Sonar Members Club No.1

since September 2012

吉田さんの10周年記念パーティに思う

2014 OCT 23 22:22:39 pm by 東 賢太郎

昨日はSMCメンバーの吉田さんがパートナーをつとめるブルーベイ・アセット・マネジメント・インターナショナル・リミテッドの東京オフィス開設10周年記念パーティに行ってきました。同社は運用預かり資産1兆6千億円を超える、英国を代表する運用会社です。

帝国ホテル孔雀の間は日本の運用業界の重鎮や前某国全権大使閣下をはじめ盛況でした。ブルーベイ社については、僕も小さいながら同業者としていろいろご一緒したい案件があり、ご社業については仔細に勉強させていただいております。

敬意を表したいのは、日本オフィス開設当初は400億円しかなかった運用預かり資産が10年で15倍の6000億円にまで拡大したことです。もちろん運用成績が良いことの当然の結果ですが、知名度がないところからそれを年金基金などに地道にお知らせしていった吉田さんたちの努力は大変なことです。運用成績が良ければ僕たちの将来の年金が支払われる原資ができるわけです。

ところがよく考えて下さい。年金基金運用は資金を日本国債に投資する比率が非常に高いのが現状です。国債は国の借金です。つまり、年金が国債に投資するということは、国が年金基金から当面の財政資金をお借りし、その元本は利息をつけて年金にお返ししましょうということです。しかし、どうしてその元本、利息が払えると保障されているのでしょう?

それは返せなければ税金を取りたてて返しますという保証、つまり国家の徴税権という担保があるからです。最悪の場合は、税金をとって利息を払い、その利息が年金運用収益として計上され、それが年金として税金をとりたてられた国民に帰ってくるという極めてあほらしいどうどうめぐりなのです。それも取りたてられるのは僕らの世代ではなく、子供や孫の世代でしょう。若者こそこれに怒るべきなのです。

じゃあどうすべきなのか?年金の国債買いというタコ足配当もどきはやめることです。運用者がプロじゃないから失敗を恐れて最も安全確実な国債を買い、財務省からすると必ず国債を買ってくれる上得意になる、こういうお手盛りをやめさせることなのです。つまりプロの運用者が運用する資金の比率を上げるべきである。それに尽きます。

英国のブルーベイは日本国債でなく欧米の債券に投資をして高利回りを安定的に達成しているプロ中のプロです。ここが10年で15倍の資産運用を任されたというのは、だから国民の利益という見地から実に健全なことです。一方で多くの年金基金がAIJのような詐欺まがいの運用者に騙されたという事実もあります。

自家運用していない年金はその任務を誰に委託するか、それは理事の責任であり、任せた相手が悪かったですむ問題ではありません。選別能力を鍛える必要があります。

 

Yahoo、Googleからお入りの皆様。

ソナー・メンバーズ・クラブのHPは http://sonarmc.com/wordpress/ をクリックして下さい。

 

 

Categories:______国内経済, SMCについて, ソナーの仕事について, 経済

▲TOPへ戻る

厳選動画のご紹介

SMCはこれからの人達を応援します。
様々な才能を動画にアップするNEXTYLEと提携して紹介しています。

ライフLife Documentary_banner
加地卓
金巻芳俊