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クラシック徒然草ーカサドシュとセルのモーツァルトの愉悦ー

2016 JUN 13 1:01:59 am by 東 賢太郎

これを5月1日に書いて以来、一度も電源を落としていません。

オーディオ電源は落とすなかれ

効果は顕著で、音がまろやかで深みが出ています。CDが全部SACDになったようなイメージであります。

昨日、ロンドン時代に買った箱モノセットが危険なことになっているのを知って、これだけは勘弁というのをいくつか取り出しました。そのひとつがこれ、ロベール・カサドシュがジョージ・セルをバックに演奏したモーツァルトのピアノ協奏曲集です。無事でほっとしました。なにせここに入っている26番ニ長調K.537は同曲最高の名演であり、これを凌駕する演奏が現れることはまずありえないというものだからです。

casadesusこれを買ったのはブックレットに「2May88 at Home leave、石丸」とあります。ロンドン駐在4年目のGWに家族を連れて帰国したとき、東京銀行で「お留守番口座」から送金した帰りに秋葉原へ寄ったようです。前年10月に生まれた長女を親に見せたんでしょう。石丸電気は帰国すると必ず寄って、日本プレスのCDは英国で買えないのでわくわくして買っていたのが懐かしい。

この箱モノは4枚組で、15,17,21,22,23,24,26,27番が入っています。あんまり音が良いイメージはなかったのですが、今回1か月半バーニング(火入れ)して聴いた音は驚愕ものでした。

初めてわかりました、このセル指揮コロンビアSOによる26番ニ長調K.537のオーケストラパートがこんなに素晴らしいとは!筆舌に尽くし難い。そしてカサドシュのピアノの見事さと言ったら、第3楽章、このテンポでこんなにレガートでチェンバロのような触感で!

モーツァルトの音楽というのは宇宙空間の耳に聞こえない元素の振動に共振したようなものを含んでいます。セルとカサドシュはそれを感じ取って強い「気」を発していて、それがこの26番からびしびし出ています。それをこういう音響で聞くと僕の身体もその気に共鳴しはじめ、それを通じて宇宙と合体しているような気分になるのです。

こういう音楽は耳の悦楽を超えて、全身の細胞に響きます。自分の魂ごと26番に入りきり、口笛で合奏に参加し(何という快感!)バスを歌いました(何という満足感!)。音楽が、モーツァルトが、いかに僕にとってなくてはならないものか。

先週以来かなり疲れていたのですが、全部ふっとびました。こういう思いを一人でも多くの方に味わえるようになっていただくことを願ってやみません。

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Categories:______モーツァルト

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