国でも起きることであり後者に向かう国も出よう。陰謀論者が低学歴とは思わない、むしろ高学歴で頭の固い人が多い。つまりもと受験秀才であり、その価値はこういうプロセスを経て暴落するのである。先の稿に書いたが、これからはオン・デマンド型の人しか出世しない。学んだことがすべからくAIの得意分野と競合する受験秀才は、論理的に、最も demand のないタイプの人になるだろう。

国家の存立はいかがなものか。国会議員、官僚にこの現象の危うさを科学的に理解して対策を講じられる人が何人いるか。文系ばかりでほとんどいないだろう。すると、事が起きてから騒ぎだすのが日本の得意技だが、いまさらデジタル庁なんか作ってる異次元の辺境国だ(同庁は何をやるんだろうと思いきやマイナンバーカードだ。絶句するしかない)。こんな役所に手に負えるはずがなく、そこで放っておけば、東京五輪の現場のごとく役人は何もできないから電通さんに丸投げみたいな悲劇的なことになる。しかしどこに丸投げするんだろう?「AI省をつくれ」となるしかない。すると大臣はチャットGPTさまが適任ではないか。しかし待てよ、彼は何党員なんだ?そこで自公と野党の間で、国会の貴重な時間を使って壮絶な田舎のプロレス対決が繰り広げられ、「チャット君と呼ぶわ💛」の歌とダンスが気に入られたAKB48党に決まる(AIは感情もある)。彼は一秒間に百万回の計算をして日本国のAI政策の最適解を導き出し、見事に国を救う。そして、20××年、世界初のAI総理大臣に任命されるのである。

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「陰謀論だ!」という陰謀論について

2023 FEB 26 22:22:35 pm by 東 賢太郎

陰謀論というのは陰謀のことではない。何らかの事件が発生し、「その裏には陰謀があったに違いない」と疑義を唱える企み、行為のことをいう。

そこで、陰謀を練った方を「陰謀側」、「陰謀があったに違いない」と疑義を唱える方を「懐疑側」、どちらでもない者を「中立者」と呼ぶことにする。

「陰謀側」は世論操作によって多数派を占め、少数派の「懐疑側」を貶め、侮蔑する含みを持って否定するのが一般的だ。

ところが、「懐疑側」が挙げる証拠に信憑性のある場合は、だんだん多数派の数が減っていき、やがて、「陰謀論だ」と批判する「陰謀側」の行為の方がむしろ陰謀論に見えてきてしまうという逆転現象がおこることがある。

特に、「懐疑側」の証拠の信憑性が科学的である場合、反論を試みれば試みるほど「中立者」に非科学的な印象を与えて不利である。よって「陰謀側」はあらゆる手段で懐疑を無視し、封じ込め、脅し、抹殺することに全力を傾注する。

ところが、それが全力であればあるほど陰謀の露呈を恐れていると「中立者」には見え、陰謀の存在がより強く推察されてしまう。このジレンマを避けるため「陰謀側」は行為後にすみやかに科学的証拠を隠滅することに全力を尽くす

万一、証拠が残ってしまった場合は、論争の途中で意表をついて、自らの陣営が「懐疑側」に組して見せることで、「中立者」の目に、あたかも別の「陰謀側」がいたかのようにふるまう “分身の術” を弄することがある

分身を演じる者がうまく立ち回って「中立者」の支持を得た場合、そちらに合一してしまうことで「フェイクの懐疑側」となり、「陰謀側」に疑義を呈して裁くふりをすることで虚偽の真犯人をでっちあげることができるからである。

分身を演じる者は必ず「陰謀側」の一味であるから陰謀の全貌を絶対に明かすことはない。単なる「おとり」であり、「中立者」をミスリードする「レッドへリング」にすぎない。従って、支持はせずに無視しておけばやがて自ら消える

分身の演技に疑義が持たれる危険性がある場合、「陰謀側」は「第三者委員会」という名称の分身を組成して演技を続行する。第三者性の不在証明は致命傷になるため徹底管理される。この場合は「中立者」の眼力が問われる。

科学に疎い「中立者」が大多数である場合、宗教、憎悪、憐憫など情緒的根拠を針小棒大に報道することで科学的論理性を糊塗する戦略は有効である。論理は経年劣化しないが情緒はするので、「なかったことに」で封印できるからだ。

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謎の岸田総理と黒田総裁

2023 JAN 9 0:00:41 am by 東 賢太郎

最近電車によく乗る。ホームの駅看板(線路ぞいの広告)がやけに白っぽいなと思ったら18枚のボードのうち7枚しか広告が出てない。それも医者ばかりで商売人はセイジョー石井だけ。カウント癖があるので何でもすぐ数えるが、14年使っているこの駅でこんなことはかつてなかった。

