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SMCと9つの法則

2014 OCT 1 18:18:49 pm by 東 賢太郎

 

1.「時間は速くなる」の法則

早や今年も10月を迎えてしまいました。

子供のころは1日、1年が長かったですね。泥んこ道をゆっくり進む車みたいに、景色がゆっくりすすみ、道路の穴ぼこひとつひとつがガタンガタンとお尻にひびき、道端の雑草の一本一本まで目がいったものです。

それが今はどうでしょう。滑るように何ごともなく疾走する新幹線の窓から、後ろにものすごい勢いでふっとぶ街並みを眺めるようです。あっ富士山だと思っても、うかうかするともう見えなくなっている。そこでうたた寝して、10分もたったかなと思ったら、もう名古屋に着いているという感じです。

これが10年後、20年後は、もっともっと速い乗り物になって、いよいよ宇宙ロケットみたいになってしまい、景色など微塵も見えなくなって、気がついたらそのまま魂が宇宙へ飛び立っていたなんていうことになってしまうのでしょうか。

2.「未来は軽くなる」の法則

今59歳だからあと20年ぐらいあるかな、なんて思ってますがとんでもない。そこで「ある」と思っている「20年」は昔のゆっくりだった20年のつもりでいますが、実は超高速の20年なんて経験もありません。吹けば飛ぶように軽いものかもしれないのです。

SMCを始めて2年になり、その間に720本のブログを投稿させていただきました。昔からずっと続けている日記の延長、拡大バージョンみたいな感覚です。あとほんとうに20年生きるとすると、もう7200書いておしまい。でもたったの7200なんですね。

1本書くのに1時間としますと7200時間ですから300日、つまり、丸々1年近くをそれに費やすことになります。20分の1です。これをもったいないと考えるかどうかでしょう。僕はそう思わないことに決めました。残りの人生の5%はブログを書くことにしたのです。

だいたい明日の朝ちゃんと目が覚めるか、本当に生きているかどうか、誰もわからないのですから、日々の思いを記録することは意味があると思っています。いつそのXデーを迎えても、僕には遺言状が残っているからです。

3.「過去は残る」の法則

2年やってみて、わかったことがあります。SMCをのせているwordpressにはcount per dayというデータ集があって、どのブログが読まれたかリアルタイムでわかるのですが、いまでも、2年前に書いたブログが時々ですが世界のどこかで読まれていることです。

ということは、サーバーさえメンテされていれば、僕が7920本に書きしたためた物事は1000年後も2000年後も残り、あいもかわらず世界のどこかで読んでいただける可能性があるということです。本は絶版になりますがブログは消えません。

過ぎ去った時間は取り戻せませんが、今を少々犠牲にすることで残すことはできるのです。それを日記と呼ぶか私の履歴書と呼ぶか自叙伝と呼ぶかはともかく、れっきとした自分の存在証明であることに変わりはありません。

音楽家が曲を書いたり作家が小説を書いたり、それは書き残したいコンテンツもあるのでしょうが、同時に自分の生きた証しでもある、それを残したいという衝動の産物でもあったのではないかと思います。それはブロガーでも同じことです。

4.「著作は民主化する」の法則

誰でもブログを書ける、これは大げさにいえば「著作の民主化」です。素人がネットで人気小説を書けるし、何十万人に読まれる記事が書けたりするのです。これはグーテンベルグの印刷術の発明という大革命が産んだ著作物という世界に新たな大革命が起きていることを意味しています。

どういうことかというと、小説や記事というものには中味の良し悪し以前に「何人の眼にふれるか」という大問題があるのです。それをクリアするために芥川賞や直木賞をとったり大新聞や有名雑誌に掲載されなくてはならないという高い障壁があります。

