N響定期、ヤルヴィのハイドン102番
2018 SEP 30 0:00:40 am by 東 賢太郎
ほぼ3か月ぶりのコンサートでした。
シューベルト/交響曲 第3番 ニ長調 D.200 R. シュトラウス/ホルン協奏曲 第2番 変ホ長調 ベートーヴェン/「プロメテウスの創造物」序曲 ハイドン/交響曲 第102番 変ロ長調 Hob.I‒102
サントリーホール
指揮:パーヴォ・ヤルヴィ ホルン:ラデク・バボラーク
バボラークのホルン協奏曲がよかった。ホルンの音はオーケストラの「生地」に欠かせないレシピであり、とりわけドイツ音楽においてはそうであってR・シュトラウスは親父が奏者だったからコンチェルトまで書いてしまった。なんとも心地よい、最高の音でした。アンコールはブラームスのトランペットのための練習曲。
今日はなんといってもハイドン102番だ。冒頭の変ロ音のユニゾン。おっ、ベートーベンの4番が始まった、いつもそう騙される。どうやら僕の場合は、変ロ音はそれとブラームスP協2番の出だしのホルン音で記憶しているらしいのです。こういうの、絶対音感とはといわないのでしょうがありますね、ハ音は春の祭典の出だしのバスーンだし。耳タコ音感です。
102番の調性の構造は面白いです、ここでは詳しく書きませんがロンドンの聴衆の耳は相当に凝っていてハイドンはそれにチャレンジしながら遊びを仕掛けてる。ロンドンセットはザロモンが発起人ですがハイドンに腕を振るわせたのは客です。舌の肥えた客が料理人を刺激するように、手慰みのBGMを求めた王侯ではなく市民階級が客だったロンドンは非常にレベルが高かった。その伝統は現代でも続いており、6年間その一員として楽しませてもらった僕にとって、あの日々は演奏会場の周囲の雰囲気にインスパイアされ大変に充実していました。
ヤルヴィの快速のアレグロは良かった。あれでないとハイドンははじまらない。現代のフルオーケストラで演奏するとベートーベンにひけを取らないことがわかります。N響も好演でした。
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