Sonar Members Club No.1

since September 2012

今の子は憧れは憧れで終わり「推し活」する

2026 JUN 28 4:04:52 am by 東 賢太郎

「東さん、それ甘いです。今の子は憧れは憧れで終わらせます。せいぜい頑張って推し活です。新興宗教と思ったほうがいいです」

思いつきの事業プランに一喝を食らわしてくれたのは40代の後輩だ。土曜日に10分でいいですからとズームを入れてきた。いま3つも4つも案件が錯綜し疲れてる。僕は集中型なので2つでも半分以下ずつになることを彼は知ってる。

「せいぜい頑張って推し活。それって新興宗教である。なるほど、自分でやらねえってことか」

「やりたいけど金ないです。生活で目いっぱいだと志もなえてきます。だけど夢や願望はある。それを好みのアイドルやスポーツ選手の活躍に託すんです」

「宗教ってその人が教祖様になっちゃうってこと?」

「憧れてはいるけど雲の上の人みたいに敬うんじゃないです。でもただのファンでもないです。推してる自分が正しくて素敵でいたいわけです。だから輝いて欲しい。それが自分の存在確認だし、そういう子どうし仲良くなれるし、おひとり様化する社会で精神的に何かに所属していたい。そういう子が増えてきて、かつてないアイデンティティのよりどころができたって感じです」

「なるほどそうか。たしかに昔からビートルズファン、カープファンはいたけどだから仲良くなるってことはなかったね。『ファンの法人化』かな」。

「ちょっとは似てますけど法人ならNPOですね利害じゃないから。推しの対象に強い主観的な思い入れがある点で宗教法人に近いと思います。それも伝統的なのじゃないでしょ、だから新興宗教なんです」

「ありがとう、とてもよくわかりました。まさに時流だなあ、でもちょっと寂しい気がするな。俺だって団地っ子で家は金なかったし両親も普通の人だったし、でも、何の根拠もなくやればできると思ってたんだ、やれた理由はそれしかないよ。だからいきなり金がない、自分は無理ってなっちゃうのは悲しいな」

「いえ、こう言っては申し訳ないですけど東さんはその時代だからできたところもあるんです。いまの子たちだって初めから諦めてはいないんです。でも壁が厚い。金持ちの子は初めから壁ないから大差あります。 100m競争でスタートラインは自分だけ10m後ろみたいな。モチベーション落ちますよね」

「確かに俺のころ世の中スタートラインは同じだった感じだな。でも金持ちの小学校に入れられた俺としては大差があったんだ。それでいじめられたし、俺ならまだしも親をバカにされてるってことでしょ、この野郎と思ったね。だったら倍返しで差をつけてやろうって、それが強烈なモチベーションになったんだよ」

「僕もそういう経験あります、はいモチベーション大事ですよね」

「それってね、モチベーション上げる催眠術があるわけでもないし、学校が上げかた教えてくれるわけでもないし、あったってやることなきゃ意味ないでしょ。勉強でもスポーツでも文芸でも、その道に才があって、もっと磨こう上手になろうってのが理想だよ。でも俺は本当に何にもなかったんだ。体が大人になった高校でそれを確信した。だからその頃なんてもう思い出したくもないよ。そのままだったら本当に暗くてつまんねえ人生になってた。でも小学校でメラメラと芽生えた『クソ、この野郎!』があってね、実はこれぞモチベーションだったんだ」

「東さんご両親をとても大切にされてますよね」

「うん、先祖を大事にしない者は滅ぶって教わってきたからね。だから親ガチャなんて言葉は良くない、口にするだけで不幸になるよ。世の中ひどい親のニュースも流れてくるけどそれはその先祖が不敬だったんだ。だから自分がそうだと子孫まで不幸になる」

「その辺って宗教的、スピリチュアルじゃないですか?」

「そうだよ、俺は理屈っぽく見えるかもしんないけどすごくそうだ。人間ってねみんな個別に動いてるけど集団や社会になると集団的意識の影響を受けてる。遠目に見るとみんな同じ模様のフラクタル現象ってのがあるけどそれに似てる。そんなのオカルトだ、科学的じゃないっていう人のほうが圧倒的にが多いよ。でも俺はそのコメントの方が科学的じゃないと思ってるよ」

「先の衆議院選挙で若年層の社会現象みたいに言われた『高市推し活』ですけど、自民330議席の追い風だった気もするんですよね。あれって目には見えませんし数字にも上がってこないんですけど、これから世の中を変える力になるかもしれませんね」