5.「書いたのが有名人」の法則

つまり、そのために、まず筆者が時の有名人である必要があるのです。文学賞はにわか有名人を即製する方便なのです。有名人であれば著作が読まれることは昔から道理です。

今流にいえば論語は弟子のブログ集ですし、ガリア戦記は海外出張ブログです。まずは孔子やカエサルが執筆当時から有名人だったからそれも有名になり、中味も面白いから広く長く読まれるようになったのでしょう。

しかし清少納言や紫式部はどうでしょう。武将でも官僚でも学者でもない、実名も生年月日も没年も墓所も不明の官女が国民的に有名になったのはこの2人しかありません。有名になったのは逆に枕草子と源氏物語という著作物の方で、その著者として名を残しました。ここでは「書いたのが有名人」という法則はあてはまらないのです。

6.「面白いから読まれてしまいました」の法則

僕は源氏物語は趣味でありませんが枕草子は大好きです。これは現代人にも本当に面白いのです。何回も現代語版を読みました。すると、何も記録の残っていない清少納言(これもペンネームですが)という女性の実像まで想像がついてきます。宮中もろもろの事物を鏡に、彼女は見事な自画像を残すことに成功したのです。

彼女がそうできたのは、「文字と紙」という当時の文明の利器が現れた恩恵でした。それがグーテンベルグの発明を経て著作が印刷された「著作物」という新たな利器を生み、さらにインターネットという発明が「ブログ」という利器を生むに至っています。

このメディアの進化によって、「書いたのが有名人」の法則は崩れつつあり、「面白いから読まれてしまいました」の時代が幕を開けようとしていると思われます。有名人でない誰にでも可能性は開かれています。

7.「大海の藻屑」の法則

ただ高い壁がひとつあって、「検索」される必要があります。ネットは大海ですから、漂流した小舟はそれがどんなに貴重なものであれ、発見されなければ藻屑のままです。ブログにチャレンジする「有名ではない人」が挫折するのはそれなのです。

ある事柄、何でもいいですが例えば「私のねこ」という題名のブログを書いて、それがGoogleなど検索エンジンの「ねこ」のページの上位に来るのを期待するなら、その前に芥川賞をとるか芸能界でもデビューして有名人になっておくしかないでしょう。

しかし、目につかないほど下位にいては検索されませんから、大海の藻屑になってしまう。これが現実であり、高い壁なのです。

8.「護送船団はレーダーにかかる」の法則

だからたとえ小舟でも「船団」にすればレーダーにかかるかもしれない、そう思ってスタートしたのがSMCです。

今のシニア層は日本国の未曾有の黄金期を築いた世代です。しかしそれは戦争で亡くなっていかれた世代の犠牲と礎の上に築かれたものです。だから我々シニア世代はそれを後世の日本人に伝えられなくてはならない宿命を負っていると思うのです。

そう思うきっかけは鹿児島の知覧で特攻隊の青年たちの末期の手紙を読んだことであり、先月に訪問したチューク島(トラック群島)ではその思いをさらに強くして帰って参りました。

僕は今の日本のシニア層には時間も余裕もあって、残りの人生を有意義に過ごしたい、世の中と何かを共有したい、何かの役に立ちたい、あるいは後世に何かを残したいという方がたくさんおられると思っています。

サラリーマン時代やりたくても出来なかった最大のこと、それはそうやってご自分の思うことや好きなことを自由に発言することではないでしょうか?我々の人生は会社や仕事だけのためにあったのでしょうか。

それはSMCで全部できます。多少のITに関わる作業は必要ですが、僕で出来たのだから大したことでありません。もちろん丁寧にお手伝いご指導申し上げます。

SMCの検索数は現在20万を超えています。週刊朝日の発行部数が19万ですから、2年かかりはしましたが「高い壁」の問題はそこそこクリアできています。船団はレーダーにかかるようになっています。

