広島カープのビジネスモデルの危機
2019 JUL 7 12:12:16 pm by 東 賢太郎
広島カープがソフトバンクに圧勝!2軍の話である。カープがこんなに点を取ったのを見るのは今や快感である。ビデオを観たが、小園のホームランは弾道も飛距離も素晴らしい。将来、丸ぐらいの打者になるかもしれない。
勝負事は運も波もあって、強くても負ける時は負ける。懸命にやっても負けると選手は打つ手がない。その危機管理のために監督、コーチがいるのである。
相場は売りがむずかしい。惚れて買った銘柄を損切る(下がって売る)には精神的負荷がかかるからだ。それができない人はやがて深手を負ってしまい、大きくは勝てない。何事であれ勝負事は同様ではないかと考える。
損切りというのは自分の判断を否定する行為だ。だから自分が常に正しいと思い込んでいる人ほど勝てない。しかし、その自信がないとそもそも勝負事は始められない。この矛盾を自己管理できる人だけが生き残れる。
野球なら選手起用と交代がそれだ。惚れて起用した選手をすぱっと切る。原監督はそれで非情采配といわれるが、チームが深手の傷を負わないためにあたりまえの策である。勝つために情は関係ない。
カープの家族経営。大変結構だが「選手は家族」だと監督は切りにくい側面はあろう。全権委任された原監督は「選手は手駒」に徹している。功労者の阿部慎之助も甥っ子・菅野も容赦ない。論功行賞がフェアなら若手も活気づく。
それは巨人の資力、ブランド力あってのことで、家族経営はそれに対抗すべくカープが苦労を重ねて築き上げた経営戦略であり、その自助努力が好きで50年弱いカープを応援してきたファンとしてそれでここまで強くなったのだから文句を言う筋合いなど全くない。見事なものだ。
しかし証券市場も40年見てきた者として感じることがある。
家族経営は昭和の企業経営の代名詞だったことだ。高度成長期までは成功したが、平成になって瓦解した。それが令和になって通用するならプロ野球界は奇特だが、高校球児が5年連続で減少しているのはその奇特さのせいという指摘もある。長く続くことは期待できないだろう。
丸佳浩が超高額でFA移籍してしまったことは3番打者がいなくなったという現場の問題だけではない。長男が「家出」して奇特が奇特でなくなった現実が露呈してしまったというビジネスモデルの危機なのである。
次男、三男が昭和の経営を受け入れる余地、つまり家長に服従して家にいたいふりをして見せること自体が昭和なのだが、その余地は平成の子たちの前ではもはや雲散霧消しつつあると覚悟すべきであろう。
カープのコスト効率の高いスカウティングは12球団いちだ。ドラフト戦略しかりだしドミニカでの人材発掘は他球団に先駆けた。しかしそれと日々のベンチワークは別物だ。採用と采配はまったく違う。黒田のような格別の採用をすれば采配は未熟でも成果は出るが、永続性はない。
采配とコーチングに家族ではなくもう少しプロフェッショナルな適材を配して結果責任を負わせることは巨人以外の他の球団のほとんどがしている。カープだって石井琢という最高の人材、功労者がいた経験値を持っているのだから、その上にカープならではの新しい道を切り開けるかどうか。それが平成の子たちを納得させるだろうし、sustainableなビジネスモデルになると確信する。
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がんばれカープ、がんばれ緒方監督
2019 JUL 4 1:01:31 am by 東 賢太郎
広島カープ。ヤクルトの防御率7点のピッチャーに4回まで零点。我に返る。なんで俺はこんな低レベルの野球を見てるんだろう?チャンネルをかえる。ソフトバンク対楽天。和田と岸が0-0の投げあい。よかった、プロ野球が見れて。
次はオリックス。なんでこんなに客が入ってないんだ?あの西武打線を完封したメジャー級の変化球を投げる山本君がいるのに、美しい速球を放る屈指の左腕田島君がいるのに。ファンの皆さん、応援もいいけどちゃんと野球を観ようね。広島カープに戻る。なんでこんなに客が入ってるんだ?夏の甲子園に出したら負けそうなのに。
緒方監督は気の毒だ。人事部預かりのキクチ様、タナカ様、アイザワ様には気を使うよね。東京人のスズキ君も危ないし。万が一にも残ってくれるかもしれないのが出て行ったらお前のせいだと言われかねないしね。でもカネを払うのは君じゃないし。中間管理職のあるあるだね。
でも5年やって3回優勝はラッキーと思わなきゃ。野村監督の置きみやげと黒田・新井とコーチの石井・河田がいたからって?いやいや、たしかにそうだが誰しもがあんなうまくいくもんじゃない。それが全部いなくなる。巨人は来年の年間予約席の料金1,2割も値上げだよ。そりゃ士気落ちるわな。でもそれは君のせいじゃない。
去年まで君の押し相撲は電車道だった。でもマル様のいない今年はちがうんだ。バティスタがブルドーザーみたいに打ちまくった5月だけ去年並みだったね。押してダメなら引いてみな。わるいわるい、スタイルじゃないもんなあ。四つ相撲?もっと無理だよなあ。でもマル様が出て行ったのは君のせいじゃないからいいんだ。劇的に弱かったあのころ、がらがらの神宮で何度も癒された君の先頭打者ホームラン。代打ホームラン。どっちも初球をレフトね。忘れないよ。