僕は国が出す景況感指数よりも、かような「巷の景気」のほうを見ている。趣味ではない、その方が株式市場がよく見えるという実益からだ。インフレに乗じて値上げできる大企業はいいが、国民のフトコロ具合に近い「ちまた」はそうはいかない。駅にいる消費者に宣伝しても元が取れないと広告主は思ってる。これが巷の景況感。そして日本のGDPの5割超は個人消費なのだ。ここが冷えたままでは経済は上向かない。

65才を超えると定職に就いて働く人は激減する。すると定期収入が途絶え、年金は雀の涙だ。人間は生きているだけで毎日の出費がある。しかし毎日の収入はないのが現実となる。だから退職金など手持ちの預金を食いつぶして生き、残高は減る一方。となると、本来喜ぶべき長寿すら不安材料だ。これで総貯蓄の8割を持っている50代以上に気前よくカネを使えと言っても無理だろう。巷の広告主が減るのは道理なのだ。

となると普通はデフレ、需給ギャップと呼ばれる現象がおこる。ところが日本も世界もインフレであって、金利を上げなくちゃと騒いでるのだ。これをおかしいと思わない人が経済や為替や株価をネットで語っているからますます訳のわからないことになっている。では矛盾の原因は何か?コロナで経済が窒息死するのを防ごうと世界の国が借金して突発的に厖大な額のカネをばらまいた。ところが想定外の戦争が勃発して突発的に各所で盛大にモノ不足になった。この「突発✖突発」が見かけのインフレを生んでいるわけだ。それなかりせば、日本が患ったデフレ病は世界にまん延して米中欧をも蝕んでいたろう。駅の広告数は日本が実はその病から回復してないことを示しているのである。

したがって、ここで景況感指数が2期連続で上向いたとか、見かけのインフレに乗じて次々と商品値上げがおきている現状(嘘のインフレ)を示して景気回復の予兆だとうそぶいて増税に走るのはとても愚かしい。前述のとおり、国民はみな不安。ますます財布のひもがきつくなって消費は停滞し、GDPは伸びない。その不安は君らのせいだと企業に賃上げを迫っても、消費が減れば売上も減って株価も下がる経営者は株主総会でモノ言う株主に首を切られかねない。だから口では上げますと言ってるが容易にそうできるとは思えない。とすると行く末はデフレの再現、増税はそれを単に加速してやがて減る税収を早めに減らす効果こそあるだろう。

経済は需給で動く。ディマンドとサプライだ。銀行系証券に転籍して驚いたのはアンダーライト(引受)した株が「売れるかどうか」という視点がまったく存在しないことだった。「こんな株が700円で売れるわけないだろ」と会議で言うと満座がシーンとなってしまう(証券マンにはイロハのイ)。つまり銀行は経済の「サプライサイド」(供給側)であり、ディマンドサイド(需要側)の読みに甚だ疎い(というか、わからないから触れたがらない)。だからゼロ金利にすれば企業は借りるのが当然と思っていて、借り手がない現実を前に思考停止してしまう。僕らは需要側(消費者、企業)が病気だと結論する(それを冒頭に書いた)。だから政治のやるべきは病気を治すこととなるのだ。

ところが、黒田日銀総裁はこの期に及んで謎の金利引き上げをした。僕は金利差要因の為替モデルを自分で作っているが、現在のところ効くのは米の利上げ幅(=金利差拡大幅)より速度である。簡単に言うなら接線の傾きだ。FRB決定が0.75上げなら大きい、0.25なら小さい。この基準で統計を取ると12月のFRB決定後は132~135円が目安。昨年9月27日のブログ時点(Invest in Kishida(岸田に投資を)で円安に)では「150円ぐらいはあるかもしれない。落ち着きが良いのは僕のモデルでは135円、というのは変わってないのですが」と書いた。まさにいまその辺にあるが、利上げなどしなくても多分ここに収まった(僕はモデルを信じている)。ところがどういう理由なのか知らないがやっちまった(総裁は利上げでないというが、相場は結果がすべてというのが掟で問答無用)。すると変動金利はもちろん国民生活に深く関わる住宅ローンなど新規の固定金利は軒並み上昇するに決まってる。

これが国民の出費を増やし不安を増幅し、需要(消費)を冷やして病気の追い打ちになることは自明。供給側が需要側を殺してしまう本末転倒。この結果、GDPを下げ、国債の利払いも増え、銀行や日銀保有の国債に含み損が発生し、株は上がらない。それなのに岸田政権は「資産所得倍増プラン」「資産運用収入そのものの倍増も見据え」である。ノーベル賞級の運用モデルでもあみだしたのだろうか。「NISAで節税」?損したら税金は元からゼロだ。米国民の株式保有率が高いのは長期に株が上がってド素人でも儲かっているからなのだ。「株をやる」「投機筋」なんて石器時代の言葉を吐く人達が不得手の需要側で何をやろうが、賭けてもいいがうまくいかない。そんな些末なことより、需要側の病気を治して消費を促進し、企業が成長し、株が順当に長期的に上がる王道の政策をとれば株式投資は勝手に増える。まあ票にならないこんな分野は政権の数ある「やってる感」作りのひとつだろうが。

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BAND-MAIDは世界に通用する!

