コント「総理官邸五階喫煙室」
2026 APR 10 2:02:09 am by 東 賢太郎
ソナー・メンバーズ・クラブのHPは http://sonarmc.com/wordpress/ をクリックして下さい。
3iアトラスの置き土産(赤は人の数だけある)
2026 APR 8 6:06:49 am by 東 賢太郎
思いおこせば、観測史上3つめである恒星間天体「3iアトラス」につき拙文を上梓したのは去年の11月5日未明だった。それがWOWシグナルの発信源ならば、大学生だった1977年から隠居も近い2026年まで半世紀のご縁があったことになる。 100億年前に生まれた天体にとって50年は0.0000005%と、まさしく天文学的に微細な数字であってなにやら光栄な心持ちすらある。そうした気分から万感の思いを込めて文章を綴ったものだが、その2日後に愛猫フクが天に旅立って全ての気力が失せるほど動転する羽目となり、そして天体は二度と戻ることない虚空の彼方に去っていった。
3iアトラスの正体は誰も知らないことになっている。最も観測情報を持っているアメリカ航空宇宙局(NASA)が公式見解として「普通の彗星でした」で幕引きしたからだ。それはないだろうと情報を追い、特に、ハーバード大学宇宙物理学教授アヴィ・ローブ氏のユーチューブ発信は全部チェックした。そして確信した。
NASAは嘘をついている
証拠はない、直感だ。僕は「3iアトラスは宇宙の果てでも成り立っているはずの物理法則を破って学者に衝撃を与えた」と理解している物理学の素人のひとりである。そのことに対し、「ブラックスワン(黒い白鳥)を見た」とリアクトできるほど物理学の絶対普遍性を信奉している人間は地球全人口の1%もいないのではなかろうかと孤独感を覚える程度には、僕はその一員であると自負している。
アヴィ・ローブ教授はブラックスワン、インターセプト(迎撃)なる異例な言葉を含む論文を発表した(迎撃ドローンをinterceptor droneという)。そして、トランプ大統領が99%の側の米国民に向けて事実上のイラン撤退を宣言するや、1%の側から「アルテミス計画」が発表される。 1972年に休止した月への有人飛行の再開だ。これを報道するとこの様にユルいお花畑チックになってしまう我が国において、1%側が何%いるのかはとてもおぼつかない。
目的はNASA職員の女性が語っている。宇宙の通信管理(その真相は冒頭動画から推察できる)および火星有人飛行への中継基地設営だ(冒頭動画は2026/02/18付で、その時点でアルテミス計画に付言している点で価値がある)。
2025/11/5に書いた稿はこれだ。
そしてアヴィ・ローブ教授も2025年の論考やインタビューで、次のように述べている。
・1977年のWOWシグナルの方向と3iアトラスの位置が近かった可能性がある
・この一致は偶然としては「確率0.6%程度」と計算される
・つまり「3iアトラスがシグナルの発信源だった可能性」を検討すべき
しかしローブの見解は学界で主流でなく、
・「刺激的な仮説の一つ」ではあるが
・検証されておらず、かなり推測的(speculative)
とされる。これには違和感しかない。検証されていないから仮説を立てるのであり、それをスペキュレーションと批判する者は17世紀にフランシス・ベーコンが説いた「正しい知識を獲得する方法としての帰納法」を勉強すべきだ。
この一致は偶然としては「確率0.6%程度」
これは恣意でなく計算で導かれた数字であり、「確率0.6%」とは「167回に1回」であり、自然現象なら「人が1年のうちに雷に打たれる確率」ほどだ。社会通念として低い値ではあるが、といって絶対起きないということはなく、たまたま今回起きたのだと言われれば反論はできない。しかし、コップ半分の水を「まだ」か「もう」か論争してもそこから科学は発生しない。色彩は電磁波である光の周波数で決まる。「赤色」に見えるのは約400〜480テラヘルツと幅があり、 400の人と480の人の赤は異なることを意味する。「そのゾーンが赤である」と決めれば「まだ」か「もう」か問題が発生するのは400、480のしきい値(閾値)の2ケースのみであり、確率0.6%がぴったり閾値でないならば、ローブの「かなり低い」という意図を含んだ例示に対し、他の学者が「0.6もある」と言ったに等しい拒絶を見せることは科学的な態度ではないという批判は許されるだろう。
これに対し、帰納法の利用に自由度の高いローブ教授が「ブラックスワン」に言及した点は興味深い。
出版時に話題となったこの書を読まれた方は多いだろう。人間が予期せぬ出来事を理解しようとする方法を分析し、社会で何が起きるかを説く(①予測不能②インパクト甚大③後付けの既知感の発現)。ローブ教授にとって3iアトラスは①②を満たす黒い白鳥であり、③が「普通の彗星でした」であり、偶然としては低確率で出現した太陽系外天体への対応に防衛上の危機感を覚え、著者ナシーム・ニコラス・タレブの「アンチフラジャイル」の哲学を用いて人類に警鐘を鳴らしたのではないか。レバノン人のタレブはウォートンMBA、数学・統計学者で、ウォールストリートのデリバティブトレーダーでもある。確率、ランダム性、複雑性、不確実性の観点から現象を検証し、ここが多くの日本の学者と決定的に違う点だが、 自身がヘッジファンド運用で億万長者になることで自説の正しさを証明している。ちなみに、これは偶然だが、ソナーも彼と同類の哲学による運用によって16年に渡って定常的な利益を積み上げている。現実世界へのアプリケーションが可能な哲学や理論の場合は、結果を数字で証明することが社会へのインパクトを最も明らかにする方法である。
タレブを気に入ったのはそれを行ったからで、一部に異論もあるが、批判者が何万人現れようが我関せずで数字による証明を果たした勇猛果敢ぶりが誠に清々しいからだ。彼が金を儲けたということは、その分、損したした人がいるわけで、では何が大きく損させたかというと黒い白鳥への対応なのだ。株価は波動であるがスーパーコンピューターで分析しても規則性は見つかっていない。あるのは売買によってそれを動かす人間の脳が産む波動である。ブラックスワンに驚いてパニック売りする人が勝つ可能性は低い。ではその逆張りをすれば儲かるかというと実はそれもないから脳を研究しても答えは出ないだろう。発想を逆転した解決法が2つある。 1つはアルゴリズム取引。もう1つは答えは出ないことを正答とし、あるのは確率、ランダム性、複雑性、不確実性だけであると仮定することだ。僕は後者に属する。それでも絶対的な勝利の方程式は存在しないが、勝敗は確率であり、無防備ゆえに負ける愚を減らして相対的に勝率を上げることはできる。アルゴリズム取引は装置産業で膨大なコストがかかるが、そちらは紙と鉛筆だけでできる。
そう考えるようになった理由は独特だろう。僕は自分の色覚の特性から「赤色」は十人十色であって、絶対的な赤は存在しないという考えを持つに至った。「赤く見える」というのは主観であり議論の余地がある(debatable)。赤かどうかは既述のように絶対普遍である数字(周波数帯約400〜480テラヘルツ)によってのみ定義され、そこに属する証明がなければ科学者が言おうがピカソが言おうが僕は赤とみなさない。自分の感覚の上に築かれているという点において他者に影響されず、前提は「数字のみが絶対」の宇宙観であり、既存の類型に当てはめるならば自分は唯物論者、実証主義者であって、リスクをミニマイズしたい演繹的な人間である。これがまずワタクシの第1の特色だ。
ところが第2に、自分の中には別人がおり、時に真逆の主張をする。数字も論理もない仮説を前ぶれもなく思いつき、証拠を出せと否定する自分を説き伏せてしまう。例えば、直感でこの株が上がると思うようなケースだ。もちろん証明は不可能だ。そこで業績が伸びるという仮説を立てられるかどうか検証する。できなければそのアイデアは捨てる。できるなら業績と株価は演繹的な相関性が証明できるので三段論法が成立し、第1のワタクシは納得するのだ。演繹で株価が予測できる場合を業界用語で「おり込み済み」と呼び、誰でも同じ予測が可能だから利益は出ない。帰納的推論は必ずしも同じ予測を導かない。だから先回りして買う機会がそこそこの確率で期待でき、万人がそれを知って買いに来た時に売れば高い確率で利益が出るのである。
ニコラ・テスラが交流電力を発見した発端は既存の電磁気の知識から得た直感(帰納法的推論)であった。コペルニクスの地動説もニュートンのリンゴもそうであり、ケプラーは火星の逆行運動を円の組み合わせで演繹的に解こうとして行き詰まり、「万物は神の意志で円運動する」という当時絶対であった神学的前提を捨てるという帰納法により楕円運動という真相にたどり着いた。思えばシャーロック・ホームズもエラリー・クイーンもコロンボも古畑任三郎も推理(帰納)と捜査(演繹)の両方を用いている。数学の難問を解くのもまた同様であり、機械的な計算問題で演繹力を鍛えるのは誰でもすることだが、ベクトルを使った方が速いのでは?のごとき直感力(帰納)を訓練すれば有益だ。両方を高度なレベルで用いることができる人は世界人口の1%はおろかほとんどいないと思われる。だからそれをインテリジェンスと称し、戦争で知的な武器として使う有用性が担保されるのだ(CIAのIだ)。
僕がアヴィ・ローブ教授の指摘した可能性(帰納法)に大いなる共感を抱いたことを共感いただけただろうか。とはいえ、地動説も万有引力も交流電力も楕円軌道もそうであったからローブ説も正しいとは言えないのは『「a1はPを満たす」かつ「a2もPを満たす」から「全てのaはPを満たす」という結論の正しさは保証されない』という命題は真だからだ。真なる命題は『データをすべて持っているNASAが「検証したが普通の彗星であった」と反証を提示したのでローブの帰納法は “論理的に” 破綻した』でなくてはいけない。
いまや「科学の進歩や国威発揚のため人類を月に」のような目的はインテリジェンスの進化に貢献するどころか無意味な贅沢でしかなく、AI時代に本社社屋の巨大さや従業員の多さを誇る愚かな経営者のようである。約930億ドル(約14兆円)もそれに予算をつけられるほどアメリカの財政は健全でもない。史上最大のIPOを発表したイーロン・マスクのSpaceX社が共同事業者になったとはいえ、国家予算を議会が承認したアルテミス計画はれっきとした公共事業であることを考えると、 その目的が3iアトラスの素性に対するNASAの平平凡凡たる見解によって論理的に破綻したはずのローブ仮説へのNASAの対応であるなら、それこそが国家運営の論理破綻と痛烈に批判されうるだろう。今のところそれは耳にしていないので、アメリカ国民はまじめに火星へ行きたがっているのか、ことの次第をきちんと理解できるインテリジェンスのある者は人口の1%の、そのまた1%しかいない証左なのかもしれない。
では、アルテミス計画の真の目的とは何だろう?
