Sonar Members Club No.1

since September 2012

大瀬良、次世代エースの片鱗

2014 MAY 2 11:11:38 am by 東 賢太郎

大瀬良が阪神戦2勝目、1失点で完投してくれました。「先発すれば誰にもマウンドを譲りたくないという思いがある」と語ったそうで、これは頼もしい。先発としては当たり前と思うのですが、最近はメジャー流の球数制限方式が主流だから6回まで投げて「試合を作れてよかったです」なんてインタビューをよくきいてがっかりします。なにか投手としての持って生まれた闘争本能を感じなくなっています。ネコがネズミを追い詰めました、そこで仲間のネコが仕留めてくれてありがとう、そんな風に聞こえる。そんなネコはいないのです。管理野球は勝つためであれば仕方ないですが、管理慣れした選手はサラリーマン化していて実につまらないですね。

この方式は理屈があって、7回というのは相手打線が3順目になります。そこまで仮に完全試合でも6回×3アウト=18人で18人÷9人=2順してます。3回目の打席になると投手はほぼすべての球種を見せています。そして18アウトを取るまでに、一人5球で片づけたとしても18×5=90球を投げているので7回は100球を超えてきて握力などが落ちてくるのです。だから肩の保全のためにも、打たれないためにも、まだ疲れておらず球を見せてない中継ぎ投手に替えた方が合理的ということです。だから7回から昔なら阪神のJFK、今なら巨人の山口、マシソン、西村となるのです。いわゆる勝利の方程式というやつですね。

今年のカープも一岡、中田が好調でここに永川、ミコライオとつなぐ方程式ができ、たしかにこれが強さの原動力にもなっています。しかし、それにもかかわらず、大瀬良は完投させた。相手が何順目だろうが全部球種を見せようが握力が落ちようが打たれないのがエースの条件なのです。9回にホームランを打たれてさらに2死2,3塁で野村監督がマウンドへ行って言った言葉は「完封はそんな簡単にできるもんじゃない」だったそうです。これはいい言葉をかけました。お前が完封したかったのはわかってるよ、でもお前はいつでもできるだろ。それよりきっちりと完投せい!という含みだからです。エース候補の投手のハートに響きますね。前田の跡継ぎへの期待がこもっている。監督も成長を感じます。

監督の方は、この試合でホームランを打って4安打のロサリオを試合後になんと2軍に降格させました。キラが復帰するからです。それは実績からして順当な判断ですが、ロサリオは頭に来てるだろう、とりあえず。ミコライオとサファテのクローザー争いで似たことがあり結局サファテは出て行ってしまいました。ここは監督のマネジメント能力を問われるところです。頑張ってほしい。ロサリオは阪神先発岩崎の自慢の高めストレートをバックスクリーンにたたきこみました。カープであれを打てるのはエルドレッドぐらい。あのバッティングは惜しい、あれは岩崎の自信を粉砕するダメージがあったはず。しかしこんなシビアな競争がカープで起きるなど何年振りかでうれしい悲鳴ということでもありますが・・・。

 

Categories:______広島カープ, 野球

▲TOPへ戻る

厳選動画のご紹介

SMCはこれからの人達を応援します。
様々な才能を動画にアップするNEXTYLEと提携して紹介しています。

ライフLife Documentary_banner
加地卓
金巻芳俊