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黒田の投球を初めて見る(追記あり)

2015 JUL 1 0:00:37 am by 東 賢太郎

きょうは東京ドームで広島・巨人を観戦、中村兄にお誘いいただき感謝です。

先発は黒田と高木勇で、6回まで両チームで4安打の0-0という緊迫した投手戦となりました。高木は変化球が良いと聞いておりましたが、実際には球が速いです。球速表示は145kmぐらいですが、一塁側から見ていて、体感がそういう感じでした。

特に6回一死二塁でシアーホルツを見逃し三振に取った内角低めのストレート、ほれぼれする伸びとスピードと球威で、打者は低いと思って見のがしてるのがグーンと伸びてミットに快音をたてる。震えが来ました。あれはプロの球です。彼が好成績な理由がわかりました。

kuroda

いっぽう黒田(右)はツーシーム、カットボール、スライダー、フォークを散らして6回まで1安打無四球の零封で、初回に立岡のヒットがなければ完全試合もという完璧な投球。彼も変化球ばかり話題ですが、球が速いのです。カットで140近く出ている。ツーシームはストレートなみだから右打者はぜんぶ詰まってました。

とにかく6回までの18アウトのうち外野に飛んだのは長野のセンターフライだけ。残りの17アウトは内野ゴロ8、三振7、遊直1、盗塁死1ですから、巨人打線は手も足も出なかったということがお分かりいただけるでしょう。

8回に一死無走者で黒田がそのまま打席に。そうか8回も行くんだ、ここは球場もカープの気迫を感じました。三振でしたが強振したファウルもあり、ずいぶんねばりました。すんなり三振に取れないと投手は球威が落ちたかなと思うものだよと話しました。

実際落ちていたのか、次打者の丸にホームラン打ってもらうしかないなと中村兄と話していたらバックスクリーンに打ち込み1-0です。ここは球場も興奮のるつぼです。黒田は7回に長野に2塁打、8回には相川に三遊間を抜かれて、8回終了して被安打3、投球数は102でした。こっちもコントロールがやや甘目になっていたかもしれません。

9回表、巨人はマシソンを出してカープのクリーンアップを押さえこむ。さてベンチはどうするかと思いましたが、9回も黒田の続投でした。

これはその時点で快哉を叫びたい決断。なにせ、その時点で外野アウトはまだ1本しかなかったのです。長野の中飛と3本のヒットしか外野に飛んでない。球威はやや落ちて阿部に四球ひとつでした。9回は行くしかないでしょう。中崎、大瀬良がまだまだ信用がないということでもありましたが。

そして9回裏、長野が狙ったようにライト前ヒット、立岡は外角にすっぽぬけた?スライダーで空振り三振、そこから坂本、阿部に連打されて同点。そこまで坂本は2ショートゴロ、阿部は2三振でしたが。そしてそこまで3セカンドゴロの亀井に左犠飛を上げられて2-1のサヨナラ負けでした。このフライがこの試合2本目の外野に飛んだアウトでした。

こんな投手戦は人生に何回見られるだろうというもの。黒田、高木両投手に拍手です。二人ともベストピッチでこれが見られただけでも感謝です。

9回、マウンドに登った黒田、彼を送り出したカープベンチ。結果はこうなりましたが、これぞ僕が待ち望んでいた攻めの野球。黒田の完封勝ちが見たかったが、これからの楽しみにとっておきましょう。

 

(追記)

この試合のドラマです。

黒田の第3打席の気迫はすごかった。8回表のあそこで打席に立ったというのは完封したるでということであり、自ら高木を倒しに行きました。それが丸に伝わったと思いたい。

その裏。先頭の高橋由伸を三振に取った内角に落ちる131km、スライダー、スプリットにしては出ていないと不安に思い、ドームはすぐビデオが出るのですが握りはフォークで安心。由伸のような打者から二つ目の三振、それも疲れが出てる8回に。

そして9回。前の打席でセンターオーバー2塁打の長野にあっさり一二塁間を破られます。右を狙っていた感じのスイングでした。長野は最初から引っ張らずセンターから右なんで石原のリードがどうだったか。無死一塁。ここで代走鈴木が出ました。

打者は立岡です。第1,2打席がヒット、ショートライナーと黒田にただ一人合っており、7回の第3打席は、無死二塁で誰もがバントと思ったらバスターでした。しかも芯を食ったファーストゴロで前進守備だった新井の真正面だったから奇跡的に助かった。

それが黒田の頭にあったでしょう。

ここは緒方ならバントですね。いや絶対に。ところがここが原は勝負師だ。違う。バントの気配なし。走るかエンドランかです。黒田は何度も執拗に一塁牽制。想像ですが、立岡「如き」に勝負に出させる?なめんなよこのやろーと思っただろう。気持ちわかります。でもあのバスターの当たり(芯だった)が記憶にある。葛藤があったと想像します。見るに、鈴木は走る感じはしませんでした。あれは揺さぶる心理戦だったと思います。

渾身のストレートですぐ2ストライクにします。

ここでベンチで原はあ~あという顔。そして外角高め、握りはスライダーで、たぶんすっぽぬけで投げた瞬間やばいと思った球を立岡は空振り三振。その瞬間に黒田がもの凄い形相でなにか二言三言吠えました。火花散るものがあった。立岡というより原にでしょう。これが伏線だったですね。黒田を熱くさせた。ベンチワークとはこういうものだ。緒方にビデオ見て欲しい。

それで一死一塁。次打者坂本。ここでよくわかってない球場は勝ったかなというムードになりました。しかし、菊池、田中の二遊間がゲッツーシフト。あれはいらんでしょう。僕としては田中の二塁寄りが引っ張られるといやだなという感じに。その前までツーシームでショートゴロ2本だったのだから・・・。

そうして坂本に置きに行った?感じになったカットかスライダーが甘く入った。結果論ですが、ただでさえ今度はツーシーム来ないと思ってただろう坂本があのシフトでもう来ないと読んだんじゃないか。こういうとこですね。低目には行ったが引っ張られて左中間にヒット。芯に当たってました。これが痛かった。

そして迎えるは阿部。一死一三塁。その前の第3打席(7回、二死二塁)で、黒田が唯一力んでフォークがワンバウンド。これを石原がありえない又抜けで二死三塁になり、敬遠気味に歩かせてました。だから高橋を三振に取ったあのフォークは投げにくいだろう。参ったなという感じ。

ここからの阿部、亀井の集中力は見事です。こういう所で打てる。いうことなし。打率じゃない、こういうのが超一流のバッターです。

黒田を初対戦で倒すという巨人の気迫、そう書くと月並みになってしまうなあ、猛獣の対決ですね、相手がちょっと弱ると一気に襲いかかって殺す。そういう感じ。ベンチも一体となって。この恐ろしさは巨人だけです、強いです。

結局、黒田一人対巨人軍ベンチ全員となって、負けた。だから結果はいい。わかる者には黒田がいかに凄い勝負師かが目に焼きつきました。20億円もらう男は違うんですよ。3千万円ぐらいのやつらにわかるかどうか。これを見てカープの全員がどうするか。そこですね。

 
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Categories:______広島カープ, 野球

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