100億年前に3iアトラスを発射した地球外生命体が実在し、彗星を装って太陽系に宇宙船を送り込み何らかの計略を試みた。これがアヴィ・ローブの仮説の本筋である。科学者としての慎重さを担保するため彼はそうは言わないし、言えば国民を不安に陥れるためNASAは政治的意図を持って否定するだろう。1977年に地球に膨大なエネルギーを要する電波(WOWシグナル)をピンポイントで浴びせたのがローブの主張するように3iアトラスであったなら、冒頭動画が開示しているように人類の宇宙空間通信網にサイバー攻撃を仕掛け、ブラックアウトを起こして人類の脅威になる可能性を100%は否定できない。つまり「地球外からの地球防衛」が月面基地建設の本来の目的なら理が通るのである。
100億年前に作られた物体ということは46億年前に誕生した太陽の2倍以上の年齢で、 138億年前にできた宇宙の創世記にほど近い。金属の無い場所で生まれたのにニッケルで表面ができており、自らの作用で軌道も色も変え、太陽と反対方向に出る尾っぽが太陽に向き、微量の有機化合物を撒き散らし、作為でないならあまりに確率の低いフライバイを木星で行った(太陽系への入射角も低確率)。以上は複数のソースで確認されるので事実と思われ、物理学が覆り、未だ仮説であったことが以上の「反証」で証明された。眠れぬ夜を過ごした物理学者が続出したと想像する。そこまで奇妙な、マンハッタン島とほぼ同じという巨大さの、二度と出会うことのない物体がすぐそこを通っているのに血眼で観測しないような人間が天文学者になるとは思えない。世界中のアマチュア天文家までが夜を徹して望遠鏡を向けあらゆる角度からデータをとり、全てをNASAは入手し、真っ赤なウソをついた。ローブは証明できぬ自説を強弁せず、それを暗に指摘する戦略を選択した。
3iアトラスという物体は明らかに異様であり、僕はそのことを多くの人に語った。そして発見した。自分ほど興味を持つ人は周囲にはいないことを。
僕が異様と反応するのは数学、物理学の普遍性、頑強性を信じる強度(レジリアンス)が高く、だから「数字のみが絶対の宇宙観」に起因する哲学で世の中の諸事情を眺めている証拠なのだ。したがって、僕の中でそれが変わることは1+1が2でなくなるぐらいにない。その宇宙観で生きたと思われる人々の中で最も優秀な人はアインシュタインだろう。だからその人が「不気味な遠隔作用」と疑念を呈し、隠れた変数があるとして否定した「量子もつれ」がベルの不等式によって正しいと証明されたことは、僕は宇宙観の転換を迫られていることを意味する。アインシュタインにとって「量子もつれ」はブラックスワンであり、僕にとってはそのことがブラックスワンであった。
つまり、赤色が人の数だけ存在するように、数学、物理学の普遍性、頑強性を信じる強度(レジリアンス)も十人十色なのだ。ない人は強度がほぼゼロであり、黒い白鳥に出会っても黒猫が出たぐらいの反応しかなく、僕の観察によれば、こと天文現象に関する限りそういう人は日本人の大多数と断言してもいい。これも観察からして、西洋人の方が日本人よりレジリアンスが高いように思われるが、彼らは一神教の神を信じ、聖書に書かれた通りに世の中は動くはずだと教育されるからだろう。神の意志は1つしかなく、万物はそれで動き、それを記述したのが数学・物理学であるという信念にこそレジリアンスの源があるということだ。多神教の日本にはそれが育つ余地がなく、実は一神教の理屈という背景がある西欧型の学校教育はストレスであり、「世の中、理屈じゃないよね」といえば「そうだそうだ」と宴席が盛り上がる。子供に宴席はなかったが、群れると漂う同種の空気がどれほど少年時代の僕を孤独にしたことか。
ブラックスワンの著者はレジリアンスが非常に高い人で、予想を裏切る株価の動きは普通の白鳥にすぎないことをランダム性、複雑性、不確実性の理論をもって俯瞰し、自説を大胆に断言しきっているところに小気味の良い面白みがある。驚くのでなく征服する。戦いに勝ち相場でお金を失わないためには戦略からフラジャイルなもの(脆弱性)を消すこと。全く同感である。アヴィ・ローブも多分そうだろう。
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トランプの米国民向けスピーチ
2026 APR 2 13:13:21 pm by 東 賢太郎
トイレで目が覚めた。困ったもんで最近2、3回はおきる。時計は午前4時過ぎだ。そういえば10時にトランプが国民に向けスピーチするんだっけと目がさえてしまった。そこでたまたま開いていた「イリアーヌ・イリアス」のコメント欄に書いた。
『NATOにブチ切れているトランプは明日、米軍は 2~3週間で軍事施設を徹底破壊して引き上げる、核開発は潰したからもうアメリカは関係ねぇぐらいぶつんだろうか。ホルムズ海峡は狭い箇所の幅が33kmで瀬戸内海なら今治と本州の間ぐらいだ。海賊が残ったら安全運航は無理、イランは通行料3億円ぐらい取ると放言する。ホルムズ海峡が重要である中国が出てくる。中間選挙で農家が重要な票田であるトランプは「好きにさせてやるから米国産大豆を2500万トン買え」ぐらい習近平とディールしてもドンロー主義に矛盾なしだ。これは日本にとってやばい結末で、米イ共に手を貸せず、切り札のディール材料もなく、安保理常任理事国の立場でうまく収めれば米国は西半球、東半球は中国の棲み分けが現実になるかもしれない。
軍事の話になれば憲法を奉って平和だけ祈っていれば安全ということにはならない。ウクライナを見れば世界がそんなお花畑でないことは一目瞭然である。原油を断たれて経済力が落ちればますます安全が脅かされる経験を我が国は80数年前にしている。少なくとも憲法9条改正だけはしておくべきだったが現行憲法下でできるのは専守防衛だけだ。防衛予算はGDPの何パーセントが適切という机上の議論も大事だが、何を持っておれば国民の命が守れるかというギリギリの現実から積み上げた数字がそれを決めると考えるべきだろう。私見では核保有がベストであるが、できない以上トランプと交渉して原潜を買うか貸与を受けること、及び防衛装備品の質量の拡充がセカンドベストではないか。NATOは英仏が核保有国であることがトランプに何を言われようが屈しないカードである。』
スピーチを聞いた。こともあろうに・・。
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イリアーヌ・イリアス 『夢そよぐ風』
2026 MAR 31 7:07:27 am by 東 賢太郎
たった一度しか行ってないのに脳髄に衝撃を受けて人格まで変えたかと思われる国があります。ブラジルです。 いちぶ始終はといわれても夢のようで細かいことはあんまり覚えてません(2016年のブログにある程度書いてます)。
リオデジャネイロまでバンクーバー経由で24時間。タクシーで着いた宿はシーザーパレスと書いてますが、AIで調べるとCaesar Park Rio de Janeiroだったようで、あの「イパネマの娘」のイパネマビーチに面してる高層のホテルでした。
ビーチに出るとトップレスの女の子が100人か200人かどわーっといて目が点になります。きいてみるとカー二バルの前の週だったんですね、国中から女の子が集まってたらしく、あんな絶景、人生でそう拝めるもんじゃない。今となるとあれはコパカバーナビーチだったかな、どっちかな、まだ36歳でしたからね、僕も連れの後輩も絶句してしまいましてね、ホワンとした記憶しかないんです。
このホワンは「イパネマの娘」のサビのふわふわ感みたいです。ちょっといかれてるけどセクシーな、心のもやもやを優しく癒してくれるボサノバのあの魅惑的なコードはこういう土地からじゃないと出てこない。なんせ2月でしたからね、前の日までスーツで底冷えのする大手町歩いてたんですから目が覚めたら乙姫様の真夏の極楽にいましたってなもんで、同じ惑星の出来事とは思えません。地球の裏側まで一気に飛んでこういう経験された方はわかって頂けるでしょう。
こっちが接待されたんですね、ディナーの後はナイトクラブに連れていかれて、ブラジルの夜は長いことを知りました。当時インフレは300%と経済はボロボロで、アメリカ人が「ブラジルの経済は夜成長する」とジョークネタにしてましたからね。食事は何だったか覚えてませんからいまいちだったんでしょう。ナイトクラブのブラスとパーカッションがバリバリのラテンバンドは迫力満点で、音楽がどうのというより空気を変えちまう。 音楽は耳じゃなく体で味わう。直撃する心地よさというか、いやあいいな、ずっと浸っていたいなという快感です。
そこがどんな感じだったか、どこかに書いたなと思ってましたが意外なところにありました。
酒が弱いのは損ですね、綺麗な子に囲まれてたのにすっかり酔っぱらっちまってぷっつんです。そうそう、彼女たちはポルトガル語オンリーで英語も通じないんでどうにもなりませんわね。とにかく竜宮城の浦島太郎状態。ブラジルの男を嫉妬しましたね、同じ人生なら金も名誉もいらねえや、こっちの方が断然いいなと確信したものです。まあニューヨークもパリもこういうとこはありますからね、日本の男は残業は減ったかもしれないけどド真面目に生きてますよね、ホント、小学校から塾通って受験受験で遊びを知らず、社会に出たからって生き様はそう変わりませんわね。僕は大いに遊んじゃった部類ですが、それでもブラジルで目が点でしたからね、若い男性の皆さんは30代までに世界の野郎どもを見て回って男を磨いた方がいいですね。
