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プロ野球 チーム別年俸ランキングに思う

2014 APR 29 11:11:32 am by 東 賢太郎

流行の最先端を見習って「コピペ」をしてみました(残念ながら改ざんはありません)。出典元は「Baseball-Money. net」です。

プロ野球 チーム別年俸ランキング

順位 チーム名 2014年 総年俸
1 巨人 45億7465万円
2 ソフトバンク 38億3680万円
3 阪神 32億1450万円
4 楽天 27億1320万円
5 中日 26億7530万円
6 ロッテ 24億9840万円
7 オリックス 24億9285万円
8 日本ハム 24億1155万円
9 ヤクルト 23億1975万円
10 西武 22億6310万円
11 横浜 21億2490万円
12 広島 20億8585万円

 オリックス(24億9285万円)+広島(20億8585万円)=巨人(45億7465万円)がほぼ成立し、オリックスと広島はどちらも現在1位です。

1位+1位=3位

世の中には不思議な方程式があるものです。

この3連戦の先発投手年棒(青が勝ち試合、赤が負け試合)

広島  篠田(1500万円)九里(1200万円)前田(2億8000万円)=3億700万円 巨人  杉内(5億円)大竹(1億円)内海(4億円)=10億円

以下、ポジション別で「巨人選手÷広島選手」を見てみましょう。

捕手       阿部(6億)÷石原(1億)=6倍                                   一塁手  ロペス(1億7000万円)÷ エルドレッド(5100万円)=3.3倍           二塁手  片岡(9500万円)÷菊池(3900万円)=2.4倍                   三塁手  村田(3億円)÷堂林(2000万円)=15倍                      遊撃手  坂本(1億8000万円)÷梵(1億円)=1.8倍                     左翼手  アンダーソン(6000万円)÷ロサリオ(1000万円)=6倍             中堅手  橋本(1400万円)÷丸(5100万円)=0.3倍                    右翼手  長野(1億8000万円)÷廣瀬(6000万円)=3倍

橋本だけが下ですが、センターに人材がいないのは巨人の弱みということでもあります。野手全員で巨人÷広島=15億9900万円÷4億3100万円=3.7倍です。前田以外が先発投手の日は9人足しても阿部一人より安いですね。広島の投手は自分の30倍も給料をもらっている投手と投げ合って、敵軍の4分の1の給料の打線に援護射撃をしてもらい、自軍の4倍もらっている打線を押さえないと勝てないということです。篠田が杉内に投げ勝った1勝というのはそれほど重いものなのです。

ところが上には上があって、7年で160億円のヤンキース田中は広島の全員分より高いのです。メジャー歴代3位の奪三振ショーに湧くヤンキースファンと、快進撃に酔いしれるカープファンと、どっちが快感や価値を感じているかといえば甲乙つけがたいでしょう。しかしどっちのファンが球団にお金を払っているかというとこの差になる。入場券やグッズやTV放映権の売上げでいえば田中ひとり>広島全員、ということです。本当にそうかどうかはともかく、そうだということで球団経営が成り立っているのは事実です。

これは野球というスポーツそのものの経済的価値が日米で違うということなので仕方ありません。そんなに違うの?日本だって人気はあるでしょ、と思われるかもしれません。たしかにそうですが、そういうことは「数字」を見ないで議論しても意味がない、真相は分からないのです。例えばです。シカゴからウィスコンシンまで1時間弱のフライトに乗った時のこと、地上に見える野球場があまりに多いので、高所恐怖症をおして夢中で数を数えてしまったことがあります。このフライトは半分ぐらいが湖の上だから地上だけなら実質30分のフライトです。いくつあったと思いますか?110個です!野球場が。

この数は山本五十六がエンパイアステートビルを見て、こんな国と戦争しちゃいかんと思ったのに充分匹敵するでしょう。こんな国と野球をしちゃあいかんというレベルなのです。アメリカの人口が2倍としても、飛行機に30分乗って野球場が55個見える場所を日本国で探すのはまず不可能です。これはもう文化の問題であって、土地の広さだけでは説明がつきません。ベースボールフィールドはテニスコート並みに土と芝と整地が必要で維持費がかかるのであって、男の子はほぼ全員が夢中になってまず野球をやるという文化がなければそんな数が維持されているはずもないと思われます。

そんな国へ行って最多安打を打ったり最多奪三振やノーヒットノーランをやってしまう男たちがカープ全員分の給料でも当たり前、まったくもって当たり前だなと僕は思います。アメリカという国中、お金を払ってでもそういう奴を一目見てやろうじゃないかという屈強で腕自慢の元野球少年だらけなのです。そして、メジャーへ行きたいと思う選手の気持ちだってよく分かります。イチローやダルビッシュぐらいの図抜けた子は日本の鐘や太鼓の村祭りみたいな球場のヒーローにはてんで飽きたらず、もし俺がアメリカに生まれていれば100倍女の子にもてて100倍稼げたのにと思うのは男の子としてあまりに自然な事だと思うからです。

だから来年ほぼ確実に前田健太はメジャーを目指しますが、ファンとしては痛いですが元野球少年としては大賛成。それでこそ日本男児です。そのトレードマネーでカープはまたいい補強をすればいい。それがうまくいって巨人を倒せるようになったのが今季であり、日本野球はメジャーのファーム化していると批判されますが、巨人、阪神のファームとまでいわれたカープが勝っている。スポーツですから勝てば官軍。これぞ弁慶と牛若丸であり、めざしの土光さんじゃないがその質実剛健なひたむきさは日本人、日本経済に元気を与えるのではないでしょうか。

 

Categories:______プロ野球, 野球

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