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2つの事件の「何か変」(ロジック不整合)

2023 DEC 10 16:16:46 pm by 東 賢太郎

大昔に読んだエラリー・クイーンを読み返している。「解ける解けない」を売りにしたミステリーの開祖だ。クイーンほど自分にフィットした小説はなく、いっとき熱中して性格形成にまで影響があった気がする。殊に「エジプト十字架の謎」は名作と記憶しており、犯人指摘のロジックが「背理法」で揺るぎなく、あることに気づきさえすれば犯人が当てられるフェアプレーでは全ミステリー中の最高峰と認識していた。そこまではっきり覚えてたわけだ。ところがだ。今回その「核心の箇所」に来て、あれっ、こいつが犯人かとなった。つまり覚えてたのは “ロジック” だけでストーリーはおろか犯人すら忘れてたわけだ。「自分の脳の癖」を発見した瞬間である。

僕(の脳)は宇宙を、

真理=数学 ≈ ロジック ≠ 人間界

と認識しているように思える。見聞きしたものをすべてこの式のどこかに当てはめて理解する、それが癖だ。「エジプト十字架の謎」を読む前のロー・ティーンからロジック偏愛型であり、だから人間界のあれこれに関わる文系科目はまったく興味なく点数も人並みで、東大は数学だけで入った。

文系の僕がそう書くのもおこがましいので事実をあげる。駿台公開模試(昭和49年2回目)で数学は満点、偏差値80ぐらい。昭和50年東大入試の二次試験設問2は「何か変だ」と感じて作題ミスを見つけ、答案用紙にそう書いた。その分、別な1問に小さい傷が残って時間切れになったがほぼ満点(作題ミスも含め確認)。文系は文理共通の4問だ(理系は数Ⅲ2問を加えて6問)。

この「何か変だ」は根拠があるのではなく鼻(直感)だ。物的証拠が欠けているからこの問題は解けない(=作題ミス)ことをロジカルに証明できそうだ、という「感じ」である。

ちなみに、安倍事件と木原妻事件の2つにそれを感じる。東大の設問2と同様、作題ミスがある。答案(報道)から問題(事件)を逆算するとあり得ない初期設定になる背理法で証明できる(東大設問2では ℓ ≠ 0 の条件が欠落していた)。

一般人だから特別な情報はない。ロジックだけだ。数学だからそれと異なるいかなる答案も零点である。零点の答案を見せられても困る。

後者事件は12月7日にテレ東が報道したが条件の補完はなかった。このままだと報道されていない欠落によりそのまま「不能」で終わる可能性がある。

本件の社会問題性や木原氏への責任遡及には僕は興味がない。ただただ、作題ミスを放置するのが気持ち悪い「脳の癖」だ。

 

 

 

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Categories:______ミステリー, ______気づき

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