サンパウロはまあまあ、ブラジリアはいまいちでしたね。まあ役所はそっちなんで仕事だから仕方ないんですが普通の真面目な都市でした。カーニバル直前のリオのど迫力は格別に凄まじく、そこで自分のラテン的な気質に目覚めたんです。革命でしたね。この翌年にドイツに赴任することになりましたが、ヨーロッパではフランスも好きだけどイタリア、スペイン、ポルトガルはもっとラテンが濃いんで惹かれてまして、欧州滞在中に何回も行きましたしね、女性もブリュンヒルデよりもカルメンやヴィオレッタみたいなほうがいいですね。
以前にも書きましたがイリアーヌ・イリアスさんが好きなんで、疲れたとき癒しにきいてます。これはボサノバなのかジャズなのか知りませんが、ボサノバテーストはありますね。特に変わったことは起きないんですが、おしゃれで品格があって心のひだに寄り添って心地よい、誠に上質なエンターテインメントですね、浸っていると本当に自分はボサノバが好きなんだなあと思い知ります。脳髄に衝撃を受けてますからね。
アルバム『夢そよぐ風』(Dreamer)です。
この人の声、なんとなく母に似てる気がします。何度きいても素敵です。
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誰の文章を読むかで人生が決まる
2026 MAR 28 0:00:56 am by 東 賢太郎
この業界に入って長いせいかいろいろなリレーションが折り重なって、ディズニーやネトフリに繋がるアメリカの連中とパートナー契約を結んでいる。ソナーは米国の売れっ子IPを単独で日本に持ってこれる。どこにお話しするかは僕の勝手だ。もちろん売上げ兆円単位の企業様にである。
証券マンというのは黒子であってどの業界の専門家でもない。しかし33業種おしなべて知ってるというのはけっこう利点だ。あとは英語だ。英語ができる人はごまんといるが、英語で株を売ったことがある人はまずいない。何語であれ株が売れれば売れないものはない。
それは未来を売ることである。先のことは誰も知らない。当の会社の社長だって知らない。だから「仮説」を売ることに他ならない。為替やゴールドと違って上場企業には会計監査を経て信頼できる内在的な価値を示すデータがあり、開示義務があるので一定範囲はほぼ入手できる。だから仮説構築力の勝負になる。
仮説構築は科学だ。例えば太陽に黒点が出る。長年観測して「その増減は11年周期」と仮説が立つ(なぜ仮説かというと理由がわからない)。来年はこうだろうと一応の根拠ある予測はできる。数学でいう帰納法である。しかし日本人で株式投資をそう理解している人は極めて少ないと思われる。
まず日本人は帰納法の使い手が少ない。だから大胆なイノベーションが起きにくいのかもしれない。使い手かどうかは仮説の矛盾(ハズレ)が出た時の反応でわかる。信者には事件だがそうでない人には「世の中そんなもん」で終わり。そういう人は万事にそんなもんで終わるから思考の経験値が累積しない。
投資で勝つ鉄則はないが負けないそれはある。ゼロにはできないから減らす。数は減らずとも度合いは減らせる。しかし「この方法」の欠点はいつ勝つか不明なことだ。だから運用者に「期間」の縛りをつける(IRRという)。 一部の運用者は経営者に対する株主権行使で期間を短縮する(アクティビストという)。
「この方法」のことをバリュー投資という。上場企業のデータ開示義務は100%ではない。その比率が低い企業の株はリスクが高い(仮説と結果の誤差の絶対値をリスクという)。経営者の能力は外部からは不明だ。不明なものは仮説値の計算には入れない。ということは0(ゼロ)と置くことになる。
能力0の人が経営すれば会社は潰れる。その結果の1株当たり資産(解散価値という)が高い株を買えば最も安全である。それより株価が安ければ全部買う(M&Aという)。経営力(グロースという)より資産(バリューという)を信じる。その優劣は定かではない。宗教とは呼べないので業界では投資哲学と呼ぶ。
大勝を狙うか不敗を狙うか。僕は後者である。本塁打を狙うと三振も増える。10対0でも1対0でも1勝。意味のない余分の9点を取る練習でアラを増やすのは愚者だ。0に抑える練習はアラを生まず1点取る確率は高い。受験も合格最低点を取ればいい。キープするには結果の誤差の少ない得意科目を磨く方が確率は高い。
皆さんの人生における所得の意味は何か。最低限、死ぬまで食うことだろう。労働はAIに任せて人類は遊んで暮らせると思い進化させたら逆にAIの奴隷、肥料になってしまった。映画MATRIXだ。そこで救世主が出てくる。いや出るはずだがそれは誰だとなる。聖書を信じると帰納法になる。
GAFA創業者全員が「大事なのは数学と哲学」とダボス会議で語った。日本の大卒でこの両方が得意と胸を張れる人が何%いるか。日本には数学者も哲学者も数は多いだろうが「1人で両方」のコンビネーションこそに何らかの価値がある。だから彼らはGAFAを生んだ。そう考えるのも仮説構築である。
それができる人はダボス会議にはたくさんいただろうが国民全体ではそうはいないだろう。「そういう思考回路を持ってるか否か」の差だ。そしてその回路のことを本稿では哲学と呼ぶのである(投資哲学のそれ)。「その有無」と、「ダボス会議出席者と国民との平均生涯年収の差」には高い相関関係があろう。
ではその回路を得るために何を勉強すればいいのだろう。数学と哲学だ。しかし日本にも微積ができてカントやヘーゲルを読んだ人はいくらもいるがGAFAは日本にない。だからコンビネーション仮説が重要だ。僕の理解ではブリッジをかけるのは経験とインテリジェンスだ。それを得るにはどうしたらいいか?
読書だ。文章を読まなくてはいけない。動画の時代になったが視覚情報はインテリジェンスの構築にはあまり影響しない。文章はロジックであり骨の髄まで入り込む。ショーペンハウエルは読書をすると馬鹿になると否定し、他人のロジックの模倣を戒めている。しかしそれは彼の頭脳が他人より高性能であるゆえだ。
僕が速いと思っているのはできる人の文章をたくさん読むことだ。その人の思考を模倣でなくシミュレートするのである。僕は例えば清少納言、夏目漱石、三島由紀夫、ラ・ロシュフコー(翻訳)がシミュレーターになって成長したと思っている。あくまで思考回路でコンテンツでなく、それはより文体になって現れる。
教育はある意味恐ろしいと思うが自分は法学部的人間で文体もそうだ。同門の三島のくっきりした文体に同じ臭いを感じる。ああいう人生にならないように清少納言姉さんが中和してくれてる。春とくればふつう桜だが、あけぼのとくる。それもロシュフコーのキレのいい辛口も、自分の哲学を育む経験値となってくる。
法学部的合理主義者なのに「春はあけぼの」が平気。ロジックはゼロ。なぜときかれても説明できない。ひらめきでもない。そう生まれついてるとしか思えない。春はあけぼの的人間なのであり、清少納言さんもそうだったということに過ぎないのだ。クラシックで好きな曲を探すのも同じ事をしている感じがする。
証券マンに戻ると、法学部的合理主義者には最もお勧めしない職業だ。朝に買った銘柄を午後売れということもあるのは相場というあばれ馬を乗りこなす術で、これは春はあけぼの的人間でないとできない。でも嘘を言ったわけでなく、正真正銘そういう人間だからだろう、お客様はみな分かって下さった。
ディズニーやネトフリという大型エンタメコンテンツの価値は理屈ではじけない。かつて扱ったこともないからこの仕事は老境に至ってのチャレンジだ。しかし春はあけぼのは僕の本来の姿かも知れず、いよいよそっちの本能全開で勝負できるときが来た。こう考えられるのが実は春はあけぼの人間の定義なのだろう。
今日健康診断でカルテの「71歳」を眺め、「先生これ誰のですかね」ときいてしまったが、理由はそこにあるかなと苦笑した。
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『黒猫フクの人生観』 (第十二話)
2026 MAR 23 22:22:04 pm by 東 賢太郎
僕が天国に来てから5ヶ月近くなったよ。ずいぶん慣れたし勉強もたくさんしちゃったよ。だってここには世界的に有名だった人がたくさんいるんだ。アインシュタインさんもホーキングさんもしばらくいたし、この前はポリーニさんとブレンデルさんのピアノリサイタルがあったんだ、すごいでしょ、主人が悔しがるだろうね。みんな昼間は大きなホールにきてお喋りしたり外に出たりしてくつろげるんだ。エレベーターで上にあがると100階まであってそこが魂さんたちの住居になってるんだよ。僕もそこにいるんだ。衣食住が足りて居心地いいから皆さんなかなか生まれかわらないらしくて、最近ちょっと天国の幹部の神様の間で問題になってる。でも、前世はすごく偉かった人たちが仕事しなくていいし、暇だからいつでも勉強や仕事のことを教えてくれるんで僕にとっては最高なんだ。なんかずっといたくなっちゃうね。