投手コーチは佐々岡さんになって少し希望も出た。よかったね。遠藤君はいいなあ。まだ細いんでたのむから潰さないでね。ほかのコーチはどうなの?球団職員さんと線引きはあるの?なんか打線はみんな往年の東出さんに見えてきたよ、腰引いてちょこんとレフト前ね。あれイチローもやってた高度なワザさ、4千本も打てるんだからね。
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パリーグの恋人、広島カープ
2019 JUN 20 14:14:02 pm by 東 賢太郎
僕はお口の恋人ロッテのファンでもある。だから広島・ロッテ戦は心境複雑だ。去年はマリンスタジアムで観たが九里が打たれて完敗だった。きのうはサントリーホールでメシアンを聴いていたから試合は見ていないが、ロッテ打線に大瀬良が4ホーマーを食って為すすべなく敗けていた。
4月は最下位独走、5月は20勝してセリーグ敵なし、そして6月はまたまた交流戦最下位を独走中である。不思議なように見えるが、実はそうではない。4月(.189)、5月(.406)、6月(.176)。これはバティスタ選手の月別の打率だ。要は、バティスタが3番で打つ➡カープは勝つ、打たない➡カープは負ける。それだけ。そして思い出していただきたい、バティスタが3番で打つ➡丸の穴が埋まる、であることを。
東京ドームで観ていた巨人・オリックス戦、先発・山本は丸に156キロの剛球を投じて押しまくった。彼を見るのは初めて。あれは打てん、凄い投手だと思ったら次のチェンジアップを丸は右中間スタンドに放り込んでしまった。こんな打者はカープに一人もいない。丸の穴は大きいのである。3番バティスタが打たないと4番の鈴木誠也がマークされる。誠也も打率は4月(.311)、5月(.383)と奮闘してきたが、ついに6月はバティスタ不調のあおりを食って.208になってしまった。すると先発投手も点をやれないとなって調子が狂う。
つまり、今年のカープの戦績を左右するのはバティスタなのである。5月の大躍進において、べンチはそれに乗っていただけである。しかし、それを言うならセリーグ3連覇だって、ケンカの強い黒田のメジャーの技と眼力が他チームを徐々に威圧し、巨人までビビり、黒田と若手のつなぎ役に徹したお兄ちゃんの新井にじゃれつきながら触発されて弟分のタナキクマルが伸び伸びとやれたおかげなのだ。要するに、緒方政権がプラスに作用したわけでなく、数々の迷采配、チョンボもかき消すほど現場のパワーが強烈にさく裂した、そのちょうどいいタイミングに乗っかっただけなのだ。
黒田が消え新井が消え、神通力が失せたところで丸が消えてタナキクマル・パワーも消えた。それが4月のぼろ負けだ。ところが4/17 九州シリーズ熊本ラウンドで、それまでおとなしかった丸についにホームランを打たれて負けそうになる。目のまえで「丸ポーズ」までやられ「このやろー」の炎となって全選手が燃え、めったに打たない石原が意地のヒットで逆転勝ち。そのムードがバティスタに着火して爆発したのが「5月の変」の真相である。選手が勝手に盛り上がったのであってべンチはそれに乗っていただけである。
交流戦の不調は不思議ではない、これが地力なのだ。カープ球団は自動車のマツダではなく松田ファミリーが大株主だ。赤字は宣伝広告費で済む他球団とは経営事情が決定的に異なり、これが本業だから稼がなくてはいけない。田中コースケの記録は中期経営計画のグッズの売上げがかかってるかもしれない。マエケンのようにメジャーに高く売れるなら売りたい。日ハムもそうだが、選手は大事な商品なのである。4連覇すると選手の年俸はさらに上げざるを得ないから商品原価が上昇する。その発射台からさらにFA引き留め料の上乗せとなると、丸への提示額を見せてしまったリスクを感じているはずだ。
功労者でFAしなかった者には忠誠心への恩賞として監督・コーチの椅子を用意し、コースケのような記録達成をサポートしてやる。これらは商品原価を上げないための「カネではない引き留め料」なのだ。コーチなど、なまじ実績がないほうがいい。あんな人でもなれると思わせて「忠誠心バリュー」の高さをアピールしたほうが経営には得なのだ。その路線で椅子をもらった緒方も同じ穴のムジナであるコースケの記録を守ってやる。だから打率1割台の選手が1番・ショートのレギュラーを張れる12球団唯一のチームなのである。それでも選手が勝手に盛り上がって連破してくれ、いくら負けても客は減らない。盤石の「カープ・メカニズム」ができており、これを作り上げた経営力は称賛に値する。
今オフのFAは野村、會澤、菊池が権利を持ち、来オフは田中が、21年オフが大瀬良、九里、中崎、一岡、そしていよいよ22年に鈴木誠也だ。発射台は上げたくない、つまり4連覇はしなくてもいいという考えに傾いてなんら不思議ではない。緒方が無能だクビにしろ、コースケ1番などありえない、中崎出すな。そんなことは経営はわかっている。そうやってファンが騒いで「炎上」すればもっと客が入る。ファンの皆さん、ほんとうにそう思うなら、SNSでボロカスに言うのをやめ、球場には行かずに昔の閑古鳥状態に戻せばいい。
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カープはなぜ5月に強くなったのか
2019 MAY 31 23:23:12 pm by 東 賢太郎
広島カープが4月に8連敗し、最下位を独走した時にこう書いた。
