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オーディオ電源は落とすなかれ

2016 MAY 1 1:01:59 am by 東 賢太郎

26日から30日までプレゼンがたてこんで休む間がなく、寝不足でもありストレスもあり頭がナッツ状態でした。

ところで土曜日に、KW氏を拙宅にお呼びして打ち合わせした折、少し音楽でも聞きましょうとなって本当に久しぶりに地下でCDをかけたのですが、彼が好きというカーペンターズのSACDの美音が心にしみてしまいました。彼はこういう音は初めてだったようで、僕のほうはあまりに久しぶりであって、ふたりして感動したわけです。

ところが、仕事に気がとられていたのかそこで入れたオーディオの電源を、そのまま落とし忘れてしまいました。まる一日たって、さっき地下室へ下りてそれに気がつきました。せっかくだし、なにか音に変化があるか聴いてみたいと思い立ちましたが、困ったことに今日はさらに疲労困憊していて、こういう時は音楽さえのどを通らなくなります。CD棚を端から端まで眺めましたが何一つ食欲がおきません。

374ふと、床に積んであった未聴のディスクの山が目に入りました。その一番上がこれだったのです。酷いもんでもう1、2年は買ったまま封も切らずに放置していたと思われます。昔、オーディオを教えてくれた友人にハイエンドは電源を切るなと教わっていたこともあり、また、ホヴランドのストラトゥスは「切らないのが望ましいが電気代を気にする人もいるので仕方なく入力スイッチを2段階にした」という製作者のコメントを読んだ記憶もあったから、それなら録音の良いSACDでオーケストラを聴いてみようという気になりました。特に意味もなくこのPentatoneレーベルのメンデルスゾーン4番(C・デイヴィス/ボストンSO)を鳴らしてみたのです。

これが衝撃でした。まったりしたアナログ的な弦、鮮明に音楽的に鳴る管、締まってブーミーにならない見事な低音、質感のあるティンパニ、すべてのパッセージが生き生きと脈動し、楽器の定位ははっきり感じられるではないですか!原盤は76年録音ですからフィリップスのアナログ全盛期で、ボストン・シンフォニーホールの最上の席に座っているかのようで、かつてこのシステムからこういう音はしなかった。

まったく何気なくかけたのですが、こういう音の前では疲れなど跡形もなく吹っ飛びます。演奏も大変良ろしいのです。偶然から宝物のディスクが見つかり幸運でした。ほぼ居眠りしていた脳ミソが一気に覚醒し、日付は変わりましたが本稿を書く気力がみなぎったのです。

良い音、良い音楽はクスリです。

 
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Categories:______メンデルスゾーン, クラシック音楽

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