2022 OCT 2 13:13:26 pm by 東 賢太郎

僕はロックンロールの元祖というと、どうしてもドイツの港町ハンブルグを思い浮かべます。プレスリーじゃないんです。ハンブルグといえばブラームスではないのか?もちろん、まずそれが第一です。でも、この街に行ってブラームス博物館だけ見て帰るわけにはいきません。レーパーバーン(写真)があるからです。彼の生家はここからそう遠くはないんです。もう建物は残ってませんが、それに目をつぶりたくなる音楽ファンもおられるような地域だったそうです。ただ、ドイツの人は一般にそういうことに対しては日本人ほどピューリタンでないということは申し上げてもいいと思います。ここは東京なら新宿歌舞伎町で、だからどうということもなし。若い頃に飲み歩いてうろうろしたので僕は違和感すらなしですが、ハンブルグは港町ということもあってもっとストレートで強烈な歓楽街です。

レーパーバーンのクラブでロング・ジョンという男がポール・ラモーン、カール・ハリスンとバンドを組んで、荒くれ者の船員や売春婦の前で覚醒剤やりながら10時間のステージをやってました。3人とも流れ者のハタチぐらいの兄ちゃんです。ロングはというと、船員の親父は行方不明になるし貧しい母親は彼の目と鼻の先で車に轢き殺されるし、めちゃくちゃ不幸な家庭の子。グレて札付きのワルでした。世の中にどす黒い反抗心があったのでしょう、やがて麻薬LSDに走って誰も理解できない世界の人となって凶弾に倒れますが、彼のバンドの演奏はきれいごとでない高みまで登って行ってしまいます。そして The Beatles というものになる。僕にとってはそれがロックであり、ロックはそういうものなんで、原点はどうしてもあの劣情がたぎりまくっていて卑猥で低劣なレーパーバーンにあると感じてしまう。彼ら、生まれはリバプールでそっちでは偉人であって美化されてますが、そのせいかどうか、英国ではロックは美しいものなんてなってきて、その過程でロンドンにいたもんですから、そうでないものをロックと言われてもねってところがあって、後につまらなくなって離れてしまった気がします。

いっぽうでは、僕は交響楽団の奏者に女性がいない時代に育ちました。ベルリン・フィルもチェコ・フィルも、舞台を子細に見渡しましたが、本当にそうだったんです。教会で女性は声を出せないためカストラートがいた(ベートーベンもそれにされかかった)という根強い宗教的伝統から来たようですが、それがいまや指揮者まで女性という時代になりつつあって、違和感がなかったというと嘘になります。長らくのあいだ、ウィーン・フィルはハーピストだけか、なら許せるかなぐらいだったんで、僕の趣味も旧世代のものだといわれれば反論はできません。ところが、ことロックバンドとなると、今でも事情が違っていて、これだけは最後の最後まで男がやるもんでしょと思ってます。保守的だからではなく、レーパーバーンが原点だと思ってるからなんです。あそこの奥のほうは、いまどうか知りませんが、塀があって女性と18才未満の男は立ち入り禁止だったんです。宗教や時代がどうのって問題じゃない、ココばっかりは男の牙城であり、ジョン・レノンがなんでロング・ジョンだったか(隠語を知ってる方ならわかりますね)ジェンダー論ではどうもならんのです。

こういう事情なので、きのうコメントをいただいて初めて知ったガールズロックバンド、BAND-MAIDをyoutubeで見て、はっきりいって衝撃でした。ご紹介いただいた方に感謝申し上げます。これはカテゴリーキラーであり、コンセプトの革命です。でも違和感あったのは始めの2,3分だけです。ベース、ドラムスが問答無用でうまいしギターの速弾きもなるほどっていうレベルです。名前もバンド・エイドのシャレでしょう、センスを感じる。技術なしに奇をてらうのは何やってもだめ、日本の女子力である「カワイイ」は世界の公用語になりつつあって無敵ですが、AKBがニューヨークで旋風を起こすかっていうと絶対にありません。音楽の世界でそれだけじゃあワールドクラスはあり得ません。まずインストゥルメンタルのこれ、だめじゃない、イケると思いますね、だから運さえあれば旋風を起こす可能性はありますね。

