人間のタイプ(そば型vsラーメン型)
2012 NOV 28 9:09:46 am by 東 賢太郎
TV番組の受け売りですが、人には
蕎麦(そば)型
伝統的な食材、調理法の範囲で技と洗練を追及する蕎麦打ち職人タイプ
ラーメン型
伝統からスタートはするが食材も調理法もどんどん自由に変えて しまうタイプ
の2タイプがあるそうです。うまいことを言ったものです。
たしかに蕎麦屋へ入って、あのしょうゆ味のつゆではないタレが出てくることはありません。お店ごとに濃口醤油の味が勝っていたりかつお節がきいていたりと微妙な差はあっても、そこに味噌やトンコツの出てくる余地はありません。麺自体も呼称は「そば」であって麺とは呼ばず、あたかも素材は蕎麦粉という基本原則から大きく外れることはないよという意志表示のようです。原則にあえて縛られた世界で、ぎりぎりの変化をつける技の競い合いだから「職人」という呼び方が馴染んでいるといえましょう。
一方、ラーメンのスープに決まりはありません。醤油、味噌、塩、トンコツなどたくさんのバリエーションが許され、トマトや牛乳まで登場する場合もあります。具だって何を乗せようが確たる基本原則はなさそうで香港ではウナギまで乗っていました。麺の種類の多さは言うまでもないでしょう。ラーメンでなくするにはどこまで変えたらいいのか迷うほどです。元祖は中国の拉麺または老麺のようですが、だいぶ前に中国に留学した学生が中国人に「中華三昧」を作って食べさせたところ「日本食はうまい」と感動したそうです。
これは料理人に限らずいろいろな分野で使える分類法かもしれません。
例えば歌舞伎役者やクラシック音楽の演奏家というのは典型的な「蕎麦型」でしょう。なにせ古典芸能なので絶対不変のテキストがあります。勝手に役作りやメロディーをいじったりできません。一方ジャズやポップスではスタンダードナンバーが即興演奏やアレンジによって原曲と似ても似つかなくなることも普通ですから「ラーメン型」です。
{蕎麦型、ラーメン型} と書き表すことにすると以下のようになるのではないでしょうか。
{古典落語、漫才}
{ワイン、カクテル}
{ブラックタイ、カジュアル}
{囲碁・将棋、スマホゲーム}
{ラテン語、英語} (たぶん)
{キリスト教(一神教)、やおよろずの神}
{江戸幕府、ローマ帝国}
{マルクス主義、資本主義}
{交響曲、オペラ}
{キャンディーズ、AKB48} (?)
{ポール・マッカートニー、ジョン・レノン}
{柔道、K1}
{ゼロ戦、B29}
{巨人の星、黒い秘密兵器} (マニアックです)
{オバQ、ドラえもん}
{エラリー・クイーン、アガサ・クリスティ}
{ダフニスとクロエ、春の祭典}
etc
さて人間のタイプについてです。自分は両方の面がありますが蕎麦:ラーメン=7:3 のイメージです。基本的に蕎麦型のものに惹かれますが、型破りなラーメン型へのあこがれもあります。時代はラーメン型が作ってきたのが人間の歴史のようにも思います。
皆さんはいかがでしょうか?
泉 喜章
11/29/2012 | 2:58 PM Permalink
哲学だ。
中島 龍之
11/29/2012 | 9:01 PM Permalink
私は博多という場所柄、ラーメン型です。一寸違うか。本当は、伝統から抜け出せないまま変革を目指す、蕎麦の上に、チャーシューとメンマと紅ショウガを載せるタイプ、うーーーん、食えない奴。