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カープのオウンゴールには怒りしかない

2015 JUN 3 0:00:37 am by 東 賢太郎

信じ難い負けである。完全なる自滅采配。監督のオウンゴールとしか書きようがない。

前回ブログで、勝つ気があるんなら先発6人を完投させろと書いた。今日こそまさにそれだった。8回はめずらしくマエケンを引っ張った。谷口に不用意なホームランを打たれたが中島を三振で回を締めくくる球威はあった。そのままマエケンで行ってくれと祈ったが、やっぱり中崎に替えた。

もうこの時点で暗雲がたちこめる。2点もリードしてるのに何をびびったのか、ストライクが入らない上に球威もない。マエケンが完投と思ってたんじゃないか、ブルペンでなにを準備してたの?という球だ。先頭にいきなり最悪の四球を出して中田翔だ。あきらかに動揺している中崎のところへ行ったのは監督の緒方でも投手コーチの畝でもキャッチャーの會澤でもなく新井だ。ホームラン打たれてもまだ同点だぞぐらい言ったのか、中崎の顔が少し元気になった。

新井が行ったのはあの「野村さらしもの事件」の時とそっくりな空気がマウンドを吹き抜けていたからだ。「打たれたら知らん、お前の責任だぞ」というよそよそしい空気。ほっとした。監督でもコーチでもない、実は新井こそがカープの大黒柱、精神的支柱なのだと証明するシーンがTVで全国放映された。スタンドからも拍手が聞こえた。心あるカープファンはみなさんそう思ったに違いない。

しかし、ヒットを打たれた。ここでもうやばいと思った。

相手がバント失敗してくれて流れが来たかと思ったら今度はなぜかそれを断ち切って戸田に替える。中崎は出しておいて信用してない、使い捨てなんだ。そしてこの勝負が大外れである。理屈でない。ほんとうに勝負弱い人だ。かわいそうに戸田は懸命だ。スローで見ると着いた足が雨で滑ってるが自分で気がついてないのか動転して言えないのか、アピールしない。そして四球の連発で押し出し、そしてストライクを取りに行って逆転打。若者が舞い上がってるんだからさ、砂ぐらい入れさせろよ、畝コーチというのは何のためにいるんだよ。

中崎と戸田に冷たいようだが、この結果は雨のせいじゃない。9回裏、日ハムは抑えの松井が出てきて、同じ雨の中、難なくきっちり3人で終わらせた。

せっかく断食の効果で気持ちがおだやかなのにブチ切れてしまった。

オリックスの森脇監督が休養というニュースでこの日はショックが走った。彼には同情するしかない。フロントのおめがねで大枚払った大補強組がパラシュートで降りてきて、給料安い伸び盛りの若手はしらけてキャンプの練習機会も減って、そいつらが幕を開けたら全員おやすみだ。去年チームをけん引した選手たちがふざけんなバカヤロー状態であることは想像に難くない。

しかしだ、いっぽうでだ。広島カープのほうの戦力は、特に先発投手陣の数と質は、12球団トップといっておかしくない。前回も書いたように、打てないと言われる打線だって得失点差を見てもトップクラスなのである。フロントの補強だって黒田にしろジョンソンにしろ新井にしろ、いきさつはともかくちゃんとワークしている。チーム内で文句が出て士気が落ちる要素なんて何もない。

唯一、リリーフ陣をのぞいて。

そんなことはシーズン前からわかっている。クローザーをヒースで行くと決めたのは誰だ。責任問題だ。DeNAは勝ちの半分が逆転勝ちだ。広島は1点差試合はほとんど負けだ。7回までは一流の投手で、8回からは二軍並みの投手だからだ当たり前だろう。相手はカープ戦は8回で2点負けならひっくりかえせると思ってる。DeNA戦は山崎康が出たら1点差でももうダメだと思ってる。こんなので勝てる?ありえませんわ。

だから先発に完投させるしかないのだ。しかし緒方と畝じゃあ彼らを説得できん、そういうことだろう。マエケン、こんなとこで男気で頑張ってマー君みたいにメジャーで故障したくないさ。そこまでしても監督を胴上げしたいなんて思ってないということだろう。こういう空気は伝播する。

緒方が休養ということはない。どんなに負けても。オーナー名代でベンチに座ってるからだ。オーナーは悪くない。休養もしない。何があっても。これは宇宙の絶対原理である。悪いのは常に選手だ。だから打たれればマウンドで「さらしもの」でおしおきだ。外人と一緒だ、だめなら切ればいい。中継ぎ?使い捨てだろそんなの。故障するまでやらせろよ。頑張ったらスコアラーぐらいにしてやっから。うまくすりゃコーチだってあるぞ。要は忠誠心だよ、忠誠心。

直感だが、この球団はこんな感じがしてならない。NHKの会長がN響の指揮者呼んで、「キミ、振らしてあげるからさ、第3楽章の例のとこね、こういう感じににやってくんないかな(歌う)。それからコーダは思いっきりドドーンと盛り上げてね、うん、客がよろこぶからさ。キミ、ゲージュツはどうでもいいんだよ、客が入ればな」。指揮者はイエスマンでそのとおり振る。えっ、なに、だっせーなこいつ?楽員はしらける。でも仕方ない。指揮者の顔が会長に見えるから。まーどうせお仕事だ、うまくやっとこうぜ、今日は早いとこきりあげて焼肉食いに行こ。

まだまだペナントレースはこれからだと思ってる人も多いだろう。とんでもない。

セリーグの優勝ラインを80勝とすると、DeNAは残り88試合を48勝40敗でいい。今のペースだと貯金はこれから18ぐらいできるが8でもいいということだからDeNAの優勝はもうすでにかなり現実味がある。巨人は49勝39敗でいい。かたやカープは57勝34敗が必要である。残り試合で23も貯金しなくては優勝できないのだ。ぺナントの3分の1が終わった現在で借金6のチームがこんなばかな試合をやっていてそれができるとなると天変地異の部類だろう。

もうほぼ断言していい時期だろう。この首脳陣で優勝する確率は限りなくゼロに近い。

 

 
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