女の子だけでやってると思えないヘヴィなサウンド。でも男になろうとしてるとも思えないんで宝塚の男役みたいな作り物感もない。単純に、好きなんだっていう磁力だけがビリビリ伝わります。音楽はこれがないといけません、その一点において、ロックもジャズもクラシックもないんです。ビートルズはそうやってできて、それがなくなって解散したんです。それをリアルタイムで経験してる旧世代にすれば、あらを探せばいくらもある。ヘヴィっぽいけどヘルター・スケルターの黒さはなし、アイ・アム・ア・ウォルラスの狂気も、やがてそういう方へ行くかもしれない兆しも、youtubeにあるものを聴く限りはですが、ないです。サウンドとは裏腹にいまどきの中性的なエンタメであって、初音ミクのリアル版といいますか、ある意味で「究極の作り物」なんで新奇で面白い。しかし、それが僕の知らない “いまどきの” かもしれないし、もちろん積極的に良いこともあって、「だから疲れない」ということですね。おかげでぜんぶ聴いちゃいました。

「秋葉原のメイド喫茶でアルバイトをしていた小鳩ミクがバンドをやりたいと思い、メンバーを集めて結成した」そうです。「やりたい!」という強烈な求心力のある人にはそういうタイプの才能ある人たちが寄って来るんですよ、僕はそこでレーパーバーンを連想したし、そういう集団を何より評価します。ビジネスの世界もまったく一緒です。そういう人が新しいものを作ります。そうでない人が何万人集まってもね、デモ隊にしかならない。デモは政治にはなるが、ビジネスにはなりません。バンドもオーケストラも似てますね。

彼女たち、メイド服姿の「カワイイ」と「ハードロック」とのギャップを狙ったと語ってますが、いいマーケティングと思いますよ。でもその位の手管は誰でも思いつきますんで、現に舞妓さん姿のロックバンドもyoutubeにあるんでね、普通のお姉ちゃんの受け狙いじゃない、自発性に富んだ、音楽的プロフェッショナルな部分を評価します。ギャップは売っても女で売ってませんから、とりあえずはね、AKBみたいな路線の作られた純エンタメと比べたら失礼なレベルです。日本でこれだけ本格派の土俵で堂々と勝負できる才能の人はあまりいない。これがすべてです。でもいずれバラードやれば、そこはまぎれもない女性なんで、作曲のクオリティとかね、高い次元のものが求められてきますね。ギャップは通用しません。ビートルズがそこまで行ったのは、男か女かではなく、そのハードルをクリアした唯一のバンドだからです。

日本人は、基本的に何事もそうですが、みんなちょっと売れると日本のスターの小さい幸せで満足して終わっていくんですね。バロメーターとしての収入でいうなら10億円ぐらいでね。日本でそれなら凄いじゃないかって、ちやほやされていい生活して浮き名でも流してね。この「日本でそれなら」ってぬくぬくした甘ちゃん精神が海外で長いことやった僕には気に食わないんです。怒りすら覚えます。そういうこと言ってるから国ごと「日本でそれなら」になって何のこっちゃとなり、ただでさえ国家経済がどんどんシュリンクして「ちんまりした国」に向かってるのに誰もそのマトリョーシカの矛盾に気づきもせず、沈んでいくタイタニック号の中でいい席の取り合いに精を出す。ところでその「日本」って何なの、誰が決めたのってところに目が向かなくなって、船体が10度ぐらい傾くと初めて大騒ぎになるはずです。でもそれって「誰がこんな船にした!」の大合唱でしょうね。それをいうキミも犯人の一人でしょってのは誰も言いませんよ。

彼女たちは100億円、野球なら大谷になるかもしれない原石でしょう。間違っても巨人の4番で終わって欲しくない。僕は韓国のBTSを見ていて、音楽も歌もダンスも確かにメジャーリーガーで凄いしアメリカ人の好みをうまくつかんでるマーケティング・インテリジェンスに感心もするんですが、遺伝子的に能力も容姿もかわらないのにどうしてあれが日本から出てこないんだというフラストレーションがあります。BAND-MAIDをビートルズに比べる僕の駄文を読んで、そりゃあんまりだ、買いかぶり過ぎだと思った方はもう立派にタイタニック号のお客様ですね。そういう方々からは、同じ東洋人のBTSがビートルズ並みに売り上げてホワイトハウスにまで呼ばれちゃうのに日本では彼らの追っかけが増えるだけで、どうして?っていう声は出てこないんですね。もう国ごと茹でガエルで、元々長い物に巻かれる国民性だから、こんなに奴隷化して支配しやすい国はないと見えてる可能性大ですね。

