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ハムレットというものを知る

2014 MAR 10 15:15:18 pm by 東 賢太郎

下北沢というのは大学の駒場時代に小田急線から井の頭線に乗り換えていたなつかしい駅です。よく帰りにパチンコをしてました。そして2000年からの9年間は代田、代沢に住んでましたから近場でもありました。

前日、銀座で夜中になって4時ごろ帰宅。どうやって寝たかわからずヘロヘロのままその下北沢の本多劇場へ午後1時に集合でした。アラカンのオヤジが昔の徹マン状態です。「朝飯」たべる時間ないよね、あるわけないだろ、ということでそのまま観劇に突入。

142_tirasi_omoteところでなんだったっけとチラシを見ると、ハムレット。う~ん筋を知らない。オムレットなら知ってるが。まあオペラはだいたいそうだしあわてることもないとプログラムを購入して早野さんが王妃ガートルード役であることをとりあえず確認。ところがなんとあらすじが書いてない。お前そんなのは知ってる人しかいないんだよここはときびしい西室。となりの中村はというとデンマークの王室の話だよと悠然と構える。おおすごいなあと思ったらデンマークのお城にそう書いてあったというだけでやはり知らない。観客は2-300人はいたがこの2人だけだったんでしょうね。写真の登場人物はやけにたくさんいてA型の習性で知っておかないと不安であり、中村と一緒に阿曾さんに解説をお願い。ちゃんと結末だけおあずけで教えていただき、これが大いに助かりました。

2度目のお芝居でしたがロシア人の演出でユニークだったらしく、こっちはそういうことはわからないのですが音楽がはいっていたのでついていけました。シェークスピアはセリフが大変だそうで、たしかに早口言葉みたいにもなるし覚えるのが大変だろうなと。ロシア人が2人いてちょっとそこだけこっちの緊張感が切れましたが、ハムレットはルックスも良くて演技もセリフもうまかったし早野さんはちょっと悪女っぽい王妃と母の名演技でした。

これは僕的にはデンマーク版「壬申の乱」であるという整理になりました。それにしてもイギリスが罪人の島送り先だったり課税されたりと、いったいいつの時代だったんかとぼんやり考えてました。最後は「そして誰もいなくなった」状態で凄惨な物語であります。しかし父親の霊が懸命に真相を訴えてるのに何をこの男はぐちゃぐちゃ悩んでるんだろう、即刻撃ち殺してしまえば死ぬのは一人ですむじゃないか、いやそれじゃあ「仁義なき戦い」になっちゃうか、そうか銃がまだない時代かな、それともすぐ終わって劇にならないからかな・・・。要は動機が復讐で充分強いんで、わざわざ決闘で死にかけるまで待たなくてもいいでしょと思ってしまったところはあります。復讐対復讐が書きたかったんでしょうか。なるほどこういうのを称してdramatic(劇的)というのかな。

ということで楽しみながら世界的な非常識をひとつ解消することができました。早野さん阿曾さん、終演後もおいしいお店を教えていただき、こちとら前日の続編の大トラ酩酊状態でご無礼いたしましたが誠にありがとうございました。9年も住んでいてここで劇を見たのは初めて。食わず嫌いはいかんとも思った一日でした。

 

 

 

 

 

 

Categories:______日々のこと

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