ところがカープは昨日はこの相手だったヤクルトを3タテして5月は月間の球団最多勝記録を更新。交流戦次第で首位独走の気配すら出てきている。いったい何がおきてるんだ??それに明快な答えは考えつかない。そんなに元気だったヤクルトが昨日のカープ戦大敗で屈辱の14連敗でもあり、こっちだっていったい何がおきてるんだ??だが、明快な答えはないだろう。
野球は9人でやるから、各ポジションにいる選手、例えば投手と投手、セカンドとセカンドを比べて自軍が9人とも格上ならその試合はまず勝つだろう。しかし能力の拮抗したプロではそれはない。しかもチーム力とは9人の守りの連携、打線のつながり、チームのモチベーション、ベンチワークの成否など、個々人の能力だけで説明のできない要素も入ってくる。だから、5月のカープの躍進は床田の好投だとかバティスタの3番定着だとかの個の要素だけで明快に説明することはできないのである。
その問題を考えるとき頭をよぎるのは月はどうやってできたか??という問題への説明の試みである。「月は地球と別天体で地球の引力にとらえられた」という考えは正しく聞こえるが物理的に完全な説明力がなく、「火星ほどの天体が地球に衝突し、飛び散った破片が固まって月になった」という「ジャイアント・インパクト説」が脚光を浴びつつあるというものだ。
カープの躍進を月の生成に例えるなら、丸が抜けた衝撃が天体の衝突であり、そのジャイアント・インパクトで飛び散った破片が床田やバティスタの出現だ。それらが混然一体となって、やがて冷えて固まって月となったのが「強くなった5月のカープ」である。そう考えて、このビデオをご覧いただきたい。
野球が天文にワープするが、そのことに目を奪われては物事を原理的に理解することはできない。考え方としておすすめ。落語の「なぞかけ」(○○とかけて××と解く、その心は□□)と思えばいい。それを単なるひらめきと思っては自分のものにならない。ひらめきは再現性がない。原理はひらめかなくとも常に成立するからとても役に立つ。マスターすればわかる。ビジネスで特に有効である。
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げにプロ野球は恐ろしき
2019 MAY 25 12:12:47 pm by 東 賢太郎
「苦手意識がある。不気味さ、構えとかオーラを感じるし、存在感を感じるものもある。気にしないというのは難しいので、意識した中で抑えていきたい」
これは阪神の大山三塁手に対する横浜DeNAの今永投手の昨日の敗戦コメントだ。今永は大山に試合前まで通算打率・500、2本塁打と相性が悪い。
「新人の大山は僕がキャンプで感じた通りだ、構えが不敵で見逃がし方も思い切りもいい。投手目線ですごく怖い」
これはうちのスタイルに合わないに2年前に書いた僕のコメントだ。つい最近にも書いた。
サードが4番打者の大山というのもまたいい。大山は打席の構えがいいよ、なんともいえず、天性のもんだろうな、ピッチャー目線でね、打たれそうな雰囲気感じるよ(僕が好きな若武者たち)
僕は大山に絶対打たれる気がする。相手がプロだからというわけじゃない。この「気」というのはわかる人しかわかんない。サムライ同士だったら?僕はすぐ逃げるね。
今永くんに苦言。君のファンだから言うが、それを言わないほうがいいぞ。このライン嫌だなあと言ったらそのパット絶対にはずすよ。独りごとでも。まして人前でいうなど言語道断。その気真面目さが大好きだけどね。
昨日見たのはその試合じゃない、東京ドームで広島・巨人だ。カープ先発の床田。前回の巨人戦でこういうことがあり、かわいそうだった。野球だけはどうしても感情移入して見てしまう。やっぱりこのブログだ(僕が好きな若武者たち)。
完全ゲッツーのセカンドゴロを菊池がエラーでダブルセーフ。おまけにサード真正面のゴロを安部が鮮やかなトンネルで3失点。そこで踏ん張れなかった自分が・・」と言った床田くん、君は大物だ。
カープ野手陣がそれを忘れるはずない。絶対に床田を勝たせるという執念だったろう。初回、簡単に三者凡退。巨人先発ヤングマンの球威はまずまずである。その裏。床田が坂本に一発食らった。にわかに暗雲たちこめる。
その直後の二回表だった。先頭の鈴木誠也が初球を軽々と右中間にホームラン。これだ、これ。これぞ4番である。他の打者は相手投手の具合をそれで見ているんだ。4番が三振食うとやばいなと感じる。打つと俺もとなる。
東京ドームのムードががらりと変わった。もうひとつ。3番手の一岡が代打・中島の頭にあてた。故意には見えなかったが中島が怒ってマウンドに向かった。両軍が出てきて場内騒然となる。
見てほしい。真ん中の97番。なんと真っ先にブルペンからすっ飛んできたフランスアである。この野郎、一岡に手出ししてみろ、である。いい奴だなあ、オトコだなあ。
昨今のクソつまんない世の中、こんなものがどこにある?ああこわ、おれ関係ねーし巻き込まれてケガしちゃあね、クニのお母ちゃん悲しむし、ちょっとちょっと、暴力はいけませんよ、それって傷害罪になりますよ、民事訴訟ということもありえますからね。ああくだらねー
一岡が危険球退場となって、おそらくフランスアの肩を作るべくであったろう、急遽マウンドに立った九里をほめたい。投球練習のストレートの気迫が半端なく、難なく田中を討ち取った。オトコだな。そしてマウンドに立った怒れるフランスア。床田から2本塁打した坂本をストレートで押し込んで中飛、2安打で凄く振れている亀井を空振り三振に取った高めストレート156キロ。ほとんどストレート。これを打てる者は誰もいないという鬼神のごとき投球であった。