「なるさ。でもみんなわかってないからね、それはSNSの力だってことになってるでしょ。見事にわかってないね。単にSNSという媒体で垂れ流せば良くも悪くも効果あると思ってる。高市秘書が相手をたたいたのどうのとデマ飛ばしてるのもそれでしょ?それってね、田んぼに立派なコンサートホール造ってウィーン・フィル呼んでくれば文化度が高いって思ってる箱物行政と同じぐらい田舎もんの考えなんだ。媒体(メディア)という箱なんか何の価値もない。すべては中身の問題なんだよ」

「言ってること自体が無知をさらけ出して恥ずかしいうえに中身がデマってばれちゃったわけですからね」

「俺は二子玉川公園で高市さんの演説聞いてて、何千人の群衆の中でリアルの圧を肌で感じたからね。あれは全員の脳から強烈に発していた電磁波だね。満場にあふれ返ってた推し活の意識っていうか『推し圧』だよね。迷ってた人もいたと思うけど、もうあそこにいたほぼ全員が自民党に投票したと思うよ。そういうパワーは確実にあるよ。それを単なる人気と呼ぶかパワーと呼ぶかは人それぞれだけどね」。

「その潤滑油になったのがSNSですね。簡単に仲間になれますからね、今まで1+1は2だったのがあっという間に3になり5になり10になります」

「それはね、コンサートホールはなくたって日本中のあらゆる都市で淡々と乗数効果になってる。誰でもインフルエンサーになれるから、発信する1がすぐ10になって、それぞれすぐに10になるからあっという間に100だ、例えば俺が1つブログ書くと 1日で5千ぐらい読まれる、毎日ね。これが乗数効果だね。俺は物書きでもインフルエンサーでもなんでもないけどね、読まれちゃうのはしょうがないよね、止めようがないから」

「はい。しかも発信する人も受信する人もコストはゼロです。これってものすごく大きなことです。ディファクトを作ったプラットフォーマーは広告主から金をもらってますから我々ユーザーはこれからも永遠にただです。オールドメディアは視聴率を失うだけじゃなく、金づるの広告主を失っていくのでもう致命的です。たくさん読み手がいますから発信する人は頑張る必要ありません。はじめは玉石混交でも自然にやっていれば良いものは選別され、スーパーインフルエンサーだけ残ります」

「コストを回収しなくちゃいけない紙媒体は部数が減ると経営できないから頑張る必要が出てくるだろ。すると、買ってもらうためにはとんがったネタ狙いでリスク取るしかなくなってくる。ガセネタやっちゃうとSNSがそれを拡散しまくるから1があっという間に100になっちゃう。信用ってのは量の関数でもあるんでね、SNSは叩いてるわけじゃないんだけどそういうターゲットになるとまともな人に信用されなくなる」

「そうなるとますますリスク取るしかなくなりますね」

「それってさらに重大なんだよ。だってその姿勢自体が経営リスクそのものだからね、アナリストが株価レポート書くとき間違いなく大きなネガティブ要因になる。だから上場企業なら株価が下がる。つまり利益のみならず社会的価値まで落とす。これで潰れた大企業、いくらもあるんだよ」

「いまオールドメディアはその道を走ってますね。だって高市イジメでリスク取りまくってついにガセネタ報道やっちまったし」

「報道機関には致命傷だよ。消防署が不注意で火事をおこしたみたいなもんだ。なぜそこまで突っ走ったかっていう原因がこれから淡々と静かに社会的に注目されるだろう。一番怖いのはそれだよ」

「高市推し活って宗教だって見抜けなかったんでしょうね。宗教って弾圧されるとますます結束しますからね、いじめると支持率に貢献するパラドックスが働くし、いじめた方は次の選挙でSNSに書きまくられて報復されます」

「分かってて何かの圧力で仕方なくでやってるかもしれない。高市さんはそいつらを撲滅したいなら、もっと理不尽にいじめてくれって思ってていいぐらいだ」

「そうですよね、国民が理不尽だと思えばもっと同情票が入ります」

「とするとね、圧力かけてる一味の筆頭が反高市の党内野党ということになるよ。高市を引きずり下ろせばチャンスが回ってくるし、だめな場合は高市人気が続くから自民党の傘の下で自分の選挙は安泰だ。だったらやるっきゃないだろ、財務省にも恩売れるし」

 

Categories:政治に思うこと, 若者に教えたいこと

▲TOPへ戻る

厳選動画のご紹介

SMCはこれからの人達を応援します。
様々な才能を動画にアップするNEXTYLEと提携して紹介しています。

ライフLife Documentary_banner
加地卓
金巻芳俊