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長い一日でした(Brexitでおきること)

2016 JUN 25 1:01:36 am by 東 賢太郎

英国の国民投票は世界の金融市場を丁半博打の鉄火場と化しましたが、「丁と出るか半と出るか?」で大方が大外れ。ちょっと待ってよ!という声が世界中から轟いたという意味ではリーマンショックというよりも1987年のブラックマンデーに近い印象です。

ということで午後は全日程キャンセル。読響の定期演奏会もディナーで見送り。

ブックメーカーのオッズが前日で残留が1.2倍、離脱が4.3倍とだいぶ開いていて騙された向きも多いようです。この数字は残留が圧倒的有利に見えますが、これは金額であり頭数でない。BBCはじめマスコミの予想も結果的に残留に楽観すぎでした。国民投票は読めないという教訓が残りました。政治家は頭で考えるが、国民は腹で考えるということです。

いろんな方と話した当面の結論は、

  1. 国家の問題<ディバイドの問題(移民、テロが引き金)
  2. グローバルより自国利益の保護(内向き社会)
  3. 自国利益より我が身の生活(家向き社会)
  4. ヒトが動かない=モノ、カネも動かなくなる(非流動化)
  5. 経済のモビリティ停滞による成長率鈍化(新たな不安)
  6. 税収減で傾く国家が(国家破たん、戦争の危機)
  7. 金融政策の無力化(世界デフレの序奏、これ生き地獄!)

です。この兆候はすでにありましたが、決定打になったのは、英語圏の大国でそのダメ押しが確認されてしまったことです。アラブの春は英語圏でなく、英語メディアがオブラートに包んで発信できた。しかし英語の本丸では情報は世界に筒抜けなのです。それが各国でどう解釈され、どう使われてしまうか、誰もコントロールできないし予測すらつかない。離脱に2年あるという話ではない。

EUやブリティッシュ・コモンウエルスの存立は経済ではなく政治であり、リーマンショックは経済が経済を振り回したものでしたが、今回は政治が経済を振り回す。すると第2ラウンドで経済が経済を振り回すという2次災害の可能性がある、それが怖いのです。

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Categories:______グローバル経済

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