魂になると地球はいつでもどこでも自由に見れるんだ。ドラえもんより便利だよ、だってあそこが見たいって頭の中で考えるだけでその場面が出てくるから「どこでもドア」も要らないんだ。毎日主人を見てるんだけど高市さんがトランプに会ったのも見てたよ。うまくやったよね、女性からハグされて嬉しくないオスなんて猫界だっていないからね。主人はトランプ支持者ってことになってるけど人としてあまり好きなタイプじゃない。なぜ支持かというと、分かりやすい人間のタイプなので相場を張ってる主人には有利だからなんだ。悪党だったベネズエラの大統領には同情しないけど国民にはしててね、だからWBC世界一は感激してたよ。イランもね、大学の夏休みに1ヶ月アメリカに短期留学した時にイラン人の女の子がいたんだ。まだ片言だった英語で話したりして楽しかったんだね、だからイランは好きなんで彼女どこでどうしてるかなってちょっと悲しい思いしてたんじゃないかな。中国、韓国だって大好きだよ。どっちも仕事で行ってるし知り合いもたくさんいるし、嫌な思いした事は一度もないって言ってる。持ってる名刺のせいもあったと思うけどそういう日本人もあまりいないかもしれないね。逆にアメリカは2年いてお世話になったけど不愉快なことも山ほどあって、いい人もクソみたいのもいたって言ってたよ。
でもね政治は別なんだ。オバマが世界の警察やめますって言ってからNATOのヘタレがバレてロシアが動き出してね。トランプ支持のキリスト教福音派は終末論を信じる人たちでユダヤ人の国イスラエルのシンパだから中露がくっつくとトランプは都合悪いんだ。だって中は露の油買って元で払って油のドル決済システムを崩そうとしてる。露は元をドバイでドル転してるしイランは中露派だからね、だからペルシャ湾はキモイっていう背景もあるんだ。ベネちゃんを襲った口実はギャングと麻薬だけど本音は油を元で売ってたからさ。ドル覇権の保全だよ、だって金本位制やめてから油はゴールドの代わりなんだ、それが崩れればドルなんてただの紙っぺらでアメリカ合衆国もおしまいさ。イスラム教シーア派のイランとは宗教戦争だからイスラエルは全員殺すまでやる気満々でとてもややこしいけど、アメリカにとっては覇権戦争でもあるからもっと根深いよ。でもそれで長引くとアメリカ経済はインフレで破綻してトランプ人気はボロボロになるから本音じゃ早くやめたい。でもネタニエフに逆らえない、エプスタインで脅されてる、まあ色々あるけど怖いのは福音派さ。選挙落ちたら終わりだからね。普通の人なら気が狂うね、さすがのトランプだって死に物狂いだよ。
まあね、日本人としていい悪いはあるけど高市さんの登場はトランプにとって一服の清涼剤にはなってる。それをわざわざ悪い方にとって媚び外交とか批判してる連中の顔見ると、そんな芸当できっこない幸の薄い嫉妬女やもの悲しい無能男の「あぶり出し」大会だ。日本人の美徳である「恥」って感性ないのかね。外交は誇り高くやっても結果が出なきゃ何の意味もないんだよ。トランプは荒っぽい男だけどしっかり石破の無能につけこんで80兆円も金せしめたよね。アメリカ人がそれ下品だって批判してるか?逆にそれをちらつかせてコチョコチョくすぐってトランプうまくころがしてる高市姉さんが一枚上手っていう賞賛の声が韓国ですらあがってるし、天国じゃ姉さん大人気さ、だって老齢まで生きて人生の酸いも甘いも知り尽くしてるツワモノの魂さんがわんさかいるんだからねここには。
ところが、僕も仰天だ、ホワイトハウスでそれをぶちこわしてトランプに馬鹿丸出しの質問したあのアホ、あれはさすがに猫でも最下層のアホだ。主人はネットで見てそりゃあトランプもムッとするわなって激怒したんだ。テレ朝の記者だかなんだか知らねえけどよそんなもん、誰なんだあいつはってさ、凄い剣幕だ。
『なぜ事前に教えてくれなかったのか、私たち日本人は非常に困惑している』?ぜんぜんしてねえよ、おめえだけだよそんなのは。日本中が困惑したのはおめえのオツムのほうだよ。「ちょっとあの人最悪ね、みえみえで高市さんの足ひっぱってるじゃない」。怒ってる。女性は鋭い。でも主人の奥さんふだんは温厚なんだ。ほんとだね。主人があいずちをうった。戦争に死に物狂いのトランプが日本人の困惑なんて気にしてるわけねーだろ、そんなの世界どころか宇宙の常識なんだよ。そもそもスパイ防止法もない情報ダダ漏れの日本に「明日爆撃だ」なんて言うわけねーじゃんかアメリカの議会にすら言ってねえのに。ここまで壮大な馬鹿みたの50年ぶりだよ。歴史的だよ。総理大臣が横にいるのにアメリカ大統領の前で「私たち日本人」?記者の分際で何様なんだお前、いつから俺たち日本人の代表になったんだ言ってみろよ。そもそもこういう地頭の弱いやつをよりによって国運をかけた場に出すなよ。日本の転覆を図ってんのかよ。出したやつ誰だよ、テレビにツラさらせや覚えとくから。へたしたら日本の若者の命がかかってくるんだよ、責任取れや。お前ら同罪だオールドメディア。
おもいだしたよ、普段はやさしい主人はね、そういえば東映の任侠映画ファンだったんだ。かつてない激怒だこれ、くわばらくわばら。まあ僕は日本人じゃないけど日本猫だからさ、わかる気はしちゃうんだよね。
アレは不意打ちが成功したことにすべてがあるんだ。それで一気に乗りこんでディスコムボビュレーターぶっぱなすと護衛兵が目と鼻から血をふいてバタバタ死んだ。映画MATRIXの世界だね。それで世界の悪党の親玉がビビって次は俺かとおとなしくなって、核抑止力にもなってるんだ。だから日本にはありがたい。こんなの世界のインテリの常識だよ。だからロシアも中国も大っぴらにイランを助けないんだよ。じゃあトランプが世界の大王でいいかって、それは分からないさ、アメリカに特効薬打っただけだからね。でも福音派は真剣に救世主を待ち望んでるからね。トランプがそれってのはありだし、そのためにはトランプは実績で目にものを見せなくちゃいけないんだ。高市さんは核保有は許さねえってイランをぶっ叩いたトランプに「あなたしかできない」って言っちゃったからね、とすると日本にそれ許しちゃう理屈が立たないねしばらくは。何兆円かけてもいいから原潜2隻ぐらい欲しかったけど、それよりも訪中の前にうたなきゃいけない手はうったってことだね。ならばこれで十分。大成功だよ。クソくだらない参議院の質問で睡眠時間削られちゃったのかな、主人は参議院なんか丸ごといらないって言ってるけどね、僕もそう思ったよ。とにかくお体にはくれぐれも気をつけてご活躍ください、猫ながら健康を祈念しております。
高市首相とトランプ大統領の首脳会談を全体として「評価する」は69%で、「評価しない」の19%を大きく上回った。高市内閣の支持率は71%(前回2月18〜19日調査73%)で高い水準を維持した。不支持率は20%(同17%)。これをストレートに報じた読売新聞は、まあ、朝日よりまともだね。
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WBCで日本を席巻したネトフリという黒船
2026 MAR 10 13:13:32 pm by 東 賢太郎
野球の面白い所というか、怖いところでもあるが、WBCの日本対オーストラリア戦のことだ。吉田が7回裏に2ランホームランを打ってひっくり返して勝ったが、 天覧試合で1-0で負けるんじゃないかとはらはらしていた。やっている方はプレッシャーがあっただろう。
1~7番に大谷、鈴木、近藤、吉田、岡本、村上、牧とメジャー5人が並ぶ打線。オーストラリア先発投手のマクドナルドは2m近い長身だが、30歳で3年前に投手転向した地元球団の人で、投球練習を見てもスピードもコントロールもたいしたことないように見えた。すぐ5点取れると思った。ところが蓋を開けると3回1安打、しかも9アウト中6つがフライと詰まらされたのだ。
発端は1回裏、先頭の大谷翔平が2、3回バットを振ったが前へ飛ばず、最後はインコースやや高めを詰まったセカンドゴロだったことだ。あれ、意外にタマ来てるのかなと思った。鈴木は歩くが、近藤が低めのスプリットを空振り三振。ふだん三振しない人だ。これもあれっとなる。吉田は歩くが、岡本が中飛でチェンジ。おかしいな、なんとなく大谷のアレが伝染しちゃったかなという感じがした。
よく言われることだが、知らないピッチャーとの出会い頭で味方の強打者があっけなく三振とかすると空気が「伝染」する。すると次の人も力が入って打てない。それだったのかどうか、結局いやな予感があたってしまい、 2、3回は村上、牧、大谷、鈴木、近藤の5人がフライアウトでヒットは若月の1本だけということになった。おそらく「差し込まれる」というやつで、振ったら球が「来ちゃってた」感じの凡打だろう。フライということは、遅く見えるが振りだしたら手元にピュッと伸びてきて遅れ目に押され気味にボールの下を叩いてるという理屈だ。日本戦に先発させるだけあって実はいいピッチャーだったんだ、おみそれしました。
吉田が打ったケネディというピッチャーは 2mぐらいとでかいのに左のサイドでテークバックがほぼなし。少なくとも僕はこんな投げ方は見た試しがない。だからインローのストレートを振り抜いたホームランは、そんなのが出てきてもびっくりしないほど条件反射化された技術の賜物としか考えられない。オールスターのホームラン競争で、スイングしたら全部ライトスタンドに打ち込んでた、あれの再現を見たようだった。才能のある若者は問題なくワールドクラスで通用する。これが日本の宝物であり、のびのびと力を発揮させてあげることこそ日本が持続的に成長していく道筋であると僕は確信している。
それにしても大谷さんが出るWBCは日本人なら誰でも見たい。つい先日までたくさんの興奮と感動をお茶の間にとどけてくれたミラノ・コルティナ五輪が脳裏に浮かぶ。ところがだ。こっちは東京ドームでやってるのに日本のテレビでやってない!NHKは公共放送なんだろ?公共の福祉になってないじゃないか。民放テレビ局は何をやってるんだ!しかも天皇陛下御一家が観戦に来られている。それを日本人が見られないなんて陛下を国民と分断してるじゃないか!国辱ものじゃないかこれは、どうなってるんだ!
