是枝さんとの話(その2)-起業の大チャンス-
2015 FEB 27 1:01:14 am by 東 賢太郎
もういちど是枝さんとの会話です。彼女の住むNYではすごい日本食ブームだそうで、おいしいラーメンは20ドルでも繁盛です。前からあった健康食ブームとして寿司屋でカリフォルニア・ロールを食べるような人気とは内容がぜんぜん違ってきているそうです。
というのは、お寿司なら本物の味を知ってしまった人が銀座のクオリティの寿司を求めだしているのでそういう店がすごく増えている。もちろん値段はものすごく高いのですが、それでも繁盛しているようです。富裕層は良いものにはカネに糸目はつけません。
そこで、ここに行ったらアメリカで売れそうなものがいくらでもあったよという話題になりました。是枝さん、知ってたら絶対行ったのにと悔しがっておられましたが。
日本には日本人も知らないおいしいものがいくらでもあるし、売る方は広く売るつてがない。大きい会社なら商社が扱ってくれますが小さい会社はむずかしく、それでも試食すると光るものがごろごろあったのでもったいない話です。
売りたい人と買いたい人がいる。商売の基礎条件は完全に満たしています。ところがそういう商売はできていない。なぜかというと売る方は単品なんで限界があるからです。良い溜り醤油やノンアルコールのお屠蘇があってもそれだけじゃあ商売の規模になりません。ウチの醤油おかせてくださいっていうことで終わってしまう。
だからある程度の資本が多くの商材を集める必要がありますね。当然売れないリスクはあります。しかし長いこと証券を扱ってきて確信していることは「良い物は必ず値段がつく」ということです。売ろうと思わなくても、値段が見合えば必ず売れます。だから良い物を作ることに徹すればいいというのが商売の大原則です。ところが自分で作らなくたってビッグサイトには良い物はごろごろあったのです。
もうひとつ、食文化というのは味だけじゃない。食べる場所、作る人、雰囲気、マナーなどいろんなものが合わさってできる。女性、外国人の方にはお詫びしますが僕は寿司は日本人男性が握らないと食べません。どうしてってそういう文化を食べている。女性の板さんがいない(僕の知っているとこは少なくとも)のはそういうことです。
ということはオリンピックで東京に外国人が殺到して食文化ごと知るというのは本格的な日本食、つまりアボガドの寿司じゃないものが海外富裕層にさらに爆発的に伝播するきっかけになるに違いないんです。日本の文化で味わって、初めておいしいとわかる。京料理は日本人だって京都で食べてみないとおいしさは気がつかないのです。
以上、ヒントを書きましたが、ビッグサイトの名品をセレクトして欧米に売り込む会社を起業する大チャンスと思いますよ。ネットを使うんです。ファイナンスもクラウド・ファンディングでできる。僕自身は忙しくてできませんが、いいビジョンとアイデアを持った人がいれば出資したいしアドバイスもしてあげられます。
商社といっても生産者と海外リテールの間に入るわけだから両方に強い人脈を作ればいいのです。僕は欧米在住の日本人をたくさん知っているし紹介できるし、その人とパートナーシップを組んで起業するのですよ。若くてエネルギーのある人なら成功のチャンスは大いにありますね。
一例ではありますがそういうチャレンジ精神ある人はSMCへ連絡くださればお会いしますし応援します。
(追記、16年1月22日)
昼飯を時々たべる蕎麦屋にはいった。座ると目の前に小さな水槽がおいてあって、ちょっと大きめの金魚が一匹だけゆったりと泳いでる。よく見ると出目金なんでどこを見てるかわからない。目が合った気もするが、どうせわかってないだろう。こいつにとって人生は20センチ立方の空間だ。身をおきかえると、ぞっとした。
でも、水槽に敵はいないから気楽で平和だ。エサは死ぬまで、足りるだけ出てくるじゃないか。
何の不満があるんだ?
こいつはひょっとして日本人じゃないか。水槽の外から見ている俺には気がつかないで死ぬ。でも平和だし、エサも出るんだぜ。何の不満があるんだ?
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