そして、なんといっても、原・巨人を粉砕したのは3番バティスタの2発であった。かつて人生で目撃した最も壮絶なホームランは2年前のヤクルト戦、七夕の大逆転でのバティスタの左中間弾丸ライナーであった。何度も申しわけないが、バティスタのそれもここに書いたんだ(僕が好きな若武者たち)。
それは更新された。一発目、神宮とほぼ同じ場所、同じ弾道。二発目、これは全英オープンで見た全盛期のタイガーウッズのドライバーショットとしか形容のしようがない。ライナーで左翼天井近くのビールの広告看板を直撃。あれに当てた打者はいるが、打球は放物線だった。”ライナー” なんである。ああいうのを打たれるとピッチャーはどうなるんだろう。心配になる。アダメス、がんばれよ。
二人のドミニカンと4番鈴木誠也。ブルドーザーのような超ど級のパワーで原・巨人は粉砕された。看板直撃の賞金100万円は「お母さんにあげます」のバティスタ。うれしいね。4タコだった3番・丸は話題にもならなかったが、丸が出て行ったおかげで3番バティスタが育った、ありがとうという声はきこえる。
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広島カープの1イニング12失点に思う
2019 APR 11 11:11:24 am by 東 賢太郎
プロ野球が始まると忙しい。BS、CSで全6試合を同時にチェックしながら見るからだ。きのうは3-2で原・巨人を倒した中日の又吉の中継ぎ1イニングが印象に残った。なにがというと、彼の顔だ。「おまえにゃ絶対打たせねえ」という気迫の形相。そしてもうひとり、阪神を1安打完封したDeNAの浜口投手だ。前夜に右翼手ソトが少年野球でもありえない落球、骨折中の捕手・梅野にサイクル安打まで決められて12-8の屈辱的な大逆転大敗を喫した阪神相手に「マウンドが楽しい。なで斬りにしてやるぜ」というあの顔。
打席で嫌だったのはああいう形相のピッチャーだ。投げる以前にこわい。鬼に見える。特に浜口だ。四球を7つもくれてほっとさせるが、1塁で2度もけん制で殺されてしまう。ああなるともう大王状態で手がつけられず、相手は蛇ににらまれたカエルで完全に試合は支配され、往々にしてノーヒットノーランなどやられる。前日12点と打ちまくった阪神もあわやだった。甲子園なのになんと阪神ファンから「すごいぞ。浜口」と声がかかったそうで、そりゃそうだ、野球をわかる人はわかるのだ。
野球というのは実に残酷なスポーツで、27人全員三振でねじ伏せてもいいし、27アウト取られるまで打ちまくって何百点とってもいい。やられた方は男として、去勢されたぐらいの屈辱とトラウマをもらう。ささやかな体験で申し訳ないが、1年生で高校初先発だった東京都秋季大会、運悪く当たってしまった強豪、国学院久我山打線の3巡目につかまり、ぼこぼこに打たれて9-0で7回コールド負け。あんなに打たれた経験はかつてなく頭が真っ白になった。
甲子園に出る高校と都立高校がやってもそんなもの。きのうの広島カープのヤクルト戦1イニング12失点というのはプロ同士の試合として明らかに異常なものだった。延長10回に中崎、中田2投手が血祭りにあがってしまったが、ふつうなら「お前ら何やっとんだ」とTVに向かって吠える。ところが、もうあまりに残酷で、バレンティンの代走のきいたことない奴に3塁打されたところで「おい、タオルを入れたれ」だ。史上初らしいがもう生きてるうちに見ることはないだろう。
カープについて大きな不安があることは開幕直前のブログ(OPSで見る今年のセリーグ予想)に詳しく書いた。ところが実態はその程度のことでなく、開幕10試合でこんな事件が起きるとは夢にも思わなかった。元はといえばオリックスからFA移籍してきた阪神・西投手に9-0で完封負けを食らった2試合前の甲子園から打者と守備がおかしくなった。この試合、先発は九里であり、期待もないので打たれてもショックはなかったが、打線は主審の判定も味方につけた西の妖術に翻弄されて手も足も出ず。これは残ったと思う。
そして前日のヤクルト・原投手。西とはタイプが違うが明らかにシュートに手こずっており後遺症と思う。これに幻惑されて10-1の大敗だが、最悪だったのが先発が期待のジョンソンだったことだ。これが3回でぼこぼこに打たれて6失点ノックアウト、頼みの綱がぶちっと切れ衝撃が走った。すでにおかしかった打線はさらに深みにはまって原投手の揺さぶりに凡打と三振を重ね、3巡目で疲れの出る7回になんと三者三振を食らう。これはもうねじ伏せのダメ押しであり精神的ダメージがある。案の定、次の守備でショート田中がエラー、投手中田の悪送球で10点目が入る。
きのうの惨劇の伏線はそうやってひかれていた。そこで先発の野村ユースケがDeNA浜口のごとく仁王立ちで閻魔大王のようになで斬りにしてほしかったが、あえなく4回3失点で沈没。前から思うのだが、顔がこわくない。やさしい体操のお兄さんみたいだ。球威がないなら懐にエグく投げろよ。ヤクルトは大下とかいう2年目が鈴木誠也の顔面あわやというのを投げて、あれは清原だったらマウンドまで殴りかかったなという険悪な一幕があった。そんな獰猛なのはカープにはいない。それでも5回からはアドゥア、一岡、フランスアと、その中ではいい面構えが出てきて押し返し気味だったが、中崎の10回の回またぎで万事休した。中崎は顔がこわくないのでヒゲを生やしたやさしい男だ。中田はあんなじゃない、いい投手だ。完全にビビった顔を見るのがつらかった。立ち直れよ。
