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ファンファーレは鳴り地震は気づかず

2014 MAY 6 22:22:39 pm by 東 賢太郎

 

みずほ証券にお世話になっていたころです。ある案件検討会議で「証券マンはファンファーレから入るけど我々銀行員は葬送行進曲から入るんですよ」と言われ、これは至言であると納得したものです。ファンファーレとは「これが成功したらこんなにすごいぞ」ということで、葬送行進曲とは「これが失敗したらこんなにひどいぞ」ということです。

さて自分は証券マンですから基本的にはファンファーレ派であることはいうまでもありません。ただほとんどの証券マンとは違うことがあります。成功⇒利益は当たり前のことですから宣言するまでもありません。本当に成功するか?あらゆる悪いことまでじっくり考えて、それでも腑に落ちるなら行くぞと全軍にトランペットを吹くというところでしょう。

サラリーマンの身分だとそんなにゆっくりはできませんし即決を迫られたことも多々あります。しかし今はそれができます。それも、僕しかできない案件しか引受けないので競争がありません。では腑に落ちるというのはどういうことか?100%自分が理解して自分で実行できるということです。1%でも他人の理解まかせの部分があるとだめです。そこまで自信を持てなければやらないほうがいいということです。

これは完全主義とはちがいます。それがビジネスの長として当たり前であり、いわばオーケストラの指揮者なのだからスコアに1音でも理解できないところがあるなど論外なのです。現在は、某社よりお引受けした仕事の構想を毎日具体化している状態です。理解だけでなく自分でスコアを書いて作曲しているということです。これは自分が書きたかった曲であり、自信作になりつつあるという手ごたえも感じています。

そうなのですが、今回だけは腑に落とすのに半年以上もかかりました。というのは、相手が上場企業だから株主責任もあるという側面、来年60という自分の年齢、体力、意欲など、そして現在走っている業務への責任をどう果たすのか、それをソナー出資者(株主)へどう説明するかなど、すでにかなりの仕事をいただいている立場として、これらは非常に重い判断を要します。僕がソナーの事業主で過半数株主である以上、決めるのは僕一人であり、誰に相談しても仕方ありません。

そういう中で、5月4日、お休みの日でしたがご本社にて先方様の社長、副社長に「できる」という具体的プランをご説明申し上げました。それが書いた全曲のスコアです。葬送行進曲から入る人には絶対に書けない明るい曲です。それは半年練ってファンファーレが高らかに鳴っているものです。できると思わなければ鳴らないし、そうでなければやってもうまくいかないのです。このスコアは他の会社でも演奏できるでしょうが、当社ほど一緒にファンファーレを鳴らして下さる会社はないでしょう。だから当社だけがうまくいくはずです。

ということで今年は結局GW連休もなく、ストレスだけは立派にたまっています。疲れ果てて熟睡しており、先日の震度4の地震は家族に言われるまで知りませんでした。そんな具合なのですが、それでも僕はこういう前向きの生産的な苦労が大好きです。終わってしまった大成功より、どうなるかわからない大仕事を前に緊張している方がいいですね。この緊張を長くキープして、気持ちよくスタートしたいという思いでいっぱいです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Categories:ソナーの仕事について, 自分について

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