そんな感じで全国の高齢者家庭はてんやわんやだろう。長嶋茂雄は天覧試合のホームランで歴史に名を残したが、「全日本人がアメリカのストリーミングサービス会社を通してしか天覧試合が観られない」この非常事態も空前の出来事として歴史に残るだろう。誇り高いテレビも新聞も、放映できない赤恥など認めたくない。みっともない汚点だから事実の背景は絶対に報道しない。みなさんじっくりと観察していてごらんなさい、彼らは試合のハイライトを報道番組やワイドショーネタっぽく仕立ててお茶を濁し、なかったことにする作戦をとるだろう。そこでもうひとこと言っておこう。そんなことをやってるから日本のメディアは「予定調和的に」これから没落していくのである。今や僕のように海外経験の長い国民はいくらでもいる。いくら隠してもその馬鹿さ加減は舞台裏まで見えてしまい、真相はこうやってネット情報としてばらまかれる。もう何を逆立ちして頑張ってもこの潮流は止まらないのである。そんな茶番には関わりなく、水面下では静かに冷徹に事は次のステージに向けて進行している。大谷さんが見たい多くの高齢者が、聞いたこともないネットフリックス(ネトフリ)という ”チャンネル” なら自宅のテレビ受像機で見られることを知ってしまい、料金なんか二の次で子供や孫に頼んでアカウントを作ったに違いないのである。
勘違いしてはいけない。これは誰かが売国行為で日本の資産をアメリカに売ったわけではない。アメリカにあるメジャーリーグという舞台に日本の有能な若手選手が憧れ、ワールドクラスの才能はこぞって流出してしまい、これはどこかの悪い組織がやってることではなく、憲法が個人に保障している職業選択の自由という権利行使であるから、いかなる組織も日本という国家といえども止めようがない。当然ながらそこで手にできるかもしれない1,000億円という夢のようなお金がひとつの誘因になっていることを否定したところで何の意味もない。世の中お金ばかりではないだろう?そうかもしれないが、才能のある若者が才能に見合った生活がしたい、そういう人生を送りたいと望むことを否定する権利は誰にもない。それが自由主義国家というものであり、アメリカは徹頭徹尾それを守る国家であることは、アメリカに住んだことのある者は誰もが知っている。だから「イーロンマスクの報酬が最大で150兆円」というニュースは、一応は人々を驚かせはするだろうが、誰も否定はできない。羨ましければあなたもやったらどうですか?アメリカという国家は誰が大統領になろうと不平等だと言ってそれを剥奪したりはしませんよ、という国であり、それがアメリカをアメリカたらしめているのだ。
NPBイベントは、これまでは巨人軍を持つ読売新聞が仕切っていたが、今回はニューヨークにある大会主催団体のWBCIが読売をすっとばして米国-米国で(すなわちオフショア・ディールで)直接ネトフリと契約してしまったのだ。いくら日本が文句を言おうが、「なら5倍の150億円払え」で1秒でおしまいだ。なら日本の選手は出さないぞという脅しもきかない。大谷さんはもうアメリカの選手だし、鎖国をすれば有能な高校生が大学からアメリカに逃げる仕組みができるだけだ。ワーナーブラザースを11兆円で買収しようとしたネトフリにとって円安下での150億円などピーナッツ(はしたがね)であり、「これからドル箱になる日本市場でネトフリのアカウント数を激増させる投資として、『大谷翔平主演の映画』のつもりでWBCの興行権を買う。プライスは大谷個人の年間広告収入(やはり150億円だ)と同じ額でメークセンスだ。数年で回収してみせる」とでも株主総会でCEOがぶちあげれば全然オッケーだろう。
収入が激減しつつある日本のメディア業界は150億も払ったらテレビ広告でペイなどしない。なぜなら広告主がそんな効果をテレビにもう認めない。なぜなら年々伸びてきている「ネット広告料収入」がついに総広告料の50%を超えたからである。この潮流の中では、民放テレビ局の株主総会の収支計画は財務省お得意の「単年度プライマリーバランス主義」で見せないと株主の納得は得られない。そこで『大谷翔平主演の映画』に投資するぞ!と大見栄を切れるサラリーマン社長などいるはずがない。皆さん、高市総理の掲げる「投資」という概念が企業にも国にも成長にとっていかに大事かということが、このケーススタディで如実にわかるだろう。資本主義の憲法第1条に当たるコモンセンスがアッパークラスに欠落している国は実は国民を豊かにしてあげる事もできないのである。「そうでしょう?だから共産主義的国家にしましょうよ」という更に大きく間違った声が上がり、ここぞとばかりに左翼が元気になるのが悲しい日本なのである。国ごとそれに毒された発想になって、ダイエットし過ぎで骨粗しょう症になってしまい、「骨を折らないことこそが国家的な一大事でござる」みたいにトンチンカンな政治をしてきたのが高市前の日本だったのだ。だから、そんなことを続けていればオールドメディアと同様に、つまりはそこを牛耳ってる無能な老人たちと一緒に「予定調和的に」国力は低下していき、ワールドクラスの才能は大谷さんのように最高の人生を送らせてくれる外国へ出て行ってしまうのである。あまりに当たり前の事だろう。
「イーロンマスクの報酬が最大で150兆円」というニュースは、そういう縮み思考の空気を30年も吸って脳がその色に染まってしまっている日本人には火星の話にしか聞こえない。報酬が高いといってもせいぜい何億円程度の日本のサラリーマン経営者にも実感など湧かない。江戸時代のかわら版感覚でやってる日本のメディアはせいぜい「いかがなものか」と騒ぐだけだ。それを使ってる政治家もほとんどがわかってない。学者や先生はのっけから理解しようとしないから大学で教えてくれるはずもない。かろうじて一部の歴史学者が「歴史の真相はフォロー・ザ・マネーでわかる」と説いており、それは実に正しいのだが、現代の真相の方が国民の生活には大事でしょ、じゃあそれも読み解いて国民にわかりやすく教えてよと言いたい。とても卑近な言い方にはなるが、そのことはマネーをフォローして株で儲けるという作業にとても近い。というかほぼ同じと言ってもいい。もちろん儲けたくなければ儲ける必要はないが、そういうことに興味はないという人は現代の真相を読み解くことにも興味を持たないのである。
ドジャースとチェルシーを持ってる連中、ディズニーとネトフリに近い連中である我々の相方だって黒船の有力候補だ。安政の時代には国ごと黒船だったアメリカ合衆国の唯一の同盟国として生きて行く運命にある日本国が、しかし、ではこの点において、どうすれば国民が幸せになれるのか。これは奴らと深く付き合ってる僕にもわからない。たぶん全員は船に乗れないし、共産主義でないから全員が平等ということは政治も追求しない。だからその問いに実は解はない。だったらお年寄りはともかく、若い人は徹底的にインテリジェンスを磨いて、まずは、いち船員でもいいから黒船に乗っけてもらうしかない。それにはどういう勉強をすればいいか?それは2700本ある僕のブログのあちこちに散りばめて書いてはあるが、そういう気持ちで読まない人には何を言ってるかはわからないだろう。投票所に行く政治参加は大事だが、参加しても自民党がやってる限りあなたが食べられるような政治にはならないかもしれないし、政治家はその責任は取らない。やっぱり答えは自助努力しかない。
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ロンドンのニワトリ女
2026 MAR 5 13:13:57 pm by 東 賢太郎
ロンドンに赴任したころだから1984年のこと。ピカデリーサーカスあたりの繁華街にトサカみたいな頭してつっぱった女がうようよいてね、裏路地でたむろして夜中までタバコだかクスリだかやって危い感じだから道で避けて歩いてたら会社にもいたんだ(笑)。偏見はいけないね。でも、これがロンドンか、あれがパンクか、何でもいいけどすごいとこ来ちゃったなと思ったね(写真は関係ありません)。
僕はビートルズにはズブズブで、アメリカでギター弾いて歌ってたぐらいで、それが解散しちゃって仕方なしにいろんなバンドきいたけどビートルズがスゴすぎてだめ。クラシックに行っちゃってそこでおしまいだったんだよね。だからパンクは一度もきいたためしがないけど「ロック」ってきくと思い出
すのはニワトリなんだ。あとは岩って言葉のイメージでローリングストーンズ(石)でね、ファンには申し訳ありませんが全然趣味に合わないんでロックはあの手のつまんないやつってずっと思いこんでた。だからずっと後になって、皆が「ビートルズは最高のロックバンドだ」というんで、最高は結構だけどロックじゃねえだろって反論しちゃったりしてね、ニワトリでも岩でもないっていう意味だったんだけど。
セラピストのYさんに施術して頂きながらそんなアホなことを言ってしまうのは失礼千万だろう。彼女はちょうどその1980年代の人気番組「夜のヒットスタジオ」で常連のハードロックバンドのリードボーカルだったからだ。今も根強いファンがいてライブハウスはいつも満員というから猫に小判とはこのことで、ロックンロール、ハードロック、ヘビメタ、パンクの区別すらついてない僕は勉強させていただくしかない。
「ヘビメタって何ですか?」「とんがった反体制ロックなんです。日本のメッカは神戸です。有名なガールズバンドもあったりで、業界では東京も関西弁がハバきかしてましたよ」「じゃあ高市さん神戸大学だし」「バリバリ世代ですよ、ドラムスだから鋲(びょう)の革ジャンで演奏はド迫力。バイク乗り回すなんて当たり前なぐらい」。そうか、世界中がビックリしたのは女性だドラマーだばかりじゃなかったんだ。反体制が体制の頂点に登ったんだね、そうやって批判したら面白いのに何というか、芸がないというか、左は人間に深みが無いね。