投手コーチの佐々岡は緒方監督の1年上だが会話があるんだろうか?野村監督の後継は佐々岡だとある人から聞いていた。ところが黒田が帰ってくるかもしれないという事態になって相性の良くない野村を切って、そこに同業で格下の佐々岡じゃあ帰ってこないと踏んで、毒にも薬にもならない緒方という人事になったと推測する。現にその作戦がうまくはまって黒田が20億円捨てて来てくれたのだから広島カープはそんなに凄いのかと世の中が騒然となった。何が凄いのかは誰もわからなかったがそれは男気という昭和くさいワードで報じられた。株もそうだが、よくわからない方が仕手株は上がったりするものなのだ。それならと男気と護摩行の新井さんも加わって、その2人の「メジャー大権現+いじれるお兄ちゃんパワー」でタナキクマルセイヤら若手が伸び伸びと暴れまくる空気ができた。そこに「カープ女子観音パワー」が乗っかってマツダスタジアムに尋常ならざる妖気がたちこめ、他チームは戦う前からビビっていたのだ。
黒田、新井とともに妖気は去った。残ったのはマエケン、黒田とメジャーのエース級先発投手ふたりを擁していながらNPBセントラルリーグの堂々第4位だった監督、コーチだけだ。移動の新幹線でベートーベンの交響曲を聴いている丸佳浩の心中を察する者などフロントにもベンチにもいたはずもない。彼は提示条件も子供の教育も大事だが、野球人として、妖気が去るときが自分が去るときと思ったろう。そして彼とプライベートに情報交換していないはずがない、同じ関東人であるタナキクセイヤアイザワも時間の問題で全日本名誉監督サマである原タツノリ大権現のもとへ参集し六本木で遊ぼうぜとなっているのは想像にかたくない。菊池のメジャー宣言はそれ。4人はいなくなるよ、センターラインごっそり。みんな知っている。それじゃあ守備も呼吸合わなくなるさ。
カープファンの方は是非ともこのブログをじっくり読んでほしい。2014年4月25日、神宮球場3塁側スタンドにカープ女子などというものは未だ大発生しておらず、こうやって当日券で観戦できていたのが今は昔だ。まだ弱かった広島カープのこの「胎動」をご覧いただけば、かならずや共感いただけるはずだ、「我々はなんと幸せな時代に生まれ合わせたか」ということに。タナキクマルの出現、黒田・新井の出現という神に頂いた3年間の僥倖に手を合わせよう。スタンドのお祭りやベンチとは何ら関係ない所で奇跡は静かに起きていたのである。
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OPSで見る今年のセリーグ予想
2019 MAR 27 19:19:23 pm by 東 賢太郎
今年のセリーグ、もちろんカープ4連覇と書きたいところですがオープン戦で気になったのは、やっぱり丸の穴です。丸は2018年NPBのOPSランキングでパリーグを入れても1位の選手です。日本一ですから年俸5億はふつうと思いますし、金満選手でもなければ巨人が特に金まみれ球団とも思いません。しかし悔しいのは、この引き抜きはOPSなる統計数値を見ると効果があるのではということです。OPSになじみのない方もおられるのでwikipediaから引用しましょう。
「OPS=出塁率+長打率」であり、2004年のMLBのデータを基にすると、各指標の(チームの)得点との相関係数は打率が0.849、出塁率が0.910、長打率が0.913なのに対し、OPSは0.955にも達する。日本でも1980年から2010年のデータで(チームの)得点と打率との相関係数が0.776なのに対し、OPSとの相関係数は0.941に達している。
OPSは長打が打てれば高く(いわゆるスラッガー)、その選手は当然クリーンアップだから得点貢献が高いのはあたりまえであるなど万能のデータではないという批判もありますが、スラッガーだけど出塁率が高いのは選球眼が良い証ですから投手としては最も嫌な打者です。かつては王貞治がそうでした。1位(丸)と2位(鈴木)が3・4番で並んでいるということは全プロ野球選手で最も嫌な1,2位が連続して打席に入るということで、この連続という乗数効果が大きいのです。鈴木誠也は2度に1度は丸(出塁率約5割)が塁にいる状況で打席に入っており、しかも初回に必ずその可能性があるということです。長打を打たれても歩かせても、相手の先発投手は立ち上がりから窮地に追い込まれ、5番以下が打てば簡単に得点されてしまう。2番・菊池が2割3分の絶不調でも3・4番の並びの破壊力がそれをもみ消し、それがカープの打線のつながりとなり、逆転のカープのかなめでもあったということです。
丸が抜けたことでカープはそれを失います。「丸の穴を埋める」と簡単に言いますが、OPSの高い選手は即席で作ることはできませんから3番に少なくとも昨年のOPS上位選手を置くということです。ではそれは誰かということですが、カープにはいません。昨年のOPS3位以下10位までの選手をご覧下さい。
3・山田、4・ソト、5・筒香、6・ビシエド、7・坂本、8・岡本、9・バレンティン、10・糸井
