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フォーレ四重奏団のモーツァルトを聴く

2014 DEC 16 0:00:50 am by 東 賢太郎

体調がいまひとつだとモーツァルトにすっと入っていけない、最近ときどきそんなことがあります。他の作曲家だと聴きはじめればそれなりに気持ちが同化してしまいますが、モーツァルトだけは如意ならずなのです。

今日も、アンコールのR・シュトラウスにはぐいぐい引っ張られましたが、メインプロの3曲にはどうしても距離がありました。確かに体調が良くなかったのですが、それだけだろうか?それはまったく演奏のせいでなく、ひとえに自分の性質なのでどうしようもありません。

ピアノ四重奏曲ト短調K.478                                    ピアノと管楽のための五重奏曲変ホ長調K.452                        ピアノ四重奏曲変ホ長調K.493

というプログラム、最高ですねえ。モーツァルト好きが見逃すわけには参りません。K.478は先日、ウィーン弦楽四重奏団と遠山慶子でも聴きました。ゲヴァントハウスもそうでしたがピアノカルテットはなかなか聴けないということもあってチケットを買いました。K.452のピアノ四重奏版は初めて聴きましたがオリジナルのように自然です。東京文化会館小ホールの室内楽、ピアノソロは悪くなく東京では一番良好かもしれない。ここでチッコリーニのソロを聴きましたがファッツィオーリの音が良く鳴っていたのを思い出します。

今日のフォーレ四重奏団は有望株ですね。ドイッチェ・グラモフォンが起用するだけのものがあります。若々しい流麗さとデリカシーを兼ねそなえており、ppの意味にも深いものがこもっており上質の音楽でした。K.493は中でも大好きな曲ですが、第1楽章でピアノが音階をかけ登ってヴァイオリンが応えるところ、青空にすうっと雲が一筋のびるような様の表現は見事でした。

ああしかし、それでも入れなかったのです。プログラムのフォーレ四重奏団からのメッセージにこうあります、「諺にもあるようにモーツァルトは子供には易しすぎ、大人には難しすぎるのです」。体調なのか大人になったのか、むかしのように天真爛漫にモーツァルトを楽しめなくなっているかもしれない。

そうだとしたらもう音楽をやめるか人間をやめた方がいいんじゃないか、そのぐらい重大なことです。モーツァルトなしに生きていても仕方ない、ずっとそう思って生きてきたのですから。これはまずいですね、正月は愛聴盤を片っ端からききなおしてみよう。

 

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Categories:______モーツァルト, クラシック音楽

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