そういやあ思い出しますよ、東大のキャンパスに革靴でベルボトムのジーパンっていうのがいっぱいいてね、まあだいたい田舎の高校の奴なんだけど、お前、気持ちはわかるけどさ、それやめたほうがいいぜって言ってやったもんだ。女性もね、ズタぶくろみたいなカバンぶら下げて教室来てる感じだったしね、ヘビメタのロッカーからすると自民党の田舎大名みたいなデブのおっちゃんとかね、東大生のなれの果ての官僚とかね、まあ、ダサっ!て思ってるんだろうね高市さん、わかりますよ、今流の文武両道カッコいいね。
ちなみに僕はシュープリームズのファンで、あのノリと迫力はロックであって全然いいと思うけどそういう問題じゃないんだね、ギター抱えてドラムスがあるバンドじゃないとそう言わないから形式要件満たしてない、勉強になりました。でもダイアナ・ロスいいですねえ、深夜放送で聴いてたのはおそらくこれでしょう。
この曲、まずドラムが両手スネアと思われる4拍子の軍隊調ド迫力の頭打ちを1・2・3・4と打ちっぱなし、歌とタンバリンは裏打ち*・2・*・4でスイング感が爆烈。高いミ♭で16ビートのタタッタッタタッタタッタタッタと耳鳴りみたいにずっと響いてるギターリフは「太陽にほえろ」のテーマ曲がパクるほど革命的。そして、そこまでワンパターンに聞こえるだけにサビの転調がビックリするんですね、メインが変イ長調(A♭)なのにホ長調(E)の、しかもサブドミナント(A)のmajor7から入るという、こんなの未だ聴いたことなし!キープ・ミー・ハンギング・オン、永遠に新鮮でカッコいい曲だぜ。ライブはこうなってます。なつかしいね。
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高市総理の施政方針演説で思い出したこと
2026 FEB 22 8:08:12 am by 東 賢太郎
野村証券、みずほ銀行、みずほ証券と大手金融3社の部店長会議のひな壇で業務に関わるスピーチをさせていただいた人間は日本広しといえどもたぶん僕だけでしょう。部店長会議は年に2度ほど社長、役員、部長、国内外支店長の全員が東京で一堂に会する大経営会議であり、各部門の長、担当役員、そして最後に社長がその年度なり半期なりの経営指針や数値目標を部長職以上の全員に徹底する重要な場です。なぜそんなものを思い出したかというと、高市総理の施政方針演説をきいていて「なんか話が似とるなあ」という気がしたからです。
野村ではスイスの社長として話しましたが、みずほに移籍して銀行でやった時のことはとても印象に残っています。企画室の方から銀行員はエクイティ・ファイナンスは慣れてないので具体的に話してくれと大まかな指示があり、会場に行くと客席の方はぎっしりで、高輪の研修センターで広々したスペースであった野村とは明らかに空気が違いどこか殺気立ってます。 3~40分ぐらいでしたか証券業務とはなんぞやを皮切りに投資銀行業務について思い切り元気が出るような話をぶちあげたわけですが、びっくりしたのは皆さん学生みたいにノートを取っておられる。こっちは人生一度も原稿を読んだことない人間だから即興であり、わあこれが銀行か、大変な所に来ちゃったと思いました。銀行と証券はそれほどカルチャーが違うということでもありますが、 2005年当時、メガバンクグループが証券会社を通じて株式業務のシェアを大手証券から奪取せんと壮大な機運が盛り上がってもいたのです。みずほグループはもともと興銀、富士銀、第一勧銀で、法人業務のコーポレート銀行が引受やM&Aというホールセール業務(インベストメントバンキング)を行い、頭取の号令一下で「利益率の高い株式に全力傾注せよ」という銀行員にとっては耳慣れぬ別種目の戦場がトップダウンで設定され、僕でなくてもよかったんでしょうがそれを率いる部門の統括部長として野村のエクイティ系の人間に白羽の矢がたったようです。僕は本社のポスト部長でしたし辞める必要もなく給料も大差なく、野村は今だって大好きな会社なのですから、どうしても必要だと言われエアポケットにでも落ちたかのようなあの一瞬でなければ移籍はありませんでした。行ってみるとはからずも古巣の最強の軍勢に立ち向かう新興国の将軍のような立場であり、おおいに複雑な気持ちはありましたが、銀行から証券にグループ内で移籍してきている新しい大勢の仲間が頼りにしてくれているという「7人の侍」になったような義侠心が勝り、何よりみんなで力を合わせて高いところを目指そうという夢と希望にあふれた環境はそれがどこであれ生まれつき大好きな性分なので、結果としてそれなりの戦果をあげました。即興スピーチが銀行サイドの皆様にどう響いたかはわかりませんがなんとなくの反響はあり、翌年のことですが、株式引受実績ゼロだったみずほ証券が野村、ゴールドマン・サックス相手に業界を揺るがすジャイアントキリングを演じて日本航空の1,500億円の株式資金調達のグローバルコーディネーターになったことで少しはお役に立てたかと思います。ちょっと専門的でお分かりにならない方が多いと思うので例えますと、国体のメダルもなかった選手がオリンピックに出て金メダルを取った感じです。
高市演説の何がそんな太古の記憶を呼び覚ましたんだろう?もういちど聞き直してみると「投資」という、かつての総理の口からあまり出た記憶のない言葉が高らかに登場しているのです。これだと思いました。成長戦略と危機管理という重要分野においての話なのですが、何より経済成長と国内投資の因果関係にまで政権がふみこんで語ったのは前代未聞ではないでしょうか。それがなぜ画期的かというと、日本ではこれだけ株が上がっても投資というものは一般の方々には縁遠く、昨年の東大のクラス会で「株を持ってる人は」と挙手を求めるとなんと5、6人しかいない。中国なら同世代でも多分半分以上が手を挙げます。予想はしていましたがどっちが共産国かと目を疑います。ですから、その風土の中で「投資しないと成長もなくてあなたの給料も増えません」て言われてもねと国民にそっぽを向かれる懸念もおおいにあったと思うからです。さらに、「食料品の消費税2年間ゼロの財源は経済成長による税収増です」しかも「単年度会計ではなく複数年で」となる”責任ある積極財政” が旗頭となると、財務省は仏教からキリスト教に宗旨替えを迫られるほどの大騒ぎでしょう。そこを突いたのか忖度したのか、「高市さん失敗したらどう責任取るんですか?」と芸人に詰め寄らせるTBSなる民放テレビ局が登場してくる。緊急事態宣言の岡田議員と酷似した手法とも思えます。もし総理の口がすべれば言質を取ったことになり、財務省が減税を断念させる裏シナリオでもあれば、できなかったから約束守って退任してくださいと左翼系メディアを動員して盛大に足を引っ張れるわけです。
仮にそうであったとすれば陰湿です。我が国の伝統的な美意識である「正々堂々」の真逆であって、まともな日本人の神経を逆なでする悪意に満ちた毒がテレビを通じて国中にまき散らされ、世の中が暗くなります。かような、他人を引きずりおろさんとする誰も得しないルサンチマン(総理は「縮み志向」と呼ぶ)が我が国を覆いつくすことになる震源がいつどこにあったかというと、 1997年前後にバブルの後始末の責任問題が大蔵省(当時)に飛び火して霞が関、国会を巻き込んだ大騒動に発展し、複数の金融機関が倒産ではなく江戸時代もかくやのお取り潰しになり、合従連衡が有無を言わさず進み始めたころの東京でしょう。聞こえはいいが、潰せない銀行の存続をかけた公的資金注入とセットですから経営に足かせもつき、前向きな気運など出ようもなかったのはよく理解できます。1997年11月に「財政構造改革法」が成立してプライマリーバランス黒字化が法的な目標として明確化され名前を変えた財務省が緊縮財政主義を採ったことは、バブル崩壊後の景気対策で国債発行が急増した財政のアンバランスを健全化するという理由があったのですが、以後もそれがなぜか金科玉条となって堅持され、財政拡大を阻み景気回復と成長の芽をつんできたという批判にさらされていることは周知のとおりです。法律がある以上役人はどうしようもありません。それを改正しない国会議員がだらしなかった。だから高市総理が立ち向かおうとしてる、そういう図式です。
当時、僕は香港にいて当事者ではありませんでしたが、役所にメスが入った非常事態の中、東京から日々はいっていた情報によれば銀行も証券も激震などという生やさしいものではなく、人が亡くなったり大勢が職を失ったり、その陰でおそらく政官財界のいたるところで影日向に行われていた生き残りへの阿鼻叫喚が国も人心も蝕んでいたのです。結果として、その刹那は誰も気がついていませんが、この大騒動は後世に「失われた30年」と呼ばれることになる妖怪の卵を密かに産んでいたのです。国にお金という血液を供給する財政と金融の本丸にそれが生まれ、人の心の中にまで寄生して蠢きだした影響は各所に甚大でした。国はデフレの病に冒され、需給ギャップが広がり、マイナス金利でも投資は枯渇し、経済の活力は削がれ、GDPも成長率も先進国で劣後し始め、賃金上昇は滞り、若者の未来は閉ざされ、日本人の人口は減って移民問題の遠因となってきたのです。ひょっとして縮み志向の病原菌を垂れ流すこのエイリアンを退治することが総理がど真ん中におきたい目的だったのではないか、だから投資と成長という言葉に魂をこめ、その起爆剤なくして起こりえない真の資本主義的マインドの回帰をめざし「日本列島を、強く豊かに」という言葉で明るい未来を有権者に訴えたのではないか。そう感じたのが本稿執筆の動機であります。