カープの選手は松山が16位、田中が22位、野間が23位、菊池が30位で、規定打席に達しなかった候補者の昨年のランキングにあてはめると、安部は29位、西川は18位、バティスタが15位、期待の長野はNPB9年の平均値で21位(.783)、2011年のキャリアハイ(.847)でも15位です。唯一高いのは曾澤捕手の12位(.893)ですが、彼が8番にいたからあった打線の繋がりの減殺であいこです。つまり、長野を含め、「3番・丸」の穴をすぐ埋められる人はいないということです。ということは鈴木誠也の責任とプレッシャーが増しますし、相手はもちろん彼を徹底マークしてくるし、それで調子を落とせばさらに得点力は削がれます。穴を埋めようと皆でもがけばけが人が出やすく、厚みがなくなることもリスクです。
一方で、巨人は岡本(8位)が4番におり、今年は彼がOPSでもっと上位に行くとすると、カープの丸・鈴木とほぼ同じ得点力のある3,4番ができることになります。当初、原監督は「丸2番」構想でしたが、先日「丸3番」を発表し、その方針が確定したようでカープファンとしてはとてもまずい。しかも丸の前に2番坂本がいるとなると、(7位)×(1位)×(8位)の「3連ちゃん連鎖」ができて脅威となる。7と8のカンチャンに1がスッポリはまった効果は非常に大きいと思います。つまり得点力においてカープが落ち巨人が上がるプラマイ効果は統計値の裏づけから確度が高く、丸の引き抜きは悔しいがお見事な戦術であったと言うしかありません。
ではそれで巨人がカープに代わって優勝できるかどうか?ゲーム差が縮まる、あるいは逆転する可能性も投手力次第であるでしょう。ただ、カープの力を削ぐことには成功しても他チームに対してはどうか?台風の目になるのはDeNAベイスターズかもしれないと思います。なぜなら、丸が広島にいようが巨人にいようがDeNAは当事者でなく中立的であり、お客さんだった巨人に多少取りこぼしても得意としているハマスタでの広島戦をもっと有利に戦えれば浮上機会になります。OPS上位打者、ソト、宮崎、筒香、ロペスが2~5番に並ぶと
(4位)×(11位)×(5位)×(17位)
となり、4連続OPS上位の打線の得点力は12球団でもトップクラスである上に広島戦だと元気な捕手の嶺井などがいてカモ意識を持たれているように感じます。同時にヤクルトの青木、山田、バレンティンの、
(12位)×(3位)×(9位)
もあなどれない。広島は二大お客さんだった巨人、ヤクルトと拮抗して星を潰しあってしまうと漁夫の利で投手力もうしろが盤石なDeNAが有利です。DeNAは今永、浜口、東の左投手が復調してカープ戦で勝ち越すような事態になると、優勝してもおかしくないと思います。
最も気になるのはカープ先発投手陣です。打力が落ちる分は投手力でカバーするしかありませんが、大瀬良は良しとして野村は去年から読めないし、ジョンソンがどこか故障していたら暗雲がたちこめます。岡田、九里、アドゥアは安定感なし、結局、新戦力の床田と島内とローレンス次第となるとフランスアを回すしかなくなり、8回が不安になるのです。得点力が落ちますから先発投手のプレッシャーが増すのは確実であることを考えるとここが鬼門。
投手陣は「黒田効果」がすでにはげ落ちてます。野村、岡田の凋落、15勝もした薮田が消えてしまうなど尋常ではなく、いかに黒田が精神的支柱だったかということです。その意味で新井の引退も大きいですね、しかもそこで支柱役を期待された菊池があっさりメジャー宣言してしまう。守備はともかく彼の打撃はメジャー級ではなく、あれはFAの布石とみんな思ってます。男気はもう消えたわけで、丸を見て曾澤、田中もというムードがチームに出ているとしたら瓦解のシグナルかもしれず、とても心配です。
唯一明るい話題の小園ですが田中がいるのは痛しかゆしで、サードで使う手はないでしょうか。候補だった堂林ですがOPSが新人時代の.718がピークで年々着実に低下し、キープしているのは外角のくそボールを振って三振する姿だけ。昨年の.559は客観的にもう一軍選手の数字ではないですね。ということで結論としては、バティスタ、メヒアの大化け、新加入の外人投手の想定外の活躍でもないと4連覇は不安があります。
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カープの強さ=アスリート本能の2乗
2019 MAR 7 1:01:18 am by 東 賢太郎
この時期に勝ち負けは関係ないですが、カープのオープン戦は今年を楽しみにさせてくれます。6か月の長丁場のシーズンです。ケガや不調などからレギュラーだけで年間を戦えない可能性がどの球団にもあって、そのダメージコントロールがどれだけできるかで順位が決まると僕は考えています。
とするといわゆる選手層の厚さの勝負になるのですが、今のカープの野手陣は田中、菊池、鈴木以外は誰を使うか迷うほど力量がハイレベルで拮抗しています。センター、レフトの2席は長野、野間、松山、バティスタ、西川、内野(ファーストとサード)は松山、バティスタに加えて安部、メヒア、小園、曽根が。
数の問題ではありません。カープのキャンプ風景を見ていると、見事に無駄がない。「早打ちトス」など1秒に2球のペースで全力で打ちまくる拷問のような練習です。スケジューリングもグラウンドの部分部分の使い方も合理的で隙がなく、あれを見て他球団を見ると無駄だらけでルーティーンを流してるだけに見えてしまいます。広島流のただごとでない練習量をこなせば、持って生まれた能力の頂点にあるという快感を覚えるだろう、というのは僕にもなんとなく経験的に想像がつくのです。