おそらくBTSにも事務所にも「韓国でそれなら」ってのは元からないんです。自国は小さい市場だから外国に売り出していくなど当たり前で、そうなると当然に大きい所を狙うので、隣でお手軽な日本なんてのは眼中にもなくて、一気に頂点のアメリカに出る。映画もゴルフもそうです。我々はそれを「ハングリー」で片づけてプライドを保ってましたが、一人当たりGDPでもう韓国に抜かれてますからね、要するに韓国より貧乏な国民なんでね、ハングリーじゃなきゃいかんのはお前だろって事態になってるんです。でも、これ、耳障りが悪いんでマスコミは報道しないし、自民党は責任を問われて支持率さがるから口にしないんです。国民に知らしめず、自分が生き残れればいい。繰りかえしますが、これが「沈んでいくタイタニック号の中でいい席の取り合いに精を出す」ってことです。国を背負う者が率先してそれをしてる、そういうキャプテンが操舵する船に我々は乗っています。ところが、一般の客である国民も、隣国より下ってのは棺桶に入るまで認めたくないんですね、偉かった先人たちが命を捨ててまで築いてくれた富と名誉にかまけて、ぬくぬくした甘ちゃん精神で、砂漠で敵に囲まれると砂に顔を埋めて見たくないものは見ないダチョウみたいになって、やがて食われるんです。そっちに船を近づけようと画策する左翼なんてのはもってのほかなんです。

僕は日本を席巻したアイドルグループ「嵐」が世界に出ないのにがっかりしました。まあ事務所の方針もあるでしょうし彼らの責任ではないかもしれません。しかし、やる気になればできたかもしれないし、失敗しても構わないのに挑戦もしないってのは若者のリーダー格としていかにも寂しい。いまの日本でジェンダーを論ずるなら、野球選手もゴルファーも俳優も歌手も、お山の大将でちやほやされて遊んじまって潰れてるのはほとんどが男だってことを問題にすべきです。破廉恥事件はもちろん、金に絡む悪事もだいたい首謀者は男なんで、べつに女だからクリーンとも思いませんが、日本男児って言葉はいつから死語になったんだろうと思うのです。

企業社会もアメリカさんのポリコレ戦略にまんまとひっかかって、大事なのはコンプラとコストカットとリスク管理ばっかりになってですね、カルロス・ゴーンを連れてきてこいつに100億円もやってね、日本人役員たちが自分も100億もらうぐらい仕事できる玉ならいいんですよ、でもそうじゃなくって、そうでもなければ絶対に出世なんかできなかった奴らが自分も1億円ぐらいの高額賞与の微々たるおこぼれにありつこうっていう悲しいセコさなんですね。そういうブレーキを踏む性質の人間が権力を持つとアクセルを踏む資質の人間は邪魔なのでパージしちまって、ついに「エンジンのないクルマ」の死屍累々たる廃車の山ができた。それが今の日本。するとそれを狙ってたアメリカ企業が、スクラップバリューでね、つまり激安のバーゲンセール価格でクルマの含み資産と技術を買っていくわけです。もちろんC国も虎視眈々とそれを狙ってます。こういう国賊経営者の犠牲になったのが「非正規雇用」という契約を「フレックスだから自由時間ができて良いことだ」というセールストークにして雇われた若者たちなんです。いいですか、男性諸君はド迫力のBAND-MAIDのロックきいて奮い立って、革命でも起こしなさいよ。このままだと国ごとどっかの奴隷になるよ。

社会に出ると男というものは、男性ならではのいろんなしがらみが出てくる、それは事実でしょう。僕もそうだったし、耐えられないぐらい重たいものだったこともあるし、でもそれに負けずにファイトバックして生きてきたから、家でも社会でも一応の男の尊厳、誇りは持たせてもらっているわけです。でも、それを甘受しているということは、それを女性ができるなら同じだけの尊厳を持っていただいて当然ということになるし、もし負けたらそれを認めないとおかしいです。僕が心からそう思うようになったのは駿台予備校でどうしても勝てない女性がひとりだけいましてね、いつも総合点で名前がトップあたりで、なんで本番落ちたのってみんな不思議がった方で、ついに1回しか勝てなかった。それでこうなったんですが、実力だけをリスペクトするっていう精神は真剣勝負を逃げて育ったぬくぬくした甘ちゃん精神からは絶対に出てきません。そういう人はダチョウになるから負けは認めないんで、ということは進歩もしないんですね。

