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クラウディオ・アバドの訃報

2014 JAN 23 0:00:54 am by 東 賢太郎

1月20日にクラウディオ・アバドが亡くなったことをさっき知った。たまたまモーツァルトのピアノ協奏曲をいろいろ聴きかえしていて、皆それなりにいいと思った中で彼の指揮したものだけがどういういわけかピンと来ずに妙に意識にひっかかっていた。何か悪い予感だったのだろうか。

僕は彼の熱心な聴き手ではなかったが、ひとつだけ忘れられないコンサートがある。1983年のアメリカ留学中の夏休みに欧州旅行してザルツブルグへ行った。運よく買えたチケットがカラヤンのばらの騎士とアバドの幻想交響曲だった。座席はオーケストラの後ろでアバドを正面から見る位置だった。ロンドン交響楽団がどう演奏したかまでは記憶にないが彼の指揮姿は今も目に浮かぶ。鐘の音が重々しく、それが非常な緊張感を持って鳴らされた。あんなのは2度と経験がない。

思えばアバドは僕の世代の中では「若手」だった。小澤さんやムーティーもそうだ。なにか友達をなくしたようですごくさびしい。彼が80才だったなんて・・・。

持っている彼の録音で好きなのは

1.ヴェルディ「シモン・ボッカネグラ」                              2. ロッシーニ序曲集                                      3.ヤナーチェク「シンフォニエッタ」(68年)                          4.プロコフィエフ交響曲第3番                                  5.ラヴェル全集

である。特に僕がヴェルディを第一に挙げるなどまったく異例のことだが、これは最高に、圧倒的に素晴らしい。ぜひ広く聴かれることを心から願う名盤中の名盤である。彼の指揮でライブを聴けばヴェルディがもう少し理解できたかもしれないと強く思う。

ご冥福をお祈りしたい。

 

クラシック徒然草-僕が聴いた名演奏家たち-

 

(こちらもどうぞ)

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Categories:______演奏家について, クラシック音楽

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