ランナーズハイ(runner’s high)とはマラソンやジョギングで苦しさを我慢し走り続けるとある時点から逆に快感・恍惚感を覚えることです。カープの選手はそれとおなじで「野球ハイ」の状態になるまで練習させられているのではないかと思うのです。この「ハイ」というのはスポーツだけでなく勉強でもあって、数学など練習しまくって何でも来い状態になると解くのが快感になります。うちのネコは猫じゃらしの捕獲がうまくなると恍惚として目がらんらんとして何度でもやるようになります。これって、人間というより、動物的本能じゃないかと思うのです。
そうなると、今度はその能力を確かめたくなる。野球は9人しか試合に出られないからそこで闘争本能という(これも根源的に、動物的です)ものに着火するのです。闘争本能はどの球団の選手にもあります、プロだからないはずはありません。しかし、カープの選手は「野球ハイ」で恍惚、目がらんらんなうえにそれが乗るのだから、本能✖本能(本能の2乗)の尋常でないモチベーションがあるのではないかと想像します。阪神でだめになった新井が帰ってきて覚醒したのも、そのマルチプル効果がきいたのではないでしょうか。こういう動物的モチベーションというものは、お金や虚栄心という頭脳のモチベーションより断然強いと思うのです。カープが強い道理はそれじゃないでしょうか。
丸選手は2年連続セリーグMVPでゴールデングラブ賞ですから、長野だろうが誰だろうがそれ以下の選手ということであって、つまり丸の抜けた穴を埋められる者はないということです。だから普通のチームなら負の効果しかないですが、カープの場合だけはそうではない可能性があって、「3番とセンターが空いた」という本能に火をつけるおいしい要素が二つも提供され、各々が「二乗のレバレッジ効果」でモチベーションを高めます。つまり丸の件はむしろトータルにはプラスに効くかもしれないと僕は思っています。
例えばホークスの育成選手だった曽根がひょっとして菊池の後釜かという成長ぶり。新人の小園は早や成績も体格も3年目ぐらいの風格に育ってますからすぐに田中を脅かすでしょう。邪推ですが、丸のFA移籍で菊池、田中もいなくなること前提でさらなる本能の火種が生まれている感じすらします。カープで育って試合で実績を出すと、やがて巨人さんが30億円くれる。巨人のドラフトにかかると30億円さんや名前だけのロートルさんが毎年天下ってきて出番が来ない。それならドラフトではまずカープに入りたいという有望株が増えるんじゃないでしょうか。
広島対巨人の戦いとは、「動物的モチベーション」対「お金や虚栄心という頭脳のモチベーション」の戦いと見るならば面白い。ここ2年連続で広島が2桁以上の差をつけてボロ勝ち、巨人はお得意さん状態です。才能はあるが「野球ハイ」未満の状態のチームが、恍惚、目がらんらんなチームと当たれば本能的に怖さを感じると思います。オープン戦初戦、先発の床田がいきなり4者連続三振(丸を含む)はそういうものを巨人選手に与えたと思います、今年もお得意さんなのかなと。監督は誰でも関係ないです。やるのは選手だから。もちろん巨人はそれを知っていて、だから丸をとったのです。
丸が2番打者の巨人打線は繋がりという点では強力ですが丸は近年は2番は打ったことがない。彼はまじめな積み上げ型の選手ですから3番で好きに打たせた方が怖いです。常勝巨人軍プロデュースの「原マジック・ショー」というやらせっぽい劇をドームで演じなくてはならない選手たちは大変と思います。あのムードの中で期待と注目を浴びてアドレナリンが出て「ハイ」になれる長嶋や堀内のようなタイプはショーの主役向きですが、丸は鍛錬を重ねていく王貞治タイプと思うので、あれこれ注文がついて気を遣う2番はどうなんでしょうか。巨人は「丸効果」をうたいますがそれは丸が去年並みに打ってのことです。ベルリン・フィルに君臨した帝王、ヘルベルト・フォン・カラヤンが呼んできてほぼ全滅だったソリストたちみたいにならなければいいのですが。
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広島カープに見る「人を育てる」黄金律
2019 FEB 13 17:17:15 pm by 東 賢太郎
広島カープの紅白戦をTVで見てました。以下、私見です。ショートの小園は評判どおりの逸材でした。守備がうまいのですが、打撃も球の見逃し方がいいです、高校生と思えません、田中広輔がいなければいきなりレギュラーありでしょう。外野の正隨は鈴木誠也なみになるかもしれないですね(よく6位でとれた)、誠也(2位)より上のドラ1だった髙橋大樹と3人でクリーンアップかな。坂倉は會澤翼の後釜、ピカ一の打撃センスです。レフトもいい。3年後ぐらいに原・巨人にもしかしてタナ・タナ・キク・マルでも出現するんだろうけど、若手が旬になるからカープ優位は揺るがないですね。
投手は霞ヶ浦高卒2年目の遠藤。細身だけどまだ19才。坂倉を空振り三振に取った直球に加えて変化球を磨いたら楽しみです(ぜひぜひ肩ひじだけは気をつけてね)。アドゥワは球威にすごみが出てきましたね、先発で行けそうです。熊本工卒2年目の山口の直球も魅力を感じました。島内颯太郎の速球は即戦力で大瀬良二世でしょう。床田は左の先発で、球威は戻っており期待できそうです、10勝したら4連覇は固いでしょう。
球威といえば、一昨年のプロ初登板でヤクルトをあわやノーヒットノーランだった慶応高、慶応大の矢崎(加藤)が一番でしょう。コントロールさえ良ければ誰も打てないのに去年は一軍登板ゼロ。何をやっとるんだ!と不満があったのがこの日は2回を無安打。低めに行ってましたね。僕は彼を外木場に重ねているので、これが成長の証なら涙が出るほどうれしいのです。一軍投手コーチが佐々岡というのは実に大きいですね、投手王国復活ののろしです。
