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やさしいおじさんになったつもり

2019 JAN 10 0:00:06 am by 東 賢太郎

さいきん毎日いろいろな方とお会いする機会がありもろもろの話をするが、気がついたことがある。若い人は僕がだんだん自説に熱が入ってくると威圧感を感じるらしいのだ。こっちはそんな気はなくても怖いといわれたこともある。サラリーマン時代ならわかる。でもいまはすごくやさしいおじさんになったつもりだったので、けっこうショックなのである。

香港時代、毎日きわめて機嫌が悪かったらしく、「笑っていてちょうどいいぐらいですよ」といわれて、それはそれでこたえた。飲みニュケーションの場になって初めて「笑われることもあるんですね」なんて女子社員に驚かれるのはずっと若いころからだし、顔が怖いのは仕方ないとあきらめていたわけだが、僕は集中力で仕事するタイプなので「はいってしまう」とどう見えようが周りのことは気にしない。

しかも、集中すると2倍速くやらないと気がすまず2倍短気だ。いまは1.1倍になっているが、それでもソナー案件を何度も助けてくれた税理士のN先生や弁護士のM先生、A先生、会計士のA先生、アナリストのM君など「アズマ経験値」(飲むと酒の肴)が高く、もちろん能力も高く、即座に臨戦態勢に入ってくれるおかげでなんとかもっている。N先生など、あっ、また始まったと楽しんでおられる風情すらある。

とにかく思いついたらすぐやるので、この先生方は外国から携帯に直で「あれを明朝までにやってくれ」、(会議中なのに)「この条文をすぐ直してくれ」なんてのを見舞われておられる。「遅い!ビジネスがわかってない!」なんて叱咤もしてしまった(無礼な話だ)。しかしそんなのは礼儀正しいほうで、昔の部下は例外なく机をぶったたいて怒鳴られている。それでもついてきてくれるなんて、誰でもできることでないのは僕が一番わかってる(僕なら無理だし)。それに最大の敬意を払っているからこそ、長いお付き合いになっているわけである。

僕は徹底した問題解決型人間である。ゴールに最短で達する方法以外になんら興味はない。それを僕以上の速度でできる人は世界にあまりいないと思ってる(野球のピッチャーと同じ、そうでもないとこの仕事はできない)。だから余計なことをしたりくだらない茶々が入ったりされるのが決定的にだめである。そんなの相手にする暇はない。こうやれば解ける、最短の解法はこれだ、という確信なしに僕が動くことはあり得ないし、それを瞬時に共有して持ち場持ち場で必要なことを判断してさっとやってほしい。やれば結局は僕が最後はやるのだから勝率は高く、その人は利益を手にするし成功体験も積める。

いろいろお付き合いが増えてきたし、本稿を読まれる方もおられるだろう。僕以上に上記のことができて収益があげられる方がおられれば、経歴、年齢、性別、国籍すべて不問で、ソナー・アドバイザーズの社長をいつでもおまかせしたい。ことし64になるので、65までには後継者を作らないといけない。なんでこんなに頑張ってきたか?2億円も借金しちまったからだ。返せないから必死に働いた。なまけものなのでケツに火がつかないと本気でやらないが、気がついたらそれもなくなった。相続は終わって無一文だし、事業の引継ぎをすれば断捨離も完了、背負うものがなくなる。

僕は50で野村をやめて55でサラリーマンをやめた。65というのは何ものかではあるだろう。そもそも税金で勉強させてもらって社費で留学させてもらって社会人としては自己都合で何回も「FA宣言」させていただいた。同世代でこんなにわがまました人間も珍しいだろうが、いま30代以下の人たちは、入った会社が終身雇用をキープしてくれるかどうか心配する以前に会社が消えているリスクを考えなくてはいけない。そんなの普通でしょという時代を生きていかなくてはならないから僕のやったことはいいシミュレーションだ。ポイントは、FA宣言は採ってくれるところがあるからできるということだ。つまり労働市場での自分のバリューをあげておかないといけない。

簡単だ。僕が社長をやってもらいたいと懇願するような人物になれば、はっきり書くが、いつFA宣言してもぜんぜんOK。経験者が言うのだから間違いない。「どうすればそうなれますか」と質問するような人は、かわいそうだがなれないからあきらめた方がいい。修行がいるのだ。その場はどこでもいい、与えられた仕事(嫌な仕事、難題であればあるほど良い)とがっぷり四つの真剣勝負をして最後まで完璧にやり遂げる。自分なりに解決する。責任を持つ。それを積み重ねる以外に手はない。解決しないまま何百年やっても、そんな経験は無意味。僕はそういう人は、とりあえず一回は叱る。それで気がつけば脈はあるし、それで治らなければもう二度と叱らない。なぜなら叱ると怖いといわれるし、できればやさしいおじさんでいたいからだ。

 

65から断捨離にはいる

 

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Categories:ソナーの仕事について, 若者に教えたいこと

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