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ヤクルト・畠山選手の引退

2019 SEP 21 23:23:54 pm by 東 賢太郎

野球をたくさん観てる割には記憶に残るシーンはそう多くないのは不思議なことだ。毎試合毎試合それなりに「あのシーン」というのはあるのだが、その試合では決め手の一球や一打ではあっても試合の記憶が薄れるといっしょに忘れてしまう。勝敗ではなくプレーとして印象があるのが「あのシーン」になっている。

今日、ヤクルト・スワローズの畠山選手が引退した。僕は16年間も野球に飢えた海外生活を送り、2000年に帰国してから神宮に通いつめた。カープファンではあるが実戦をみる機会はヤクルトが多く、その年のドラフト5位で入団した彼をずっと見てきたことになる。

意外に多くはない「あのシーン」。神宮のネット裏3列目あたりで、すぐそこで目撃した畠山vs前田健太はたぶん2015年だったと思う。試合経過はまったく覚えていないが、鬼気迫る真剣勝負である。前田の投じた数球を4番畠山がフルスイングでファウル。その気迫に前田が応じ、打てるもんなら打ってみろと投げた高め148キロは速かった。空振り。そのスイングに度肝を抜かれた。こわっ、プロって、あんなに振るもんなのか・・・。そのフォロースルーで彼は腰を痛めたんじゃないかと思うほど凄まじい空振り、あんなのは以来一度も見てない。

勝った負けたはいい。僕はああいうプロのプレーが見たくて足を運ぶ。カープファンではあるが、なによりそれ以前にベースボール・ファンだ。

今日の引退試合、畠山の打ち上げたセカンド後方のフライがポテンヒットになった。試合はもう決しており、ひょっとしてセカンド阿部のプロの技かなあとも思ったが、ともあれよかった。「あのシーン」として残りそうだ。そういえば横浜の三浦大輔の最後のバッター、ヤクルト雄平のマン振りの三振、あれこそプロの技で、涙が出た。

館山も引退だ。いいピッチャー、カープにはいやらしいピッチャーだった。ヒジを何度もやってトミー・ジョン。175針も縫って投げ続けたのは敬意を表するしかない。プロ野球はいい。閨閥も学閥もコネもない。2世**なんてのはいない。みな力でのし上がっているからお互いに敬意がある。スポーツの良さはノーサイドになった時のそれじゃないかと思う。ささやかながら、自分の記憶の中でも負けた試合後に相手チームからナイスピッチとかけられた小さな声が一生の大きな思い出になっている。

 

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Categories:______プロ野球

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