カープのドラフト戦略は本当にレベルが高いと思います。しかし採るだけではなくシビアな練習を課して熾烈に競争させるところがチーム力成長の真因でしょう。戦力のかき集めではなく内部から(オーガニックな)成長を促す、企業経営もかくあるべしで、そういう会社は利益も株価も成長します。人間はいかなる場面でも競争しないと伸びません。何事も負けが嫌なら相手以上に練習するしかないのです。それをやってOPSが球界一位になった丸は立派だし、一位の穴は誰も埋められません。しかし外野と3番の競争がさらに激化することは総合的に見ればカープのようなチームではむしろプラスに働くと思います。
カープの練習を見るのは無上の喜びです。元気が出ます。目利きが無名選手を発掘して育てる。これは投資の世界でソナーがやっている事とダブります。上場した著名企業を高値で買う巨人、僕のポリシーとは正反対です。だから半世紀もカープを応援してきたのかなと改めて思いました。
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選手に金を払うのは球団ではなく観客
2018 DEC 23 23:23:44 pm by 東 賢太郎
内海投手のFA人的補償での西武移籍は衝撃でした。そもそも人的補償ってコトバがいやですねえ、補償とは損失を埋め合わせるという意味でふつうは金銭ですがここでは「ヒト」でオッケーですっていちいち「人的」とつけてる。選手を物か奴隷みたいに見ている語感があり不快です。一番ショックだったのはエースを張っていた内海でしょう。しかしTVで観ていた彼の清々としたふるまいは立派ですね。学ぶものがありました。
このニュースでFAで巨人に移籍した丸選手の話題は下火になった感じです。よかったね。「もっと上でやってみたい」は「もっと評価とお金が連動する世界に身を置いてみたい」という意味だと僕なりに解釈をしています。これをプロだから当たり前といってしまっては思考停止なので、少し考えてみます。
まず評価はどうやったら上がるのでしょうか。すべての野球少年のなかで勝ち上がっていくしかありません。頂点はNPBですが野球は日本だけの競技ではありません。メジャーが明らかに頂点です。なぜなら最も高額の報酬がもらえるからです。こう書くと「すぐお金で計るのはいかがなものか」とご批判もありそうですが、シンプルな事実です。なぜなら興行において選手に金を払うのは観客だからです。
たとえば相撲で、お客は十両より横綱や三役の土俵のほうが見たい。だから懸賞の本数も多いのです。客はスターが見たいし、常人にはできない超人的な技能が見たいのであって、それには納得して足を運んで金を払うのです。プロの「評価」とはお客さんにいくら払ってもらえるかで決まるのが本質であって、はえぬき、男気、お世話になってるみたいな球団事情で決まるものではありません。
だから「金満主義の巨人がけしからん」という批判はおかしい。読売巨人軍という会社は35億円出しても諸々を勘案するとペイすると算盤をはじいたから丸選手をとったわけで、なぜペイするかというと、丸選手の直接、間接の貢献で客がたくさん入ると思ったからです。ということは、丸選手は巨人軍の利益を上乗せした金額、つまり35億円以上をお客さんから支払ってもらえる選手だという評価になります。
それがけしからんというならプロ野球という興行がいかんということになってしまいます。そんなことはカープファンも言わないでしょう。つまり、丸の移籍というのは、広島カープ球団は35億を払ったらペイしない。巨人はペイする。だから巨人を選んだ。それだけのことです。それが嫌ならカープ球団はマツダスタジアムの入場チケットを値上げして35億払っても利益が出せるようになればいい。それだけのことです。
僕はチケット代の2割は選手を指名して直接あげられる仕組みにしたらどうかと思います。1万円の席なら8千円はカープ球団に、2千円は毎試合後に投票して活躍した選手にあげる。売上188億円の内100億円がチケット代として20億円が「ふるさと納税」のように選手勘定になる。それで去年の年俸総額と同額です。投手と野手の調整は必要だけど年間通して大活躍すればひとりで10億円もっていくことも可能。金を払うお客が試合を見て「あげたい」というなら当然勝利に貢献度が高いわけで、プロなんだからフェアな仕組みだしモチベーションは凄く上がってチームも強くなると思うのです。
僕は丸を応援したいのですが、一つだけ不満なのは、「もっと評価とお金が連動する世界に身を置いてみたい」というモチベーションがあるという仮定をするならば「メジャーに行きたい」こそが結論になるはずです。巨人に5年もいたらそれはないんでしょう。ということはその仮定は違っていますかね。単に巨人に行きたかったんですかね。
まあ高校生がドラフトで広島に指名されて大成した、しかし、だからといって一生広島に住みたいかどうかは別の話でしょう。エルドレッドは市民に溶けこみ愛されてずっと居たかったかもしれないが、力が落ちれば「ご苦労さん」で戦力外でバイバイだ。そういう世界です。そんなリスクをとっているのだから、リターンが目の前にあればゲットしてあまりにあたりまえでございます。
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