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人の相性についての僕の考え

2014 JAN 22 22:22:10 pm by 東 賢太郎

英語のケミストリー(chemistry)の意味は「化学」ですが、「相性」の意味でも使われます。その昔、西洋では人間は四大元素でできていて気質はその四つの元素の配合比率で決まると考えられていたそうで、その比率の同じ人どうしは気が合う、だから「ケミストリーが合う」と表現するようになったようです。友達を見ればその人が分かるといわれる理由もそれですね。フモール(humor)も同じで、ギリシャ語の液体という意味ですが、人間を組成するフモールの比率によって性格が決まるという考え方が根底にあります。やがてhumorはユーモアという意味になります。「何を面白いと思うか」はその人の性格を物語るという含みは残っていて、どんなジョークを言うか笑うか、要するにsense of humorで人間性を推しはかる傾向が西洋人にはあります。

性格、趣味、嗜好、考え方、人生観が近い人とは一緒にいて楽しいものです。ただ、そういう人と一緒に仕事をするのがいいかというと必ずしもそうではありません。組織力を発揮するには能力、タレントの分散が必要だからです。しかし仕事ではなく、人生を有意義に楽しく送るということだけでいえば、「合う人」は誰にも重要です。一般にいう友達というのは基本的に合う人のことなのですが、全部の友達が「すごく合う」わけではありません。「嫌ではない人」でも友達になれてしまいます。しかしすごく合う人は世界にものすごく少ない、というのが僕がこれまで生きてきた結論です。Facebookで返事が来たらお友達という軽い世界ではないと思うのです。英語で

A friend in need is a friend indeed.

という諺があります。いい言葉です。「本当に困ったとき、必要なときに力になってくれる人が本当の友達だよ」という意味です。そうでないのは友達ではありませんし、友達でない人脈など苦労して作っても何の役にも立ちません。一万人のオトモダチより一人の友達なのです。そういう人は多くないのだから、自分から積極的に手を打たなくてはお会いできない。ご縁だけ待っていてもだめです。ものぐさな僕がブログを書いてみたいと思った動機は「すごく合う人=友達」を探す長い旅路の準備だからです。

そのためには、自分をまず正直にディスクローズ(開示)する必要がどうしてもあります。フモール(ユーモア)と同じことで、他人を知るにはその人の「エピソードの集大成」として知るしか手はないでしょう。だから、こういう時に喜・怒・哀・楽を感じた、こう行動した、こういう成功や失敗をしたというエピソードを書くわけです。それも自分という人間の個性である部分はあからさまに、どんなにそれがとんがっていようと恥であろうと、事実を開示しなければそもそも書く意味がありません。そしてそのとんがった所に反応してくださった方こそ、僕の探し求める方ではないかと考えているわけです。事業を共同してやる人も、後継者ですらそこにいるのではないかと信じます。

その方がどういう人かはまったく関係ありません。小学生の坊やであっても僕は真剣にお会いしたい。四大元素の比率が同じというのは、それぐらいレアで貴重なことであり自分の子どもだから必ずそうとも限りません。そういう子には聞かれればなんでも何時間でもお教えしてしまうでしょう。例えばですが音楽の和声というものに僕は尋常でない興味があり、長年固執してますからポップスならピアノやギターですぐ和声付けができてしまいます。やって見せるとどうしてと聞かれますが誰でも3時間でできます。そういうとんがったことが僕と同じぐらい好きな人であればお教えしたくてたまらない。しかしただのノウハウとして、ただの好奇心でならノーです。同類でない人とそういう飯のタネでもないことを共有する時間はもうないです。

そういう目的で僕はブログで独断と偏見をぶちまけています。だから赤の他人のそんなものは何か同類項でもないと読む気もしないでしょう。お読みいただける方はですから僕と何かの同類項をお持ちの方ではないかと想像申し上げる次第なのです。データを見ると、読者がどなたかは知りようがありませんが何で検索したかはわかります。たいそう驚くのですが、嬉しいことにとてもニッチな単語でお入りいただいている方が多くおられ、1年以上も前に書いた拙文がこまめに読まれていることがわかります。そういう方に僕は大変関心があります。

一日10人も読んでくれれば上出来だよといわれて始めましたが今はだいたい200-300人、多い日は700人も来てくださいました。10人というのは「ブログを作ってみたがぜんぜん読まれなくて・・・・」という方が多いということなのですが、誰だかわからない人の朝食の写真を毎日楽しみに見てくれる人が何百人もいると考えるのは少々無理があります。すると今度は「いい内容にしなくっちゃ」となります。毎日「耳よりな話」や「他人のためになるトピック」がある人などまずいませんから、結局疲れてしまいます。そうやって挫折してしまう人は大変多いように思います。

解決はコロンブスの卵、実にシンプルです。誰でもまず自分という人間を「開示」してみること、世界に向けて「自己紹介」してみることです。簡単でしょう? そういう姿勢でブログを書けば必ず合う人が現れて読んで下さるというのがこの1年ちょっとでの僕の発見です。もちろんお一人でインターネットの大海に船出されるのもいいでしょう。SMCのメンバーになって書けば1人でやるよりは勇気もわきますし効果も高いでしょう。大事なのは何も財界人でも有名人でなくても誰だって「私の履歴書」は書けるということです。今日明日に何万人も読まなくてもいずれ絶対に読まれます、なぜなら「子孫」や「親族」というあなたに興味がある読者が出てくるからです。若い人だって履歴書を現在進行形で実況中継で書けばいいのです。そうするときっと知らない世界が見えてきます。個性に共鳴してくれる人は世界中に必ずいるのであり、その人こそが「友達=a friend indeed」なのだ。僕はここまでの実体験としてそう信じます。

 

 

Categories:______自分とは, SMCについて, 自分について, 若者に教えたいこと

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