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Yahoo,Googleのコメント欄はおもしろい

2015 SEP 9 21:21:30 pm by 東 賢太郎

僕は関心があるニュース記事をYahoo、Googleで見つけると、かならずコメント欄も読みます。何千あっても、全部読みます。そのことに意味があるからです。

例えばですが、アクセスランキング1位

司法試験漏洩 明大院教授、「女性びいき…やっぱりという感じ」

という産経新聞の記事に、いま現在で2221件のコメントが出ていて件数は時々刻々うなぎのぼりに増えてます。事情通の方でしょうかなるほどと教わるものがあるし、中身はともあれ同じ意見が何百もあればそれはそれで世論です。

もちろん投稿者に偏りや特定の層の色メガネがあるかもしれないし、匿名だから下卑たことも書けるという形の偏向もあるかもしれません。しかし、もっとマクロ的視点に立ってしまえば、そういう傾向も含めて「世論」だということです。

どういうことかというと、世論が形成されるプロセスは南国のミクロネシアあたりの海で海面温度が上昇してできた水蒸気が熱帯性低気圧となり、さらに台風となり、スーパータイフーンに育っていく、それと似た生成過程であると僕は思っているからです。

例えば上記の記事です。それを読んだ多くの人がコメント欄に投稿します。するとそのコメントを読んだ、特に強い意見のなかった人がそこから得た「総合的な印象」で意見を言いだします。そうやって新たな世論形成のプロセスに入ります。

この憲法学者は女子学生に「恋愛感情があった」と言っているらしいがそれ以上は確たる情報がありません。しかし「コメント欄」がすでに勝手にそれを想像して作ってしまっています。

すると、この事件は司法試験の公正性という本質からどんどん離れていき、面白おかしい記事として新たな読者を獲得します(熱帯性低気圧ステージ。つまり司法試験に関心はないが三面記事やバラエティ番組は好きな膨大な数の読者を呼び込みます。

すると、その膨大さゆえに「売れる商品」になると見てマスコミが根掘り葉掘り調べだします(台風ステージ)。すると時に新しい事実や醜聞が出てきて、一大スキャンダルになったりする(スーパータイフーン発生)。STAP事件がそうでした。

マスコミの友人によると、この「新しい事実や醜聞が出る」のは意外にも外部の調査よりも内部告発が多いそうです。そして、匿名で書けるネットのコメント欄にそういうのがまじってくる傾向が出ているとも。それが流布してまた別な熱帯性低気圧ができる。するとまた別な台風が発生するのです。

それが「ネット私刑(リンチ)」だとする声もあるし、事実でない醜聞をさらせば名誉棄損で告訴されるのは当然です。しかしそれは書く側の個々のリスクであって、ミクロの話です。事実に近い、少なくともうそではないことを多数の人が意見として書いているものを法的に取り締まるのはそれこそ憲法違反でしょう。

僕は私刑を認める者ではないが、憲法違反をしろと唱える根拠もない。であれば、新たな世論形成のプロセスができたと観念するしかありません。そして、Yahoo、Googleのコメント欄はますます書き込みが増え、なまじの弱小野党などよりずっと与党の政策に影響力を有する存在になっていくと思います。

ブログを書いていて自分の意見を公的に表明するのは楽しいと思いますし、お年寄りはいいボケ防止になるし、若者は情報の発信者として社会とコミュニケートするいい訓練になります。実名でやるのはどうもという人にはブログの代わりになるでしょう。

 
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Categories:______世相に思う, 徒然に, 若者に教えたいこと

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