大リーグ挑戦の大谷君は「できすぎクン」か?
2012 OCT 22 14:14:23 pm by 東 賢太郎
孫さんに続いてまた小気味いい記事を見ました。
花巻東の160キロ投手、大谷君が1位指名確実のドラフト会議を前に渡米宣言!
なんとambitiousな男の子だろう。内向き志向、国内牧場限定放牧種の草食系男子は何と思うのだろう。
あのダルビッシュ有が、日本ハムのファンとの約束を覆してメジャーにいく理由を涙ながらに札幌ドーム球場のマイクの前でこう語りました。
「お前の球、もう誰も打てないよ」
「登板する試合の前に相手チームからこういわれて、冗談とわかってるんですけど、ここは自分が野球を続けるところではないと思いました。ファンの皆さんごめんなさい。」
ものすごくよくわかります。彼はレンジャースに行って本当に良かったと思います。
ドラえもんにたしか「できすぎくん(出木杉君)」という子が出てきました。日本はできすぎはダメなキャラなんです。弱いもんがみんなで仲良く傷をなめ合って生きていく互助会の和を乱すからでしょう。むしろ「出来なさ杉君」が誉められたりする世界でも類のない不思議な国です。マルクスは持論を日本で「布教」すればよかった。最強のユートピアができたもしれません。僕は絶対に住みたくありませんが。
アメリカを礼賛する気はありませんが、あちらのヒーローはみんな出木杉君です。それを認めたほうが全員が救われると考えています。ヨーロッパだって中国だって、明治時代までの日本だってそうでした。出来なさ杉君の侍がどこにいたでしょう。そんな奴に国が守れるでしょうか。侍が絶え、戦争で人材を失い、残った人に非武装化(disarmament) 教育を施した行く末がこれなのでしょうか。そういう連中が政権をかすめ取って、領土問題はいいように間隙を突かれてこじれています。侍がいないということは町人しかいないに等しいです。他の国がそんなおとぎの国のようなユートピアを指をくわえて見ていてくれるでしょうか。太った豚が平穏に生きのびた例は世界史上一度もありません。
僕は野球の話をしていますが、コトは野球程度の話ではないのです。
メジャーは無理だが一般人よりは野球がうまい連中が互助会作って、興行やって金をとる。素人の眼なんかパフォーマンスでごまかせる。八百長はあかん、それはそーや、そやけどオマエそこは阿吽の呼吸つーもんがあるやろ。オレも生活かかっとんやから先輩のカオたてんかい。たまには甘いとこへ球おくとか。サムライもええけどたまにはヒラメもせーや。こういう風にダルビッシュには聞こえたのだと思います。いや、その素人だってだんだん眼が肥えて騙されなくなっているからこそ野球人気が落ちているわけですが。
彼は、自分の仕事はバッターを打ちとること、とはっきり言っています。あたりまえです。ピッチャーをやっているような奴が「フォアザチーム」みたいなことを言ったら、そいつはウソつきかヒラメ(監督の評価を気にするサラリーマン)です。打者と勝負している時にチームのことを考える余裕なんかあるはずがありません。頭には一人一人出てくる打者に勝ちたいへこましたいという闘争本能以外に何もありません。
そのバッターが真剣勝負はやめようぜという空気を発して話しかけてくるなど、まじめなピッチャーからは言語道断で、職業を変えないかと言われてるのに等しいことです。そりゃあ職業を変えるしかありません。私事で恐縮ですが、僕ごときですら「ホームラン打ってやるからな」という先輩の一言で男の子として一本立ちできました。人生の恩人です。あそこで、「東、直球で来いよ」とか「一本打たせろよ」なんて言う先輩であれば、僕はあのブログ(「オトコになった日」)を書くことは永遠にありませんでした。
最後に、日本のプロ野球がスポーツでなく興行化しているのはファンのレベルが低いことが一因です。野球という競技ではなく有名選手目当ての人(ライオンを見に行くサーカスと変わらない)、またはご贔屓球団の応援でカネや太鼓で盛り上がりたい人(村祭りや阿波踊りと変わらない、実にうるさい)が全体の80%は占めています。こういう人は試合のプロセスではなく結果として勝てばOKなので、巨人のように「他人様の4番打者かすめ取り」戦略のチームが出ます。こうして本当に野球が見たい大勢の人は球場を離れていくのです。
まあ、野球の話なら百歩ゆずりましょう。しかし国政の話でファンのレベルが低いとしたら、百年先の日本は由々しきことになっている可能性があります。皆さんどう思われますか?
Categories:______プロ野球, 若者に教えたいこと, 野球
泉 喜章
10/23/2012 | 9:41 AM Permalink
83年に勤めていた会社で会社の機関誌に何か書けと言われて「出る杭は引き抜かれる会社にしよう」と書きました。
社会人3年目で少しだけ仕事ができてた勘違いした生意気盛りの時ですが、でもそのあといろんな方が同じ事を仰られるようになりました。
その後バブルが弾けて以降そんな事は「悪」に戻り今に至ってる気がします。
海外との圧倒的な「差」を認識してるのに自分の場所がなくなる恐怖から日本の若者はとても慎重になりました。
もっとばかやって暴れて、外人と肩を並べられるようになってほしいです。
中島 龍之
10/23/2012 | 11:52 AM Permalink
大谷君の大リーグ挑戦は喜ばしいことです。ルール上は、日本のドラフトにかかっても、大リーグの獲得は可能なので、日本のプロ野球関係者(某球団社長ですが。)はルールの再検討をと言ってましたね。大谷君の場合、高校の先輩である菊池雄星投手のドラフトの時も大リーグが勧誘していましたが日本のプロ野球に入り伸び悩んでいます。入団当時「いじめ」があったとかなかったとか。その真相はわかりませんが、有名選手のまわりの雑音のない大リーグでやる方が本人にとって良いのではないでしょうか。日本のプロ野球界も球団フロント改善等が必要だと思います。