誤解のないように書きますが、僕の言ってることはフェミニスト精神とは別物です。女性だから大目にというのはありません。娘がMBA取りたいと言えば女だてらになんてことは言いません、取るなら取っただけのことはしろよとだけ言います。そうでないフェミニズムは女性を元禄のお犬様に祭り上げるだけで、今度は男に不平等であり、その結果、できる女性はかえって不利になります。私大の医学部の入試はいい例です。まず、これからして困ったもんだが、勉強は女性の方ができる。だから正直に採点すると合格者は女性の方が多くなって病院の医局の現場が回らない。女性がやりたがらない仕事があるからです。それを大目に見ざるを得ないから、入試で男に下駄をはかせて調整せざるを得ないというあってはならない事態が発生したわけです。これはいかんと思います。ところが、そういう僕だって自分が患者になって死ぬかもしれないことになれば、熱意があって医師免許さえある人ならば入試の1,2点の差なんかどうでもいいんでそれも仕方ないかなと思わないでもない。根が深い問題ですね。

ですから、生き生き、のびのびと、屈託なくロックしてるBAND-MAIDの女性たちを見ていると、そういうもやもやのすべてが気持ちよく吹っ飛んですっきりしたのです。フェミニズムで高評価する気は毛頭ありませんが、男声でしか出ない黒さや狂気がないなんて評価もしません。そうやって聴いているうちに、もはや男女平等どころか、女子の方が上の時代になりつつあるかということに気がついたのです。男の妙なしがらみからフリーである。モテたい、ちやほやされたいじゃなく、「世界制覇したい」とケロッと言えてしまう。彼女たちの本音の狙いがモテたいだろうがお金欲しいだろうが、どんな私利私欲だってぜんぜん構わないんですよ、それでも、一世を風靡した「嵐」でも、男は怖くて世界制覇は言えんという事実があるからです。

コロナでトシだけ取って気の毒だったと思いますが、いよいよ来月からアメリカツアーでニューヨークに乗りこむそうです。地のまんまでビビらずやれば成功するし一気に取り返せますね。彼女たち、ロックかくあるべしなんてのはなさそうですし、なんたってカテゴリーキラーなんだから、そんなものはないほうがいいんです。あんたらアキバ行ったことある?ええ?メイド喫茶知らないの?田舎もんだねえ、恵まれない男ねぐらいのノリでね、満場を席巻して押し倒しちまってほしい。いけますよ。ニューヨークでそれすれば世界の話題になるからね、後はチョロいもんです。日本の宝になります。ファンになったんで応援します。

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騙されてはいけない「パンとサーカスと嘘」

2022 SEP 25 10:10:42 am by 東 賢太郎

《「徒然草」 第七十三段》

世に語り伝ふる事、まことはあいなきにや、多くは皆虚言(そらごと)なり。

(現代語訳)

世間で語り伝えていることは、真実はそんなにつまらないのであろうか、多くはみんな嘘である。

(評)

兼好法師の時代、嘘は娯楽であったようだ。現代においては、嘘は真実がつまらないからたれ流されるのではない。世界のメディアはグルであり、積極的な嘘(だまし)と消極的な嘘(隠蔽)を織り交ぜて、世界最高権力者に都合の良い世論形成(洗脳)を目論むからである。

 

〈新編「吾妻鏡」〉

かつあらはるるをもかへりみず、口にまかせて言ひ散らす。もれぬるものならばそらしらずしてまぎらはす。ものども、前(さき)の世の報いか、いと卑し。

(現代語訳)

すぐにばれる嘘をつきまくっておいて、ばれると素知らぬ顔で言い訳して紛らわす。こういう連中は、先祖の報いでもあるのか、まことに卑しい者どもである。

(評)

人の世は変わらぬものだ。現代においては、嘘の紛らわし方には「秘書にまかせていた」「事務所の引っ越しで資料を捨ててしまった」「卑しい心で50年経営していない」「それって犯罪ですよ、一緒にしないで」など各人各様の趣向が凝らされるのが一興ではある。なぜ「つきまくる」かというと、「嘘も百回言えば真実となる」からであろう。

 

《ユウェナリス「風刺詩集」 第10篇》

…iam pridem, ex quo suffragia nulli uendimus, effudit curas; nam qui dabat olim imperium, fasces, legiones, omnia, nunc se continet atque duas tantum res anxius optat,

(日本語訳)

…民衆は、(投票権を失って)票の売買ができなくなって以来、 国政に対する関心を失って久しい。 指揮権、懲罰権、ローマ軍団、 かつては全てを与えていたが、今や自らそれを止め、 ただ二つのものを不安げに求めているー すなわちパンとサーカスを…

(評)

パン(食料)とサーカス(見世物)は古来より国政に関心のない愚衆をつくり、喜ばせて反乱を起こさせない目的があったが、やがて世界に広がって五輪と呼ばれるようになる。21世紀の東京は折からの大規模な流行り病で、おののいた民衆が喜ばない五輪が開催された。すると、その無理が祟ったのであろうか、喜びと熱狂に紛れて隠蔽できるはずだった本来の目的が露見してしまい、贈収賄で逮捕者が続出する結果となった。これを令和の五輪疑獄と呼ぶ。

