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黒田が引退

2016 OCT 18 22:22:22 pm by 東 賢太郎

いよいよ来てしまったか。

この1年、僕は広島カープがきらいになってました。それは黒田のカープ復帰があまりにうれしく、たのもしく、他チームにやられ放題で翻弄された弱いカープの屈辱を晴らしてくれるはず、そう確信したからです。期待が大きかった分だけ、「倍返し」で裏切られた無念は甚大でした。

2014年12月27日に書いたこのブログが当時の気持ちであり、その後の起点でした。

 黒田のカープ復帰は歴史をぬり変える

ところが2015年のシーズンは無残でした。勝てば3位でCS出場決定という試合の惨状をご記憶の方も多いと思います。優勝決定して二日酔いのヤクルト。翌日に広島まで遠征して、もう消化試合で「どうぞ勝ってください」状態でベンチで居眠りしてる奴までいたヤクルトになすすべなく完敗したのです。なんと4位が決定。そのあげくに公式戦最終戦は中日に恥ずかしい1安打完封負け。ここで50年の愛情は燃え尽きるに至りました。

思えば判官びいきの僕は弱小球団だったカープを愛していたのであって、黒田、マエケンのメジャーのエース級2枚看板をはるチームなんて・・・というアンビバレントな(愛憎半ばする)気持ちも裏腹にありました。1975年に初優勝して一時強くなったのですが、戦力の厚みでいえばベンツの巨人に1500ccの国産車が挑むみたいな「ぎりぎり感」が常にあったものです。

去年に書いたブログで「黒田」のはいったタイトルを数えると10本ありました。それは勝利への渇望のみならず世間で「男気」と称していたものの重み、それにチームがこたえて欲しいという願望の現れでもありました。だから昨年7月のこの勝利がうれしかったのです。

新星・薮田が黒田の仇討ち

結局、この薮田の気概のようなものがチームに浸透するのに1年かかった、プロの世界はそう甘いものではないということだった。今年わかりました。「カープ野球」は50年前からあって、投手力、機動力、守備力など、長打力不足を補完するものすべてが徹底したスパルタ練習によって磨かれ、巨人、阪神相手でも気後れなく戦う。だから優勝できたし日本一に3度もなれたのです。当時より優秀な選手たちがそれをやり、黒田の戦闘姿勢と技術を体得すれば、今年の圧勝は不思議でもなかったわけですね。

黒田スピリットを若手に橋渡ししたのは新井と思います。新井のキャラクターが触媒としてあったからでしょう。その結果、黒田、新井の「出戻り組」が自信と闘志を与えるという歯車の順回転がはじまり、資質のある若手が100%の力を発揮した。去年とそう戦力は変わらない、むしろマエケンの抜けたマイナスがあったのだから、その効果が大きかったと思われます。

僕は野球ばかりでないものを黒田に見てました。

コピペ、STAP論文捏造、偽ベートーベン、おれおれ詐欺、食品偽装、やらせ、なりすまし・・・・こういう国辱ものの大嘘つきどもが吐いたり書いたり貼ったりした軽~い言葉、それを報じるマスコミや評論家やネット民の軽~い言葉。私利私欲や小遣いかせぎで議員になったような唾棄すべき連中の軽~い選挙演説や泣きわめき。 

今に至っては、大嘘をつきまくって20年以上も法律違反しながら国会議員、国務大臣までしていましたなどという者まで出現し、「私の中では違う理解でした」(国会議員が法律を知りませんでした)などとほざいておいて、でも首相候補ですけど、などという世界が仰天する大事件がおきている日本国なのです。

黒田は男気があるなどという次元の話ではなく、「日本人はこういうもの」という模範を示してくれたのであって、そういう種類の人間には逆立ちしても及びもつかない、世界に誇るべき尊い美徳を示してくれたと考えております。

参りました。黒田博樹のおかげで、シリーズはまたカープを熱烈に応援することになりました。

 

 

 

 

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Categories:______広島カープ

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