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ドビッシー 「ベルガマスク組曲」

2014 JAN 13 1:01:26 am by 東 賢太郎

地中海めぐり編、イタリアはミラノの北東ロンバルディア州のベルガモを舞台としたドビッシーのピアノ曲だ。

ベルガモというと、2003年だったか東京から出張してゴルフをしたのを思い出す。風光明媚で肥沃な土地だ。コース名は忘れたが支店長が心して連れて行ってくれたのだから名門だったのだろう。途中で雲行きが怪しくなり豪雨となった。雨は気にしないが雷が来たので仕方なくリタイアした。これもいい思い出だ。早めのディナーとワインが美味だった。

最近これはあまり聴くことがなくなってしまった。他人の演奏をじっくり聴くほどの曲ではなく、あくまでドビッシー初期の甘目の音楽である。しかし僕の程度のピアノ初級者にとっては、弾く音楽としての価値が非常にあるのだ。同じフランス近代物でもラヴェルと違って弾きやすい。必要な技術の割に演奏効果があって、ブラームスのコンチェルトの対極にあるといえよう。僕と同じ程度の方がおられればぜひチャレンジをお薦めしたい。第1曲「プレリュード」、これは比較的やさしいがやはり気持ちがいい。第4曲「パスピエ」を弾きたいがなかなか左手が難攻不落だ。第3曲「月の光」は誰もが知っているし簡単である。ポップス化しているが僕はこの曲はあまり評価していないので弾かない。さて第2曲「メヌエット」である。これは好きであり、いま練習中である。

メヌエットで何度弾いても夢中になるのはここだ。下の譜面で5小節目。この左手のファとソの9度の響き!う~ん、気持ちがいい・・・。麻薬のように僕を法悦の境地に誘い込む音響だ。これはワーグナーのトリスタンの子孫だなあ。

ベルガマスク2

後ろから4つの小節、ここは僕のようなへぼが弾いてもグランドピアノがオーケストラみたいにフルレンジで鳴りきってくれて最高の部分である。うまく書けているなあ。ドビッシーに座布団10枚!

さっき何年かぶりにこの曲のCDをいくつか聴いてみた。そうしたら自分のテンポはクラウディオ・アラウのに近いことを知った。彼最晩年のフィリップス録音である。もうひとつ近いのはアルド・チッコリーニのEMI盤である。どっちもロンドン~スイス時代に車のCDに入れてよく聴いていた演奏だ。三つ子の魂とは音楽にもあることを知った。

アラウの演奏です。

 

(補遺)

ロンドンではこれを毎日のように聴いた時期があります。ゾルターン・コティシュのピアノ。速めでクリスタルのような透明感ある演奏ですが、音楽はしっかりと呼吸している。名演ですね。

 

この子は小学生でしょうか、うまいですねえ。テクニックだけではなく感性がすばらしい。大変なものです。ヨーロッパの空気を吸われるのもいいかもしれませんね。

(こちらへどうぞ)

ドビッシー 「牧神の午後への前奏曲」

 

 

Categories:______ドビッシー, ______ワーグナー, ______地中海めぐり編, ______音楽と自分, クラシック音楽

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