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「寄らば大樹の陰」は全く安心・安全でない

2022 AUG 20 17:17:27 pm by 東 賢太郎

野村とか昔の関係者がけっこう読んでますという。勉強になりますとか嘘つけと思うが、よほどのクラシック好きか東賢太郎で検索した人しかひっかかりにくいだろうから、PVの数字が本当ならそれも本当かなとは思う。こいつくたばったと思ったらまだしぶとく生きてやがってというところだろう。

証券業界でクラシック好きは見たことないし本当の野球好きも知らない。ジャンルが何であれそういう性質の人が少ない。「金融は浅いんです人が、そんなのばっかりですよ」(某公認会計士様談)。だから言うまでもなく、つまらないのである一言でいえば。「麻雀好きでなくてもいったんメンツに入ったら抜けられないよね」(某弁護士様談)。そもそも子供の頃から口数少なく、静かにアンドロメダ星雲の惑星系の想像でもしながらクラシック音楽をきいていたい僕は金儲けなんて本来全然興味ない。なのに長らくここにいることをこの説ほどシンプルに解き明かすものはない。

僕はテレビは見ないし新聞も見出しだけだ。情報の8割はネットからだが受け身でなく能動的に検索する方が多い。それで済んでしまうのは世の中の神羅万象に関し、宇宙物理から宗教から哲学から歴史から文化から芸術から猫の心理に至るまで、正しいかどうかはともかく自分なりの統一原理を持っているからだ。日々何がおきようとそれにあてはめて説明でき、自分が納得できる限りは変える必要を認めない。だから頑固といわれようと、必要ないことをする時間はない。人生一寸先は闇であるが、どんなショッキングな事件がおきようと原理から逸脱がなければ「あっそう」で終わり。その分だけ時間を他に使うことができるし、精神的にも気楽な人生となる。

せっかく書いたのでもう少しご説明する。思考というのは原理(骨組み)が必要である。それのない思考とは刹那の感情、思いつきを言うに過ぎず、カラスにもあることが知られている。原理は百科事典にもウィキペディアにも載ってない。なぜなら体系化された固有の思考回路だから自分で脳内に「造成」しないと絶対にできない。それを読書で補うことは悪くはないが、他人の借り物で思考することは洗脳であり、万巻の書を読破した読書家は思考回路があるなんてことは全然ないし、数学の訓練なしにそれができることはあり得ない(ショーペンハウエルは読書は馬鹿になるからするなといっている)。百万の賢人の意見を知っていても、馬鹿な人は相変わらず馬鹿なのである。

僕の原理は帰納法で導いている。以前述べたが僕はフランシス・ベーコン、ジョン・ロックのイギリス経験論者である。何故そうなったかというと、自分の眼で見た物しか信用できないという極めて慎重で臆病な性格だからだ。世の一般論を原理とみなす演繹法という考え方は、「一般論が原理なのは世が広く認めるからだ」という信じ難い理由だけで信じるなどアホでないかとしか考えない僕にとってはナンセンスだ。ではなぜ帰納的に僕の原理が成立するか、根拠となる実例は何か示せといわれても、それは経験的に会得した(自分の眼で見た)事実の数々であり、僕が位置していたような立場で味わってない人にはわからない。いくら言葉を尽くして親身になって説明しても、「一般の『一般論信奉派の人』」には理解できない(一部特例の人はいる)、なぜなら、できないから彼らは一般論信奉派になるような性質の人なのであって、よってすべきことだけ明示してやってもらった方が効率がいいというのが僕の経験則であって、困ったことに、このこともまた言葉で説明してもわからないというマトリューシカ構造になっているのである。帰納法は最初の反証がでるまで正しい。その原理にこそ僕は忠実だ。

先日にSTさんが下さった興味深いコメント(8/10/2022)に以下のように返答したが、そのまま再録する。これは大西洋憲章を起点とした現在に至る国際政治を統一して説明する僕の原理的史観の「あらすじ」をざっくり書いたものだ。それでも、いま巷で大騒ぎになっている某時事問題のようなことがおきているのはこの史観からは自明なことはご理解いただけるのではと思うからお読みいただければと思う。安倍さんの事件から突如として始まったこの騒動は、しかし、僕にとっては「あっそう」で終わりだ。まったくどうでもいい。今後どうなるかまで凡そ透けて見えてくるということもわかる人にはわかってもらえるだろうし、かような観察を複合することをもって僕は株式や為替相場の先を読んで、自分のリスクを取って投資することを業としており、ソナーという会社が12年存続できるだけの「的中率」が実証されていると書いて噓にはならないと思う。

