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世界三大不正の一つと言われる国辱(追記あり)

2014 JUN 13 22:22:47 pm by 東 賢太郎

僕は3月にこういう投稿をしました コピペという文化。そこに隠喩したSTAP騒動はまだ本格化する前でした。

その醜態はとどまることなく、一昨日も論文データを改ざんしたノバルティス元社員逮捕のおぞましいニュースが出ました。シニアの方々はクレージーキャッツの映画『ニッポン無責任時代』を覚えておられるでしょうか。今や男も女も無責任ぐらいはかわいい方で、むしろ、嘘、ごまかし、なりすましで積極的に他人を騙し、ばれると「悪意はなかった」と平然とその場しのぎを言ったあげくに逆切れするのまでいる時代です。外を見ればそういう国はいくらもありますが、そうではないのが美徳だった日本も立派にグローバル社会の一員になりました。

理研改革委の岸輝雄委員長が述べられたようにSTAP事件が欧州で「世界の三大不正の一つ」と認定されているなら、これは科学史に残る重大事件であってセンター解体ぐらいでは足りないぐらいです。もとより多額の税金によって設立、運営される公共の組織を吹き飛ばしたことだけでも重罪ですから、責任者たちはそれに匹敵する裁きを受けるのは世界の常識であり、税金の返還請求など当たり前です。弁護士が意味不明の情緒的弁解をくり返してきましたが、そんなことはまったくどうでもよく、淡々としかるべき手続に従って裁かれるだけです。

僕は何度も我が国における「父性原理の後退」を指摘してきました。マッカーサーGHQ占領下での日本非武装計画(というより計略)に端を発した諸々の仕組みと洗脳が奏功し、半世紀余を経て父性原理は危険かつ時代錯語とされて国ごと去勢されました。日本はおろか儒教国ではありえないお父さんが犬であるあの不愉快極まりないCMはその土壌でしか効能がないでしょう。その腐った土壌にもうひとつ、米国文化の軽薄な面だけをアメリカンと勘違いするそれこそ軽薄な面々の文化が上塗りされることで冒頭のコピペ文化は形成されたと思います。それは日本人、日本国の大黒柱の腐蝕であります。僕は右翼でも軍国主義者でもありませんが、どこの国でも当たり前の愛国者なら危機感を持つはずです。

今回の理研改革委の解体提言は父性原理による必然の鉄槌であり、母性的な情緒が影響して終息しかねない国情の中でそれが下されたというのは識者の立派なご見識の発露であり、至極健全と思われます。元来そういう性向を有すると思われる行為者はどこまで責任能力があるのかすら不明に思われる程度であり、そのような者をずさんでいい加減な入試とプロセスで選別、合格させ、しかも放置した管理者たちの責任こそ決定的に甚大であります。

ここで我々国民が注視しなくてはならないことがあります。研究不正は「研究倫理」の問題であり、「研究内容だけ」に関わる問題です。だから個人の問題であり、その個人を罰して例えば懲戒免職にして終わるという解決は可能です。ところが今回は組織の管理体制ごと救済しがたい無能力と判断したわけです。だから組織ごと懲戒免職にする、つまりお家お取り潰しとなった。老中、家老は切腹。これもわかります。

ところが週刊文春が指摘した使徒不明の経費、出張費という別の問題が発覚しました。これは「研究内容」の話ではないので三大不正とはまったく別次元の問題です。2人で1回9万円の出張が週1以上のペースで11か月も続くというのは尋常ではなく、多忙な実験の間をぬって国費で行ったのですからよほど重大な案件があったのでしょう。それは何だったのか???これが国民的関心事になった以上、お家お取り潰しで記録がなくなりましたでは済みません。消費税をさらに10%にすると言っている矢先です。その税金が2人の使途不明金に消えていましたでは納税者は誰も納得しない。理研の監督官庁の問題でもあり得るでしょう。

この騒動が世界にも納得のゆく形で解決し、誠実かつ優秀な科学者、研究者の皆さんが正しいモチベーションをもって研究に邁進され、世界三大級の成果をあげられることを切に願います。

 

(追記、6月18日)

安倍内閣第3の矢と予算。先端科学と女性登用。下村大臣と文科省。先進医療と医工連携。早稲田と東京女子医大。ハーバードと  Brigham and Women’s Hospital。特許50-50。 理研と独立行政法人。GPIFと独立行政法人中小企業基盤整備機構。ゴッドハンドと入試なし。

 

 

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