9.SMCとは

護送船団といっても、全部が同じような舟である必要はありません。レーダーにかかることが目的なのですから、むしろ船種は違った方がいいのです。

僕には僕のやり方使い方があってそうやっていますが、それは船の一つにすぎません。メンバーが何をどうやろうが、政治勧誘、布教、商売の3つのタブーさえ守っていただければ船種は問わないのですから何を書こうと一向に構いません。

イギリスのThe Daily Mirror、ドイツのDer Spiegel(鏡の意味)、我が国にも「大鏡」、「吾妻鏡」が歴史や世相を映し出す「鏡」だと名乗っているように、僕にとってのブログは自分を映し出す鏡です。

僕がいちいち書くまでもなくベートーベンのエロイカは不動の名曲です。しかしどうして名曲と認めるかは実は各人各様と思います。だからそれを記すことは僕の自画像になると考えております。

それは清少納言が「春は」と不動の物事をきり出しておいて「あけぼの」とズバリの結論を述べ、「をかし」、「わろし」と自説を決然と明快に述べている、あれに習っているだけです。

俺はそう思わんという者は切り捨て御免。悪くいえば大阪のおばちゃん的傍若無人ですが、あの小気味の良さと高度な批評精神は痛快であり、「ねこは背中が黒くてあとは白がいい」と断言する彼女にウチの猫を見せてみたいと思わせる何かがあります。

彼女がそう意図したかどうかはともかく、そういう自説の集合体が清少納言の自画像になっています。ネットも印刷機もない時代に女の身で自画像をここまで広めたのだから優れた方法だったに違いありません。それに学ばせていただきました。

しかしそれはいちブロガーとしての僕の個人的な話であり、SMCの主義でも方針でもなんでもありません。そういうことを気にしていただくことも敷居が高いと思っていただく必要もまったくないことを強調しておきたいと存じます。

自画像でも自伝でも半生記でも、エッセイでも小説でも、世相の批判でも賛辞でも、ご自分の文体と方法論で書けばいいし、そういう多様な人が集まることで護送船団はますますレーダーにかかりやすくなり、船団にいる船の一艘一艘がますます読まれるようになります。SMCはそれが欲しいブロガーたちのメディアになればいいのです。

最後に.「案ずるより産むが易し」の法則

だからSMCは日々が未体験の新しい航海であり、こっちに行けばいいこうすればいいという海図のようなものはありません。入る人も出る人もあり、それでいいのです。メンバーとして書いていただければ、HPから読者はそれなりに来てくれ、ブログは永年保存されます。

年会費1万円はサーバー維持費と管理費です。マンションでいえば共益費であり、永年存続のための最低の必要経費ですからこれはメンバーで分割してもっていただきたい。収益目的ではないのでもし数が増えて余剰分が出れば値下げすることになります。

もうひとつあります。僕らはいずれ死にますから死なない法人にしました。経営、管理は僕と西室、中村が生きているうちはやり、いなくなったら子孫が勤めます。この法人は僕と数名が株主で法人にSMCのHPの所有権、版権がありますから方針が曲がることは絶対にありません。

比較的大きかった設立費、監査費用は言い出しっぺの自腹です。メンバーには一銭も負担していただく気はありませんし、これで小金をためようなどという気も必要も毛頭ないことはご理解いただけるかと存じます。SMCはメンバーの方の共益のためだけに存在します。

共益があると思っていただける方こそこれからご一緒にSMCを発展させていただける方です。積極的なご参加を募りたいと思います。我々のご面識のない方、海外在住の方、ウェルカムです。いずれどこかで実際にお目にかかることになると思います。

すでにブロガーの方、これから書いてみたいと思われる方、住所、国籍、性別、宗教、信条、経験、経歴、内容は問いません。年齢はシニア=50としていますが、ご相談ください。

SMCのブログスペースをご提供いたしますので、HPの左の一番下にある「JOIN」をクリックしてお申し込みください。

案ずるより産むが易しです。お待ちしております。

(こちらをどうぞ)

ガリア戦記はカエサルのブログである

 

 

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