バンカースで自分年金を作ろう
2014 DEC 16 13:13:54 pm by 東 賢太郎
子供のころお正月になるとこの「バンカース」というゲームでよく遊びました。はなやまという会社が米国製のゲーム「モノポリー」を日本バージョンにしたものです。多忙だった親父が家で遊んでくれるという貴重な機会でした。
いわば不動産投資スゴロクで、サイコロを振って周回すると給料がもらえ、止まったマスの土地を買って相手がそこに止まると支払いを受けるという単純なものです。しかし実際にお札のやり取りがあったりして子供心に面白かったのです。
購入代金と収益の割合(利回り)が良い物件を多く持てばどんどん金持ちになるという体感はなかなか資本主義社会の実相を鋭く突いていたと今でも思います。このゲームは現実にはバンカー(銀行)のひとり勝ちだった時代から、今は証券市場を通じてリート投資をすることで誰でも参加できます。金融の仕組みの進化です。
あるいは不動産物件の代わりに業績のしっかりした高配当の株式を複数所有しても同じことです。いまだ不動産神話が強い日本ですが人口減少国で値段が上がり続けることはないでしょう。税効果を考えると雑所得の家賃収入でもらうより配当でもらうリートは合理的ですが、その利得は株価が高くなることで調整してしまいます。
だから不動産収入に頼っていない一般の株式で、配当の安定性が賃貸収入並みにあるなら税効果調整もなく、しかも土地と違って株価はパニックセルといって関係ない要因で安くなる瞬間もあります。それをこまめに買って、リスクを低減するためにポートフォリオ(複数保有)にするのはリスク・リターンの観点から有効な方法です。これはバンカースで子供が遊ぶように楽しめる投資方法です。
僕自身そう思っていますが、老後はまとまった資金よりも安定したキャッシュフローの方が大事と思います。今までその役目を担っていた銀行の金利がスズメの涙であり、政府の年金政策はいずれ破たんします。それは皆さんよくわかっています。すると今度はそれに乗じて、人生最後のまとまった収入である大事な退職金の運用方法で金融機関の口車(まったくプロ性の感じられないものばかり)に乗ってしまう人があまりに多いのです。投資教育の欠如で利する金融ビジネスってなんなのでしょう?
つよくおすすめしますが、「老後キャッシュフロー」は自分で作るべきです。しかも誰でも簡単にできるのです。名づけて「バンカース年金」。預金利子よりずっと高い利回りが持続して得られ、株式ですからすぐ現金化できてお金の出し入れも自在で相続ももめません。ネット証券を使えば売買コストは僅少です。数字を扱うと頭の体操になりますからボケません。株を見るということは世情を見るということ、あらゆる話題に豊富になり友達もできれば社会に取り残されません。
僕はこの考え方を学んで実行する人はこれから確実に増えると予想します。なぜなら老後の人生の愉しみと生活の安定を同時に得る方法として合理的だからです。そうなるとその条件に適合する物件の価格(=株価)は上がりますから年金価値も増えます。キャッシュフローを生む装置そのものの値段も上がるので一石二鳥ということです。ただしここだけは少し知識のいる部分で、配当は利息ではないので下がる危険があります。そうすると株価も下がるから逆のことが起きて元も子もありません。
お薦めしてやり方をお教えしないのは不十分ですが、少しの基本的な勉強は必要なのでブログにはなじみません。講習会をやるか本にでもするしかありませんが、いずれ方法は考えようと思っております。
Yahoo、Googleからお入りの皆様。
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Categories:______株式道場, 経済
西室 建
12/22/2014 | 10:27 PM Permalink
年金はともかく、モノポリーの方は小学生から高校卒業後まで盛んにやった。SMCの腐れ縁、N氏と戦い続けたのだ。投資に関してはそれなりの理論を持ってやっていたのだが、なにせサイコロのメによって大きく運命が変わる。これはまぁ現実でも多少あるところだ。もっとも大きな債権を生ずる『ボードウォーク』を抑えるのとそうでないので様相が変わる。ワイルド・カードで『ボードウォークへ行け』を引く可能性も高い。
N氏は後に金融で大成しただけあって、しばしば資金繰りに窮したオーナーに『ボードウォーク』のストック・シェアを持ち掛け陣営に取り込む談合を画策し、僕はその包囲網を構築する作戦に出た。
サイコロの目の悪い奴が次第に脱落するのだが、そうするとそれぞれの複雑な権利関係がわからなくなり、ついに『公文書が存在しない。』との名言がN氏から発せられたことまであった(要は踏み倒し)。少年時代からこのようなゲームに夢中になっているとどんなものか。参考までに常にモミクチャにされて負けていた者が選んだ職業は弁護士である。