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オバマ外交に思う

2014 MAY 1 20:20:47 pm by 東 賢太郎

このたび拝命することになった顧問職と同時に新会社の経営にも関わらせていただくことになりました。ブログは週末の書き貯めを順次上梓してきましたが、この1~2週間はそのことで多忙で種切れになりました。

いま注視しているのはオバマのアジア歴訪で見えたアメリカのスタンスです。ニュース等からの感触ですが、彼もバイデンも尖閣など眼中にはなく靖国へ行ってTPPで言うことを聴かない安倍内閣も見切っていて次は石破ぐらいに考えているのでは。11月の中間選挙でヒラリー相手に苦戦は確実ですが、中東和平交渉期限切れ、ウクライナで対プーチン弱腰など外交下手を批判されても軍にばらまく金はないでしょう。中国と裏で握って米国債を買わせる(売らせない)というドル防衛がプライオリティーと見ました。

FRBイエレンは明確にテーパリングですから日銀が野放図に金融緩和継続をするとは思えません。黒田総裁の発表は消費増税の重しがあるためで、7-9月のGDPでさらに10%への増税が決まりますからそれまでに経済が減速していることを示唆する統計が出たり株価が下げることはまずいわけです。10年国債利回りが0.615%(本日)なのにメガのプライム貸出金利は0.5%以下です。一般企業の方が日本国よりも安い金利でお金が借りられるという信じがたい事態になっています。

メガはおそらく日銀から0.1%ぐらいで引いてますから国債を買えば0.5%で運用できてしまう。しかしそれではマネタリーベースが増えませんから金融緩和の効果はでず、バカヤローということになっている。確定的に(かなりの高確率でという意味ですが)円で1%以上で回せる運用商品はあまりありませんが、もしあるならばこの黒田政策があるうちに企業は円キャリーをやるべきです。千載一遇の好機と思います。

米中が通貨ペグ合意をした可能性は高いのですが、相当景気減速感のある中国の人民元が大きく上がる要因は考えられないので大きくドル高(円安)に振れる感じもありません。むしろ90円台半ばに戻るかもしれません。そうなると株価にはマイナスであり黒田政策は継続です。以前に指摘しましたが2%インフレターゲットを設定しておいて安倍さんのご機嫌を取り、円安と株高で2%達成となって日銀は大嫌いな緩和策から逃げるというシナリオは少々無理が出ているかもしれません。バランスシートの劣化による国債価値の毀損に神経をとがらせる日銀として米中ペグは鬼門になるかもしれません。

とりあえずの走り書きでした。

Categories:______国内経済, 経済

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