日本国の金融の総本山であるメガバンク3行の合従連衡で生まれた「みずほフィナンシャルグループ」とはいえ、誇り高い野村証券の人間であった僕が移籍する確率は2000年に帰国するまではゼロです。そこから3年あまりでその決断に至ったわけです。何が起きたのかを書きます。東京に帰って見た野村證券は経営陣のみならず社員も末端に至るまで士気をそがれていたと思います。著名な大企業が潰され、全員が職を失うのを目の当たりにしたのですから無理もなく、金融界は上から下まで無意識のうつ病状態にあったと言って過言ではありません。そんな中、僕はエクイティ企画室長を拝命し「チャイナ・オポチュニティ・シンポジウム」なるものを企画・開催しました。これからWTO加盟で貿易開国して急成長する前夜にあった中国への直接・間接投資は日本企業、投資家への強力なカンフル剤になると同時に、おりしも2001年に発足した親米の小泉内閣の下で日本市場でプレゼンスを急拡大していた外資系証券に対して野村が放てるカウンターパンチになると考えたのです。僕が現地でヘッドごとスカウトした約50名の元クレディリヨネのアジア株チームは丸ごとそのまま世界のどこにでも通用して利益を上げる能力を持っており、これを最強である日本株チームと融合すれば外資系に負けるはずありませんでした。このシンポジウムは中国への進出の戦略的重要性と具体策を3日間のダボス会議スタイルの多角的なセッションを通じてご説明するもので、京セラの稲盛会長が趣旨に賛同して基調講演を引き受けて下さり、各業界のトップ企業を含む約千社が参加され盛況となりました。ここで開示したコンテンツが1997年から2年半香港社長をつとめさせていただいて僕が得た知見の集大成であり、この戦略は世界の同業他社より先見性があり時宜を得ていた事はその後の中国経済の急成長をご存知であれば書くまでもないでしょう。株式投資という一側面だけ見ても、その時点で買っておけば何十倍にもなった銘柄が続出しています。
しかし、その後に実際に中国進出して著名になった企業を輩出はしましたが、このシンポジウムの反響は収益という観点からすれば想定以下でした。企業社会への強烈なメッセージになると確信していた僕としては完全な期待はずれだったのです。原因は、いち部長に過ぎない僕の指揮では全社は呼応しなかったことです。つまり僕の力不足は明白だったわけです。しかし、言い出しっぺが誰であろうが、これほど確度の高い儲かる情報がありながら動かない証券会社というものに存在価値があるのだろうか?目の前をネズミが通ってもピクリともしない老猫のようなものではないか?と思ったのも事実です。僕が役員であればやっただろうというのも答えになりません。そんなものはもはやサラリーマン原理で動く感度の低い二流の証券会社であり、高給を支払って頭脳も感度もイニシアチブも一流の人間を集めている米系のトップクラスとは太刀打ちもできないでしょう。結論として、残念ながら「この会社は昔の野村證券ではない。従って僕の存在を必要としていない」となりました。これはまったくもって仕方ありません、年月を経れば会社は変わりますし僕も変わるのです。もしもいま新卒であれば野村を選ばないし、選んでも落とされただろうと考えたのです。その頃、おりしも2001年に発足した小泉内閣の下でゴールドマン、モルガンスタンレー、メリルリンチなど米系証券会社は日本市場でプレゼンスを急拡大し、証券界の勢力図は塗り替わりつつあったのです。僕は金を積まれても外人の手下になる気はありません。かたや興銀には東大・ウォートン同窓の気心の知れた友がおり、酒をくみかわす度に銀行系証券の戦略面、人材面でのポテンシャルは感じており、ドイツ、スイスの社長時代に来訪された田淵義久元社長から大蔵省がユニバーサルバンキング構想(ひとつの金融機関で銀行機能に加えて証券取引、保険の契約などが行える欧州型金融形態)を指向しつつある情報を聞かされてもおりました。 2004年の、僕にとっては人生最大事件のひとつであったみずほ証券への移籍に際しては慰留や叱責はなくむしろ多くの方々の賛意を頂きました。何をもってしても野村証券という素晴らしい会社に感謝すべきであることは論を待ちません。どこで働こうが、外資系の誘いを断ってきた僕として常に心の中心にあったのはまさしく「日本列島を、強く豊かに」でした。それを信じて欧米の投資家に日本株を買ってもらう仕事を誇りを持って早朝から深夜まで営々とやってきましたし、その中で多くのお客様や知人友人から教えを受けてもきました。「中国が他国の書いた契約書に署名するのは開闢以来2度目だ。 1度目は下関条約、 2度目がWTO加盟だ。それほどのことだと心得なさい」と教えてくれたのは香港財界の重鎮であり、そのおかげで確信を持ってシンポジウムが開けたのです。
ですから僕が支持しているのは高市さん個人というより、彼女の頭から出てきた政策であり、それが長年海外から母国を眺めてきた日本男児としてど真ん中のストライクだということです。野党がそれをボールだと言うならまだ分かりますが、どうせ負けるビデオ判定には持ち込まず彼女がピッチャーであることがいかがなものかという方向に持っていく。これは独裁国家の手法でしかなく、我が国の議会制民主主義を真っ向から否定してるわけです。自民党内にすらそれが189人もおり、その手先となっているのがオールドメディアです。ではメディアというものが本来は何かというと、内外のニュースや世情を迅速、正確に国民に伝え、国政を正しく導く民意形成に資すという公益性を持った存在です。欧州では15世紀に発し、18世紀には市民革命が起きる過程で世論形成に大きな役割を果たし、樹立された新政府においては自由権の一部として法的に言論の自由が認められるようになったのです。タイムズ/ツァイトゥング(時勢)、アルゲマイネ(普遍)、ミラー/シュピーゲル(鏡)という紙名がそれを物語ります。かたや我が国の「新聞」の発祥は江戸時代の「読み売り」(かわら版)であって、当然のこととして独裁政権である幕府の統制下にありました。共産主義革命政権やナチスのごとき独裁的政権においても統制下にあったことは同様で、「国民感情をしっかりコントロールする」(洗脳)目的で駆使するプロパガンダにおいて必須の道具だったのです。我が国は以上のごとく氏素性からして新聞は権力の統制下に置かれやすく、共産主義革命政権や独裁的政権の手法である洗脳目的で使われやすい性向があり、現在は左翼系の統制バイアスが強くなっていることが顕著に観察されます。さらに我が国の新聞社がテレビ局の大株主であるケースが多いことはクロスオーナーシップを禁じる世界から見て異常な状態であり、「権力の監視役」が「洗脳」に使われる国が市民革命にルーツを持つ西欧諸国の目から見てまともな国であるとは言えないでしょう。高市総理はかつて総務大臣でしたから電波法を熟知しておられるはずで、遠からず策を練られることを期待します。
我が国では投資というものは一般には縁遠いと書きましたが、エクイティの世界で人生を送りアメリカで教育を受けてきた僕の目には共産主義国家かと映ることが多々あります。共産国も投資はしますがするのは国だけです。マルクスの理論を否定する気はありませんが「ではGAFAMやエヌビディアが国家機関から出てきましたか?」(アリババやテンセントだって)という質問に答えられなければ正しいと認めることもできません。民間に利益追及の自由があり、それを求めて世界最高の才能・頭脳が集まり、熾烈な競争原理が働いて最高の価値が生まれ、それがまた投資資金を呼んで価値が増えます。これが「成長」と呼ばれるもので、お金という物差しで国全体で表して前の年と比べたものが経済成長率なんです。ちなみにエヌビディア社の価値(株式時価総額)は現在約4. 6兆ドル(710兆円)で、2025年通年の日本国のGDP(662.8兆円)を超えてます。日本人1億2,286万人が1年間汗水たらして生んだ総付加価値とほぼ同じお値段の株式がアメリカのナスダック証券取引所に上場しているのです。なぜ共産主義国がうまくいかないかは諸説ありますが、唯物史観を押しのける何らかの社会学的根拠があるかもしれぬと思わせる雄弁な事例として、1961年に人類初の有人宇宙飛行に成功する世界最高の科学技術を有していたソビエト社会主義共和国連邦という名の共産主義国家が、そのわずか30年後に自ら瓦解してこの世から消えてなくなったことが挙げられましょう。自由主義は貧富の差という好ましからぬ副作用を不可避的かつ予見不能的に伴い理論的な美しさは皆無ですが、共産主義はソビエト社会主義共和国連邦及びその影響下にあった衛星諸国において貧者も富者も平等に貧者にしてみせることで理論の正当性を見事に証明し、その美しさを失っていないのは評価したい。よってそれに共鳴される方は世界に5か国だけ現存する共産主義国家に移住を検討されることも人生を楽しむための一法でありましょうというしかありません。
僕は経済学部卒でないので、日本の学校で教わったことと、後に米国の学校で教わったことのイデオロギー的な落差を頭の中で消化するのにけっこう苦労しました。子供の頃から刷り込まれていた「金もうけは悪だ」という観念が消えてなかったんでしょう、野村に入って3年も経っていたのにそうだったぐらいですから卒業して官僚だけやっている法学部卒の方々の頭の構造というのはそこそこ想像がつくのです。知識量もインテリジェンスもマスとして見れば政治家より官僚がぜんぜん上ですから彼らの頭の構造が日本という国の形をストラクチャリングしてきたと見ていいと思うのです。その神輿に乗って政局だけやってる無能な総理大臣が続けば、僕の言葉で言わせてもらえば、日本がそこかしこの目に見えにくい局面で共産主義国的であることは不思議でありません。その目で高市スピーチを見ますと、これはご自身が書いたものに相違ない。官僚からこれが出てくるとは到底考えられないからです。血肉となった自らの文章で緻密に政策を書け、絶対の自信を持って先陣を切って実行できる。まるで企業の大経営者でありオーケストラの大指揮者です。総理であるなしに関わらずこんな政治家がかつて日本にいたでしょうか。世界が彼女の出現に驚き、多くがアジアにおける日本の方向性に賛同し、欧米の左寄りのメディアですら一部がポジティブに報道していることはまったくもって自然です。なぜなら正々堂々と戦った勝利は、右であれ左であれコモンセンスのある人はフェアに讃える。それが文明国というものなのです。
