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僕が聴いた名演奏家たち (ヘルマン・プライ)

2017 JAN 14 11:11:11 am by 東 賢太郎

201307210527ラインガウのエバーバッハ修道院(Kloster Eberbach 、左)はフランクフルト時代に最も思い出深い場所の一つです。ヴィースバーデンとリューデスハイムの間の丘陵にありますが、中世の修道僧が財政補助としてワイン作りをはじめたため葡萄畑に囲まれています。

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ここで産するリースリングワイン・Steinberger(シュタインベルガー)の上級品トロッケン・アウスレーゼは絶品で、ドイツワインといえば僕の場合はこれです。日本からのお客様はここへお連れして酒蔵(下)での試飲つきのランチでおもてなしというのがほとんどでしたから何度訪れたかわかりません。大企業のトップばかりですがご不満げな方はおられなかったですね。

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rheingauこの一帯がラインガウですが、夏季に小ぶりながら中身は充実した音楽祭が毎年この近隣で行われます。Rheingau Musik Festival(右)です。日曜日は店が完全休業ですることがないのですが、ここで午前11時からコンサートがあってそれから院内のレストランへ行ってワインでランチというのは大変けっこうでした。皆さんドイツは食事がまずいイメージと思いますしなかなか住まないと行けないのですが、こういう場所の食のクオリティは高いのです。6月の白アスパラの時期はとくに天国です。音楽好きは機会あればその時期に行かれることを強くお勧めします。

prey音楽祭ではゲルハルト・オピッツのベートーベンソナタ全曲が楽しめましたが、今となると貴重なこのようなものもありました。マインツのクアフュルストリッヒ城で1994年7月18日、ヘルマン・プライ(1929-98)によるブラームスのリートの夕べです。プライというと若いころのベームの「フィガロの結婚」のジャケット写真(左)を思い出しますが、65才でも面影は残っておりました。ピアノのレオナルド・ホカンソン(1931-2003)はブラームスの室内楽も聴かせてもらって感銘を受けた人でしたが共に故人になってしまいました。ああドイツだなあ、幸せだなあ、と思いながら楽しんだのを昨日のように思い出しますがリートのリサイタルを聴いたのはこれが初めてで曲はまだほとんど知りませんでしたね。

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プライのバリトンというと知っていたのは上記のフィガロ、ショルティ盤のパパゲーノでひたすら明朗、暖かい人柄という印象でしたが、この日のイメージはそれだけではなかったと記憶しております。「4つの厳粛な歌」(作品121)は第3曲ホ短調に交響曲第4番の主題が現れ「ああ死よ、おまえを思い出すのはなんとつらいことか」と名付けられていることから4番の意味合いが窺われる曲ですが、むしろこの曲に焦点があったでしょうか。それがプログラム最後のドイツ民謡集で本来のプライの明るいイメージに戻って何かほっとしたような、遠い昔でそのぐらいしか覚えてませんがそんな気持ちで帰宅いたしました。

リートはオペラよりも言葉の音楽に対する詩的意味合いが重いですからね、どうしてもドイツ語がわからないとという部分があって不勉強を呪うばかりです。せっかくいたんだからもっとまじめにやれば楽しみが増えてた。後の祭りとはこのことです。

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