お断りするが、以下が正しいとは微塵も思ってはいない。自信もないし僕の理解力が足りず誤りを含んでいるかもしれない。しかし、それでも新事実を当てはめて齟齬がない限りはOKなのだ。あくまで仮説というものは仮説以上でも以下でもなく、原理として未来の説明力がある限りにおいてのみ価値があるのである。大事なポイントは、反証があったら原理性は消えるから即座にポジションを解消し、変更することだ。これを僕は何度もしているが、それを見て東さんは朝令暮改だという部下に説明をしようというモチベーションが生じたことは一度もない。前稿に大きな組織が有利な時代は終わったという趣旨のことを述べた理由は、解消・変更手続きは組織の規模に相関して複雑化する傾向があることが知られており、近未来すら予見可能性が低減してきている現代において、「大きいことはいいことだ」「寄らば大樹の陰」として安心・安全とされてきた大組織ほどサステナビリティが危ういということをお示しして若者の未来への指針にしていただきたいからだ。

以下がコメント

大西洋憲章はUK、US両国が英米国際主義のヘゲモニーの法的体裁をとった固定が主意ですが、欧州の眼前の脅威であるナチを潰すためUSを引き込む意図が混入しています。逆に中立国USは自らの手を汚さず武器輸出をしたく、主意は貿易、海洋の自由を振興する民族自決でしたが、これは植民地立国UKにはよろしくない。しかし同床異夢の両国が一緒に見られた唯一の夢がありました。

USは1929年の株価大暴落から財政はぼろぼろでルーズベルト不況といわれてました。WW1で欧州各国に貸した金は回収する必要があり、対岸の火事に追い貸しをして武器を売りつける手はもうありません。だから中立主義をかなぐり捨てて自分もWW2に参戦して「莫大な軍需を創出する作戦」をとったのです。ナチは民族自決主義ですからね、ルーズベルトは矛盾してます。あいつはやり過ぎって裁定は法の世界にはないんです。

そうなるとUSの国内世論は割れますね。息子が死ぬかもしれない。予算が議会を通らないかもしれない。そこでナチのマブダチである日本をABCD包囲網でイジメてキレさせ、ハワイを空襲させるという邪悪な腹案の存在はあり得たと思います。日本の中国介入(満州国設立)は民族自決主義に反するからイジメは正当化され筋は通るからです。ここまで読んで憲章をもちかけたとするとチャーチルは結果的にUKの利益のために300万人も日本人を殺した札付きのワルですが、国際政治はこんな奴らが跋扈するのは当たり前でお人よしの首相なんて登場人物はいないんです。

チャーチルは憲章の会談に戦艦「プリンス・オブ・ウェールズ」で赴きましたがルーズベルトは「なぜお前なんだ、ジョージ6世を出せ」とは言わないんですね。これぞ市民革命の結果ですね。国王がいないUSはフランス革命でできた国です。人口の4分の1はエヴァンジェリカルですからね、聖書に手を置いて誓う人達で、離婚もLGBTも人工中絶もだめで神様がしてないマスクなんかできるかという。だからそれが支持母体のトランプが強いんです。離婚したいからカソリックやめようという宗派とは根本的に違う筋金入りですね。

だから英米国際主義のヘゲモニーってのはキリスト教連合体としてはいい加減なんです。欧州に戦費を貸したのはユダヤ資本だしヒトラーもキリスト教徒だし。しかし、非西欧のキリスト教化作戦では一致したと思います。ザビエルやコロンブスの時代からやってることです。最大の難物はイスラムですがこれは共通の聖書世界ではある。まったく異質な難物は日本とインドと中国です。中でも日本です。なぜか。皇室があるから。「ジョージ6世を出せ」と言えないのです。首相のTrust me!が嘘と判明しても天皇のTrustは消えない。これ大事なんですね。

マッカーサーは天皇を置いたまま対共産防波堤にする決断をしましたが、一方で日本は難物のままになった。だからCIAはロイヤルがない隣国にいま話題の勝共(共産に勝つ)教団を作ってキリスト教化前線基地とし、皇室のほうは婚姻によって中からそれを進めようとしたでしょう。隣国は総人口の約3割がキリスト教(最大宗教)となりそれに成功してます。まあ安倍家も自民党も出自からしてそういうことだと考えると分かりやすいのですね。USも最大宗教勢力エヴァンジェリカルは共和党支持だし選挙協力も献金もバンバンしてるし、このことと憲法の政教分離は違うというのをわかってないでTVで四の五の言ってるアホな人が多いですね。ちなみにウチは真言宗大谷派で、以上のことは岡目八目にすぎません。

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