チャレンジという言葉も素敵ですね。目標のバーが高い場合にだけ使う言葉で、掲げているのは確かに日本を根底から変えるほど高いバーです。やらせていただければ懸命にやります、そうでなければ職を辞しますとして解散したのは、「何事もリスクはありますが」という、失敗も言下に想定したヘッジの類は絶つという武士道精神を思わせる決然とした宣言です。この宣言こそ「チャレンジしない国に未来はありません」というメッセージの頑強な礎石であることは子供でもわかるでしょう。国の為にそこまで腹をくくった人を前に大義があるのないのとクソくだらない茶々を平気で入れられるのは礎石を築いたことのない人です。まして、「そうはいっても何事もリスクはありますよね」と相手の前提を無視した前提に平然と立ち返るような人間と、あらゆる種類の知的な会話を行うことは世界中のあらゆる国で不可能であります。そんな無価値なものを、一国の総理大臣の身を切る血判状よりも芸人の思いつきの方が価値があるかもしれないと判断して放映するようなテレビ局に、国民の財産である電波を割引料金で使用させている理由がどこに存在するのか、国会議員は国民の前で討議すべきである。こういう人たちはまともな教育を受けた日本人じゃないなという感覚を禁じえず、皆様の大切なお子様やお孫様にそうした局の番組は見せないことを心よりお勧め申し上げるしかありません。
このままじゃ日本は腐る。7割の有権者が危機感と怒りをもってそう考えていた証明がこの度の衆議院選挙の結果だったのです。これを「一過性の高市旋風だ」と丸めるのがこれまた共産主義的「レッテル貼り」であることを後学のためにご記憶されたい。真実は何だったか?この遠因は、積極的な自民党支持者ではないがあまりに野党がひどいので消去法的に自民に投票していた有権者が、これも積極的に支持したわけではないが多少はましに見える新興政党に逃げたことにあります。自民の誰かに立ち上がってもらわなくちゃいけないと願いつつ、そこで189人の自民党議員が総裁選の決選投票で選んだのが「あの人」だったから逃げたのです。誰あろう僕自身が人生初めてそうした。これは重い事実です。その判断にはこれまた序章があって、自民党の内なる脅威としか言葉もない現象は安倍総理暗殺事件後の「その前の人」の行動から始まっており、総理になってやりたいことは何ですかと高校生に質問されて人事ですと、あまりにずれて唐突な回答に驚き、これはウイットをきかせた彼なりのジョークに違いないと信じていたら本気だったというブラックジョークでした。次の人はグジャグジャねばねば言うだけで何もやらない上に選挙3連敗で自民党を完膚なきまでにボロボロにしました。膿(ウミ)がいっぱいある政党ですからそれも結構。綺麗にして功労者になるのかなと思ってたら残ったのは膿のほうでした。
つまりこの衆院選の大勝は「このままじゃ日本は腐る。自民の誰かに立ち上がってもらわなくちゃいけない」と願っていた、僕のような、「積極的な自民党支持者ではないがあまりに野党がひどいので消去法的に自民に投票していた有権者」が、高市早苗という適格性の高い「誰か」を得たと確信して自民に復帰した、すなわち高市早苗をカタリストとした「自民党の異常事態からの復元現象」であったのです。よって、あるべきところに戻っただけだから持続しますし、高市早苗が前任者と同じぐらい愚鈍だったと積極的に証明されない限り支持率を前任者レベルに落とすエネルギーは宇宙のどこにもありません。よって、高い確率で彼女は、いや日本国は、成功します。誰がやっても全部成功するものをチャレンジと呼ばないことぐらい国民は理解してます。目標が達成できなくてもそこに至る過程の中からこの人は何かを学び取って国民が納得できる次善策を履行するだろう。政治はそういうものであることぐらい国民は理解してます。だから彼女の支持率は7割あるのです。
長期政権のベースを固めるためにも高市政権は可及的速やかにイボコロリか何かで排膿処置した方がいいです。189人対策です。しかし昨今の冷徹さに満ちた主要閣僚たちの対外的言説から拝察するに、閣内はほぼそれができている。高市さん、頭脳明晰な上に不動の胆力と実行力があり、微細なことまでつき詰めて自分の頭で考えて結論を出すインテリジェンスの持ち主は、僕の知る限り世界のアッパークラスにもあんまりいないのです。東大生に多い世間知らずのひ弱なガリ勉でないことは、ガリ勉とは程遠かった小生は存分に拝察できております。それなくしてトランプのような男の懐にうまく飛び込んだりメローニのような女性の心をわしづかみにするようなことは出来ようがないのであって、批判してる人間はそういう能力も経験もなく想像すらつかないのです。ケンカが強そうなんで党内もばっさりいかれるでしょうね、楽しみにしております。そして片山さつき財務大臣も、ダボス会議のビデオ拝見しました。いいですねえ、豪速球が外角低めにビシビシ決まってる感じします。英語うまい人なんていくらもいますが頭悪いと意味ないんでね。彼女は教育大附属、東大法学部トップで留学はフランスのENAときている、財務省の皆さん大変だろうけど国の為に頑張ってください。
というわけでスピーチは施政方針という名のToDoリストです。やることは決まってるんだから速いでしょう。憲法や軍備や皇室典範やスパイ防止法のことはいろいろ思うこともあるので今回は書きませんが、高市さん2/3を取ったのはでかいですね。まずはトランプとの会談を期待しましょう。
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『黒猫フクの人生観』 (第十話)
2026 FEB 14 19:19:59 pm by 東 賢太郎
みんな覚えてるかな?僕がこれを書いたのは1月24日だよ。
「阿弥陀様の話には驚いたよ。公安の調査力ってすごいんだね。スパイ防止法ってのが大事だってことがよく分かったよ。天国の動物国会は猫党と犬党の二大政党制なんだけど、与作はヒグマ党を作って次の選挙に全員当選させようとハッキング、盗聴、なりすまし、裏金、賄賂、マネトラ、ハニトラ、恐喝、もう何でもアリで地下工作していたっていうんだ。でも力の差は歴然なんだ。そこで与作は犬党の幹部に近寄ってね、なんと合併を持ちかけたんだよ。
合併の条件を見た犬党の若手の怒りも凄まじいよ、だって圧倒的に数が少ないヒグマはなんと比例代表枠だけの立候補なんだ。しかも全員が名簿の1位2位でね、犬たちは今までどおり小選挙区で泥臭くドブ板ふんで戦えっていうんだ。これはひどいね、だってヒグマは全員が投票前から当選確実だよ、入試ならひとり残らず推薦入学もらったみたいなもんだ。つまりこの合併って大量の「犬死に」が前提なんだ。でもヒグマなしじゃもっと負ける、それどころか自分の身も危ないって幹部は誘惑に負けちまったんだ。犬党の公約は全部変えます、育ててもらった主人の家が神道だろうが浄土真宗大谷派だろうがクリスチャンだろうが、ぜーんぶ今日からヒグマ教に変えます、お経でも何でも唱えます。すごいでしょ?こんな状態に追い込まれたのは無能な幹部どもの責任だからね、もし負けたら全員が公開処刑だろうって、天国じゃもっぱらの噂だよ」。
ねっ、いま地球で起きてることは天国で3週間前に起きてたんだ。テレビで共同代表のお爺ちゃん二人がそろってお経唱えてたでしょ。別に僕に予知能力があるわけじゃないよ、見たことを「第七話」に書いただけさ。信じてもらえたかな?
そうそう、ひとつだけ間違ってたね、犬党の幹部たちは公開処刑にならなかったね。だってその前にみんな落選して処刑されちまったからさ。
天国にはいろんな政党があって面白いでしょ?これからいろいろ紹介するからね。スッポン党なんてのもあってね、何でも反対反対ハンタ~イで食ってかかってね、尻尾なんかに噛みついて離れないんだ。政策とか中身はどうでもいいわけ、猫がイテテって顔しかめると、グルのメディアがここぞとばかりに写真撮るんだ。黙ってないのはカミツキガメ党さ。テレビ討論会なんかやるとこいつらがやたら張り切ってプロレスみたいになるわけ。お前らうるさいから合併したらどうだってこの前いったんだけどさ、ありえないとか怒るんだよ、どっちも1人しかいないんだけど。政権取る気なんかサラサラ無いんだからただの芸なんだね。そこでテレビも最近は特番とかいってカミツキ役を芸人にやらせちゃってるんだ。そこでまた何にも分かってない芸人が偉そうに噛み付いてね、ついに天国民に何だこの野郎って殴り返される事件が起きたんだ。だってウチのサナエは支持率7割だよ、そうなるぐらい亀でもわかると思うんだけどね、テレビもそこまで落ちちゃってるんだ。サナエはもうドジャースのオータニさんといっしょでね、誰も叩けない。叩くと非国民ってことになってね、有権者の敵になっちゃうし政権支持率はますます上がっちまうんだ。メディアなのにこれが見抜けてないって、真正のバカだよね。
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