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僕のSTAP論文事件ブログについて

2014 DEC 21 15:15:59 pm by 東 賢太郎

僕のブログは開始2年3か月たった今現在のべ25万人ほどお読みいただき、ざっくり7割ぐらいが音楽記事の訪問者という感じである。正直のところ、自分がプロの部分よりアマの部分のほうが関心を持たれているのは、どうしても居心地が悪い。ブログ題材は死んでも残る自分の鏡と思っている。正確に写したい。歪んでいるかもしれない専門外の鏡によってではなく。

証券業務経験者のアングルからSTAP論文問題について3月に書いたらそのブログを2万8千人ぐらいが読んで下さった。僕は最大の証券会社でエクイティ業務に従事しファイナンス業務で役員という地位も報酬も得ていた者だ。だから世間的な定義上はプロということになるだろう。その眼で見てあのファイナンスはおかしいので書いた、だからたくさん読まれた。これは自分の鏡として納得がいく。

しかしあの記事は引用はされたが反論も反証もない。それは仕方ない。あの本文部分に反論するのは普通の証券会社員でも無理だ。マスコミも含めて部外者には本質的なところはピンとこないと思う。その特定の業務経験のある限られた人しか通じないニオイであって、プロなら反論より同感でしょという逆にあまりにあたりまえのことだ。

ところが引用といっても、法的、実務的な理解が浅いか根本的にカン違いの脈絡でがほとんどである。僕はSMCで身分も経歴も開示しているが、僕が誰かも正確にわかっていないような人が同じくわかっていない人向けに引用したってネットトレーダーのポジショントーク並みの軽さだ。

一部良心的と思われる方からもっと易しく書いてくれというコメントや質問をいただいたが、易しく書いてもさらにカン違いの引用が増えるだけで何か生産的なことが期待できると思わないという結論に経験的に至った。僕は大衆週刊誌の記者ではないからたくさん読んでもらう意味はない。あれを読んでわかってほしいのは、読んですぐにピンと来て責任ある行動をすべき立場にある人達だけである。

そもそも小保方さんが美人だとか詐欺師だとかいう類の下世話なことに僕は何の興味もない。科学者の良心、子供の教育、そして法の正義、そのいずれもに日本国民として深い衝撃を覚えたから書いただけだ。行為を注視、検証すべきなのであって、行為者が誰かはいささかも問題ではないし、問題にすべきでもない。小保方さんの人格攻撃などもってのほかである。

隣りの国のナッツリターン事件を冷静に見ていると法治国家の法の正義という大きな問題があぶりだされてくる。正義が国や部族によって変わるのは認めても、財閥わがまま姫への国民感情が法律論に及ぶなら法治国家という建前はぎりぎり帳尻を合わせたとしても、国際社会での理解という法律ではない国家の品格のような判断基準では陰ひなたで裁かれてしまうだろう。

STAP論文捏造事件、これは日本の頭脳クラスの自殺者まで出した事件(case)であり科学者の手をもはや離れている。「(科学なのだから)部外者には本質的なところはピンとこないと思う」というフェーズにはもうないし、あってはならない。

理研の幹部は国民に対して真摯に責任を持って事実を調査、報告すればいいのであって、下村文科大臣のいう次のステップに進める能力は彼らには誰も期待していないし彼らの責任領域でもない。税金で運営される機関なのだから、世界の常識として、次の国会で国民の前で議論されるべきである。

ブログに書いた通り、検証実験の不成功は初めから事件の本質にとって何の関係もない。小保方さんもそれで悩む必要はぜんぜんないということだ。

 

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