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「オズマ」に戻った九段高校同窓会

2013 DEC 1 14:14:32 pm by 東 賢太郎

昨日は都立九段高校の卒業40周年同窓会でした。11:30に青山フロラシオンで開始。200人ぐらいいたでしょうか盛大でした。海外にいて失礼していたので3回目です。

まず女性のクンづけでいきなり40年ワープします。これは元気にしてくれます。しかし見渡せばなんかの高齢者のつどいと変わらないかなあ。女性は面影がある人がいますが男はもうお爺さんという人もいてああ自分もそう見えるのかと・・・。そういうトシです。電車で初めて席を譲られたなんていう声もあります。2次会では運動部ばかり順番に呼び出され、投手のNと捕手のKと前に出されました。強い女房がまん中に立って堂々たるスピーチ。キャッチャーまかせで何も考えなくていい。頼もしい奴です。弁護士のNの車で送ってもらって帰りました。お互い絵にかいたようなピッチャー性格。今さらしょうがないよなと傷をなめあえる彼は心のオアシスでありました。

どこも同じでしょうがこの年齢の同窓会の光景となると、サラリーマンの人はほぼ引退に近いトシだからこれから女房と家で二人になっちゃう、毎日何をしようかという声があちこちであがるのです。ただ医師や自由業の人はバリバリやっている感じでもあり、長い人生様々です。人生の先輩のスピーチによると会社時代の友達はいろんな利害関係が前提の友達だから、その前提が外れると続かないことが多い。同級生は利害がないので続くし、だんだんと一番大事になるそうです。

物故者が出るのはつらい。この同窓会は5年おきで前々回のときに「東、あんときのゲッツー、エラーしてゴメンな」なんて酔ってポツリと言ってたセカンドのOが肺がんで亡くなった。僕はチームメートの掛け声のクセやらキャッチボールの球筋まで覚えています。Oは一ツ橋中学でも一緒に野球をして僕に「野球人間オズマ」(巨人の星がはやっていたんですね)とあだ名をつけており、学校群で九段に決まると「東、絶対に硬式やろうぜ」と言ってた男です。エラーは完全に忘れてました。あの時欠席しないでOのゴメンを聞いてやれて本当によかった。そんなことが30年も気になるぐらい真剣に野球をやっていた仲間を誇りに思います。

来年は還暦だという声も出ます。僕は早生まれで再来年だから少し得した感ありですが(おんなじか・・・)。早生まれといえば、当時大人びて体も大きく見えた人が今会うとそうでもない。17~8才の頃までの1年の差は大きいといいますがそうかなと思います。この場に久々にずっぽりと身をひたして周囲を見渡すと、自分は高校時代には心身ともに子供だったなあと改めて思います。先生方は当時のイメージそのままなので目の錯覚ではないでしょう。当時の僕はといえば、趣味だって音楽なんかまだまだでした。中高の同級生のもっている僕のイメージはクラシックなんかカケラもなくて、あまりしゃべらず押しも強くない、ひとえに「野球人間オズマ」です。

それが浪人して野球以外のものを見つけてちょっと脱皮しました。次に大学で脱皮してもうひとつ音楽を見つけ、会社へ入って3度目の脱皮をして(なにせノムラですから)鍛えられて自信がついた。だから会社人の僕しか知らない人が同窓会の僕を見たら存在感のなさにきっと驚くし、たぶん大学時代に知り合った家内ですらそうでしょう。中学高校から目立って、体が大きくて、風貌も大人でダンディで、勉強も運動もできて、女に持てた人もいましたがうらやましかった。そんなのとは程遠かった僕はすごくコンプレックスがありましたね。

もし普通に大学行って普通に就職していたら僕のような成長に手間のかかる未熟児タイプはきっと一生そのコンプレックスに負けてしまったでしょう。そういう人は多いかもしれませんし、特に過保護で早生まれの男の子さんは。それが浪人したら「虎の穴」でした。思いっきり背伸びした大学に行ったらそこが次の「虎の穴」でした。そのうえに野村に飛び込んだら世界の俊英が集まる金融界のウルトラ競争原理にさらされ、海外で次の「虎の穴」が待っていました。だから40年ぶりにこうやって故郷の浜辺に帰ってみると、皆さんとてんで話があわなくなってしまっています。こっちの問題なのですが、カンペキな浦島太郎です。

というわけで複雑な気持ちで帰宅しました。できれば60歳を機に「4度目の脱皮」をと思っているんですが、どうでしょうか。浦島太郎でも僕を「オズマ」のままにしてくれる野球部の連中に深謝です。

 

 

 

 

Categories:______日々のこと, 徒然に

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